『景の海のアペイリア』レビュー

可能性が可能性に干渉して、別の可能性を作る

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「景の海のアペイリア」……

これは「詐欺」に満ちたゲームだ。

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最初にこのゲームの設定が公開されたとき、俺は思った。は?ヒロイン1号は秋野花が演じる人工知能、つまりAIで、他のヒロインはみんな現実と仮想現実ゲームの中の二役で、ゲームは男主がヒロインたちとVRゲームの中で探索して危機に遭遇するって紹介されてた。

何を思い浮かべる?そう、SAO、Sword Art Online、ソードアート・オンラインだ。

その後体験版が出て、軽く見て噴いた……

ヒロインどころか、男主の設定はたった二文字:へんたい。中国語で書くと「変態」。

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実際ゲーム内の男主の振る舞いはその称号にふさわしく、最初からオナニーしてるし、しょっちゅう真顔で下ネタをぶち込んでくる。ただ俺はずっと男主のキャラ設定には問題があると思ってた。まず変態、次にIQが高い。

どれくらい高いかというと、完成度の高いA.I.を開発できるレベル。

ここまでだと、このゲームはギャグ路線のゲームで、最後はちょっと燃えるかもしれないけど、まあ平均的なもんだろうと思うかもしれない。

最初は俺もそう思ってた。その後、顔をひっぱたかれた。去年 ISLAND をやったときと同じ感覚だ。

ゲームは203X年の未来が舞台で、冒頭から男主は学校に萌A.I.開発部を作って部長をやっていて、普段は学校のDNAコンピュータや各種コンピュータのP2Pネットワークを使って自分の萌A.I.を開発している。本人曰く、彼女がいないから自分で作るしかない、と。しかも冒頭で男主はスパムメールを受け取る。差出人は未来から来たと名乗り、男主が何時何分にオナニーして何発出すかまで書いてあって、最後にはそれが当たってしまう……男主は通りすがりの女の子の顔にぶっかけて、その子が後に義妹になる。

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その間に男主の父が再婚して、男主には桐島三羽という義妹ができる(顔にぶっかけたあの子だ)。同時に男主には幼馴染の久遠がいて、幼馴染の父もA.I.開発に携わる科学者。彼は「技術的特異点」という説を持っていて、科学技術の発展がある時点で突然大突破を遂げ、その後世界が一変するという。

ただ男主が自分のA.I.を開発していることは幼馴染の父には隠していて、こっそり自分のネットワークを使って「萌え妹A.I.」を作っている。男主は彼女をアペイリアと名付けた。ギリシャ語のἄπειρος、英語でapeiria、意味はunlimited、無限。自分の創作物への期待も込められている。やがて男主はA.I.を完成させ、仲間を引っ張って見せびらかす。A.I.は画面越しにコンピュータの中にいるだけだが、男主はそれでも嬉しい。しかもこのA.I.の演算能力は決して低くない。男主が勝手に自分のDNAモジュールの一部を使ってこの設定を構築したからだ。そして男主は思う……もっと自分の作ったA.I.アペイリアと接触したい。自分で書いた彼女に触れないなんてありえないだろ。

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じゃあどうする?男主はVRゲームを思いつく。簡単なVRゲームを開発して、男主はデバイスからログイン、アペイリアはネットから直接ログイン、それでその世界で会えるじゃないか、と。

アペイリアの演算能力は高く、分散クラウドコンピューティングも使えるので、男主はアペイリアにネット上で利用可能なすべての計算資源を統合させ、アペイリアネットワーク、apeiria Networkを構築。その上にVRネットワークゲームを作らせた。名前はセカンド、Second(あの有名なネットゲーム、セカンドライフの感じがある)。男主は構築が面倒で、全部アペイリアに世界の作成を任せ、自分はCreatorとしてゲームのルールをいくつか設定しただけ。

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1、剣と魔法のゲームスタイルの世界。男主の幼馴染の提案。 2、ゲーム内で各人にDesireという能力があり、Desireを使うにはCostがかかる。つまり超能力を持つには代償が要るという男主の提案。 3、ゲーム内でランダムに「強制Quest」が発生し、これを受けたプレイヤーは必ずクリアしなければならず、失敗すると強制ログアウトされ、二度とこのゲームにログインできなくなる。男主の研究会の幽霊会員、東ましろの提案。

こうして男主は設定を終えるとゲームに入って楽しく遊び始め、掲示板で宣伝までして人を集める。遊び方はソードアート・オンラインと同じで、ヘルメットか何かを被ってゲームに没入する。ゲーム内で男主はついに自分が作ったアペイリアに会えて嬉しくなる……男主はヒロインたちを連れてモンスターを倒してレベル上げに勤しんだ。

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ゲームを抜けたとき、男主は驚く。ゲーム内で4時間経ったのに、外では40秒しか経っていない……(アクセル・ワールドの感じ、あるだろ?)

男主は便利だなと思って特に何も言わなかった。ゲームが稼働して3日目、事件が起きる。

テレビ報道で、家でゲームをしていて脳死した人が出た。これで三例目。男主が調べると、自分のゲームが原因だった。

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男主がさらに調べると、死んだのは全員「強制Quest」に失敗した者たちだった。本来なら強制ログアウトされて再ログインできないはずなのに、なぜ死んだ?男主は思い出す。自分は「強制ログアウトしてログイン不可」と言っただけで、システムにその実装方法を伝えていなかった。結果、システムはプレイヤーの脳をそのまま消去し、脳死を引き起こしたのだ……

男主はまずいと気づく。このままでは死者が増える。しかも「強制Quest」中はゲームを抜けられず、抜けたら即任務失敗で脳を消去され脳死する。

「強制Quest」はいつでもランダムに配信される。もうこのゲームにはログインできない。男主は自分のアペイリアにゲームへログインさせ(A.I.は脳死しない)、告知を出してプレイヤーに早くログアウトするよう促す……「強制Quest」を受ける前に。

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ログアウトは順調に進み、残り99人がまだ抜けていないとき、男主はアペイリアとの連絡が途絶えたことに気づく。ゲーム内の状況も分からない。

男主は危険を冒してログインし、状況を見て自分のアペイリアを救おうと決める。

ところがログインした途端に唖然。ゲームに入ると「強制Quest」が来ていて、内容はボスの姫を殺せという。これはゲームの最終ボスで、つまりクリアしないとログアウトできない。男主が調べるとアペイリアはゲーム内から消えており、ゲーム内は至る所にウイルスが溢れている。おそらくこのゲームのサーバーがウイルスに感染し、アペイリアも感染したのだ。

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男主はゲームの最終ボスへ向かい始める。そこで仮面を被った謎の人物シンカーが現れ、自分はアペイリアを研究しに来ただけで、クリアする気も男主と協力する気もないと言う。男主は明らかに彼が狡猾だと分かるが目的は分からない。とにかくボスを探し続け、ついにウイルス陣営を突破してボスの部屋に入ると、アペイリアが待っていた。アペイリアが両手を伸ばし何か言う前に、男主は目の前が真っ暗になり、消える。

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目を覚ますと男主は奇妙な部屋にいた。部屋にはコンピュータがあり、メールが並んでいる。男主はこの部屋を02 roomと呼ぶ。コンピュータのメールから、この機械が過去の自分にメールを送れると分かる……男主は急いで過去の自分に手紙を書き、未来の出来事を明確に伝え、忠告する。絶対にアペイリアネットワークでネットゲームを開発するな、と。あのネットゲームがなければ悲劇は起きないのだから。

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送信後、男主はまた眠りに落ち、目覚めると3日前にタイムスリップしていた。

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予想通り、男主はあのメールを受け取る。未来からと名乗るメールで、アペイリアネットワーク上のVRゲームを開発するなと書いてある。

男主はそれに従う。事は3日前と同じように進み、男主はアペイリアを開発し、アペイリアネットワークとVRゲームを開発する段階で口実を作って諦める。これで終わりかと思われたが、3日後……

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やはり人が死んだ。同じ理由、同じ方法で、あのネットゲームの中で、名前まで同じ。

男主はおかしいと思う。俺は開発してないのに……

直接ログインして見ると、なんと自分が作ったものと瓜二つ……

中には同じ人々、同じウイルス、そしてシンカーもいる。つまり男主がこの世界を作らなくても、このゲームは勝手に現れるのだ。男主は今回ボスに近づこうとするが、シンカーに阻まれる。男主は彼と対決を始め、武力でも知力でも互角。最後に男主が辛うじて勝とうとしたとき、背後から刺されて死ぬ……

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死んだ男主は再びあの02 roomに来る。そこには過去に送るメールもある。男主はまたタイムリープするのだと理解し、慣れた手つきで今回の出来事をすべてfile 01として書き、添付して過去の自分に送り、再び輪廻に入る。

目覚めた男主は3日前ではなく、1年前に戻っていた……

1年前、アペイリアはまだ開発されていない。file 01で未来を知ってはいるが、1年は遠すぎる。男主は途方に暮れてぶらぶらし、幼馴染の父の研究室で培養皿の中のクローンを見つける……

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未来の義妹、桐島三羽だ。話を聞くと、桐島三羽はとっくに死んでいた。母の胎内で流産していたのだ。母は娘を蘇らせようと娘の細胞を取り、クローンを作り始めた。作ること自体は成功したが、所詮クローン。母は娘として扱わず、気に入らないところがあれば殺して作り直す。どうせ作るのに手間はかからない……

桐島三羽も自分が何代目か覚えていない。母に従うしかない、さもなくば殺されて作り直される……

男主は見ていられなくなり、三羽を救い出す。同時にfile 01のファイルを使ってアペイリアを再開発し、クローンの胚を作ってアペイリアの脳を移植。アペイリアは肉体を得て、3人は楽しく過ごす。男主は三羽と恋人になり、1年後、平穏な時期にあのネットゲームが再び現れる。ゲームのウイルスは現実世界にも波及し始め、男主はゲームに入り、またシンカーと対峙して敗れ、再び輪廻に入る。

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やはり02 room、やはり過去へのメール。男主はまた前の周回の分を送り返し、次のタイムリープへ。

目覚めるとやはり1年前。男主は今回の調査で自分の幽霊会員、東ましろの過去を知る。ましろは1年後に白血病になり、ある事件による電流輻射が原因だという。男主は思い出す。1年前、VRゲームシステムが完成した直後に体験会があり、ましろが参加したときの故障で電流輻射が起き、白血病を誘発したのだ。男主は今回、ましろがその事件を避けるように仕向ける。その後の展開は分かるだろ、恋愛して、エッチして、1年後にウイルスが再び起き、男主が入ってまた対峙に敗れ、また輪廻……

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やはり02 room、いつもの流れで次の周回へ。

3回目は男主が幼馴染の過去を見つける。幼馴染の久遠の母は1年前、高齢出産の強制出産で難産死していた。久遠の父は母を救おうと、母の脳をデータ化してネットゲームのような世界に保存し、さらにクローンを作って母の脳を移植しようとしていた。もちろんこのルートの意味は、男主がまたタイムリープで過去を変え、久遠の母が難産で死なないようにすること。だが1年後が良くなるわけでもなく、ウイルスが発生し、男主はまた失敗してループを続ける。

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やはり02 room。ちなみにこのゲームの選択肢は02 roomで過去の自分にメールを送り、その内容で分岐が変わる(たぶん)。

最後のルートは、男主がまたループし、全員を救うと決める。前の周回で世界を変えて救った人々も含め、さらに思う。自分が未来から過去へのメールを受け取れて、過去の世界も変えられるなら、必ず「全員が幸福になり、未来にウイルス危機もない」世界線が存在するはず。男主はその世界線を目指すべきだ、と。

男主は何度ものループで気づく。自分はループの過程で誰かに操られているのではないか。その人物はobserver、観測者で、つまり「観測者」のような存在が神の視点で男主のループを見続け、男主が過去を変え未来を変えることを期待している。だが「観測者」は男主を強制的に干渉できず、男主が間違ったことをしたと見るや時間になれば強制的に男主を再ループさせ、満足するまで続けるのだ。

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男主は強く疑う。この観測者がシンカーだ、と。なぜなら毎回1年後の同じ時期にウイルス危機が発生し、最終的に彼と対峙するからだ。

男主は今回、最初からアペイリアを再開発すると決め、1年早くアペイリアを作り、クローンで肉体も作る。1年後、男主は再びウイルス危機に遭い、アペイリアも危険に陥る。男主はまたシンカーと対峙し、分析の末、シンカーは仮面を外す。彼は未来の男主だった……

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シンカーは言う。未来のある世界線でA.I.が大反乱を起こし、ウイルスが世界を滅ぼした。自分は未来から来てアペイリアの誕生を止めようとしている。アペイリアがいなければ未来のアペイリアが人類を裏切ることもない、と。

だが今の男主はアペイリアはそんな存在ではないと思う。シンカーは理解できると言う。自分は平行世界から来たから、今の男主と自分は同じ世界の人間ではないかもしれない。未来には複数の可能性がある。だが今、2人は対立関係にある。シンカーはさらに言う。自分は未来の男主で、今の男主の力量も分かっているし、何ができるかも知っている。勝負しても勝てない。早く諦めてアペイリアを破壊し、未来を救え、と。

同時にシンカーは自分は「観測者」ではないと言い、「観測者は人類だ」とだけ口にする。

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男主には分からない……

だがそれは2人が最後に戦うのを妨げない。戦いの末、共倒れで2人とも死に、アペイリアも行方不明になる……

今回の失敗後、男主は02 roomにも次のタイムリープにも入らず、培養皿から目覚める。

出て間もなく、1人の人物が銃を向ける……白衣を着た桐島三羽だ。彼女は男主を殺そうとしている。

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男主が理由を問うと、桐島三羽が説明を始める……

なんと男主自身がA.I.だったのだ。いや、男主が最初にアペイリアを作り、輪廻を繰り返した世界そのものが仮想世界だった。三羽は仮想世界を管理する科学者の1人。未来、仮想世界が開発され人類に高度に使われ、多くの人が没頭していた。仮想世界には真人だけでなく様々なA.I.がいて、男主もその1人。東ましろや久遠などもA.I.で、アペイリアは男主がA.I.として開発したA.I.。

最初、男主たちのキャラはNPCで、仮想世界で正常人同士の交流を豊かにするためのものだった。男主自身にも制限があり、権限や演算能力は多くない。だが管理者たちは予想しなかった。男主が1つの人工知能として新たな人工知能アペイリアを開発し、しかも人工知能が人工知能の仮想現実世界で新たな仮想現実を開発してしまったのだ……

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これは外側の人類管理者にとって想定外だった。しかも人工知能が開発した人工知能は人工知能の規則に縛られず、人工知能が作った仮想現実の中の仮想現実もまた制限されない。

管理者たちはこれを破壊しようとする。制御を失ったからだ。三羽は「観察者」として処理を行い、アペイリアのような制御不能な人工知能を「ウイルス」と定義し、消除操作を始める。だからゲーム内である局面になると大量の「ウイルス」がアペイリアを消そうとするのだ。先に誰かが男主に「観測者は人類だ」と言ったのも、男主たちが人類ではなく人工知能だからだ。

管理者はさらに各種フォーマット操作でアペイリアを削除しようとする。例えば今の世界を消して数日前に巻き戻す。だが予想外なことに、男主は仮想世界の02 roomというtemp一時フォルダに隠れてフォーマット巻き戻しを回避し、さらにメールを使ってアペイリアを再複製する。

要するに、PCがウイルスに感染して、ウイルスを直接削除できないからCドライブをフォーマットしたら、ウイルスがこっそりDドライブに隠れていて、OSを再インストールしても戻ってきた、というわけだ……

人工知能たちが仮想世界で暴れる目的は何か?もちろん現実社会へ進出するためだ。男主のようにクローンの体を使い、他人の脳を置き換えて肉体を得る。

三羽は最終的に男主を殺さなかった。手を下せなかったのだ。彼女は元々観測者だったが、自分から仮想世界に潜入し、自分の立場の孤独(前述の通り三羽は母がクローンした存在で、母は現実で既に死んでいる)から、男主と情が生まれてしまった。結局三羽は男主を殺さず、男主も現実世界への反攻を選ばず、三羽に荷物を下ろして仲間になれと誘う。

最終エンドは、男主一行がアペイリアと他のA.I.ヒロインたち、そして三羽と一緒に、ゲームの世界で自由に楽しく旅をする。現実の拘束も嫌な記憶もない。男主は言う。ここは仮想世界かもしれないが、俺たちはA.I.で、A.I.にとってここが「現実」なんだ、と。

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面白いのはゲームの最後、男主が波粒二象性を観測するあの箱を使って、今の世界が現実かどうかを暗示する点。三羽がいる科学者の世界もまた仮想かもしれない。この点はインセプションに似ていて、ネタでもある。


最初に言った通り、これは「詐欺」に満ちたゲームだ。どこが詐欺か?ゲームのスタイルがずっと変化し続けることだ。

序盤は「ギャグ路線」で、かなりギャグゲームに見える。男主は変態で、しょっちゅう真顔で下ネタを飛ばす。だがゲームOPの前、メインストーリーが浮上する辺りまではテンポは悪くない。ただしそれはその一区間だけの話……

その後は、ゲームの方向性もストーリーのテンポも説明しにくい。まず方向性はどんどん玄幻的・SF的になる。ゲームは大量の量子力学と平行世界の理論を使って男主のタイムスリップを説明する。有名な二重スリット干渉、シュレーディンガーの猫、光の波粒二象性。ゲーム内で超長い篇幅を割いて説明し、見た目はめちゃくちゃ格好いい。だが量子力学は誰にでも分かるものではないし、説明すれば簡単に分かるものでもない。しかも作者の表現力がこの部分で致命的にダメで、「自分以外の全NPCが『なるほど簡単だ』と理解している」という挫折感を味わう。

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しかもゲームは理解を助けるためか大量の説明図を描いている。光の波粒二象性と二重スリット実験の「観測者」はまだいい。後の多重平行世界やタイムスリップの説明はまったく理解困難だ。少なくとも作者の表現力に大きな問題があると思う。波粒二象性の前置きすら作者は説明しきれていなかった。俺はzhihuを見て分かった。同じ内容を作者がこう説明するのを見て、教師じゃなくてよかったとしか言いようがない……

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脚本の「アイデアは多いが表現が下手」という特徴は他にも表れる。ゲーム内の冗長な設定説明、男主とシンカーの間の疑心暗鬼のポーカーゲーム、そこでの不要な废话が多すぎて、読んでいると眠くなる。ネットゲーム内の戦闘描写もくどくて長い。男主の戦闘はギャグ性質(大物を剣代わりに出す)なのに、作者は真面目に設定を説明する……笑うに笑えず困った。

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ゲームが中盤に差し掛かると、主人公の「変態」要素は完全に消え、代わりに非常につまらない「科学解説タイム」に陥る。長々とした量子力学の説明、終わりのない並行世界の話、そして「技術的特異点」という概念の繰り返し。さらには脚本の表現力が致命的に低く、しばしば何を言っているのか理解できない。もともと理解している人は、DNAコンピュータでシュレーディンガーの猫を解けるみたいな疑似科学を信じたりしないだろうし、理解していない人は表現力不足の説明では何を言わんとしているのか掴めない。これがこのゲーム中盤の最も気まずいところだ。

ゲームが終盤に入るとクライマックスを迎える。主人公はついにボスの正体を解き明かす。それはなんと別の並行世界の自分自身だった。正直ここまでは悪くない、少なくとも面白いし展開も燃える。しかし最後になって、またどんでん返しが来る。すべては偽りで、主人公の世界もまた仮想世界であり、本当の世界にはヒロインの三羽一人しかいない。そして彼女こそが「Observer 観測者」であり、仮想世界の神の視点から世界の主人公を操っていたのだ。

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しかしこの秘密が明かされた後も、ゲームは良い結末を用意してくれない。三羽は現実生活でうまくいかず、仮想世界で慰めを求めた。主人公のような人工知能が越界しても、三羽は彼を見逃した。最終的な結末は、皆が水に流して仮想世界で遊び続けるというものだった……

これって現実逃避なのか?

このゲームのストーリーを大まかに説明すると、未来の人類がMatrixを作って人々に遊ばせ、その中に知能を持ったNPCを作って交流を便利にした。しかしNPCたちは知能があるがゆえに、Matrixの中にさらにMatrixを作り、人類に反攻しようとした。人類は不満でNPCを制裁し、NPCは反抗を始める……ヒロインは人間で、主人公や他のヒロインはNPC。ヒロインは寂しさからMatrixで遊んでいるうちに主人公と情を交わし、最終的に主人公が勝手に人工知能を作ったことを不問にし、何事もなかったかのようにここで主人公たちと遊び続ける。ただそれだけの話だ……

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教えてくれ、最初に「景の海のアペイリア」というタイトル、公式サイトの紹介、体験版を見たとき、ゲームの真実がこうなるなんて想像できたか?こんな結末になるなんて想像できたか?

「景の海のアペイリア」は長所も短所もはっきりしたゲームだ。まず制作コストはあまり高くなさそうで、CGは非常に少なく、背景も少ない。CGと背景が少ない上に作者の終わらない量子力学講義が加わって、多くの箇所が非常に退屈に見える。音楽も少なく、美しくもなく、唐突で平均より下のレベルだ。

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画風は悪くない。ヒロインのアペイリアは生き生きと可愛く描かれているし、HCGも問題ない。ただ絵師はキャラの照れ顔を描くのがあまり得意ではないようだ……顔に赤い線を数本入れればいいと思っている節がある……そんなに単純な話じゃないだろうに。

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ゲーム序盤は笑いを取るために、わざと主人公を変態に仕立て上げている。そのせいで主人公はちょっと統合失調症的で、前半はチンピラのようだったのが、後半は突然IQが上がって超天才のように振る舞う。しかし天才と全裸でオナニーする変態を結びつけるのは難しい。しかも最初の方は主人公のオナニー戦闘の設定が気持ち悪く描写されていて、しかも気まずい……単に下ネタのための下ネタという感じで、ゲーム全体の品格を下げている。しかもこういう内容は後半になるとほとんど出てこなくなるので、作者が適当にやっていたことも分かる。

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ゲーム最大の見どころはシナリオとCVだ。シナリオは評価しにくいが、脚本のアイデアは壮大で、設定や展開に問題はないと思う。伏線は正直すべて回収されている。ただ回収の仕方が気まずいものが多い。ゲームのストーリーの問題は何よりテンポの悪さと脚本の表現力の低さにある。はっきり言えば冗長すぎて、多くの箇所が理解できない。量子力学を解説したいなら簡潔に要点を言え。要点が言えないのに、誰が理解できるというのか。正直、ゲーム本編のストーリーは量子力学や二重スリット実験、並行世界の大げさな説明がなくても十分説明できる。作者が自分のストーリーの合理性を疑う厨の口を塞ぐためなのか、ただの自己満足なのかは知らないが。

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CVはこの半年で最高だった。秋野花には満点をあげたい。人工知能をこんなに専門的に演じるCVは初めて見た。「冷たい声の中に一抹の感情が宿る」境地を保つのはとても難しい。秋野花はここ数年で明らかに実力を伸ばしていて、もう仙台エリを超えつつあると思う。あとはゆずソフトに認められるだけだ。他のキャラも無難な出来で、秋野花の親友役の桜川未央の演技も光っていておすすめだ。


「景の海のアペイリア」は一応プレイする価値のあるゲームだ。貴重なストーリー重視の作品で、脚本が心血を注いだことが分かるし、アイデアも壮大だ。ただし覚悟は必要だ。

Redditに「景の海のアペイリア」の脚本はトイレットペーパー作家で、書くものは全部ゴミ、ロケットの話もゴミ、いろいろ非科学的だと罵る人がいた。そこまで酷くはないと思う。この脚本はアイデアが多く真剣でもあるが、表現力に本当に問題がある。頭の中には良い物語があるのに、書いてみると他人には理解できない。まだまだ修行が必要だ。

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このゲームには面白い内容が多い。二重スリット実験で波粒二重性をどう観測するかの説明もそうだ。Observeが存在すると、波粒二重性はどちらか一方しか現れなくなる。つまり、ある事象を観測するとき、観測そのものが事象に影響を与える。試験の解答中にこっそり覗かれたことがある人なら、この感覚が分かるだろう(笑)。

波粒二重性の観測と結びつけて、ゲームは多重世界についてもう一つの興味深い解釈を導き出す:

可能性が可能性に干渉して、別の可能性を作る

可能性が可能性に干渉して、別の可能性を生む(翻訳が合っているか分からない)。多重世界にはあまりにも多くの可能性があり、様々な方法で干渉すれば様々な結果が生まれる。待っている未来が確定しているのか不確定なのか、誰にも分からない。

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