『アストラエアの白き永遠』レビュー
先日、蒼雪で一人が高らかに声を上げていた。すべてのギャルゲーはエロが核であるべきだ、と。ソフトなエロだろうがハードなエロだろうが隠れたエロだろうが刺激的なエロだろうが、プレイヤーが抜くための核を失ったらギャルゲーは衰退するしかない、と。
こういう意見に対して、俺は珍しくどっちつかずの態度を取ってしまった。正直に言うと、俺がギャルゲーをやる理由はこの媒体や形式が好きだからじゃなくて、日本的なちょっとした幻想と刺激のあるシナリオが好きだからだ。アニメは時間が短くてうまく話をまとめられないし、漫画やラノベは大半が無理やり引き伸ばされて連載に殺される。一作一結末のギャルゲーだけが、俺のこの欲求を多少なりとも満たしてくれる。ゲームの√が終わりを迎えるとき、物語は必ず結末を迎えるからだ。ラノベや連載漫画みたいに、底の見えない底なし沼のようにだらだら引っ張られ続けることはない。
エロ要素については、俺はずっとシナリオと衝突しないと思っている。Hシーンを入れるときはいくらでも肉を売ればいいし、Hシーンを入れないときは真面目に話を語ればいい。もしHとシナリオが切り離せなくなっているなら、それはせいぜい抜きゲーで、特殊な層の特殊な需要に応えるものに過ぎない。だからギャルゲーのシナリオには、話の展開の仕方でいくつか種類がある。際どいラインを攻めるもの、真面目な顔でソフトエロ設定を投げつけてくるもの、そしてごく稀にHとシナリオをきちんと分けているもの。じゃあ……『アストラエアの白き永遠』はたぶんその類だろう。

『アストラエアの白き永遠』という名前をどう訳せばいいのか分からない。Astral Ariaの白き永遠? ゲームをクリアした後、俺は「星穹之空的白色永遠(星穹の空の白き永遠)」と呼ぶのがいいと思うようになった。そうじゃないと、宇宙と星空にここまで執着する脚本家に申し訳が立たない。
俺が触れてきた他のギャルゲーのシナリオと比べて、星穹之空的白色永遠は物語の見せ方がとてもとても節度がある。簡単に言えば、際どいラインも少ないし、無節操な肉売りも少ない。日常シーンの描写は段階を踏んで進み、どのキャラクターもまるで独立した命を持っているかのように感じられる。俺が最も嫌いなサイト、Yahoo!知恵袋で、ある人がシナリオ作りについて語っていた。低級は設定を売り、中級はシナリオを売り、高級は人物を売る、と。シナリオ作りの最高到達点は、筆の下の人物をまるで実在するかのように描くことだ。ここで典型的なのは性格の創造だ。この人物はこういう場面で何をするか? この人物はどんな気性か? この人物はこういう物語にどう向き合うか? シナリオを筋が通っているだけでなく情理を尽くして描くのは非常に難しい。だが、星穹之空的白色永遠はそれをやってのけた。各ヒロインの√で性格の造形が十分に高い境地に達している。

橘落葉√でゲームが強調するのは家族への想いと温かさだ。橘落葉と橘葉月の日常会話からは濃厚な温もりが伝わってくる。橘落葉自身の性格造形も非常に血の通ったものになっている。早逝した母の代わりに一人で家庭を支え、外見は強く、内面では不安と弱さを抱える姿が生き生きと浮かび上がる。
一夏√でゲームが強調するのは、一夏の天真爛漫な性格と姉への気遣い、そして超能力に目覚めた後の主人公への想いだ。特に、自分と主人公の唯一の絆が超能力だと気づき、そんな訳の分からないものに対して愛と憎しみを抱く心情、そして一夏の普段の笑顔や甘え、弱さに桐谷華の声が合わさって、この√は甘い以外の何ものでもない。
主人公の妹であるRinne√はとても切ないシナリオだ。Rinneは自分が主人公の妹だと知っているが、主人公はそのことを知らない。この√はRinneの主人公へのぶつぶつとした独り言に満ちている。兄が好きなのに、兄妹だからと想いを伝えられない。しかも兄には好きな小雪がいる。横恋慕すべきか、自分から告白すべきか。Rinneの内心がこの√で細かく描かれる。逆に主人公自身の描写は多くないが、個人√だからまあいい。

Koronaと琴里の√はちゃんと進めていないが、テーマはまあまあだった。前三者ほどの深みはないが、及第点ではある。
特筆すべきはCVの演技だ。橘落葉のCVは表番の高森奈津美。正直かなり驚かされた。表番では彼女はおかしな娘ばかり演じる。さくら荘のmisaki、AnotherのMisaki、今期の電気街の黄書店の元気な女の子とか。まさか成熟した女性の声線も持っているとは想像しにくい。間違いなくゲーム全体で最高のCVだ。もう一人は大橋歩夕。星橋やYour dairyで声は聞いたことがあるが、このゆっくりとした甘えるようなぶつぶつ声線は唯一無二の感覚を与える。最後に一夏の桐谷華は可もなく不可もなく。声線が小太刀とそっくりだから、正規の演技しかできず、これといった光るものがない。KoronaのCVはあまり詳しくないが、恋愛0キロメートルのあの姉ちゃんだと分かった。ただ言わせてもらうと、あの姉ちゃんの声線は死んでくれ。これからはKoronaでいい。琴理の長妻樹里の演技は良くない。中二病の七宮智音と同じく平凡だ。最後に橘葉月のCV、我らが偉大なる秋月愛莉……おっと、五十嵐裕美。演技は完璧だ。彼女がこんなにロリに向いているとは今まで気づかなかった。この深い功力は表番に持ち込んでも人をなぎ倒せる。

ゲームの落葉√も、Rinne√も、一夏√も、どれも良かった。温かいものは温かく、甘いものは甘く、切ないものは切なく。脚本家の日常描写と細かいシナリオ、人物性格の造形における深厚な功力を示している。
だがしかし、それらは全部メインストーリーと一銭の関係もない。
忘れないでほしい。このゲームは最初、ちょっとしたファンタジー色を帯びている。月ノ咲の町に常に降り続く雪の設定、幽霊のように神出鬼没の小雪という女の子、町に突如現れる能力者の暴走。これらは当然ゲームのメインストーリーのはずで、共通√でもメインの展開について大量の描写がある。最初の稚菜の暴走、二度目の一夏の暴走、三度目の早少女柚の暴走、四度目の葉月の誘拐。疑問はどんどん重くなり、謎はどんどん増える。しかしそれらは落葉、一夏、Rinne、Korona、琴里の√では、な!ん!に!解!決!さ!れ!て!い!な!い!

あるのは小雪が出てきた、町に雪が降った、能力者同士の戦いは訳も分からず終わった、√の最後にまた謎の少女が出てきて訳の分からないことを言って、それでおしまい……というだけ。
理由を知りたい? シナリオロックがすぐに教えてくれる。全ヒロインの√をクリアしないと、最後のTrue Endは解放されない。
そしてTrue Endにたどり着いたとき、俺は脚本家に土下座したくなった。
True Endのシナリオ描写は混乱の一言に尽きる。まず他の√の結末を全部説明し直す(こっちは全部やらされたんだよ、もう一回言う意味あんのか? 時間稼ぎか?)。次に小雪が相変わらず訳も分からず出てくる。毎回、主人公との間に実際的価値のあるやり取りはない。逆にゲーム内の脇役、日向の出番が大幅に増える。時々、これ彼女の√なんじゃないかと疑いたくなる。そしてシナリオをこれでもかと引っ張った後、突然暴走が始まる……
暴走とは何か? いろんな設定と、いわゆる真実を、頭ん中に一気に流し込んでくることだ。未加工の、原汁原味の、ガソリンのポリタンクを口に突っ込まれて注がれるような感覚。
突然、他の√では脇役だった白羽という所長が飛び出してくる。突然、主人公が研究所に入る。突然、主人公が研究所に横たわる白羽幸という少女を見つける。突然、少女が小雪は自分が召喚したものだと言う。召喚した理由を聞いたとき、俺は思わず吹き出した……
「子供の頃、火星探査の石に触れて、それで超能力を得たの。当時私は寝たきりで、友達が欲しかった。そこで能力が発動して、願いが叶って、小雪が現れた」

つまり我らが偉大なる小雪は火星から来た石から飛び出した少女。そしてシナリオは続く。いわゆる超能力の存在は伝染するものだ。つまり、小雪が超能力の源で、彼女が主人公に伝染し、主人公がRinneに伝染し、そして小雪が研究所の人に伝染し、研究所の人が落葉に伝染し、落葉が葉月に伝染した。こうして超能力という名の何かはウイルスのように町中に広がった。
主人公の父親はどう死んだのか。白羽幸が超能力を獲得した瞬間に能力が制御不能になって暴走し、主人公の父親を死なせ、さらに多くの人に超能力を感染させたのだ。
そして我らが小雪は悲しくなる。自分が超能力を他人に伝染させ、暴走の危険がある、自分は万悪の源だと。より多くの人に伝染させないために、小雪は隠れて人に会わない。主人公と時々話す以外は……
ここまで読んで俺の脳はもう何が何だか分からなくなった……この感覚は神話を読むのに似ている。白娘子と許仙の恋愛なのに、突然白娘子が許仙に「旦那様、実は私は火星の宇宙人なんです」と言い出すような、そんな奇妙な雰囲気だ。
俺は最初、小雪は妖精だと思っていた。妖精と人間の恋、種族を超える何か、それも感動的だ。実際、小雪は確かに妖精だが、火星から来た妖精なのだ……しかも超能力という名のウイルスを持っている。最後に主人公は小雪の身分を気にしないと示し、二人は小雪の夢の中で一度mindfuckを果たし、シナリオは訳も分からずに慌ただしく終わる。

俺には理解できない。なぜ脚本家がここまで宇宙人と火星探査にこだわるのか。Korona√にSF要素があるから? でもKorona自身がロボットではない設定がそれを否定している。ゲームに研究施設が必要だから? 主人公の父親が火星探査で死んだから、これを全部つなげる必要があるから? 特にゲーム内ではオシャレ度を上げるために北欧神話まで導入しているが、実際には本体のシナリオにとって何の役にも立っていない……
小雪と主人公の恋愛に筆を割けばいいものを、あれこれつじつまを合わせようとした結果、中途半端になっている。しかも、いわゆる小雪√では、小雪自身の性格造形も不十分だ。何でも食べたがるということ以外、何も残っていない……
脚本家は日常シナリオには定評があるかもしれないが、明らかに超能力やより広い設定描写は苦手だ。いわゆるTrue End以外でも、超能力バトルのシナリオには緊張感がなく、対抗の細かい描写もなく、ただ主人公が力を入れると相手が倒れるとだけ書かれている……
小雪のCVは伝説の新田恵海。正直、彼女の演技は出色ではない。声に特性がなく、印象にも残らない。もちろん、キャラクターのシナリオ造形不足にも関係している。ゲームの音楽はなかなか良いが、残念ながらOSTのダウンロードが見つからない。特典はおまけの歌曲アルバムだけ。ゲームの画風は画像の通り、白く光っている……でも人物は可愛い。時々、この絵師はAlcotの『幼馴染が大統領になった』の作画に参加したんじゃないかと思う。スタイルが似すぎている……
何と言うか……星穹之空的白色永遠というゲームについては、たぶん、落葉、一夏、Rinneの√を終えて、あのいわゆるTrue Endに触れないのが最良の選択だ。
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