Phonak PFE122:買ってよかった点と微妙な点

女毒の終焉:Phonak PFE122

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イヤホンで音楽を聴くことに関して、自分はオーディオマニアだなんてこれっぽっちも思っていない。強迫観念に取り憑かれた哀れな人間だと思っている。

小学生の頃、33.6Kbpsで商都情報港からダウンロードした『愛就一個字』、たった3MBで128Kbpsだったはずだが、当時は「この音質マジ神」と本気で思っていた。

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高校に入ってソニーの香水瓶を買い、Ukoo.netでアルバムを落とすようになると、192kbps VBRが「良い音質」と呼ばれるようになった。自分では違いがあまり分からなかったが、ある時たまたま128Kbpsの曲を落として聴いた瞬間、違和感に気づいた。

それから良いイヤホンが欲しくなって、貯金してゼンハイザーのMX500を買った。耳に当てた瞬間、金の無駄だったと悟った。

「前の10元のイヤホンと全然変わんねえじゃん!」

ネットではこいつを「低音の沈み込みが良い」と書いてあって意味が分からなかったので、家具屋の大ちゃんに聞いてみた。彼の答えはこうだった。

「あー、あれだろ、重低音ってやつ。ドンドンじゃなくて、ちょっと反響というか弾力がある感じ。ポンポンって」

なんとなく分かったような分からないような。それがある日、MX500の片側のユニットが壊れて、仕方なくPDA付属のイヤホンで聴くことになった。前の10元のやつよりはマシな品質だったのかもしれない。つけて音を出した瞬間、すぐに異変に気づいた。

「え、なんでこんなに前のMX500と違うの?」

これが悲劇の始まりだった。

大学の頃にはコレクションの音質は320Kbpsになり、イヤホンはEdifierやゼンハイザーCX200に変わっていった。プレイヤーも香水瓶からソニーの魚雷へ。それから就職して魚雷はS754になった。そして大容量時代が到来、ロスレスフォーマットが流行り始めた。ソニーのF807を買ったのはFlacに対応していたからで、ロスレスに釣り合うようにTF10も買った。そこからは穴が次々と開いていって、今に至る。

「こんな高いイヤホン、どこが良いのか分かんないよ」と聞かれるたび、

俺はだいたいニヤリと笑って「これは幸せなんですよ」と答える。

正直、よほどテイストが違う2つのイヤホン(TF10とER4Pみたいな)でもない限り、一聴して差が分かるなんて未だに信じていない。音質の違いを聴き分ける最良の方法は、まず良いイヤホンを渡すことだ。最初は分からないかもしれない。でもしばらくそれで聴いた後、昔の安物に戻すと分かる。

「あー、これ聴けねえわ」

穴ってのはそうやって開く。俺もそうだったと言った。もしそれでも違いが分からないなら、君は本当に幸せな人だ。それに俺は重度の強迫観念のせいで、前より悪い音を我慢できない。だからこの穴の中でどんどん深みにハマっていった。

ただ幸いなことに、オカルトの世界には落ちなかった。リケーブルの違いは全く分からないからだ。俺の聴音観には高中低の三音域の特徴と、大推力でより多くのディテールが聴こえるかどうか、それくらいしかない。電源で音が変わるだの、記憶媒体で音が変わるだの、エージングで音が変わるだの、全部たわごとだ! あるいは俺はまだオカルトの門をくぐれていないだけかもしれない。言っただろ、俺は強迫観念に買わされているだけの男だって。

2014年もつい手が滑って色々買った。実は心の中にずっと追い求めているものがある。伝説の「女毒」だ。

俺のイメージする女毒は、女性ボーカルが甘くて耳に張り付き、歯擦音が過剰でなく、高音が刺さらず、しかも少し低音がある音。無茶な話だが、確かにオーディオテクニカのCKM55でその音を聴いたことがある。ただそのCKM55は後で片方が鳴らなくなった。

そこでネットで至る所に書かれているイヤホンの女毒属性を眺めながら、自分を満足させる音を探す旅に出た。ER4PからIE3、そしてAKG、更にオーディオテクニカのIM03、最後にたどり着いたのが、CK100と正面から殴り合えると謳われるPhonak PFE 122だった。

PFE 122は交換フィルターで大きな調整ができると言われている。フィルターを替えれば色々なスタイルの音が得られるという。グレーは女毒、黒はバランス、緑は楽器向け。俺の目的は女毒なので、迷わずデフォルトのグレーを選んだ。

つけて聴いた感想は……少し嬉しくて、少しガッカリ。

嬉しかったのは、PFE 122の女性ボーカルが滅法耳に張り付くこと! 甘くて、高音も抜けてて、歯擦音もあまりない。

ガッカリしたのは、低音が廃人。ER4P以下の反発力しかない。

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PFE 122を聴いていると、いつもER4Pを思い出す。どちらも補聴器から始まったメーカーの作るイヤホンだから、比較されるのは当然だ。高音の抜けでは二つとも同じ。ボーカルの近さではPFE 122の勝ちで疑いの余地はない。だが低音の質ではER4Pが一枚上手だ。

ER4Pは割とパワーを食うイヤホンだが、PFE 122はそこまで要求しない。PHA-1のハイゲインでER4Pはより多くのディテールが聴き取れる。PFE 122にディテール表現がないわけではない、ただ音が小さめなだけだ。

簡単に言うと、PFE 122は確かに女毒だが、伝説ほど神ではない。女毒の王と謳われるCK100 Proも今はまず見かけないし買えない。Taobaoにあるのは本物か偽物か分からないが、価格だけで俺は逃げ出した。

「女毒」を追う道で俺はかなりの金を犠牲にした。だが幸いなことに俺は音楽中毒で、毎日70%の時間は音楽を聴いている。だからこれだけのイヤホンを抱えても何とかやっていける。いつか突然両耳が聞こえなくなるかもしれないけど(笑)。最後にPhonak PFE 122の出来は俺的にぎりぎり満足。低音は壊滅的だが、甘い女性ボーカルの曲には重低音なんてほぼないから、まあいいか。

特筆すべきは、同じ補聴器メーカーということもあって、Phonak PFE 122の装着感がおかしいほど楽なこと! Etymotic ER4Pの三節キノコを深く挿すのと比べて、PFE 122はつけても存在を感じない! この快適さはここ数年で触ったイヤホンの中で最高だと思う!

ともあれ、Phonak PFE 122は生産終了で売れば売るほど減る代物。女性ボーカルのために買う価値があるかは慎重に考えるべきだ。結局は中音域をちょっといじっただけの普通のイヤホンに過ぎない。俺は女性ボーカルがそこまで張り付かないが、より何でもこなせるER4Pの方を勧める。ただPFE 122の装着感の良さを考えると、それなりの価値と購入理由はまだあるようだ。

そうやってPFE 122とER4Pのどちらが女毒に向くか半日比べていたところで、俺は家のデスクトップに繋いだQ701を装着し、女性ボーカルの曲を何曲か再生した……すべてが終わった。

女毒を追うなんてくだらねえ、大人しくヘッドホンにすればいい。

今年のイヤホン道楽に捧ぐ。

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