『ゴールデンアワー』レビュー
黄金小时代
Moreという会社は正確に言えばギャルゲー専門の会社ではない。どう見ても……
「音楽やってる連中が、アルバムを出しやすくするために、ついでにギャルゲーも作ってる」
実際、会社名もMMEで、正式名称はMORE MUSIC ENTERTAINMENT。
つまり何が言いたいかというと、彼らの重心はどうやら本当に音楽にあって、ギャルゲーみたいな低コストのゲーム開発は彼らにとって本業じゃなくて、どちらかというと遊びの延長みたいなもんだろうなと。
もちろん遊びだろうが何だろうが、Moreはすでにいくつもゲームを出していて、「一発打って逃げる」感じでもない。むしろ花がどんどん咲いていて、子ブランドも増え続けている……
日本で新ブランドを登録するのってそんなに簡単なのかと疑うことがある。でなきゃエロゲー屋がやたらと看板を掛け替えるわけがない……
今回のMoreの新ブランドはNiko。作品名は『ゴールデンアワー』、英語名はGolden Hour。
元々Moreの二つのブランドはうまく回っていた。Moreは純愛もの、Pure Moreは抜きゲー。なのに今は分社が山ほどできて、廃萌え狙いっぽいChelseasoft、DOLCEが出したカサブランカの小花、そして今回のNiko。どんなスタイルのゲームを出すのか、まったく読めない……

抜きゲーかどうか?これが一番大事なのに、まったく分からない。
さらに困惑するのは、このゲームの紹介がめちゃくちゃ不親切で、主人公が街で謎の少女に出会った、以上。
しかもゲーム開始早々にOPが公開されたのに、OPを見てもさっぱり分からない。後から体験版が出ても、やっぱり分からない。
分かっているのは、主人公がある日スマホにクラスの美人・広瀬夏未とのツーショット写真があるのを見つけるが、自分も夏未もそんな記憶がない。そして街で夏未にそっくりな白髪の少女に出会う、以上。
これでどんなゲームか推測しろって?無理だ。結局好奇心が抜きゲーをやらないという俺の矜持に勝って、やることにした。
やってみた感想は……驚きもあれば失望もあった。
まず前述の通り、このゲームの序盤の展開も公式紹介も非常に不明瞭。主人公がある日スマホにクラスの美人・広瀬夏未とのツーショット写真があるのを見つけるが、自分も夏未もその記憶がない。二人は不思議に思う。そしてある日街をぶらついていると、夏未に似た白髪の女が現れる。その女はユキと名乗り、主人公のスマホを奪って夏未とのツーショットを見ると、口元をわずかに緩めてこう言った:

「あなた、彼女のことが好きなんでしょ?安心して、私が協力してあげる」
その後、主人公はわけも分からずユキに引きずられて、夏未への告白の仕方、デートスポットの探し方、声のかけ方、好感度の上げ方を学ばされる。主人公は自分が夏未を好きなのか実は分かっていない。でも夏未はどんどん主人公を好きになっていく。逆に主人公は夏未に告白しようとするたびに、頭に浮かぶのはユキのことばかり……

そしてユキが計画した最初の夏未への告白で、主人公は縮んだ。頭にユキが浮かんだからだ。自分はユキと何かがあったはずなのに、どうしても思い出せない。

ユキは主人公が最初の告白に失敗したのを見て怒ったが、すぐに立ち直って、クリスマスにもう一度告白するよう主人公に言う:
「まだチャンスはある。次は失敗しちゃダメ」
そしてクリスマスまで、主人公はユキと一緒に告白の準備を続ける。その準備の時間の中で、主人公はユキがなかなかいい奴だと気づき、どうやら自分は無意識にユキを好きになっている。というか、そもそも最初から夏未をそこまで好きじゃなかった。

最終的にクリスマス、主人公は夏未を諦め、ユキに追いかけて告白する。
ユキは最初拒否し、最後はなぜか……受け入れた。二人は一週間いちゃいちゃして、あれやこれやとヤりまくった。
そして短い恋の後、ある日ユキは主人公に、自分はいなくなるから夏未に優しくしてやってくれと言う。同時に夏未にも自分のことを話した。

そしてある日、夏未が主人公を見つける。主人公もユキが突然消えたことに気づく。夏未はそこで、ユキの真実を主人公に告げる。
ユキは実は夏未の姉で、名前は夏希。最初は夏未が主人公を好きだった。主人公はサッカー部で、姉の夏希は妹を助けようと、妹にこう言った:
「あなた、彼のことが好きなんでしょ?安心して、私が協力してあげる」
そして夏希は自ら主人公の前に現れ、主人公と賭けをして、何でも一つ要求を聞いてもらう約束をさせる。主人公は難題を吹っかけて、「ゲーセンで俺に勝てたらな」と言う。

夏希はゲーセンに通って主人公と一緒に猛練習し、ついに主人公を倒す。そして主人公に翌日デートに行けと言う。
主人公は最初、夏希が自分を好きなんだと思った。実はゲーセンでの交流を通じて、自分も少し夏希を好きになっていて、デートの相手は夏希だと期待して少し嬉しくなりながら行った。ところが待っていたのは妹の夏未だった。
主人公は適当にあしらってその場をやり過ごす。夏未はとても悲しみ、告白は無視された。

夏希は妹がひどい目にあったと知って怒り、主人公に詰め寄る。主人公は自分が好きなのは夏希だと告げる。夏希はそれを聞いて呆然……
妹を助けるはずが、自分が妹の想い人を奪ってしまった。しかも無意識に、自分も主人公を拒みきれないと気づいてしまう。
妹は悲しんだけれど、姉を責めない。姉の夏希が主人公と付き合いたいなら付き合えばいいと言う……夏希も仕方ない。感情は譲れないから承諾する。妹は姉の夏希の恋を応援し、三人で街に出かけ、スマホで三人のツーショット写真も撮った。

そしてある日、主人公のサッカー部がバスで試合に向かうことになる。夏希は主人公に手紙を渡し、行ってからこっそり読めと言う。実はそれはラブレターだった(たぶん)。そして主人公は旅立った。そこで事故が起きる。
主人公の乗ったバスが事故に遭い、車体の片側が大破。主人公はちょうどバスの前方側面に立っていて、ほぼ生きられないほどのダメージを受ける。
なぜ主人公がそこにいたか?他の同級生を避けて、車の前方で手紙を読むためだった。

夏希はそれを知って悲嘆に暮れる。自分のせいで、間接的に主人公を死なせてしまった。妹の男を奪っただけでなく、愛する人まで死なせてしまった。夏希は自殺を思う。自殺しようとしたとき、耳元で悪魔のささやきが聞こえる。
「そんな死に方は価値がない。何かと交換してみないか?」

その後、夏希は自分が死んだのにまた目覚めたことに気づく。目覚めると自分は道路の真ん中に立っていた。
「なぜ私は生きている?私の存在意義は何?」
そこで夏希は、自分がこの世界から消されていることに気づく。完全に存在しなかったことになり、主人公もそのせいで交通事故は軽傷で済んだ。あの手紙がなかったからだ。
夏希は自分をユキと名乗り、毎日街をさまよう。そして再び主人公に出会い、スマホの中のツーショット写真を見る。三人の写真から自分が消え、主人公と妹だけが残っている。

夏希は主人公に笑いかける。以前の過ちを正し、主人公を妹に返そう。自分がまだ生きている意味はそこにあるのかもしれない。彼女は主人公に言う:
「あなた、彼女のことが好きなんでしょ?安心して、私が協力してあげる」
ゲーム序盤の展開はこういうこと。ユキの正体は夏未の姉で、間接的に主人公を死なせてしまったため、自殺時に悪魔と取引し、自分を消す代償で主人公の命を引き換えにした。ほんの少し生き延びたのは、主人公を妹に返すという願いを果たすためだけだった。
そして姉はもう消えた。主人公は後にあの悪魔を見つけ、再び取引を選ぶ。自分を犠牲にして、夏未の姉・夏希の帰還を引き換えに。

ゲームの最後、夏希は賑わう街の交差点で、再び主人公の姿を見つける。おそらく主人公もかつての自分と同じように、存在する理由があるからまた現れたのだろう。
ゲームタイトルが『ゴールデンアワー』なのは、Golden Hourがゲーム内で日本のピーク時の交差点を行き交う人波の、あの人の流れを指すから。夏希は人が行き交うのを見るのが一番好きだと言い、夏希の最初の復活も人混みの中、主人公との何度かの出会いもそこだった。夏希はスマホで人の流れを撮るのも好きだった。

これがゲームの点題でもあるんだろうな。
ゲームはおそらく夏希を攻略する一本道のメインラインで、他にも攻略ヒロインはいるけど、他のキャラはどちらかというとメインから外れた個人の問題が多くて、それぞれ特徴はあるものの大半の作品でよく見るものだから割愛。あ、むしろ夏希のルートもよくある。「最初に謎の女が現れて、実は彼女はタイムリープした人だった」という設定はもう多くのゲームで使われている。でもなぜこの『ゴールデンアワー』は新鮮に感じるのか?

主な理由はゲームの画風と会話スタイルだろう。このゲームはあまりにも「大人びて」見えて、一部の「子供っぽすぎる」「萌え売り」なACGタイムリープものとは本質的に違う。

絵師の南浜よりこは豊満な少女人体の描写に経験が豊富で、描かれるキャラは目の表情を除けばほぼ「萌え」の範疇から外れている。ゲーム内の会話はもっと青春の空気感が強く、中国の青春キャンパス小説に近い、しかもネットスラングが少なめのタイプ。さらにゲーム序盤はずっと物語上の神秘感があって、これが非常に面白い化学反応を起こし、日本のギャルゲー套路に大量に慣れた人に新鮮さを与えている。

欠点も実は多い。主人公と元チームメイトのタイマンや、もっと多くの主人公のシーンイベントにCGがない。音楽も相変わらずエレクトロでスローロック、しかもやたら節約している。OPアニメは何度も使い回される。でも全体的に見て大きな問題はない。

展開は套路だけど、この丁寧なパッケージのおかげで感じるのは驚きだし、実際に一つの物語をきちんと語り切っていて、前後も呼応している。ちょっとした伏線、たとえば主人公と妹のツーショット写真も説明がつく。もともと三人の写真だったと明かされ、真相を知った後は膝を打つような感覚がある。よくある内容をここまでやれるなら、このゲームは十分頑張っている。
ただこのゲームをやっているとき、描かれる日常の雰囲気が中国のどこかのキャンパス小説に似ているなとずっと思っていた……
考えてみると確かに『夢里花落知多少』っぽい。主人公が他の女の子が「彼氏が欲しい」という理由で、あまり好きでもない相手と付き合うのを見る場面とか、いわゆる「青春」のための狂気は、「処女厨」が深刻なギャルゲーにはなかなか出てこない。そういう要素がこのゲームを少し違ったものにしているんだろう。

あ、そうだ。『夢里花落知多少』が郭敬明の作品で、しかもパクリだと言われているのは知ってる。でも正直、俺は『小時代』を見た人間で、『ゴールデンアワー』の一部の篇章の男女二人と女三人のドロドロした描写は、なかなか『小時代』っぽい。ただ中の贅沢品の飾りがないだけだ。

悪ふざけで言えば、『ゴールデンアワー』という名前も少し『黄金小時代』って意味になるかも?(笑
そういえば、Moreの連中のゲームは主人公がみんな可哀想だ。死んだり、寝取られたり、あるいは……幽霊になったり。
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