『絆きらめく恋いろは』レビュー
AMUSE CRAFTって会社はなかなかヤバいらしい。少なくとも傘下にいくつかイカしたブランドを持ってるし、何人かヤバい絵師が協力してくれてるし、新島夕をはじめとする有名どころも引っ張ってこれる。
あ、そういえばこの会社、新しいブランドの馬甲を開くのが好きなんだよな。新島夕のあの二作品も、一回使ったらポイの新馬甲だったじゃん。
で、今回もまた新馬甲を開いた。名前はCRYSTALiA。で、いかにもイキりながら「今回の新作のコードネームはKatana、つまり日本語で『刀』だ」とか言ってる。
だからコードネームが「刀」のゲームのフルネームが、このダサすぎる『絆きらめく恋いろは』なわけ。中国語の意味はどう訳したらいいかわからんが、まあ「輝く絆が恋を芽生えさせる」みたいな感じだろ。

正直、このゲームにはあんまり期待してなかった。しかも設定が未来だし。それに明らかな悪役も見当たらない。どう見ても「刀で遊ぶ名目で」学校でイチャコラする話にしか見えん。で、実際にやってみたらマジでその通りだった。
まず最初に言わなきゃいけないのは、このゲームの序盤は本当につまらない。主人公はどこかの武術学校の生徒で、専門は器械科、つまり武器制作を学ぶ学科。他のヒロインたちはほとんどが武闘科を目指してる。要するに、主人公は武器を作る側、ヒロインたちは武術を練る側ってわけ。

主人公は最初、自分の家系が刀匠の一族で、どれだけスゴい血統かって聞かされる。でも主人公は今まで一度も刀を打ったことがない。心のどこかで拒否してるからだ。
主人公の武器を作る血統は「魂鋼」を使って武器を鍛えることができる。名前の通り、魂の宿った鋼で、武器を使う人間と共鳴し合い、「霊刀」と呼ばれるものを作り出せる(なんでRazerって名前じゃないんだ……いや霊刃か)。そして主人公は、自分の家系の守護神だという魂鋼の中の白狐、綾瀬と会話することもできる。

主人公が刀を打つのを拒む理由は子供の頃の記憶にある。子供の頃よく山に遊びに行って、山に何か特別なものが自分を引き寄せてる気がしてた。その時はもう一人男の子がいて、一緒に山を走り回ってた。でもある日、主人公とその男の子が山を走ってる時、突然主人公が石楽志……じゃなくて正気を失って、刀でその男の子を斬りつけてしまった。それ以来、主人公は刀に拒否反応を示すようになった。「もし自分が刀を打ったら、誰かがその刀で人を傷つけるに違いない。そうしたら自分は人殺しの共犯だ」と。しかも刀を打つ時、心の奥で妙な声が囁くんだ。「この刀は血の川を成す」と。だから主人公はその壁を越えられず、刀を打てないでいた。

そんなある日、入学してきたヒロインの上和泉桜夜が、自分こそ子供の頃に主人公に山で斬られた相手だと打ち明ける。しかも胸の傷跡まで見せてくれた。その傷跡は桜夜によれば、本当の刀傷ではなく「呪い」のようなもので、治癒できないものだという。
桜夜は子供の頃、男の子みたいな格好をしていて主人公に勘違いされたこと、そして自分は主人公に斬られたことを一度も恨んでいないことを話す。今、主人公がこんなに苦しんで、刀すら打てなくなっているのを見て、過去の話をしようと決めた。自分は決して責めていないから、雑念を捨ててしっかり刀を打ってほしい、と。

最後に桜夜は主人公に一つのお願いをする。自分に一把の刀を打ってほしい、と。

ここで語られるのが、このゲームにおける「刀」の設定。もともと日本には「霊刀」が存在した。主人公の家系が打つ、魂の宿った鋼で作られた刀で、戦場での殺人兵器だ。この学校ではそういう殺傷兵器は禁止されていて、代わりに「オリガミ」と呼ばれるものが使われる。オリガミにも「霊刀」に似た属性はあるが、すでにハイテク要素が加わっていて、ログインできたり、rootできたり、属性を設定できたりと、まあスマートウェポンみたいなもの。しかもこの刀は管理可能で、普段の練習試合ではスポーツ感覚で使える。で、主人公が桜夜に打ったのは霊刀ではなくオリガミだった。

桜夜が主人公の刀を手に入れた後、ゲームは分岐する。学校で「演武祭」が開催されることになり、主人公は誰を応援するか選ぶことになる。
しかもクソなことに、このゲームにはルートロックがある。最初の三人のサブヒロインを攻略しないと、最後の桜夜に辿り着けない。

幸い、このゲームの個別ルートはなかなか見どころがある。特に朱雀院椿のルートは。
椿は武術一家の朱雀院家の出で、いつも主人公の姉貴分を自称している。幼い頃から良い教育と武術のリソースを与えられ、この学校にも家を代表して来ている。だから彼女はずっと高い能力とプライドを持っていて、演武祭では当然優勝を目指す。
でも優勝を維持するのは簡単じゃない。多くの努力が必要だし、大きなプレッシャーにも耐えなきゃいけない。

明らかに、椿はそんな大きなプレッシャーに耐えられない。
第一試合は同学年の千石葵が別の相手と対戦。椿は葵が超暴力的で強大な戦闘力で相手を倒すのを見て、一瞬内心不安になる。そして第二試合は椿対桜夜。最初は椿が優勢だったが、桜夜が戦うほどに強くなり、戦いを楽しみ始め、士気が上がっていく。一方椿の心はどんどん怖くなっていく。

「負けられない、負けたら終わりだ」 「冒険しちゃいけない、じゃないと負ける」 「負けたら家族に家の名を汚したと思われて、許されない」 「自分は朱雀院家の人間だからここに立っている。負けたら何もなくなる」
そうして椿の戦い方はどんどん保守的になり、萎縮していく。桜夜に押されっぱなしで、最後は使ったことのない大技を慌てて使って辛うじて勝つ。

桜夜の戦闘力は実はそんなに高くない。学年トップの椿が彼女相手にこんなに苦戦するとは、ましてや次の試合の千石葵相手ならなおさらだ。
次の試合はすぐにやってきた。朱雀院椿 VS 千石葵。
試合開始早々、椿は二刀流を抜く。普段は二刀流なんて使わない。つまり内心怯えていて、負けるのが怖いから最初から必殺技を出したわけだ。
それでも、何度か打ち合ううちに椿は苦戦する。千石葵の強さは椿の予想を超えていた。椿が相手より弱いわけじゃない。ただ相手の戦闘スタイルが激しすぎて、椿が保守的すぎて、失敗を恐れて思い切れない。
相手の考えは「勝つ、自分は勝つ」。 そして椿の考えは「負けられない、負けたら何もなくなる」。
心理的な枷が椿をどんどん苦しめる。椿は試合中に気づく。葵は戦闘中、オリガミの特殊機能を全く使っていない。つまり彼女は純粋に刀法だけで戦っている。MPゲージを使うような機能は一切使っていないのだ。
椿は驚く。相手は鼻で笑う。「私はこの学校に入った時、誰にも勝てなかった。だから努力しようと決心した。負ける相手を次々に見つけて戦い、鍛え続けて、下位ランクから一歩ずつ上がってここに立っている。お前は最初から家族の良い教育と訓練環境があって、最高の武器を持って、当然のように一位を取ってる。お前には価値がない。お前を倒す」

「今のお前の状態、グズグズしてて、一位に値しない!」
椿が呆然としている間に葵が最後の一撃を放つ。防いだものの、椿の武器は砕け散った。
試合中にオリガミの耐久度が砕けた場合、即座に敗北判定だが、審判の協議の結果、椿が試合中に得た有効ポイントが葵より多いため、椿の勝利となった。

椿は試合に勝ったが、武器を砕かれ、武器を失った状態で、ルールのおかげで勝っただけ。武士としてこれは恥ずかしい。

その後の展開はまあ当然の流れ。家族からの疑念、周囲の嘲笑、「勝ち方が汚い」という皮肉に耐える椿の前に主人公が現れ、椿を慰め、ついでに口説いて、何発かヤった後には椿は気分も良くなり迷いも消える。そして主人公は武器を失った椿のために新しい二刀流を打つ。しかもROGカラーで、ASUSがスポンサーしてるんじゃないかってくらい。

自信を取り戻した椿は再び葵と対面し、再戦を申し込む。この戦いで椿は迷いもなく、プレッシャーもなく、自分のために戦うことを選び、当然のように圧勝する。椿はもともと強い。前回の試合は心理的負担が重すぎただけだ。
葵は豪快な性格で、負けた後は心から納得する。椿は葵と友達に戻ろうと言うが、葵はあっさり「ずっと友達だと思ってた」と言う。相手だからこそ、手を抜かず全力で戦うのが礼儀だと思っているからだ。

そしてこのルートはわけわからんまま終わる。演武祭は八人の決闘なのに、椿は二試合勝っただけなのに、最後は椿がグランドチャンピオンになったと一言で済まされ、その後は主人公と一緒にいて、時々嫉妬したりする。

二つ目のルートは後輩、藍原しおんのルート。
後輩のしおんは武術一家の出ではなく、この学校に来たのは祖父の影響で、剣士がかっこいいと思って自分もそうなりたいと、祖父以外の家族の反対を押し切って来たからだ。

でも仕方ない、しおんは弱すぎる。来た当初は誰にも勝てず、成績は最下位。
彼女が学校の「嘆きの壁」で泣いているところを主人公が見つける。


その後、主人公は意識的にしおんを助け、時にはコーチとして指導する。もっと強くなってほしいと、刀を打ってやる。しおんは後輩の銀杏田萌生菜と練習を重ね、多くを学んで少しずつ上達。演武祭の時にはなんとか出場資格を手に入れる。

だが不幸なことに、初戦の相手は学年トップの朱雀院椿。
主人公の助けと励ましのもと、しおんは「相手の武器の耐久度を攻撃する」戦術を採り、相手の攻撃を避ける。朱雀院椿が「受け流してからのカウンター」を得意と知っているので、受け流す隙を与えない。戦いの中では互角に渡り合うが、最後は実力差が大きすぎて負ける。

それでも朱雀院椿はしおんの成長に驚く。最初はただの素人だったのだから。しかし主人公だけは知っていた。しおんは武術の腕は劣るが、精神感応の面では非常に強い。例えるなら攻撃力は低いがMPが異常に長いタイプ。彼女は戦士より魔法使いに向いてる気がする。
その後、しおんのルートでは演武祭の話はなくなり、主人公の過去の話が始まる。
共通ルートで語られたように、主人公には問題がある。刀を打つたびに、心の奥で悪魔のようなものが囁くのだ。しおんのために刀を打つ時、その囁きはさらに強くなり、主人公は抑え込んだものの、魂に何か腐食を感じる。
主人公の先生、佐々木巫琴は主人公について何かを知っているようで、彼の体調が悪くなっていることに気づく。先生が主人公を探しに行こうとした時、彼が発狂しているのを発見する。

主人公は白狐の面を被り、手当たり次第に人を斬り始める。
そこで先生の佐々木巫琴が明かす。主人公の体は「霊に憑かれやすい」体質で、子供の頃に何らかの理由である妖怪に憑依された。後に体内に封印されたが、無理に刀を打ったことで引きずり出され、心を奪われた。今の主人公はその妖怪に操られている、と。

その後の展開はお決まり。主人公がしおんを助けたから、今度はしおんが主人公を救う番。刀を手に、操られた主人公と対決し、最後には救い出す。
その後の恋愛云々はまあ順当に進む……
もう一つ、外国人フリージアのルートがあるが、これはまあつまらない。俺もちゃんと見てない。アメリカから来た外国人が、日本のこのハイテク智能刀オリガミに興味を持ち、学校でその開発と制作管理を学び、最後は主人公の助けでエンジニアになる話。彼女自身は刀を取って戦うことは選ばない。

しかも正直、この外国人のキャラ造形は失敗してる。声優はすごいが、キャラがバカすぎる。話す端々に日本への自画自賛が溢れ、しかも妙な片仮名表記が多くて読んでて頭が痛い。
三つのルートを解放すると、上和泉桜夜のルートに入れる。
最初は俺と同じように、桜夜のルートは主人公の助けで演武祭優勝を果たす話だと思うだろう。このゲーム、共通ルートは退屈だが、演武祭が始まると結構面白い。しかもゲームのリズムはかつての『あおかな』に似ている。しおん→ましろ、椿→みさき、さや→あすか、もちろんあの気まずい外国人には対応する相手がいないけど。

しかしこのゲーム、最後は全然そうならない……
このゲームにはまだ使われていない伏線がいくつかある:
- 主人公の体内には妖怪の他に、家系の守護獣と称する狐妖、綾瀬がいる。
- 先生の佐々木巫琴は很多事情を知っているようで、会話の中で彼女もまた狐妖であることがわかる。
- 上和泉桜夜が代表する上和泉家と朱雀院椿が代表する朱雀院家は歴史的に因縁がある。簡単に言えば、朱雀院家は代々戦闘力を高めるため狐妖と契約し、狐妖と交配して子孫を残し、狐妖の血を引くことで戦闘力を強化していた。一方、上和泉家は妖を退治する家系で、最終的に上和泉家の者が朱雀院家の狐妖を斬った……だから今はもう妖怪はほとんどいない。

だから最後のTRUE ENDルートは妙だ。最初は当然、桜夜が武闘祭に参加するため主人公に刀を打ってくれと頼む。しかし今回、主人公が刀を打つ時、家の守護獣である綾瀬が自ら現れ、自分が憑いている魂鋼を材料に使ってほしいと言う。そして「新鮮味を求めたかった」とか何とか……

主人公は同意し、綾瀬の魂鋼で武器を作る。桜夜はそれを受け取り、主人公と練習を重ねて試合に備える。
試合が始まると、桜夜の戦いは安定していて、すぐに決勝へ進む。決勝で待つのはもちろん前回の一位、朱雀院椿。

二人の対決はなかなか見応えがある。しかし戦っているうちに様子がおかしくなる。
実力的には桜夜は朱雀院椿に劣る。だが椿が桜夜を倒そうとした瞬間、桜夜の精神と手にした武器が巨大な共鳴を起こし、武器が凄まじいエネルギーを放ち始める。桜夜は強大な力を得て、攻撃力が異常に高まり、椿ですら受け止められない。

このままでは死人が出かねない。主人公が止めるが、桜夜は完全に制御を失い、殺人マシンと化す。椿も必死に止めようとするが、桜夜は狂戦士のようで、殺さないと止まらない。

最終的に強制昏睡で桜夜は狂暴化を止め、昏睡状態に入る。
昏睡した桜夜は保健室に運ばれる。佐々木先生が状況を確認に行くと、そこには朱雀院椿の姉、朱雀院都子がいて、しかも主人公が桜夜に打った刀を手にしていた。

朱雀院都子は学校では他人のメイドとして潜伏し、実際は主人公を密かに観察し、主人公が「妖刀」を打つ日を待っていた。
主人公は刀匠の家系で、その守護神である綾瀬は実は狐妖。この狐妖はもともと朱雀院家の子孫のもので、通婚によって主人公の家に流れ、守護神となった。そして朱雀院家の本来の狐妖は上和泉家に斬られたため、狐妖の血統を失い、以前ほどの強さはなくなっていた。
しかし今は違う。主人公が自分の家の守護神、つまり狐妖を刀にしたのだ。

朱雀院家の者なら、この刀を手に入れるだけで頂点に戻れる。上和泉桜夜が試合でこの刀の威力を発揮したのを、朱雀院都子は見ていた。
だから朱雀院都子はすぐに現れて刀を奪い、朱雀院椿が姉を止めようとするが逆に斬られ、朱雀院都子は妖刀を持って逃げる。

主人公と桜夜は追いかけるが、桜夜も敵わず斬られ、残ったのは主人公だけ。彼は刀を手に取り、自ら黒幕を止める決意をする。
最初は主人公は朱雀院都子に全く敵わない。何せ刀法の心得がない。土壇場で斬られそうになった時、しおんが自分の家の佩刀を持ってくる。それは退魔の性質を持つ刀で、妖刀を本質的に克制できる。

つまり最後は主人公が外掛を手に入れ、ボスも外掛を手に入れ、外掛対外掛で主人公の勝ち……

主人公が再び現れた妖刀を斬り伏せると、妖刀に憑依していた綾瀬が現れる。彼女は最初からこの展開を知っていて、主人公に妖刀を打たせたのは密かに助けるためであり、これを機に妖刀が二度と現れないようにし、守護神としての責務を果たしたと語る。同時に綾瀬は、桜夜が子供の頃に主人公に斬られた呪いも解けたこと、今後この世に狐妖を利用して不正な力を得る者はいないことなどを blah blah blah……

もちろん、この世に本当に狐妖がいないのか?まさか。主人公の先生、佐々木巫琴は狐妖だし、彼女は何百年も生きていると言っている。朱雀院家の初代刀法と練武場の創設者も彼女の子孫だ……

だから佐々木巫琴先生は最初からこの学校に来る何人かの関係を知っていて、黙って観察し、陰で助けていただけだった。

最終的には当然、主人公と桜夜は結ばれ、二人とも学校に残って先生になる。一人は武器制作、一人は刀法を教え、さらに娘も生まれてハッピーエンド。

このゲーム、TRUE ENDだけを見ると、「主人公が一人の刀匠として、うっかり最終兵器を作ってしまい、その最終兵器がすぐに盗まれて悪用されそうになり、主人公がそれを破壊して世の災いを防ぐ」という話に近い。このゲーム全体が「刀」と「絆」について語っていることについては、実に微妙な描写だ。
どう微妙か?理由はいくつかある。
1、まずこのゲームのシナリオの分断感が顕著。共通ルートでは非常につまらないのに、武闘祭の対戦になると急に面白くなる。そして武闘祭が終わると、シナリオは慌てて終わる。細かいところを書くのが面倒で、主人公がどうやってボスに勝ったかも数行で済ませ、しおんがどうやって発狂した主人公を倒したかも数行で済ませている。もっと許せないのは椿ルートで、グループリーグだけ書いて決勝を書かず、決勝は一行で流す……おかしいだろ。

2、対抗描写のあるゲームなのに、このゲームはCGが少なすぎる。各キャラが刀を握るCGは多くても2枚、刀を振るエフェクトは1枚の絵だけ。それが延々と繰り返されるから全然映えない。この点はLass(通称ラッセル社)を見習うべきで、あっちの11eyesはよくできてた。まあこの手のジャンルが初挑戦だったんだろうし、演出効果に欠けるのは仕方ないと言えば仕方ない。

3、ゲームシステムはイキり倒してるわりに実用性が低い。tipsシステムがあってよくある用語を解説してくれるんだが……その解説がマジで頭悪い。1+1=2レベルのことまで解説しようとするくせに、肝心なことは説明しない。いや、説明がないわけじゃない。説明してるけど説明になってない。家族間における霊刀の由来だの、刀を打つ際の魂鋼の用途だの、後半に突然出てくる陰陽師の伝説だの、それからお前らの学校の武闘祭がなんで歌留多みたいに試合開始前にジジイが胡散臭く神楽舞う必要があるんだよって話だの……全部説明なし。見ててワケがわからん。

4、シナリオ構成も対外的な宣伝も全然ダメ。例えばゲーム開始時の宣伝のあのタイトル、あのOPの組み合わせから、その後の展開を誰が予想できる?ゲームのメインストーリーが何なのかすらわからない。「武闘祭」の説明も一切ないし、終盤になってようやくこれが最終的に大会ものだったんだと気づく始末。でも最後のTrue Endは大会じゃない。大会をベースにさらに展開させる、しかも超展開。それなのにラスボスは序盤に伏線らしい伏線が一切なく、ただ最後に引っ張り出して使っただけ。でもラストまで遊んでから序盤のOPとタイトルを振り返ると、やっぱりこの二つとゲーム内容が全然合ってない。適当に掻き集めてきたような印象しかない。
全体で見れば『絆きらめく恋いろは』は自分の予想を上回っていた。少なくとも対抗パート、椿の心理描写、そして最後のボス戦はなかなか良かった。予想より上。BGMは全編通して和風エレクトロで、これも大きな特徴。ヒロインの絵も特に文句なし。欠点は前述の通りだが、許せるものもあれば理解できないものもある。

AMUSE CRAFTは萌えゲーばかり作ってきたから、急にこういうタイプを作ると宣伝は「ヒロインの可愛さ」に重点を置くべきなのに、シナリオそのものを押し出そうとした。だからああいうキャラ売りで手抜きのOPと、ワケのわからんダサいタイトルが出来上がったんだ。しかもシナリオロックまであって、
俺が言いたいのはな、このゲームをBladeのカタカナか、何ならXXの剣みたいなタイトルに変えて、激アツなOPに差し替えたら、一瞬で今より何倍も良くなるし、もっと遊びたくなるだろ。

このゲームは時々去年のSaga Planetsのあのゲームを思い出させる。同じ病気で、序盤が退屈で後半が爆発する。でも元々時間のかかるギャルゲーで序盤が退屈すぎると、なかなか続きを見る気にならないんだよな……。
ただSaga Planetsのあの作品は名前が良かった。クリアしてから名前を見ると「ああ、そういうことか」と合点がいく。このゲームはクリアしてから名前を見ても「バカじゃねえの」としか思えないのが残念だ。
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