『ノラと皇女と野良猫ハート2』レビュー
ノラと皇女と野良猫ハート Fan Disk
『ノラと皇女と野良猫ハート』については、俺の評価はかなり高い。たとえアニメ版であってもだ。
脚本のはとが話のテンポを作る能力について疑ったことは一度もないし、このはとは本当に頭がいいと思っている。特にアニメ版で出した成果は、最小のコストで最大の効果を上げていた。
で、すぐに『ノラと皇女と野良猫ハート2』が来た。スタッフも元のままで、相変わらずの原液そのまま。どの面を見ても、一作目の肩に乗って一作目の栄光を再現できそうに見える。超展開なんて要らない、一作目のパターンをもう一回コピーすればほぼ安泰!
……安泰だったか? 俺はそうは思わない。

『ノラと皇女と野良猫ハート2』の話は一作目の展開に直結していて、「忘れられた雪の国の王女」アイリスと、その付き人ノエルとの一連のメインルートが追加され、同時に一作目の何人かのサブキャラが攻略対象に昇格する。これがこのゲームの主な内容だ。
まずはこの「雪の王女」メインルートについて……
冥界には、一作目のあの死霊国王女の他に、極北の国がある。忘れられた雪の国だ。雪の国には王女がいて、その王女は自分の国を再興するため、何かやらかすことを決意する……

例えば最初はオリンピックの誘致を準備したり、その後は街で宣伝活動をしようとしたりするが、どれもこれといった成果が出ない。最後に王女は外に出ることを決め、人間界に来て、どうやって自国の影響力を広げるかを視察する。
で、雪の国の王女が人間界に来た時はちょうど夏で、主人公はたまたま猫の姿だった。王女はこの霊的な猫はきっと自国に伝わる聖獣かなんかだと勘違いして、猫の姿の主人公を抱えて帰り、自国の泉で体を洗ってやる。すると主人公の毛が白くなった。その後の展開はもちろんお決まりで、主人公が突然人間の姿に戻り、まずは王女の護衛に捕まって「元の猫はどこだ、この怪しい奴が盗んだのか」と問い詰められる。

幸いなことに、この雪の国王女は某冥界の王女よりずっと賢かった。すぐにその猫は目の前のこの男が変わった姿だと理解し、その後二人は一晩中語り合って意気投合。別れ際に雪の国王女は自分の名前をアイリスだと明かし、忘れないでほしいと頼む。なぜなら自分は小さい頃からたくさんの友達と出会ってきたが、みんなすぐに自分を忘れてしまうから、と。
その後、主人公が現実に戻って数日経つと、雪の国王女が再び人間界へ進出してくる。今回は大掛かりで、旗を立てて拠点を作る。もちろんその拠点は主人公の家だ。

主人公は最初、雪の国王女を見てどこか懐かしいと感じるが、名前が思い出せない。王女は興奮して、やっと主人公に会えた、主人公も名前を忘れないと言ってくれたんだから、大声で私の名前を呼んで、とせがむ。
最初は間違えるものの、その後ちゃんと呼べた。そしてこの王女は主人公の家を拠点にする。この時、雪の国王女の母親が彼女に告げる。人間界に行くのにはもう一つ任務がある、冥界のもう一つの国、一作目のあの王女パトリシアの一族を滅ぼすことだと。あの一族こそ雪の国の宿敵で、雪の国が今のような惨状になったのはあいつらのせいだと。

で、ここでゲームがどんな展開になると思う? アイリスが主人公の家でパトリシアを見て殴り合いになる? 延々と喧嘩が続く?
違うんだなこれが! ゲームは超長いボケと日常を始める……その長さたるや、ゲームの結末も最後の10%で突然終わるくらいだ。

ゲームを進めると、王女アイリスは主人公の学校で試験を受ける。試験には「歴史」の科目があって、そこでアイリスは疑問を持つ。
「どの国にも歴史があるのに、なぜ私の国の歴史は知らないの?」
そこでアイリスは帰宅して図書館で調べようとするが、母親に拒否される。その後アイリスは他国の、つまりパトリシアの国が記録した雪の国の歴史を読む。雪の国は元々こうではなく、悲惨な過去を経て国がほぼ終わりかけ、王女の涙を売って生き延びている国だった。
アイリスは自分の歴史への好奇心をさらに強め、追及しようとする。その時、雪の国の幽霊たちが大挙して人間界に攻め込んでくる。アイリスの母親は激怒する。
「てめえを外に出したのはパトリシアの一家を滅ぼすためだろうが、なんで敵と友達になって自分のやることを忘れてんだ?」

最後はもう、くっそ長い口喧嘩と意味不明な例え、そしてやりたい放題の支離滅裂な説明が続き、アイリスはついに自分の国がどういう存在なのかを理解する。
どういう存在なのか? すまん俺も全然わからなかった。だいたい雪の国全体が滅んでいて、アイリスという王女の血筋だけが生き残っている、アイリスの母親は最初から存在しない(ゲーム中では声しか聞こえず姿は見えない)、母親というのは全部嘘で、アイリスが寂しくないように複読機みたいな装置で作られたもの、ということらしい。

そしてアイリス自身はというと、死と不死の間にある幽霊のようなもので、毎年人間界の上元節(つまり日本の盂蘭盆会)の時に鬼門関を越えて様々な人と出会い、その後その人たちは去り、彼女を忘れる。これが自分がいつも「友達ができると忘れられる」理由だった。

最後の結末は、アイリスがあの冷たい城を捨て、人間界を抱きしめることを選び、自分は「生きている」と信じて、主人公と共に勇敢に生きていく。そして春まで迎える。
で、このアイリスルートをどう理解するか。俺個人の解釈では、孤独な王女が嘘の中で生き、最終的に成長し、主人公に救われ、未来と向き合うことを選んだ、だいたいそんなところだ。
だが、意味は理解できても、それがこのゲームに問題がないことにはならない。むしろ、このゲームの問題は大きすぎる。最大の失敗は、脚本がネタをやりすぎて、メインルートの合理性まで無視していることだ。

一作目がどんな話だったか覚えてるか。冥界から来た王女が地上を征服しようとして、最終的に「生者」と「死者」の関係と素晴らしさに気づく。人間界に来たばかりの頃は笑いを取っていたが、最後は癒しの、ポジティブなエネルギーに満ちた物語だった。特に「生きている人は死を恐れない、死んだ人は生きている人のためにちゃんと祝福する」みたいな核心部分は良かった。
もちろんギャグ部分もすごく良くて、主人公が初めて猫になった時とか、王女が天然ボケをかます時とか、主人公の頼りないクラスメイトと一緒に騒ぐ時とか。
とにかく一作目は「癒し」「物語」「ギャグ」の三要素を完璧に融合させた良い作品だった。
で、このいわゆる「二作目」はどうなのか。
まず雪の国王女が主人公に会い、主人公を抱えて帰り、ちょっとした笑いを取る。ここは問題ない。次に雪の国王女も人間界に来て自国の知名度を宣伝し、主人公と一緒に住んで日常を送る。これも問題ない。王女は何もできないから主人公があれこれ教える。これも問題ない。そして……
ゲームはメインルートが何だったかを忘れて、無限のネタ芸を始める。

まずゲームの日常に出てくるキャラは少なくとも王女アイリス、付き人ノエル、一作目の高田ノブチナ、親友の井田、そしてパトリシア三姉妹の三人。元からいる夕莉シャチ、桐谷華が声を当てた明日原ユウキ、さらに主人公を加えて、全部で十人。
そう、十人。日常にはほぼ全員がいて、全員が交代で喋る。何を言ってるのかもわからない。

それでも、このゲームには一作目の何人かのサブキャラのさらにサブキャラ、そして最重要サブキャラの仙台エリが声を当てた黒木未知が欠けている。ゲームの設定では黒木未知は海外に行っていて、一部のシーンで少しだけ出てくる。
(実際は仙台エリが育児でゲームに声を当てる暇がないんだろ?)
で、こうして十人がゲーム内で日常パートを支え、ああでもないこうでもないと喋りまくる。重点も主軸もない。しかも十人のうち主人公と女一号以外はみんな話が不確かな連中で、ずっと各々好き勝手に喋っているから、ゲーム全体の会話がめちゃくちゃに見える。一作目ではこういう状況は物語の後半のごく短い間だけだったし、会話の大部分は主人公と他のヒロインの一対一、特にパトリシアとのやり取りが一番多かった。

この二作目では、主人公とアイリスの交流に「面白い衝突」がほとんどない。最大の原因はヒロインのアイリスのCV、石上静香の演技が下手すぎるせいだと思う。石上静香はここ数年エロゲーに出るようになってからも結構な本数をこなしているが、声はいつも同じ調子で、合うのは『タユタマ2』のああいうお嬢様くらい。他のキャラは普通か、存在感ゼロに近い。要するに性格を造形できていない。表舞台で売れないのも理由がないわけではない。桐谷華を見ろよ、表ではあまり声を当てていないが、いつも印象に残る。石上静香はデビューが京アニの『日常』なのに、本多真梨子の演技ほどのインパクトもない……
同時に今回のゲームのネタは明らかにやりすぎで、多くのネタがすごく無理やりで、日本ローカルにしか通じないものも多い。外国人として見ているとさっぱりわからない。Neta広告とかもそうだ。

日常パートが退屈なもう一つの理由は、ギャグ会話を主軸とする日常編において、一作目で唯一のツッコミ役だった黒木未知(仙台エリ)がこの作品では欠けていることだ……そして一作目でボケ役だった女一号の高森奈津美が、ここでは逆に説教する側になっていて、見ていて本当に気まずい。
この感覚は『銀魂』に新八がいないようなものだ。一群の頭のおかしい連中がそれぞれの頭のおかしさを発揮しているが、「まともな人」がツッコんで笑いを際立たせてくれない。主人公がまともな人と言えなくもないが、主人公にはボイスがない……

ゲームのアイリスメインルートは「忘れられた雪の国の王女の成長」だが、残念ながらゲームの語り口は個人的にあまり理解できなかった。後半でゲームは「マッチ売りの少女」という童話を導入して「いつも忘れられる雪の国王女アイリス」を暗喩しようとするが、この暗喩がどこがどう対応しているのか最後まで説明されない。しかもゲーム後半はご都合主義がひどく、でたらめに話を作るために、アイリスの母親は複読機が読み上げたものだとか、雪の国には「忘却装置」があるとか言い出すが、それ以上の説明はない。「ああ、もうエンディングか、適当に何か作ってハッピーエンドにしとけ」という感じに見える。『銀魂』も大体このノリだと認めるが、銀魂の物語の緊張感はこの中途半端なメインルートよりずっとマシだ。

ちなみにゲームのアイリスメインルートはOP前の一部と最後の10%だけで、だからといってメインルートが連続しているわけではない。それは日常パートの合間にあちこちに散らばっていて、つまらない理解不能なネタをやっている最中に突然メインルートが始まったり、メインルートが佳境に入って「なるほど、わかったようなわからんような」と思っているところに、さっとゲームがまたネタ芸を始めたりする……しかもそのネタがわからない可能性もある。このゲーム体験は本当に良くない。

さらにひどいのは、ゲーム中にAlt+Tabを頻繁に使うと、Skipでフリーズすることがある。backlogを連打しないと止まらない。俺はこれのせいで何度もbacklogを見返すはめになった。何か見逃したんじゃないかと。で、見終わった結果は……
全部クソほど無駄な台詞、全然見逃してなかった。
总而言之、ゲームのアイリスメインルートの出来には非常に失望した。一作目が95点なら、この二作目はせいぜい65点だ。日本のレビューを見ると、メインルートはクソだと書いてある。唯一良かったのは赤毛の高田ノブチナのルートで、これも一作目で一番人気のサブキャラだ。

だが俺はメインルートをプレイした後、もうこのゲームには触りたくないと思った。まず個人的にあの赤毛が好きじゃない。彼女はとても良いサブキャラかもしれないが、攻略したいとは思わない。サブキャラはサブキャラで、彼女自身と主人公には恋愛関係なんてない。ただのヤクザの小娘だ。無理やり恋愛関係に持っていくのは本当に気まずいし、このゲームがどんどん逸れていくように感じる。なんで11区の肥満オタクたちがサブキャラが可愛くて面白いと見るや「ハメたい」と思うのか、俺にはわからん。彼女の話を聞きたいのはわかるが、必ずヤる必要があるのか。それに、時々輝くサブキャラは攻略に向いていない。彼女たちの存在はゲームの物語の完全性をよりよく保つためだけのものだ。多くの恋愛物語は最初から、彼女が主人公と最後まで行く人間ではないと決まっている。

『ノラと皇女と野良猫ハート』一作目で、主人公は最初から王女と最後まで行く運命だった。そしてこの二作目も、また二人目の王女と手を取り合うのだろう。

とはいえ、これゲームって「二作目」と呼べるのか? どう見てもこれはファンディスク……おっと違う、ファンディスクにすぎないだろ!
コメントは中国語の本家サイトで受け付けています。このミラーは閲覧専用です。