『COLOR OF WHITE』レビュー
LAMUNATION! がここまで叩かれたのは、たぶんこれが原因なんじゃないかと思う
LAMUNATION! は去年のゲームだ。実はこのゲームについてほとんど知らなかった。OP を見たらやたらかっこよくて、音楽もいい感じで、設定をちらっと見た感じだと架空世界らしい。でもその架空世界も語りきれてないし、本筋がどこにあるのかも見えてこない。だから放っておいた。
実はこのゲーム、結構な人が期待していた。とある「ア・ズライト」って奴を除けば、もう一人は王さんだ。でも中国人が期待しても意味がない。このゲームの評価はやっぱり日本人の評価を見ないと……
で、日本人は LAMUNATION! をどう評価したのか。
中二空間のスコアを見ると……45 点。もうほぼ地雷と言っていい。
だから俺もずっと地雷だと思っていた。この手のタイプは見飽きている。大規模制作、豪華スタッフ、かっこいい OP、超宣伝、そして最後には脚本が精神病の末期に陥って何が何だか分からなくなり、地雷になる……例には事欠かない。
ところが最近、ある理由で LAMUNATION! にまた興味が湧いてきた。これは別に「地雷」なんかじゃなく、ただ何らかの理由で理解されていないだけなんじゃないか、と。
そう言うのはちょっと苦しい。理屈から言えば、ゲームのストーリーがどれだけ酷くても、作者の語り口がどれだけ下手くそでも、こちらが歩み寄って理解しようとすれば、たいてい「悪くない」と思えるものだ。でも LAMUNATION! の脚本の場合は、また別の話かもしれない。
あー……何て言えばいいんだろう。文化的な噛み合わせの悪さ? たぶんそんなところだ。
そこから話は LAMUNATION! の脚本・けっぽしの初期作品に遡る……

『COLOR OF WHITE』は同人サークルはいぺりよんが出した百合ゲーだ。このゲームに気づいたのは一曲のせいで、結月そらが歌う「スターチス」がすごくエモくて、調べてみたらゲームの OP だった。さらに調べると百合ゲーで、原画は……茉宮祈芹……
それで遊んでみることにした。
実は遊ぶ前に、脚本が LAMUNATION! と同じ人だとは気づいていなかった。目に入ったのは「たったの 100 円」という当時の宣伝文句だけだった。
ゲームを 100 円で売るって、天朝だと 5 元くらいの感覚だろう。マジですごい。
で、遊んでみたら本当に 100 円なりにすごいゲームだった。
まず、プレイ時間はだいたい 2 時間しかない。
次に、ストーリーは一句话で説明できる。双子の姉妹が突然自分たちが恋に落ちていることに気づき、最初はその感情に戸惑うが、別の百合カップルに導かれて戸惑いが消え、勇敢にカミングアウトして、おしまい。
実際このゲームは全然「百合」じゃない。同性愛の部分は 10% 未満で、ほとんどは会話、つまり日常だ。でもその日常が本当に新鮮だった。
新鮮なのは会話の内容だ。アメリカの映画やドラマをよく見る人なら分かると思うが、このゲームの日常会話は「アメリカ式のドライなユーモア」と「アメリカ映画の要素」に満ちている。この会話の組み立て方はどう説明したらいいか分からないが、軽口に近い。ただアメリカ的な軽口で、比喩にもアメリカの会話スタイルの要素が多く引用されている。そのせいで会話全体に英語とカタカナ外来語が詰め込まれ、ネタもアメリカのものが多く、アメリカのネットスラングめいたものもある。最近のだと LMAO とか。

正直、日本のエロゲーでアメリカ式のドライなユーモアで会話を書く日本人を初めて見た。そのせいで会話がひどく浮いている。本来なら姉妹で「お姉さん」「お姉ちゃん」と呼ぶはずなのに、会話では「Fuck You Fuck Me」だ。設定もかなりアメリカ寄りで、日本人なのに混血と言い張り、混血だとしても名前をカタカナで書いたら実は英語名だ。ヒロイン 1 はたぶん ashley、ヒロイン 2 はやや日本風。
正直、脚本の「アメリカ文化」への個人的な愛着と表現欲を感じる。二人の少女の会話は性別ともほとんど関係なく見える。時々日本式のツッコミが入るが、内容はずっとアメリカ的だ。個人的にはこの会話スタイルは新鮮だし、とても面白い。時々「日本人が真似したアメリカ映画」のような味がする。

でもこのゲームの脚本はやっぱり……何だろう。未熟? それとも妥協した? ゲームの序盤はほぼ全部が台詞の中の掛け合いだったのに、終盤になると脚本が「これ百合ゲーだった」と思い出したのか、慌てて告白シーンを一気に書き出し、その内容はアメリカ式ではなく標準的な日本式。何やら「気になります」「そばにいる」だの、ありきたりな台詞が並んで、そのまま雑に終わる……
そしてこのゲームにはとても……どう評価していいか分からない気持ちになる。

まず、会話はとても新機軸だ。日本の古いパターンに飽きていたところに、アメリカ式のドライなユーモアを持ち込まれたのは新鮮だった。作者にもネタはあるのだろう。きっとアメリカ映画を相当見ているし、アメリカの半ギャング文化もかなり参考にしている……たとえばゲーム冒頭で妹が PC に向かって GTA をやっているとか……
でもゲーム自体は実験作に近い。そうした要素は会話の中にしか存在せず、唯一の百合本筋に入った途端、標準的な日本式に戻ってしまう。断層が大きすぎるし、最後の突然の息切れ的な結末もあって、良い締めの印象は残らないだろう。
でもこのゲームはたった 100 円で、100 円のゲームにしてはこの長さ、この音楽、この画風(茉宮祈芹には全然見えないが)で、もう十分お得だと多くの人が言っている。
個人的には、このゲームの「アメリカ式の台詞」はとても独創的で、ちゃんとした企画で本気のゲームを作ればきっといいものができるはずだと思った……

もちろんご覧の通り、彼らは本当に本気のゲームを作った。LAMUNATION! という、日本人が言うところの地雷だ。
今になって LAMUNATION! の設定を見返すと、脚本が一発デカいことを企んでいる影が見える。LAMUNATION! の架空世界設定には GTA を参考にした痕跡があり、中の双子のヒロインもこのゲームの設定を参考にしている。会話は相変わらずアメリカ調で、音楽も同じスタッフ、ただし絵師は茉宮祈芹じゃない。
LAMUNATION! の問題はどこにあるのか。個人的な推測だが、このゲームは宣伝の段階でほとんどの日本のオタクに自分たちがどんな作風なのかを伝えていない……ギャルゲーを遊ぶ日本のオタクはいくつかのパターンに慣れている。そこに突然この台詞、ドライなユーモア、やたらと生殖器が飛び交い英語も混ざる罵り言葉、そしてやや映画的な語りの奇妙なカット割り。これはどうしても……訳が分からないという印象を与える。
たぶん LAMUNATION! がここまで叩かれたのはこれが原因なんじゃないかと思う。推測だけど。
あと、このゲームを通じてちょっとしたゴシップ的なことに気づいた。『COLOR OF WHITE』の原画は茉宮祈芹、脚本はけっぽし、音楽制作は cittan*。この三人はいくつかの作品で一緒にやっていたが、LAMUNATION! の段階では脚本と音楽は変わらず、原画が muku に変わっている。実際 muku の画風は初期の茉宮祈芹と非常に似ていて、茉宮祈芹は一昨年 muku と一緒にコミケで販売もしていたし、muku の本の宣伝も手伝っていた。

でも茉宮祈芹は脚本のけっぽしを Twitter でフォローしていないらしい。逆に脚本の方が彼女をフォローしている。
茉宮祈芹の Twitter は「フォローされたら、生きている人間か確認して必ずフォロー返しする」という運用らしい。ほら、俺のこともフォローしてくれた。でもこの脚本はフォローしていないし、この脚本の作品の宣伝も LAMUNATION! を含めて以降はしていない。しかも 2014 年頃にはこの脚本のサークルから離脱している。
もしかして……喧嘩した?
まぁ、まぁ、俺の勝手な推測だ。
最後に、このゲームの OP を勧めておく: http://music.163.com/#/song?id=26155430
cittan* という編曲者はマジでヤバい。この 100 円のゲームは、単に彼のアルバムの広告なんじゃないかと思う。
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