夏空のペルセウス:背景のほうが物語より面白い

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俺には悪い癖がある。作品があまりにも有名すぎて、誰もが語り、誰もが名作だのクソゲーだの言うような代物だと、触る気が失せる。周りでさんざんネタバレを浴びせられて、透かされるだけ透かされているからだ。だから『悠久の翼』だの『eden*』だのも、ネタバレ済みでやる気が起きない。

それでもminoriというブランドには、なんとなく良い印象があった。絵もキャラデザも良さげに見えるし、物語の背景もどことなく小清新で。普段はこのブランドの作品を追いかけたことなんてなかったけど、新作『夏空のペルセウス』が中国語化されたと知って、暇つぶしに手を出してみた。

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プレイしてみて、うん、絵はいい、女の子もいい、ブラコン妹もいい。設定はちょい凡庸だけどまあいい、音楽もいい……いい……い……い……。日常が一日また一日と過ぎていくうちに、俺は少しめまいを覚えた。物語が何を言いたいのか分からない。ただ毎日、主人公が妹とイチャイチャするゲームをやりながら、他の女の子たちとまるで主婦のように世間話をしているだけ。主人公は憂いを帯びているようで、どのヒロインも憂いを帯びていて、妹も憂いを帯びていて、「私以外、誰も兄を分かっていない」という姿勢。物語は一向に進まないのに、山道はいつも急に曲がる。そして妹が一晩のうちに主人公の白いので全身べっとりにされたのを見たとき、俺はこのゲームがちょっとおかしいことに気づいた……。

それから何を見たかって、主人公は毎日妹と一発ヤって、際限なく一発ヤる。突然、妹が主人公にヤらせてくれなくなる。主人公はまるで大力でも飲めないかのように体調を崩し、あちこち走り回っては怒り散らす。そして最後、主人公はようやく花畑で全裸待機の妹を見つけ、二人はまた一発ヤる。天地を揺るがす勢いでヤりまくり、天も地も滅ぼす勢いでヤりまくって、そして主人公は妹を連れてこの村から逃げ出し、二人で別の場所へ一発ヤりに行った。

終わり……

はあ!?これで終わり?

この時点で俺はこのゲームはおかしすぎると思い、背景を調べてみた。そしてこの作品がなぜこんなにlow Bなのか、minoriが「中二社」と呼ばれる所以の裏話もようやく理解した。興味がある人は検索してみるといい。簡単に言えば、エロゲーを作っていた会社がイキりすぎて倒産寸前まで追い込まれ、慌てて粗製濫造の抜きゲーを出して売上を伸ばし、血を補おうとしたという話だ……。

つまり『夏空のペルセウス』はminoriにとっての大還丹であり満HPの血瓶だったわけで、期待通り、この作品はむしろそこそこ売れた。

売れたからといってシナリオが良いわけではない。俺は吐き気をこらえて全員のルートを走破し、シナリオは以下の数行に要約できると気づいた。

「森羅君、おはよう!」 「森羅君、食べた?」 「森羅君、付き合う?」 「森羅君、ヤる?」 「森羅君、この前のヤり具合はどうだった?」 「森羅君、もう一発いく?」

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そして延々とヤりまくる。面白いのは、シナリオの描写がどこか憂いと感情の絡み合いを醸し出すイキり路線を演出していて、音楽の感情盛り上げも相まって、絵の演出も精美。毎回のヤりには、どこかしら苦大仇深な理由があるように見える。人を救うためだったり、感情の解放のためだったり、ストレス発散のためだったり。俺は「お前はただのlow B抜きゲーだろうが」とこのゲームを指差して言いたいところだが、それはできない。なぜならHシーンが多すぎる以外は、どこも濃厚な小清新の雰囲気で、中年の文学女性が書いたような、感情の渦に巻き込まれた少年少女の切ない物語めいた知性すら感じさせるからだ。

「小清新と抜きゲーの間」、だいたいそんな感じ。

昔見た『ラスト、コーション』と同じだ。梁朝偉の露出した半分デカいのでがあまりに醜いと言うことはできても、これを官能小説だとは言えない。Filmarks9.8点の高評価が瞬時に教えてくれる。あれは名作で、ただHシーンがあるだけ。ベッドシーンがあるからといって、それ以前の感情描写を否定することはできない。『夏空のペルセウス』からヤりシーンを全部削除しても、実はなかなかの田舎情感劇になる。長さはおそらく20分くらいだろうけど。

『夏空のペルセウス』は本来こんなに短くなかったが、minoriが倒産しそうだから急遽出して数合わせしただけだと言う人もいる。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。しかし俺たちがもっと興味を持つべきは、minoriがその後出した作品だ。たとえば『十二月的夏娃』、何が見える?相変わらずお馴染みの巨乳、相変わらずお馴染みの小清新の下に隠れた抜きゲー設定。プレイした人の説明によれば、この作品も『夏空のペルセウス』と同じ路線で、高画質、高音楽、高演出、そしてあの延々と続くヤり……。

minoriの社長は一作の回血だけでは足りないと思ったのか、それとも生存のプレッシャーに迫られて節操を捨て、こういう短小精悍な、プレイヤーが抜いて寝るための作品を売るのも悪くないと思ったのか。ただ、minoriが金に困っているのは嘘ではなさそうだ。Steamで『eden*』を高らかに売り出しつつ、慌ててかつての中二の顔を自分で引っぱたいて海外市場に参入するあたり、金の前ではどんな中二も跪かざるを得ないらしい……。

总而言之、『夏空のペルセウス』のキャラデザが良いと思うなら、抜いて寝るために使えばいい。この設定が良いと思って、シナリオで何を語っているのか見たいなら?minoriの黒歴史を見ることを勧める。このゲームに関しては、背景のほうが物語そのものより面白いからだ……。

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