『縁りて此の葉は紅に』レビュー
Lump of Sugar、そう、またLump of Sugarだ。方糖社、角糖社、糖块社、その新作がまた来た。
今回は他のクソ絵師を全部蹴り飛ばして、唯一戦える萌木原ふみたけだけを残した。しかも萌木原は唯一の絵師として画風を進化させていて、要するに前より可愛く見えるようになった。
このゲームの宣伝には大きなサプライズがあった。前述の通り女の子が可愛くなったのもそうだが、もう一つのサプライズは世界観の設定とゲーム自体の雰囲気だ。
宣伝では「紅葉」を大量に使っていて、タイトルの『縁りて此の葉は紅に』と相まって、ようやくちょっとした文芸っぽさが出てきた。
エロゲーのタイトルに文芸っぽさが出るのは本当に珍しい。みんな知ってる通り、今のクソ日本のACG作品のタイトルは全部「漢字名詞/形容詞」+「カタカナ外来語」の構造になっていて、しかもそれが何年も続いている。「星降る夜のファルネーゼ」だの、「初情スプリンクル」だの、「景の海のアペイリア」だの、「春音アリス*グラム」だの、「蒼の彼方のフォーリズム」だの、「水葬銀貨のイストリア」だの、「月影のシミュラクル」だの、こういうタイトル以外にも、全部カタカナか平仮名で漢字を書かないクソゲータイトルの方がもっと多くて、もう何と言っていいか分からないくらいだ。だから不思議でしょうがない。日本人も自国文化を叫んでるんじゃないのか? カタカナばかりじゃ無理だろ? まさか今後全部カタカナで書くつもりか? 森森森が散歩のことをツイートする時も「散歩」じゃなくて「ウォーキング」って書くんだぜ。日本人は漢字よりカタカナの方が打字しやすいからそんなに熱心なのか、俺には分からん。
とにかく、『縁りて此の葉は紅に』、このタイトルは気に入った。この紅葉の雰囲気と設定も気に入った。タイトルの意味もなんとなく分かる。「縁/姻縁」が前提にあって、「ここの葉が紅くなり始めた」ということだ。
正直、1月のゲームはどれも普通だと思ったが、このゲームが最後の希望になった。やってみた感想は、かなり進歩している、ただまだ伸びしろはある。

ゲームは冒頭、主人公が幼い妹と一緒に子供の頃暮らした町に戻り、あるおばあさんの家に泊まるというところから始まる。

着いてみると、そのおばあさんは幼女みたいな見た目だった。これは主人公の世界観に「幻夷」という存在がいるからだ。「幻夷」と言っても、実際は「半獣人」、いや……獣娘だな……獣耳なんかを持つ半仙人みたいなものだ。ただこの世界観では純血の幻夷はほとんどいなくて、大半は幻夷と人間の混血だ。伝説では純血の「幻夷」は強い法力を持ち、土地の安寧を守るとか。主人公が戻った町には混血の幻夷が多く、観光目的で見に来る人も多い。だから主人公が泊まった家のおばあさんも混血の幻夷で、幻夷の血は長寿なので老いず死なず、200歳なのにロリみたいに見えるわけだ。

はあ、つまり合法ロリってだけなのに、こんな設定をこねくり回して、疲れる。
主人公は町に戻ってぶらぶらし、山奥で獣耳の女の子を見つける。女の子は主人公を見るなり興奮して突進してきた。
「ご主人様ご主人様! 私はあなたのペットです!」
主人公は呆然。いつ自分に人間のペットができたんだ……。この「ペット」は自分は「もみじ」(紅葉の読み)だと名乗り、主人公にべったりで、自分は主人公のペットだと言い張る。もみじには獣耳と尻尾があり、島の幻夷族らしい。とりあえず引き取って、200歳の老ロリにこのもみじの素性を聞くしかない。

200歳の老ロリがどう調べても、もみじの情報は見つからない。戸籍にもないし、最近成仙した新生児にもいない。いったいどこから来たんだ?
さらに奇妙なのは、もみじはどう見ても人間じゃなくて獣に近い。服を着なくても気にしない、嗅覚が異常に鋭い、聴覚も強力、走り回るのが好きでじっとしていられない。牛乳が大好き。
200歳の老ロリは、もみじはどこかの幻夷が神通力(神力)で創り出したんじゃないか、さらには主人公自身の神力と関係あるんじゃないかと疑い始める。

主人公には「他人を癒す」力がある。ただし、癒すたびに自分の記憶を少し失う。だから主人公は子供の頃のことを覚えていない。面白いことに、もみじも自分がどこから来たか知らない。主人公は彼女も自分と同じで、神力があるけど記憶を失っているんじゃないかと思う。

最後にさんざんくだらない話を引っ張った末、真相が明らかになる。
主人公が子供の頃、この町の谷で遊んでいた時、草むらに隠れている空飛ぶ犬を見た。
「お前、こんなところにいたのか?」
犬は嬉しそう。
「首輪がないな、飼い主がいないのか。じゃあ俺が飼い主になってやるよ」
犬が尻尾を振り始める。
「ここの紅葉、きれいだな。お前の名前は紅葉(もみじ)にしよう」
犬は嬉しそうに跳ねた。
「牛乳飲むか? うまいぞ」
主人公は手元の牛乳をその空飛ぶ犬に飲ませた。
そして犬が可哀想だからと、犬小屋を作ってやった。
「これからここがお前の家だ。風や雨が来ても怖くないぞ」
犬は嬉しそうにワンワン吠えた。

………………
…………
……

そんでお察しの通り、この犬が後に成仙し、天地の精気を吸収して純血の野生幻夷となり、人型になって主人公に恩返しに来たわけだ。
だからもみじは主人公を見て自分はペットだと名乗り、主人公を主人と呼び、挙動が犬そのもので、牛乳が好きなのだ。
そんな単純? そう、そんな単純。

そこからの話は簡単。主人公はもみじの来歴を知り、最後に突然発情して、自分は屌丝で嫁が見つからないからもみじで妥協しようと考え、告白する。告白してももみじには意味が分からず、自分はただのペットだと思っている。
「恋人がどんな関係かよく分からないけど、ペットと似たようなものならいいよ」
だから主人公は自分の嫁に首輪を付け、毎日いろんなプレイをする。もみじは幻夷だから、プレイが楽しすぎると強大な法力を使いまくって、町が大騒ぎになる。200歳の老ロリとその助手たちは黙って見ていられない。彼女たちの仕事は幻夷を代表して町の安寧を守ること。ここで無法を働かれては困る。

主人公はもみじに自分の強大な力の制御を教えると言うが、200歳老ロリ一行は信用しない。

最後は当然、ひと悶着と口論の末に主人公が勝ち、もみじも修行を成功させて獣性が減り人間性が増し、力をうまく制御できるようになって安寧を得る。
ゲーム本編はつまり、主人公が子供の頃に犬を救い、大きくなって犬が成仙して女の子になって恩返しに来たという話。ただ他のキャラのルートは本編とほぼ無関係。妹ルートで少しだけ、主人公がなぜ記憶を失ったのか、超能力の由来が説明される。
主人公の妹は子供の頃病弱だったので、主人公は妹を連れて町で神様に加護を祈った。それが土地を守る幻夷(神様)の心を動かし、幻夷は主人公に「癒しの力」を与えた。妹を守るために使ってほしいと。しかし主人公は妹を甘やかしすぎて、ちょっとした不調でも力を使い、自分の体に負担がかかって子供の頃の記憶を失い始めた。

だから妹は最初、主人公の能力を嫌っていた。いつも他人を癒して自分を犠牲にすると思っていた。最後に主人公が200歳老ロリの助けで子供の頃に能力を得た経緯を思い出し、すべて妹のためにやっていたと理解する。
妹は主人公の能力を嫌わなくなり、むしろ感動して、二人は恋人になり、しかも子供まで作る。

あ、ちなみにゲーム内の200歳老ロリの職業は「調整役」で、管理局か調停局みたいなもの。ゲーム内で「幻夷」と「調整役」についていくつか説明がある。

で、このゲームをどう評価するか?
実はこのゲームは以前のLump of Sugar作品と比べて進歩が大きい。画風はもうチープじゃないし、音楽も全体的にピアノ曲が中心で、バイオリンも少し入り、過去のLowすぎるエレクトロBGMよりずっと良い(まだあるけど)。

何より特筆すべきはOPのアカリノアリカ。今期最高のゲームOPと言っても過言じゃない。時々思うんだが、このOPは糖块社の去年のあのrollゲームに使うべきだったんじゃないか? でも惜しくて本作に残したのか?
もう一つはCV。ゲームの200歳ロリババアのCVは三宅麻理恵、妹すすなのCVは長妻樹里。この二人は以前のゲームでもよく見かけたが、正直レベルは普通で、印象に残ることすらなかった。でもこのゲームでは、年末ボーナスが多かったのか、瞬間的に数段階上がっている。三宅麻理恵のロリも、長妻樹里の妹も、以前の作品とは比べ物にならない。

特に長妻樹里のすずな。以前も妹系キャラを演じているのを見たことはあるが、声がずっと変で、アナウンサーっぽさが強く、キャラよりナレーション向きだと思っていた。でもこのゲームでは全く違う。ゲーム内のCarryポジションを務めていて、妹の小悪魔な性格と黒タイツの美脚も相まって、抵抗するのが難しい。

それに比べて普通なのが女一号CVの山岡ゆり。柚子の天色ゲームの狼女を模倣している感じで、口癖も全く同じ。ただ実力が足りず、バカをやるか無脳に貼るかだけで、キャラの性格を表現できていない。天色の方がまだマシだと思う。
ゲーム最大の欠点は、やはり脚本だ。
みんな分かってる通り、これは数行で説明できる話。ただスクリプトがとにかく冗長で、35時間近くかかった。年末年始に何もせず、このゲームだけを肝にやって、しかもこんだけくどい。妹の黒タイツが良くなかったら、とっくにskipしてるぞ。

ストーリーは短所だが、悪いとは言えない。ただ水増しが多いだけ。もし「紅葉」の雰囲気を楽しみたいだけなら、ゆっくりやるのも悪くない。このゲームに毒はない。ただ設定が以前のタユタマ2と似すぎていて、深みはタユタマ2に劣る。単なる「犬を救って恩返し」だ。(ああ、女一号が夏和小だったらなあ)
そういえば今年は戌年。戌年にこのゲームをやるのも一味違う。

ゲーム内で主人公が自分の嫁に首輪を付け、鞭で打ち始めるのを見て、感慨無量、詩を一首詠んだ:
幼き頃に善行を偶々なし、 来年仙谷にて喜びの再会。 戌年に犬と縁を結び、 縁りて此の葉は恋紅に化す。
(完)
『縁りて此の葉は紅に』のゲーム翻訳はPTTの網友より
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