『サクラノモリ†ドリーマーズ2』レビュー
もうひとつの世界の幸せ
サクラノモリ†ドリーマーズは去年プレイした。当時の感想は「序盤は良い、設定はまあまあ、高開低走、尻すぼみ」だった。確かあのゲームのプロモーションOPはめちゃくちゃカッコよくて、OP前の演出もバッチリ決まってた。主人公が初めて恋をして、想い人のまどかに告白した矢先、油断した隙にまどかが殺人鬼に殺される。怒り、絶望、後悔、それが爆焔のOPとともに爆発する、まさに神がかった導入だった。
もちろんその後については言及しないが、高開低走の典型だった。中盤、主人公はわけもわからず恋人まどかを殺した犯人を探し、わけもわからずいくつかの組織に参加し、町のわけのわからない怪奇事件を解決する。終盤の展開はどんどん迷走し、殺人鬼はサイコパスで、しかも両性愛者。おまけに殺人鬼自身もわけもわからず超能力に目覚め、主人公にはパラサイトが憑く……。
この展開を見て高校時代に読んだ怪談を思い出した。最初はミステリーとしてなかなか良かったのに、途中で主人公が道術を身につけ、あらゆる霊魂と超能力仙侠大戦を繰り広げるという、思わず噴き出した展開。ミステリーからドロドロの武侠ドラマへと変貌し、大いに失望したものだ。
サクラノモリ†ドリーマーズにも同じ失望を味わった。最初は良かったのに、後半はめちゃくちゃ。その後、サクラノモリ†ドリーマーズのシナリオライターである呉二…おっと、呉先生も別のゲームを書くようになった。相変わらずのグロテスクなホラー路線だが、内容はもはやサクラノモリ†ドリーマーズの「夢潜入」ではない。仄暗き時の果てよりというゲームは異形とクトゥルフ風のタイムトラベル物語で、正直悪くはない。ただ、呉先生の「尺が足りないならケチャップで誤魔化せ」的なやり方にそろそろ疲れを感じていた矢先、続編として『サクラノモリ†ドリーマーズ2』が発表された。
最初は少し興味があった。サクラノモリ†ドリーマーズ2はいったいどんな話なのか。一作目で物語はほぼ語り尽くされている。主人公の彼女は死に、両性愛の変態に殺され、終盤には彼女のまどかも成仏して幽霊にすら会えなくなり、黒幕の両性愛変態も主人公に倒された。物語は比較的円満な結末を迎えている。残っているのは主人公と脇役たちの細かい部分だけ。FDならまだしも、「2」を出す? 最近は「2」でFDを指すのが流行ってるのか?
そしてゲームが発売され、細切れに2週間かけてクリアした感想としては、「2」としてまあ許せる出来だった。

サクラノモリ†ドリーマーズ2の物語は一作目の直後から始まる。主人公はすべての事件を解決したが、心は虚ろなまま。彼女が死んで2年、まだ彼女の影から抜け出せず、携帯で彼女の番号に電話して応答を求めるうちに、奇妙な現象を偶然発見する……。

サクラノモリ†ドリーマーズ2の物語は二部構成で、しかも交差する二つの筋書きになっている。一つは主人公が常に見る幻覚。幻覚の中では彼女のまどかは死んでおらず、自分と甘い日々を送っている。もう一つは現実の側面。現実の町は依然として平穏ではなく、町の全員が夜になると「赤い夢」に引き込まれる。この夢は毎晩続き、目覚めると現実の大半の人は夢の内容を忘れてしまうが、主人公だけは記憶している。

夢の中には怪物がいて、その怪物が夢の中で人を殺す。夢の中で殺された人間は、現実でまるで魂を抜かれたようにぼんやりし、やがて自殺してしまう。
主人公は赤い夢の中で、知り合いも知らない人も大勢が夢の怪物に殺され、その後現実で彼らが様々な方法で自死するのを目撃する。主人公は見える「悪霊」(ボタッは、要は死神のようなもので、近づいた者から死んでいく)を倒して夢の中で死んだ人を救おうとするが、すべて無駄に終わる。
そこで主人公たちは「赤い夢」の正体と、夢の中の怪物の存在を調査し始める。

夢の中で主人公はよく地下鉄を見る。地下鉄の向かいには、まどかが幸せそうに携帯を見て笑っている。しかし反対側のガラス扉には、首を折った子供が貼りつくようにして主人公に助けを求めている。

主人公はその子供が地元の探偵に似ていると感じる。彼の子供だろうか。

すると主人公は奇妙なことに、その探偵も赤い夢の中にいることに気づく。主人公が子供のことを話すと、探偵は考え込み、自分にも発見があると言う。かつて追っていた殺人鬼、死んだと思っていた殺人鬼が今も生きていて、この町にいるというのだ。
いくつかの問答と奔走の末、主人公は理解する。この町にかつて異常殺人鬼の事件があった。それは数十年前に起きた。

数十年前、町で若い子供たちの失踪事件が多発。調査の末、ついにアパートで誘拐犯が見つかった。犯人の名は兵藤。見つけた時には兵藤はすでに逃げていたが、当時まだ警察官だった探偵は部屋中に大量の死体を発見する。死体はすべてバラバラにされ、探偵自身の娘もその肉片の一部だった……。
探偵の娘もこの変態殺人鬼に殺され、首を切り落とされて缶詰にされていた。そして殺人鬼の兵藤は部屋の隠し通路から逃げ出した。探偵はこの殺人鬼を追う旅に出る。追跡の末に仕事も妻も失い、すべては復讐のため。ついにある日、探偵は兵藤を捕まえる。兵藤は探偵を見て逃げようとし、探偵は兵藤を撃つ。撃たれた兵藤は海に飛び込み、それきり痕跡は見つからない。探偵はずっと、自分は兵藤を殺し、子供の仇を討ったと思っていた。

しかし残念ながら、その殺人鬼は生きており、しかもこの町に潜んでいた。赤い夢や様々な悪霊の存在は、この町で数十年前に死んだ無数の怨念と多かれ少なかれ関係している。
主人公は殺人鬼の痕跡を探し始める。まず自分の夢と悪霊を見る能力を利用しようと考え、かつて殺人鬼がいた住居、今は事故物件となった場所へ向かう。そこで案の定、探偵の子供の怨霊を見つける。
探偵の子供の怨霊は主人公に、殺人鬼がどこに隠れているか知っていると告げる。町の近くの地下水道に隠れていると。

主人公はその地下水道へ探検に向かう。その時、再びあの幻覚を見る。幻覚の中でまどかもこの近くに来ており、まどかの近くには黒い影が迫っていた……。
そこで主人公は機転を利かせて携帯を取り出し、まどかに電話をかける。そして説明が入り、まどかが危機一髪のところで別の主人公が現れ、危険から救い出す。

ここでプレイヤーである私も理解する。主人公が見ていた「まどかが死んでいない」内容の一部は幻覚ではなく、別の世界線のまどかだったのだ。主人公の携帯が別世界線の自分に伝え、まどかを救わせたのだった。
つまり、この世界線のまどかはやはり死んでいるが、死んでいないまどかが存在する別の世界線があり、そのまどかは最初の殺人鬼を回避したものの、別の殺人鬼が迫っていた。主人公はこちらから世界線を超えた電話で、並行世界の彼女を救ったのだ。

この世界線の主人公はどうなったか? 当然、兵藤を見つけ、数十年来の未解決事件を解決し、最終的にハーレムルートへ突入する。
もう一つの世界線のまどかは、主人公のこのサクラノモリ†ドリーマーズという小さな組織に加わり、夢に潜入して悪霊を追う方法で町の平和を守り続ける。

まあ、悪くない結末だろう? 彼女を亡くした主人公にはハーレムが、彼女が生きている主人公にはイチャイチャがある。
しかし、だからといって問題がないわけではない。

サクラノモリ†ドリーマーズ2は一作目のような高開低走ではないが、それでもいくつか問題がある。やはりあの露骨な「尺が足りないから血で誤魔化す」だ。ゲーム後半、「血腥さ」を売りにするため、物語上ほとんど不要な戦闘やホラー要素をわざと増やしている。香港のB級ホラー映画のような感触で、怖がらせるために怖がらせている。実際、私にとっては全く怖くないし、脅かしもしない。せいぜいCGがグロテスクで奇抜なだけで、恐怖とは言えない。年を取って画面の刺激に免疫がついたのか、このゲームが醸し出す「心霊ホラー」はほぼ無視できるレベル。ただCGを貼り付けて脅しているだけ。某「コープスパーティー」よりもLowだ。ホラー内容としては本当に不合格。

シナリオ面では、最初の「幻覚」描写から最後に「実は幻覚ではなく並行世界だった」と明かす設定は悪くない。最初プレイヤーを欺き、最後にハッとさせる。ただ途中で「血腥ホラー」を挟むために無意味なものを増やしすぎて、非常にちぐはぐ。少なくとも主人公が最初にかかってきた謎の電話が、最後には小ボスだったと明かされるのは笑ってしまった。またゲーム後半、設定補完のために新キャラを狂ったように投入するが、新キャラは本筋とほぼ無関係で、結末でも役に立たない。ただケチャップを垂らすためだけに無理やり引っ張り出した感じ。
全体として、サクラノモリ†ドリーマーズ2は一作目よりはマシだ。少なくとも「高開低走」はなく、トレンドは安定している。ただ、もっと良くできたはずだとも思う。「恐怖と血腥のため」の「恐怖と血腥」要素、つまり水増しが入っていて、水増しが増えるとちょっと微妙。少なくとも後半、延々と続く触手や異形、血しぶきを見て、怖いとは思わず煩わしく感じた。

とはいえ、サクラノモリ†ドリーマーズ一作目をプレイした人にとっては、二作目はまあまあ良い。多くの人が不満に思っていたのは、一作目で最も完成度の高いヒロイン、主人公の初恋のまどかに攻略ルートがなかったこと。何しろ登場早々に死んでしまうので……。

しかしサクラノモリ†ドリーマーズ2ではこの空白をうまく埋め、しかも非常に奇妙な「並行世界」の手法を用いている。ああ、別に「並行世界」が奇妙だと言っているのではない。このゲームで主人公が「現実世界での危機を解明し、その情報で並行世界の危険に瀕した彼女を救う」という手法が奇妙で斬新だと言っているのだ。また細部で前作仄暗き時の果てよりと若干の繋がりがあり、なかなか気を配っている。
最近、私のメンタルは爆発しそうだ。来月で三十歳。浅倉杏美も結婚した。周りは結婚を急かす人、子供の写真を晒す人ばかり。自分はというと「結婚したいけど相手がいない」状態。しかも最近Google+で「青春の思い出」的な企画が始まり、恋愛の達人たちが独身を装ってイキりまくっていて、見ているだけで吐き気がする。

ただ、サクラノモリ†ドリーマーズ2をプレイしてから、少し妄想してしまう。もしかしたら本当に並行世界は存在するのかもしれない。あるいは本当にどこかの並行世界の私は、今幸せなのかもしれない。
もうひとつの世界の幸せ。それだけで、少しは慰めになる。
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