『迷える2人とセカイのすべて』レビュー

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『迷える2人とセカイのすべて』はLASSの2014年の作品だ。7月発売の報が出てからずっと発売延期を繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返して10月末にようやく売り出された。

なぜ注目していたかというと、俺はLASSの脳残粉だからだ。桐谷華がいるからじゃない。

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ゲームのボリュームは長くもなく短くもなく、といったところ。クリアしてみて、LASSへの感情はさらに複雑になった。

正直に言おう。ギャルゲーをやるうえで俺は何度もクソを食ってきた。だが今回はLASSのクソだ。脳残粉であることを示すために、史上初めて自分から進んでクソを探して口に放り込んだ……

つらすぎる!!

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前作が酷評されたこともあって、LASSは今年の新作でかなり保守的になった。保守的というより、明らかな後退だ。まず絵柄。前作の原画陣は11eyes Crossoverで紅野澪、吾妻汐音、黒芝香苗のデザインを担当していたから、実力的にはそう問題ないはずだった。しかし今回は本当に金がなくて一発逆転を狙ったのか、巨乳村さながら全員の胸を十倍以上に膨らませやがった。喫茶店にいるロリが平胸なのを見て涙が出そうになったほどだ。あれはゲーム世界で唯一の平胸である。ヒロインのロリでさえ、後半には巨乳に成長する。しかも垂れる。LASSの今回の企画担当は頭が大丈夫なのか。オタクは胸のサイズさえデカければ質なんてどうでもいいバカだと思っているのか。こんな下品な乳房の人設、見ているだけで受け入れるのが困難なのに、感情移入しろという方が無理だ。

もう一つ突っ込みたいのが男性キャラのデザイン。第一印象は妙に見覚えがある。脳内で検索をかけて、わかった。

「これ、完全に西遊記オンラインの絵じゃねえか?」

こうして物語は、西遊記オンラインみたいな男たちと下品な乳量の女たちの間で始まる。

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俺は自分をシナリオ至上主義だと思ってきた。シナリオが良ければ他はどうでもいいと。だが櫻吹雪という大作に三観を直接ぶん殴られてからは、ツンデレな姿勢も捨てて、自分にも一応人設への要求はあるらしいと認めるしかなかった。では『迷える2人とセカイのすべて』のシナリオはどうなのか。

3Daysやったことある? だいたいあの程度だ。

ああわかってるわかってる、3Daysは神作だと言いたいんだろ。あれが神なのはゲームそのものじゃなくて、全分岐を踏破しないと先に進めないという総当たり方式の設定のほうだ。それを除けば、退屈極まりない日常、無理やりな中二展開、終盤のバトル描写の弱さ、そして定番の個別ルートコピペ。3Daysはそんなに優れたゲームじゃない。アイデアがあっただけだ。

不幸なことに、『迷える2人とセカイのすべて』の脚本は完全に3Daysの書き手である剣技マナが手がけている。11eyesでLASSを救った獅子雰麓ではない。

だから、退屈極まりない日常、Returns!

話を簡単に言えば、主人公は自分以外には見えない少女を見つける。少女は結界で学校に閉じ込められていて、その結界は学校に伝わる七不思議と関係しているらしい。

その七つとは: 開かない扉、 見えない少女、 動く女神像、 4時44分の大鏡、 骨格標本、 準備室のナポレオン、 天国へ続く十三段の階段。

そこで主人公たちは一つずつ不思議を解いていく。解くたびにロリの年齢が増し、行動範囲が少し広がる。やがて結界が完全に破られ、主人公の世界にさまざまな自然災害が起き始める。そこへ少女を殺すと名乗るボスが現れる。ボスの口から、ロリは本来異世界の高等エルフで、何年も前に魔術師にこの世界へ連れ去られ囚われたと聞かされる。囚われた理由は、人間界に世界樹がないからだ。高等エルフは能力の発動どころか生存にまで世界樹の力を必要とする。世界樹がなければ大地の力を吸い上げて代わりにする。だから自然災害が起きているのだ。

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要するに、このロリを人間界で生きながらえさせれば世界が滅びる。だからこの高等エルフのロリは死ななければならない。

そこで主人公はボスと口論を始める。最後に高等エルフが自分にはエルフの世界へ戻る方法があると言い、転移門が開く。主人公はロリを連れてエルフの世界へ戻るが、世界樹はすでに枯れていた。世界の種を探す必要があるが、種はすでに消えている。最後にロリは自らを犠牲にして世界樹となり、主人公は現実へ戻って普通の生活を送る。

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全ルートクリア後、主人公はタイムリープを一度行い、再びロリを救う選択をする。最後に一行はエルフ世界の死の翼……おっと、巨竜を倒し、世界の種の再生方法を手に入れる。ロリは世界樹を創りつつ犠牲にならず、ハッピーエンドを迎える。

話はこんなものだ。……それ自体にさほど光るものはないが、まあ無難ではある。ただ細部の描写がとにかく退屈だ。まず日常については言うまでもない。次にバトル。バトルの描写は11eyesには完全に劣るし、少女神域にも劣る。白色永遠にすら劣る。主人公が適当に剣を抜けば相手は間抜けになり、一刀で斬られる……ギルティクラウンより頭を使っていない。さらに章立てのように銘打たれた七大不思議は、まったくもって意味不明な代物だ。戦いになりそうで、雰囲気はやたら怖く作ってあるのに、結局二言三言で終わる……

特にあの骨格標本。骨格が飛び出してきて一同ビビるが、どう攻撃しても死なない。最後には骨格はよく見えないだけだとわかって、眼鏡をかければおとなしくなる……

どういう頭の回路ならこんな脚本が書けるんだ?

準備室のナポレオンはさらに意味不明。最初はチェスでナポレオンに勝たなければならないと言われ、やっとの思いで勝ちそうになるとこいつはズルをする。結局主人公は素直に負ける。すると負けたことにナポレオンは喜び、結界を破ってくれる。

…………………………

总而言之——って、ともかく終盤の展開はまだマシに見えるが、話全体は水のように淡い。日常では眠くなるし、対抗戦はバカ丸出し。おまけに弱々しい立ち絵と人設、そして下品な乳量。高得点をつけるのは難しい。ただこの作品は別に自爆したわけではなく、単純に素のクオリティが低いだけだ。

言ってしまえば、この作品のシナリオの深さはゆずソフトによくあるレベルだが、ゆずソフトの人設はお前より遥かに上だ……向こうには売りがある。LASSにはない。前作との関連を引き継いでいると言っても、ほとんどは広原家の新メンバーである広原那由他の加入だけだ。そして那由他は広原家で最弱の人間。体力もなく頭も普通。精々が非主流の小悪党っぽい設定で広原雪子に少し似ている程度。最後に魔術を読めるようになってようやく少しだけ挽回するが、ほんの少しだけだ。

『迷える2人とセカイのすべて』への評価は、学生が作文を書くようなものだ。やたら真剣に書いているが、文は通らない、段落もはっきりしない、字も汚い。そいつが小賢しくも作文に藏頭詩を仕込んで先生はバカだと書いたり、政治的にセンシティブな内容を書いて人をイラつかせたりはしないが、それでも高い点はつけにくい。そもそも出来が良くないのだから。

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最後に特筆すべきは、LASSもついに突破を果たしたことだ。個別ルートがコピペじゃなくなった。おっと、より長いコピペを実現したのだった。具体的には、誰のルートに行こうがその子と一緒にエルフ世界へ行ってロリの問題を解決する。過程は少し違うが、行き着く先は同じで、結末も同じだ。

LASSがこの作品で回復する望みはおそらくない。作品全体は少女神域よりも金をかけていない。バトルのエフェクトすら作るのを怠っている。唯一褒められるのはOPくらいだが、そのOPにも詐欺的な性質がある……

それでも俺はLASSの脳残粉だ。剣技先生が尿毒症でくたばらないことを願う……次回作は真面目な絵師を見つけて、千神奈々子の廃萌伝説をちゃんと作ってほしい。

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