『タンテイセブン』レビュー
ここ数年のギャルゲーはたいてい定型化していて、大きく分けて三種類しかない。標準的な学園恋愛もの、超展開で血しぶきが飛ぶもの、そして最後に「遊べる」タイプのやつだ。
「遊べる」というのは、その手のゲームにちょっとした「ゲーム性」があるってこと。従来のビジュアルノベルではなく、選択肢がやたら多かったり、戦闘があったり、調査があったりする。
そう、調査。AVGで一番簡単に作れるのは「調査」と「推理」のシステムを追加することだ。ダンガンロンパみたいな調査画面を適当にこしらえて、推理の時には選択肢を山ほど並べて、当たれば加点、外せば減点。戦闘ありのRPGを作るよりよっぽど簡単で、「ゲーム性」を打ち出したいAVGメーカーがまず選ぶ手だ。
で、今月「タンテイセブン」というゲームがかっこよく登場した。タンテイセブン、つまり「探偵セブン」(以下「探偵セブン」)。宣伝では「パズル探偵」を売りにしていて、その宣伝ビジュアルがとにかくかっこよすぎた。かっこよすぎて、一目見た瞬間に『ペルソナ5』みたいだなと思ったほどだ。しかもOPもかなり燃える出来で、「何かありそう」な雰囲気を醸し出している。個人的にこういう設定は好きなので、今月プレイしてみた。

プレイしてみて、まあ大満足だったよ……(いろんな意味で)。
何かを評価する時は両面から見るべきだというので、まずはこのゲームの長所から語ろう:
長所1、独自のAutoUpdateシステムがある
普通のエロゲーはUpdate更新を提供するが、そのやり方はいつも自分で公式サイトからPatchをダウンロードするものだ。探偵セブンは起動時に自動で公式の更新をチェックし、新バージョンがあればそのままautoupdateしてくれる。Windows 10のUpdateと同じくらい便利で、マジでヤバい。これこそ業界の進歩ってやつだ。

長所2、かっこいいゲームスタイル
ゲームのスタイルやUIがペルソナ5にそっくりだと言うかもしれないが、似せるのも一つの技術でありセールスポイントだろう?絵柄が似ているだけでなく、エンジンも非常に強力でE-Moteは極められている。全員が動くし、表情も生き生きしている。画面遷移にもエフェクトが入り、とてもシンプルなギャルゲーには見えない。むしろ家庭用機に進出するゲームのようだ。特筆すべきは音楽で、ハーフジャズ・ハーフポップなスタイル。『血界戦線』のような、ちょっとだるい日常の雰囲気があって、テーマに非常によく合っている。

長所3、システムが多様で、パズル要素を含む
タイトルが「探偵セブン」なら当然パズルゲームだろう。だから標準的なパズルゲームの要素は全部揃っている。調査システム、尋問システム、そして「綻び探し」の言弾みたいなものまで。しかもそれだけじゃない。物語を一つ一つの「Mission」に分解していて、「Main Mission」と「Sub Mission」に分かれている。名前の通りMain Missionはメインストーリーを進める主要任務で、Sub Missionは本筋と関係ないかもしれない分岐だ。とはいえ名目上そうでも、Sub Missionの下に隠れているMain Missionも多くて、特定のSub MissionをクリアしないとMain Missionが解放されない。プレイヤーに選択の余地を与えていて、従来のギャルゲーのように脚本にレイプされるだけじゃない。逆に、好きなMissionを選んで自分好みの読み方で物語を追える。

長所4、ストーリーの柔軟性が高く、任務がモジュール化され、ネット拡張も可能
さっき言った通り、このゲームにはAutoUpdateがあり、しかもストーリーは全部Missionで提示される。つまり開発元はUpdateで新しいMissionを追加したり、新ストーリーを足したり、新任務を設定したりするのが簡単にできるわけだ。マジでぶっ飛んでる。他のエロゲーメーカーがクソみたいなAPPendを売るのにわざわざdengekihimeで単体パッチを配布しないといけないのに、探偵セブンはAutoUpdate一つで全部片付く。さすが技術は第一の生産力ってところか?

だから以上の三つのクリエイティブな長所を総合すると、「探偵セブン」は凡庸じゃないゲームになるはずだった。ストーリー展開が良ければ『ダンガンロンパ』シリーズと渡り合える可能性すらある。まさに万事整って東風を待つだけ、物語がそこそこ筋の通ったものになれば、ぶっ飛び神ゲーにならなくてもぶっ飛び爆裂ゲーにはなるはずだった。
で、実際どうだったのか?焦るな、次は短所を語ろう…………
短所1、独自のAutoUpdateシステムがある、が、全部バグ修正に使われた
確かに「探偵セブン」のシステムはかっこよく、アイデアも悪くない。だが……バグが恐ろしいほど多い。どのくらい深刻かというと、発売当日に製品版を買ってPCに入れてインストールし、起動したら最初の一言がこれだ:
「この体験版は………………」
これで最初のプレイヤー層は即爆発した。金払ってゲーム買って帰ったら、これ体験版だって?ふざけんなよ。

その後、発売から二日以内にAutoUpdateでどれだけのパッチが配信されたか分からないが、少なくとも起動時に体験版だとは言われなくなった。とはいえ他の問題は山積みで、セーブ時に読み書きできないと言われるわ、Break Out時にそのままフリーズするわ、他にもいろんな問題が修正された。俺がプレイした時点ではすでに1.52バージョンで、ほとんどのバグは消えていた。それでも……このゲームはまだ簡単にフリーズするし、今でもしばしばやられる。幸いAutoSaveのポイントが大量に追加されていて、フリーズしてもそう遠くまで戻されない。これがなければプレイは完全に苦痛だった。
短所2、かっこいいゲームスタイルなのに、最もコストを削った背景と最低限のCG
間違いなく探偵セブンのスタイルやUIはイケてる。ペルソナ5の模倣と言うかもしれないが、独自の要素も多い。ただ、このスタイルはほとんどUIに使われていて、あとは少しのキャラクターシルエット程度。それ以外は……ない……

そう、ない。背景は一見悪くないが、よく見ると実写写真にフィルターをかけただけ。特に大通りの背景は後ろの通行人まで写り込んでいて、しかもずっと変わらない。もっと笑えるのは道路の背景で、ゲーム内では「夜も更けて人気のない時に行動する」と言っているのに、背景は相変わらずあの大通りのままで、後ろの通行人もそこにいる。背景の色調が少し暗くなっただけ。これのどこが「夜も更けて人気のない」だよ、別の画像にしろよ。他のお化け屋敷調査の背景なんてもう言わない。もともと実写写真で、フィルターのPの当て方がさらに雑なだけだ。

音楽はジャズ風味のポップで悪くないが、曲数が少なすぎる。本当に少ない。main themeは永遠にあの三曲だけで、繰り返し聴いているとすぐ飽きる。一番悲惨なのはCGだ。AVGゲームでアクションもなく、2Bお姉さんのパンツも見られないなら、残るのはCGだけ。なのにこのゲーム……HCG以外にストーリー関連の独立CGがほとんどない。二枚くらいはあるか、男主が女主を抱くやつとか。だが少なすぎる。ゲームのMissionの大半は会話会話会話会話で終わり。繰り返す场景、繰り返す立ち絵、繰り返す音楽、繰り返す退屈……
短所3、システムが多様でパズル要素を含む、が、知能がトリ並
確かに探偵セブンにはパズル要素がある。「調査」「質問」「対峙」に表れている。調査は本当に語ることもない。画面に点がたくさん出るから、てめえはクリックすればいい。ゲーム内の説明では男主の「能力」で、設定上の能力は他人の心情の揺れや他人に見えないものが見えること。だから適当に画像を出して点を囲ませて、これを調査と言う。説得力ゼロだと思う。調査場所によってはモノにすらなっていない、完全に適当にクリックして会話を見るだけ。意味が分からない。

ゲームの「質問」パートはツッコミどころが爆発している。最初は真面目に向き合えるが、そのうちこの会話がギャグだと気づく。ほとんどの質問は文脈と無関係で論理もない。たまに関係ありそうな選択肢でも、ゲームは何度も選ばせる……

例えば、ラスボスが仮面をかぶって現れた時、突然「このボスの正体は誰か」と選択肢が出て、画面に名前がずらり……
正解を選ぶと、ボスは否定する。また選ばせる。
また正解を選ぶと、ボスはさらに否定して、また選ばせる。
だから延々と誰の名前かを選び続けるしかない。何度か選んだ後でようやくボスが認める。
こういう「同じ人間の名前を延々と確認させる」会話選択肢がゲーム中に異常なほど多い。意味が分からない。制作陣はプレイヤーの意志を試しているつもりかもしれないが、そんな試し方はないだろう。バカすぎる。二、三回で十分だ。四、五回確認させるのは何なんだ?
最後はゲームの「対峙」。これはダンガンロンパの撃破パートに似ていて、会話の矛盾点を見つけて証拠で撃ち破る。ただこの矛盾点が……バカすぎる。大半は最初の選択肢だけが難しく、後の選択肢は最初の成功に応じて証拠が補充される。だが一つだけ、「補充された証拠は必ず次の選択肢」だ。これを覚えておけば間違いない。ラスボス戦も同じで、最初は四択、一つ使うと残り三択、そして会話で四択が補完される。迷うな、後から補完されたやつが答えだ……

バカか?マジでバカだ。アホみたいな調査、クソみたいな会話、そして最後の明らかにヒントだらけで難易度ゼロの「対峙」。これでゲームシステム全体が無意味になった。
短所4、ストーリーの柔軟性が高く、任務がモジュール化され、ネット拡張も可能、だがバラバラ
探偵セブンのストーリー設定は線形ではなく、Missionを選んで少しずつ見ていく。断片を集めて最後に物語を組み立てるタイプだ。じゃあ全Missionを見れば全体像が分かるのか?
No!
このゲームのメインストーリーは最後まで見てもたぶん二つ。一つは男主と周囲の人が能力を得る話、もう一つは町で誰かが麻薬で眠らせてレイプする話。前者も後者も意味不明。どう意味不明かというと、ストーリーに受け継がれる内容がない。Missionの断片で語るからだが、MissionとMissionの間に直接の関連が全くない。例えば前の任務では男主たちが野良猫に毒を盛られ殺された事件を調査していて、次の任務では男主たちが焼肉を食べている。そしてそのまた何個か後の任務で突然野良猫毒殺事件が解決したと言われる……このゲーム、本筋と無関係なMissionが多すぎて、何と言っていいか分からない。見ているうちに何が何だか分からなくなる。しかもゲームにはこれらのMissionを合理的につなぐ線がない。書きたいことを書いているだけ。全Missionが「低結合高凝集」を完璧に体現していて、見ても見なくても本筋と関係ない。おそらく開発元がAutoUpdateで新Missionをどんどん追加するための便宜だろう。実際1.50のパッチで大量の新Missionが追加された。だがAVGゲームとして、しかもパズルゲームとして、単一のMissionでは謎を説明できず、複数のMissionで謎を解くこともできない。このシステムは完全に無駄だ。

だから分かる通り、「探偵セブン」は各方面のアイデアは良く、長所も多いのに、最後までその「長所」を活かしきれなかった残念なゲームだ。本当に残念か?実は本筋がもう少し面白ければまだいけると思う。上で言ったように、「物語がそこそこ筋の通ったものになれば、ぶっ飛び神ゲーにならなくてもぶっ飛び爆裂ゲーにはなるはずだった」。
結果は明らかで、このゲームの脚本が最大の責任を負うべきだ。このゲームの脚本は災害レベルだから。
探偵セブンは非線形のストーリー展開で、ジャンルはパズル、少し中二病っぽい。大体のパターンはChaos Headみたいな描写方式を参考にすればいい。それに倣って書いても誰も文句は言わない。

だがこの脚本は完全に失敗している。まずゲームの日常パート、つまらない。
本当につまらない。何と言っていいか分からない。つまらなすぎて少し見ただけで見たくなくなる。脚本の日本語力は危うく、大量の無意味なカタカナのわざとらしい表記がLowすぎて地の底を突き抜ける。本筋がなければ日常で食っていくしかないのに、その日常も失敗。あの繰り返しの多い数曲のBGM、そしてなかなか出てこない少なすぎるCG。何で人を引きつけて見させるつもりだ?
脚本は日常で引きつけられないと思ったのか、エロゲーならパコパコが一番直接的だと、ゲームにパコパコ内容を大量に追加した。だがこれらの内容も日常と同じで、尻も頭もない。「ある日。XXXが来た。俺たちはヤり始めた。ヤり終わった。XXXは帰った。Mission Complate」。これのどこが?官能小説にだってストーリーの起伏がある。お前のこれはコイン自販機みたいなHCGで何をしたいんだ?ついでに言うと、これらのHCGも本筋と相変わらず関係ない。
ゲームのMissionは山ほどあり、中には解放・被解放の関係もあるが、本筋に関するMissionはごくわずか。第一章が終わってもストーリーはほんの少ししか進まず、第二章が終わりに近づいても第一章からの進展はほんの少し。我慢できずに最後まで飛ばしたら、このゲームの語る物語が本当にバカすぎると分かった。

大体こうだ。男主には超能力があり、人の心情の起伏が見え、他人に見えないものも見える。ある日、この町で猫が死んでいると言われ、男主が調査すると猫は誰かに毒を盛られ薬を飲まされて殺されていた。男主は学校で一部の生徒が薬をやっていることを突き止め、薬をやっている誰かの仕業かもしれないと考える。次に保健室の先生がその薬を作っている可能性にたどり着き、町にお化け屋敷があり、お化け屋敷にはゴミが散らばっていて、伝説がある。薬をやる者、薬を作る者がこのお化け屋敷と関係あるかもしれない。
最後はお化け屋敷の調査と各種調査の末、犯人が自分から出てきた。ロリコンの男がエーテルで街中の幼女を誘拐してレイプ殺人していた。以上。前の調査は全部未完で終わり。

もう一つの線は男主の個人的な能力の掘り下げ。すまん、俺の日本語力は限られているし脳力も限られている。脚本が自嗨している男主の記憶改竄の一連のバカみたいなストーリーが何を意味するのか本当に分からない。分かるのは男主の能力を使うと巨大な性欲が発生するということだけ。後は好きにしろ。
ストーリーは非線形で、本筋と無関係なバカみたいな退屈な日常が多すぎて、このゲームは「まったく理解不能」な状態。批評空間の日本人は怒って40点をつけた。日本人も分からないと言っている。これを聞いて安心した。俺の日本語が下手で頭がおかしいわけじゃなかった。
怒った日本人は矛先を脚本に向け、脚本のブログにまで乗り込んで罵った。

「今年最高のクソゲーだな。今後は金を払ってお前に脚本を書かせるのはやめた方がいい」
では「タンテイセブン」(探偵セブン)をどう評価すべきか?
良いアイデア、面白い創意、オンライン更新、後期追加MissionをDLCとして、そして強力なシステム。これらはこのゲームが成功すべき点だった。バグは多くても直せばいい。実際、俺が始めた時は1.50版でバグはほぼなかった。セーブ時にエラーが出るが、実際には保存できる。
それでもこれはクソゲーだ。脚本がクソすぎるから。

脚本はまったく物語を語れない。文章力は竹田姫と良い勝負で、自己陶酔に陥り、各種の濃いエロプレイを追加すれば認められると思い込んでいる。
だがすまんな、チンコにも仕事を休む時がある。誰のチンコも勝手に勃つわけじゃない。ストーリーがクソならクソだ。エロ画像を詰め込んでも無駄だ。
俺たちのチンコには尊厳がある。
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