『眠れぬ羊と孤独な狼』レビュー

妹コン最高

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Clockup は「とても真面目な」ゲームをよく出す会社だ。もっとも、大半の時間に抱く印象はそうじゃないけど。

Clockup の代表作は euphoria で、これがどんなゲームかは自分で検索すれば分かると思う。それ以来、Clockup というブランドが出すゲームの多くは「隠す気ゼロ」な印象を与えてくる。

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ここでいう「隠蔽なし」とは、ゲーム内容における「直接性」や「暴力性」だけを指すわけじゃない。むしろ、そもそも「18禁」ゲームそのものの特色を体現しているってことだ。18禁って何かって言えば、要は成人向けコンテンツでしょ。成人向けコンテンツって何かっていうと、色情だけじゃなくて暴力もあるわけで。だからこの二つの要素が、Clockup の多くのゲームでこれでもかとぶちまけられているってわけだ。

Clockup は数多くの抜きゲーを世に出してきて、「エロ」のイメージを存分に表現してきた。それと同時に、「シナリオゲー」も多数リリースしていて、面白い物語をたくさん語ってもいる。もちろん、そうした物語には「エロ」だけでなく、露骨な「暴力」も含まれている。さらにぶっ飛んでいるのは、Clockup が妙ちくりんな笑える抜きゲーまで出していることだ。作風はこれまでのダークな路線とはまるで違う。しかし、これら毛色の異なるゲームはすべて同じブランドから出ているのであって、他の会社のようにサブブランドを立ち上げて分類するわけではない。なんだかすごくいい加減に見える。これこそ、俺が最初に Clockup はいつも奇妙な印象を残すと言った理由だ。

しかし間違いなく、Clockupは定期的に、時にはかなり含蓄のある良作を出してくる。初期のどこか文芸映画風の『夏ノ鎖』だけではなく、数年前の『Maggot baits』も強く印象に残っている。絶望の極致にある世界で、もう一度希望が生まれる物語を描いていたが、内容はやはり非常にハードコアなエロと暴力に満ちていた。それらは意図的に盛り込んだものではなく、ゲームのテーマをしっかり際立たせている。いわゆる「過激」な要素に妥協する気は一切ないらしく、必要なCGはきっちり出す。少しの美化もない。時々、そこには「暴力美学」とでも言うべき要素すらあるように思える。

このスタイルを思い出させるもう一つのゲームが DOOM だ。暴力に反対してきた連中は多いが、そいつらはみんな死んだ。

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そうして『Maggot Baits』を作った当時のスタッフが再びClockupに集結し、またもやややダークな雰囲気の『眠れぬ羊と孤独な狼』を届けてくれたわけで、当然期待も高まるというものだ。

ゲームのタイトルとTitle画像を見ただけで、もう多くの要素が語られている。タイトル『眠れぬ羊と孤独な狼』をそのまま訳せば「眠れない羊と孤独な狼」――この二つが指すのは、おそらく男主と女主だろう。ゲーム自体の長さは実のところ普通で、エンディングは正確に言えば三つしかない。しかもルートは一般的なギャルゲーのようにキャラクターごとに振り分けられているわけではない。何しろ女主は一人しかいないし、男主も一人しかいないのだから。

ゲームは主人公の仕事始めとともにスタートする。主人公の仕事は殺し屋で、新宿歌舞伎町でそれなりの勢力を持つ地元のヤクザ・青池会に雇われている。いろいろあって彼らのために働くことになった主人公は、同時にラブホテルに住み込み、その隣で中国人が経営しているキャバクラ(カラオケ?)ともそれなりに親しくしている。

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新宿歌舞伎町はアジアでも有数の歓楽街で、日本はここで厳しい取り締まりを行っている。風俗サービスを提供してもいいし、嬢にオイルマッサージを頼んでもいい、触らせてもらってもいい、あれやこれやしてもいい。だが、JBを突っ込むことだけは許されない。性的行為があればそれは違法だ。それでも、ここで買春は可能だ。もし頼んだ嬢が、金のためではなく「自由恋愛」としてあなたとホテルに行くことに同意すれば、二人でラブホテルに部屋を取っても誰にも咎められない。どうやって嬢を同意させるか? 金を握らせるのだ。

皮肉なことに、Yahoo!知恵袋の新宿歌舞伎町の買春に関するこの投稿によれば、一番ブスな嬢を選んで一発やるのに7万円かかるらしい。ところがこのゲーム開発会社 Clockup の求人募集では、一般社員の月給は保証で7万円程度。つまりエロゲー開発に携わって稼ぐ金ってのは、一ヶ月働いても食わず飲まずでようやく最悪の嬢と一回遊べる程度ってことだ。ここで改めて思うのは、やっぱり天朝の価格は良心的だなあということ。

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だからこのゲームの人間関係図を見ても、なんとなく関係が分かる。主人公は青池会に雇われていて、同時に新宿で風俗店を営む中国人とも旧知の仲。その中国人が開いている店の隣がラブホテルで、金持ちが中国人の店で小姐を見つけて、そのまま隣のラブホテルで「自由恋愛」とやらでパコパコするためなのだ。

ゲームは冒頭からこのラブホテルで起きる急展開から始まる。ヒロインはなぜか中国人経営の店に紛れ込んでソープ嬢として働き、その日にチンピラを一人連れ出してホテルへ。行為のあと、ヒロインはそのチンピラに向かって「あんたは悪人だ」と呟き、迷わず殺してしまう。ところがそのチンピラは青池会の人間だったらしく、ヤクザだらけの歌舞伎町で一気に大事件になってしまう。

青池会のボスが主人公のところに来て、この殺人を犯したのが誰なのか調べてほしいと頼む。主人公は調査を始め、ついに女主人公にたどり着く。

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男主人公とヒロインが会えば当然のように殴り合いになるわけだが、やり合ううちに男主人公が突然発情してヒロインをレイプしてしまう。その一日で、もう情が湧いちまったんだな。ヒロインもめちゃくちゃ気持ちよくて、男主人公もめちゃくちゃ気持ちよくて、しかも何より、男主人公はヒロインが自分の長年の胃病……おっと違う、不眠症を治してくれたと思い込む。

ここで語るべきは、男主と女主が一体何のために殺し屋になったのかって話だ。そしてそれはタイトルの『眠れぬ羊と孤独な狼』にも対応している。

主人公は子供の頃、ごく普通の家庭に育っていて、姉もいた。ところが姉が男を家に連れてきてしまった。その男は未成年だったが、実際はチンピラで、主人公の家族を皆殺しにした。姉も殺され、母も殺された。主人公は家にいなかったおかげで難を逃れた。その後、殺人犯は警察に捕まったが、警察はこいつはまだ少年だから免除されるべきだと言い、結局数年だけ閉じ込めて釈放した。主人公は量刑を重くしようとしたが、裁判所は「犯罪者はまだ若いし、更生のチャンスはあるだろう。守るべきだ」と言った。

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そして主人公はこの日本の社会に絶望し、どうせ家族もいない自分はチンピラに成り下がり、社会に混ざりながら技術を必死に磨き、準備を整えて、あの殺人犯が釈放されて間もなく、密かに殺す計画を練って復讐を果たす。人を殺した後、主人公は逃亡生活に入り、偶然にも多くの人間と関わることになる。上海のヤクザや香港のヤクザも含めてな。最後にはいくつもの偽の身分を作り上げる。中国人名の「曾黒星」、日本人名の木村何某、とにかくどれも本名じゃない。これが主人公の名前がいつも「俺」な理由でもある。何しろ本当の身分を隠しているんだからな。

主人公は最終的に、殺し屋として青池会の一人の幹部の下で働き始め、何人かは殺している。だが、すぐに彼はある毛病的な問題を抱え込むことになる。それは不眠症だ。人を殺さなければ、彼は眠れない。人を殺したあとでなければ、眠りにつけないのだ。

だから主人公がその「眠れぬ羊」になったわけだ。

男主はヒロインと顔を合わせたとき、彼女がどこか狂っているようで、それでいて純粋でもあることに気づく。精神が不安定な感じだ。そしてヒロインの頭に円形の傷を見つける。銃口のように見えるのだが、彼女はこの傷がどうやってできたのか覚えていないと言う。

ヒロインが殺人の道に足を踏み入れたのは、ある日、子供の頃に自分が田舎のどこかのゴミ捨て場で、ゴミ拾いのじいさんにレイプされたのがきっかけだ。最初は痛かったが、そのうち彼女は気持ちよさを感じるようになり、快感が極限に達したとき、彼女の体内に巨大な殺人欲が現れた。レイプされた直後、ヒロインは突然血に飢え、自分をレイプしたじいさんを殺した。小さな女の子でしかも被害者だったため、誰も過度に疑わなかった。その後、彼女の体内に得体の知れない衝動が二つ生まれた。一つは性、もう一つは血だ。そして彼女は次々と男を誘惑して自分とセックスし、セックスの後にその男を殺すようになり、そんな殺人の道を歩み始めた。特に主義主張もなく、変態的で狂気じみていく。だから彼女はこの歌舞伎町にやって来て、男主と出会った。

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というわけで、ヒロインがその「孤独な狼」になったのだ。

主人公と出会ったあと、二人は一発ヤる。すると驚いたことに、二人がセックスすると主人公は眠れるようになり、ヒロインもあの欲望が消えてしまう。ヒロインはこれを「運命の出会い」と呼ぶが、主人公はずっとヒロインと距離を置いている。何せこいつは変態……いつ殺されてもおかしくないからな。

主人公とヒロインの出会いはだいたいこんな感じで、ここからが本題、ゲームの本筋の話になる。

男主と女主が出会ってから、歌舞伎町は騒がしくなり始める。まずはクールな男性警察官が介入して調査を始め、すぐに青池会の首領と男主に目をつける。もう一人は車椅子に乗った女殺し屋が現れ、青池会のシマで殺戮を始め、さらには中国人を装って中国語を話す(機械翻訳の中国語で誤りだらけだが)、明らかに事を荒立てようとしている。

歌舞伎町で生きている台湾人もいて、そいつが売っている情報によると、ある動画が出回っているらしい。その動画には日本の政治中枢に関わる黒歴史が映っているという。

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そうこうするうちに歌舞伎町は混乱し始める。青池会の幹部の一人で、主人公の雇い主でもある男は、主人公が例の女殺し屋――最初に調査を命じた相手――を見つけ出したことを知る。だが青池会の危機は、どうやらその女殺し屋が主軸というわけでもなさそうだ。そこで彼は主人公のところへ来て、ちょっと話がしたいと言い出す。

彼は主人公に一本の動画を見せた。台湾の内部パーティーで、ある妊婦がステージに上げられてショーを始めたという。まず歯をすべて抜かれ、次に四肢を锯り落とされ、最後にはその場で腹を割かれ、腹の中の子どもを引きずり出して捨てられた。血みどろで、非人道的極まりないショーだった。このショーには多くの上層部関係者が参加しており、その中の一人は現職の日本の高級議員級の人物だという。

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男主の青池会のボスが男主に、今歌舞伎町ではさまざまな噂が流れていると言う。この録画が流出したという噂もあれば、上の政府が俺たちに手を出してくるという噂もある。さらには謎の女殺し屋がここで暴れ回り始めている。手を貸すかと聞かれ、無理強いはしない、と。

ここから選択が始まる。手を貸せば一つの結末、貸さなければまた別の結末だ。

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助っ人として関わる場合、主人公は車椅子の女殺し屋ダルマ女の正体を知ることになる。それは青池会のボスが彼に見せた動画の中にいた、手足を切断され腹を割かれて虐待された妊婦——パーティーで玩具にされていたあの女だ。その妊婦は死んでいなかった。正確には、その正体は青池会のボスの愛人(主人公に動画を見せたあのボス)である。ボスは自分の女の腹を膨らませておいて、そのままあの場所へ送り込み、あんなふうに虐待し尽くした。虐待の後は台湾に捨てられ、さまざまな老人たちの肉便器にされた。だがついに一人の金持ちがこの女の境遇を哀れみ、未練はないかと尋ねた。女は自分の身の上話をし、人に騙され青池会に復讐したいと語った。そこで台湾の金持ちが金を出し、女を殺し屋級に改造した。全自動の車椅子を与え、義肢を据え付け、各種の武器も仕込んだ。こうして女はついに日本の歌舞伎町へ戻り、ダルマ女と名を変えて青池会への復讐を始めたのだった。

ここで「ダルマ女」という呼称について説明が必要だろう。実はダルマは日本仏教における「達磨」の呼び名だが、日本の数ある達磨伝説で最も広く流布しているのはマトリョーシカのような形をした起き上がり小法師で、手足のない球体のように見える。これが「ダルマ女」という呼称にも対応している。同時に日本には「ダルマ女」が恐怖の存在であるとする都市伝説も多く(あのヤクザの party の出し物にも対応する)、さらに中国史上最も悲惨な戚夫人がこの手の伝説の始まりだと述べられている。

主人公が青池会を助けることを選ぶと、調査のなかで復讐に失敗したダルマ女、そして彼女の背後にいた情報屋の台湾人を始末することになる。青池会のボスは満足していたが、平穏な日々は長く続かなかった。青池会が口封じのためか、主人公とその周辺に手を出し始める。それは主人公の世話をしていた中国人たちにも及んだ。

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最後に中国のボスの娘メイリンが誘拐され、ヤクザに輪姦されて虐待され、主人公が救出に向かうも間に合わず、中国のボスの娘はすでに死んでいた。主人公もやむなくヒロインを連れて逃げるしかなくなり、ゲームは終わる。

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もし最初に青池会を助けない選択をしていたら、青池会は自分たちでこの問題を処理し、主人公は青池会との関係を徐々に断ち切っていくことになる。だがその時、別の人物が主人公と青池会に目をつけ始める。殺人犯を追ってここまで来たある刑事だ。その刑事の正体は、ヒロインであるあざみの兄だった。彼は殺人犯が自分の妹だと知っている。しかし彼は筋金入りのシスコンで、妹を守るためなら警察内部で工作して罪を免除させ、さらには妹に「お前が殺したのはみんな悪人だ、お前は無罪だ」と洗脳までしている。

今度は妹がまた歌舞伎町に逃げ込んだので、当然ながら警察である兄が後を追ってきた。兄は青池会が自分の妹を追っていることを知り、自ら動いて青池会の小ボスを甥ごとまとめて始末した……

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続いて兄が男主に警告を発し、自分の妹から離れるよう要求する。しかし妹は突然、男主のことが好きだと、しかも本気で愛し合っているのだと告げる。妹コンの兄はキレて男主の命を奪おうとするが、最後は別の警官が土壇場で兄の背後から一発撃ち殺す。男主はヒロインのあざみを連れて逃亡生活に入り、第二のエンディングもここで終わる。

ゲームの二つのエンディングはどちらも良い結末とは言えない。一つは青池がヒロインの警察でシスコンの兄に潰される展開、もう一つは主人公の旧友である中国人の小グループが青池会に大打撃を受ける展開だ。ならギャルゲーらしく、当然三つ目のエンディングも存在する。

Blizzardは数え切れないほどの拡張パックで俺たちに教えてくれた。二つの勢力が一触即発の状態にあるとき、双方が争いを捨てて共栄を実現するハッピーエンドを作るには、どうすればいいのか?

那就是共通の敵を作り、双方を団結させてそれに立ち向かわせるということだ。

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ゲームを2つのENDまでクリアすると、3つ目のEND「もう一つの結末」が解放される。このストーリーでは、青池が主人公や主人公の中国人の友人たちと、なぜか妙に楽しく遊んでいて……大きな衝突はない。だが衝突はすぐにやってくる。青池会の人間が耳にしたのは、上級政府の高官が「歌舞伎町を掃除する」という噂だった。

それからはもう、いろんな大義名分が並ぶ。なぜ政府は突然、暴力団の一斉摘発に踏み切ったのか? 実は正義のためなんかじゃない。政府そのものが巨大なヤクザであり暴力組織で、青池会も政府の弱みを山ほど握っている。摘発はただの口実にすぎない。台湾のグロテスクな Party Show にだって、政府の高官が座っているんだからな。

ここで触れているが、日本は新宿歌舞伎町に対して何度か「浄化作戦」を行ったことがある。地元のヤクザに打撃を与えた。今でもそれなりに雑然としているが、観光スポットにもなっていて、一応は下限と秩序のある歓楽街と言える。鄭州の一部の二馬路市場よりはよほどマシだろう。

だいたい、誰も彼もが清くはないって話で。ただ、ちっぽけな青池会ヤクザがデカい国家の暴力装置に太刀打ちできるわけがない。国家の暴力装置がヤクザの存在を黙認してることはあっても、潰そうと思えばいつでも潰せるんだよ。

すぐに、浄化作戦が始まった。中国人の店に頻繁に現れていたあの背の低いおっさんは、実は上のスパイだった。彼の導きで青池会は襲撃され、中国人も襲撃され、主人公も襲撃された。风声鶴唳、まるで場内清掃のようで、各方面からの打撃が歌舞伎町に迫り始めた。

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最後の結末は当然、全員が逃げ出し、山奥の谷に追い詰められて全員が殺され、主人公とヒロインだけが逃げ延びた。

逃げ出した主人公は発狂したヒロインの力を借りる。その時、ヒロインの兄も最後に二人を助けてくれて、最後の秘密も明かされた。

秘密って何なのかというと、要は主人公とヒロインの関係だ。前の方でヒロインの頭に傷があるって話と、主人公がヒロインに会うと不眠が治るって話をしたけど、その理由はどこにあるのか? 実はヒロインの頭にある弾痕なんだよな。

主人公が昔殺し屋をやっていた頃、ある一家の皆殺しに加わったことがある。その一家はヒロインの親戚で、ヒロインはその日たまたまそこにいた。だが殺し終えても、ヒロインが壁橱……いや、押し入れの中に隠れていることに誰も気づかなかった。本来ならヒロインは難を逃れていた。ところが主人公は何かに気づいたのか、その押し入れに向かって銃を撃った。弾は押し入れを貫通してヒロインの頭に命中。なのにヒロインは奇跡的に死なず、生き延びた。

ヒロインの兄によれば、あの出来事以来、ヒロインの頭はどこかおかしくなったという。ある時は血に飢え、ある時は衝動的になり、今のような変態殺人鬼になってしまった、と。

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簡単に言うと、主人公は自分の復讐のために人を殺す道を歩み始めた。しかしある殺人行為の中でヒロインを傷つけてしまい、ヒロインの脳をぶっ壊して、彼女の人生を変えてしまった。ヒロインまで殺人鬼にしてしまったのだ。その後、主人公は心の病に陥って眠れなくなり、やがてヒロインと再会する。一種の贖罪の意味合いがあり、それでまた眠れるようになる。

男主の兄貴は男主を憎んでいるが、それでも男主に手を出さない。妹が男主のことを好きだからだ。男主は女主に自分のことを話し、自分が最初に彼女を殺そうとしたせいで今の姿になったことも話した。女主はこれは運命の巡り合わせだと言い、男主をそこまで恨んではいない。

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だが二人が逃げ出した後も、ヒロインと主人公はやはり過去の件にケリをつけるべきだと考えていた。なにせ主人公はヒロインにとって半分仇のようなものだから。

みんな殺し屋だ、殺し屋のやり方で決着をつけようぜ。

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ここでは主人公がヒロインを殺すか、手加減するか、あるいは共倒れするかを選べる。公式に認められた唯一のENDは、主人公がヒロインを殺し、ヒロインは主人公の腕の中で幸福に死んでその生涯を終え、主人公もまた心の解放を得て日本に帰り、殺し屋の仕事を捨て、二度と不眠に悩まされることもなく、人混みの中へと消えていくというものだ。

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たまに人に見抜かれることもあるが、主人公はもう他人に正体を明かす勇気を失ってしまい、おそらくまた名前を変えて身を潜めているのだろう。

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実際のところ、このゲームは全体としては「愛し合いながらも殺し合う」物語であって、「ヤクザの歌舞伎町」という皮をかぶせただけの話だ。主人公は自分の過去の罪がヒロインの人生を大きく変えてしまったことを自責し、眠れなくなっている(たぶん)。そして再びヒロインと出会い、彼女に許されることで、ようやく解放される。

ゲーム内のその他のシナリオは、まあ普通の猟奇ものと都市伝説に、歌舞伎町や上海・香港のヤクザ映画の要素を混ぜただけって感じだ。しかも脚本が中国マフィアについて常識をかなり欠いているのが見て取れる。作中では上海幫が日本で自分のボスを「老板」と呼んでいるけど、いくらなんでも斧頭幫でもそんな呼び方はしないだろ?普通は「老大」か「大哥」だよね?

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また、作中には中国語の会話が多くあるが、そのほとんどが日本語を機械翻訳しただけの代物に見える。「晚上好,并且,再见。」みたいな感じで、本来なら「晚上好啊,那么,再见吧。」となるはずだ。明らかに日本語の「そして」を「而且」に訳してしまっている。もちろん、ゲーム内では中国功夫がこれでもかと持ち上げられていて、いかにも欧米的なノリだ。主人公の身のこなしの多くは、中国に亡命していた時期に身につけたものだという。

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ゲーム内には他にもネタがいくつかある。台湾のグロテスクなパーティーに国民党の富豪が絡んでいるとか、「政府とヤクザの大掃除」と聞けば北京のとある広場のとある時期の事件を思い出すとか、中国では検索できない言葉があるとか。愛し合い殺し合う関係以外に表現されているのは、やはり「政府とヤクザ」の微妙な関係だろう。政府はヤクザに自分が直接管理しにくいものを管理させることがあるが、ヤクザが不要になったとき、あるいはヤクザが制御不能になったときは、当然スケープゴートとして粛清される。

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このゲームをやれば、日本に中国系ヤクザ組織が数多く実在していることや、新宿歌舞伎町のちょっと面白い豆知識も分かる。まあ、なんの役にも立たないけどな。

ゲームの制作スタイルは個人的にかなりコストを削っている印象だ。背景の多くは歌舞伎町で撮った写真をちょっと加工してそのまま使っているし、立ち絵も少ない。回想シーンの脇役にはCVがついておらず、CGがあるのはほとんどがHCGで、しかもかなり暴力寄り。さらに演出を避けるために大量の長文テキストで埋めている。全体的な作り込みの細かさはMaggot Baitとは比べ物にならないほど劣る。金がないのか?それとも予算がないのか?

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一方で、ゲームのシナリオもそんなに良くはない。前半はかなりクールな感じなのに、後半からはめちゃくちゃになり始める。特に気まずいのが TRUE END で、ヤクザどもが仲良く手を取り合って政府の暴力的一斉掃討に立ち向かうなんて、すごく皮肉に感じる。しかもこのゲーム、重口にするための重口が随所にあって、あのダルマ女の CG はマジで……

しかもクソみたいなどんでん返しも多くて、あのダルマ女な、自分の男に売り飛ばされて四肢を切り落とされて、肉便器として放り出されたのに、復讐するとか言っといて、結局元の男に会ったら「許す」を選びやがる。うわ……マジでクソビッチだわ。

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全体として見ると、『眠れぬ羊と孤独な狼』はせいぜい及第点といったところ。制作はコストカット丸出しで、シナリオは後半になるほどご都合主義+意味不明になっていく。ただ、ゲーム内で面白い日本の文化や伝承をいろいろ知れるし、あのたどたどしい中国語の発音、そしてグロテスクなハードコアCG、それに比較的短いプレイ時間を考えれば、実は試す価値はある。B級映画感覚で眺める分には悪くない。ただひとつ言いたいのは、クールなOPを見ただけでこれは絶対クールな作品だと決めつけて手を出したなら、間違いなく失望するということだ。

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ゲームの登場人物は多いが、きちんと造形できているのはほとんどいない。中国人の造形は嘘くさすぎるし、日本人の造形はありがちすぎる。主人公は弱すぎる(自分は殺し屋だと言ってるのに、人を殺すところを一度も見ていない)。ヒロインは頭がおかしい(狂人のようだ)。ただ、このゲームで唯一光っている造形はヒロインのシスコンの兄ちゃんだ。

妹のために警察になった。妹の罪を隠すために警察内部で工作し、妹がヤクザを敵に回したと知るや単身で乗り込んで組長を始末。一対十のヤバい戦闘力、マジでイカしてる。かっこよすぎて比喩もできないレベル。

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しかし、そんなイケてる男が身内の警察の銃弾に倒れた。しかも歌舞伎町の女性警官、地元ヤクザに買収されて、暇さえあれば組長の息子をしゃぶってるクソ女警官の手で。

一番ムカつくのは、女刑事がシスコン兄貴を殺した言い訳が「あのヤクザどもはいつも私をいじめて、私の仇なの。毎日ヤられながら耐えて耐えて、いつかぶっ殺してやろうと思ってたのに、あんたが一人で全部片付けた!私の仇を返してよ!」ってことだわ

ここまで頭が悪いと、もう形容のしようがない。アホすぎる。

でも最後に、ゲーム内のシスコン兄貴を悼んでおきたい。ヤバすぎる、永遠に語り継がれるだろう。

ヒロインの兄貴は、自分のケタ違いの戦闘力と超絶な行動力をもって、ますます多くのギャルゲーが教えてくれる一つの宇宙の真理を証明してみせた:

妹コン最高!

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