『ひとつ屋根の、ツバサの下で』レビュー
4人の美女と同居しすぎてオナニーの仕方を忘れた件
ゲーム『ひとつ屋根の、ツバサの下で』は中国語名だと直訳で「同じ屋根の羽翼の下で」、別名は「俺は四人の美人と同居しすぎて最高すぎてオナニーの仕方まで忘れた」。予備パイロットである主人公が、コネを使って祖母が経営する飛行学校に入り、自分の強みを活かして四人の美人と同じ寮で暮らし、毎日イチャイチャ抱き合ったりして飛行の練習をする時間もなく、最終決戦で自分がヘタレだと気づき、喜んで試合で降参するという励志(励志)な物語。

ゲームの設定は、いつの時代かもわからない日本。戦闘機を操って空中で撃ち合うことが競技として成立していて、その競技はFFと略される。飛行機に乗って敵機を撃ち落とすのは子供なら誰もが夢見ることだが、なぜかこのゲームでは全員が第二次大戦期の旧式機に乗っていて、新しい技術は一切ない。設定は日本なのに、アメリカの爆撃機を操縦できる参加校があったり、零戦75や「紫電改再改」、さらには装甲を強化して対空砲火を恐れないB36など、歴史上存在しない機体も多数登場して、試合はもうファンタジー全開の空気になっている。

ゲームの主人公は佐々木隼一という、学校のボンボン。カッコいい「震電」戦闘機に乗って、飛行機での戦闘を得意とする特殊な職業技術学校に入学する。性格は物腰柔らかくて礼儀正しいが、大志はまったくない。口癖は「いや……へへ……あの……」。戦闘中は飛行機の速度が速すぎるのが怖くて加速できないことすらあり、練習試合ではまるで不器用な操り人形みたいに、隊長の命令に無条件で従う。自分が操るのは重機関銃搭載の戦闘機で、小隊で唯一の戦力。試合での立ち回りは、Dota でミッドを任されるマスケットマン、王者栄耀(Honor of Kings)で即 ADC をロックする黄忠のようなもの。自分の弱さと無能のせいで、隊員全員が彼一人を守るしかない。腕はヘタなのにキャリー枠を張る、というのはまさにこのこと。試合で彼の役割は二発撃つだけで、あとは全部味方任せ。味方はまるで献身的なヒーラーのように主人公を守り、しかも主人公は勝利後になぜか謎の自信を抱く。その自信は次の試合まで続くが、すぐにちょっとした挫折で打ち砕かれる。現代の劉禅とでも言うしかない。

ヒロインは4人いて、それぞれが専用の戦闘機に乗っている。脳筋熱血のピンク髪、脳筋イキりの白髪、脳筋ツンデレの金髪、そして脳筋お人好しの黒髪。彼女たちの共通点は「脳筋」ということだ。同系統のゲームと違い、専用のTRUE ENDはなく、ヒロインごとにエンディングが1つずつ用意されている。巨視的に見ればピンク髪が最も早く登場するので女主人公っぽく見えるし、実際そのルートのエンディングが一番考えさせられる。ゲームのタイトルとラストの描写からすると、本筋は主人公の寮で組まれた戦闘機チームがFF大会で結果を残すまでのストーリー、というのが自然だろう。
常識的に考えれば、主人公は複数の美少女たちと一緒に戦闘機チームを組み、FF 大会で一致団結してさまざまな相手を乗り越え、ブロンズから王者まで上がっていく。失敗もあれば成功もあり、最終的には強敵のボスと出会い、愛と勇気でそれを打ち破って最後の優勝を手にする……

もちろん、これは「常識」で測れるようなゲームじゃない。
ゲームのキャッチコピーは「同居、恋愛、友情、オナニー」だった。実際にその要素はどれも本物だが、比率はちょっと予想外で、このゲームはたぶん友情が1%、恋愛が5%、オナニーが0.5%、残りの94.5%は全部「同居」に注ぎ込まれている。タイトル通りの構成だ。屋根の上で、翼の下で、ハーレムの中でこそ本当の未来がある。若者はちゃんと恋愛するのが本業で、機械オタクとミリタリーオタクは一生独り身確定である。
この割合でいくと、ゲーム内容の大半は最初から寮で男主が各種ヒロインたちと駄弁るだけのものになる。入学前の日々、男主は女を口説き、飯を食い、雑談し、マンコをしゃぶる……

登校初日から、主人公は女を口説き、飯を食い、駄弁り、そして……

FF大会が始まる日、主人公は相変わらず女を口説き、飯を食い、雑談し、マンコをしゃぶる……

もちろん、この「同居」を主軸にしたゲームで、主人公が飛行機を操縦する姿まで見られる。

ゲーム中には飛行機の戦闘が大体3~5回出てくる。うち最初の3回は予選で、1回の戦闘は5分も続かない。出てくる相手はまるでメンタルが弱くてすぐ他人をBanする竹牛逼みたいなもので、戦術もなければ激しい攻防もなく、熱い演出もない。あるのは二人の口喧嘩だけだ:
敵役が登場:「俺は無敵だ!」 主人公が登場、敵役はそれを見て「このクソ野郎、一発くらえ啊啊啊啊啊啊」 主人公がまだ動かないうちに、敵役はどこからか飛んできた砲弾に撃ち落とされ、悲鳴だけを残した。 「啊啊啊啊啊ありえねえ啊啊啊啊啊啊」

戦闘一回で終わりだ。
だから後の予選では、毎試合だいたいこんなテンポだった:
「俺は無敵だ!死ねよクソ野郎がああああ!」 (タタタタッ~) 「あああああああ」 悪役が墜落した。
主人公はチームで一番火力が激しいはずなのに、戦闘でほとんど役に立ったことがない。ずっと端っこでOBしているだけで、集団戦に参加すらしていない。たいていは傍らでナレーションを務め、敵の飛行機が次々と落ちていくのを眺めているだけ……
しかも飛行機の戦闘描写がとにかく雑すぎる。心理描写は一切なく、「ボス登場」「ボスが口先だけの挑発」「ボスがくたばる」の3プロセスだけ。所要時間は5分もかからずにゲームのバトルパートは終わり、そのまま元の同居日常に戻って、主人公はまた「女を口説いて、飯食って、喋って、まんこをしゃぶる」という素晴らしい日々を始める。

主人公はこんなにヤバいやつで、FF大会を勝ち上がってきたわけだが、はたして決勝戦はどうなるのか?
予想通り、主人公は FF の大会で強敵と出くわす。他校のチームが飛ばしてくる爆撃機 B36 だ。

日本高校主体の航空戦に、なんでアメリカの爆撃機が出てくるのかはよく分からない。ただ、この B36 が実際に登場する。主人公たちのチームは深刻な問題に気づく。この飛行機は高度が高すぎるし、火力も激しすぎて、まったく近づけない。ピンク髪の機体はエンジンも壊れてしまった。
男主角たちのチームがボコボコにされかけたその時、雨が降り出し、審判が休戦を宣言——次の週に再試合となった。

そんな中、主人公が知り合ったエンジニアのオッサンがチートアイテムを届けてくれる。実戦投入されていないという「零式 75」戦闘機の設計図、そして長いこと眠っていた手つかずのエンジンだ。
このエンジンと図面はピンク髪の飛行機に改造移植され、時代を超越した、歴史にすら登場しなかった「零式戦闘機 75」がこうして誕生した。

チートを手に入れた、あとは最後の決戦だけだ。
決戦の日が来た。主人公は苦戦しながらも、ついに B36 爆撃機のそばにいた護衛機群をいくつか撃ち落とし、最後のボスが視界に現れる。爆撃機が空対空戦闘機の群れに接近されたらどうなるか、もうお分かりだろう。完全に的だ。
男主たちはそのB36に向かって一斉射撃を浴びせ、弾丸をすべて叩き込んだ。
結局 B36 は何事もなく、B36 のパイロットはニヤニヤしながら言った。自分の飛行机の外殻は改造済みで、お前らみたいなバカの銃弾にはもう有効に対抗できるんだと。

こちらは全力を尽くして半日も攻撃しているのに、相手は微塵も体力を減らさない。これにはもう絶望するしかない。
だが知っている。ラストボス戦というものは、絶望の中から蘇るものだと。さあ熱い展開が始まるぞ、男主たちが涅槃重生を果たす瞬間が来る——そう期待していた、その時までは……
男主のチームの隊長が次の指示を出した:
「このままじゃ勝ち目ねえ、降参しろ」

そして主人公のチームは蜘蛛の子を散らすように逃げ出し、試合は終了……
置いてけぼりでポカーン……
続いて主人公は寮へ戻り、また「ナンパして、飯食って、喋って、マンコをしゃぶる」毎日を再開する。しかも今回は違う、本物のマンコをしゃぶったのだ。

個人ルートも終盤、そろそろ一人選んでパコパコする時だ。
パコパコのあとはゲームのED、そしてラストは突然1年後へ飛んで、男主たちがまた大会に参加する。試合の過程は描写なしでばっさり省略、どうやら優勝したらしい……
ゲームが消えた……
茫然とした表情のまま呆然としている俺だけが残った。どんな顔をすればいいのか、マジで分からなかったから。
決戦で主人公たちが降伏を選ぶのを初めて見たわ。しかも降伏したあと、みんな妙に割り切ってて、家に帰れば食うわ飲むわ、やることはちゃんとやり続けるって……
「時務を識る者は俊傑なり」って言うけど、もしかしてこういうのが人間の現実ってやつなのか?
このゲーム、なんて言えばいいんだろう? 多くの人はあおかなのような熱血王道ストーリーだと思うだろう。ピンク髪が飛行機に興味津々で、主人公がそのピンク髪に感化されて、一緒に数々の難関を突破して最後の優勝を勝ち取る……みたいな。

だがこのゲームは全然そうじゃない。むしろ、そんな物語を語る気なんて最初からなかったと言ったほうがいい。前述の通り、このゲームの約95%のシナリオは主人公と四人の美人さんたちとの「同居」日常描写に費やされていて、しかもその日常パートがとにかく退屈で繰り返しばかり。一応戦闘機での戦闘シーンがあることになっていて、他校チームの勢力図までそれっぽく描いてあるんだが、これが全然機能していない。勢力図に載ってる敵チームなんてザコも同然で、出てきて3分も経たずに帰される始末。唯一出番が多めのB36チームも、5セリフも喋ってない……
批評空間のある人の説明を見ると、このゲームをこう分割したのは確かに正しい:

<冒頭> - <超長い日常パート> - <あっさりした戦闘練習> - <超長い日常(飛行機なし)> - <告白して付き合ってパコパコ> - <大会(めちゃ短い)> - <エンディング>
しかもそれなのに、あのやたら短い勝負、クソみたいなことに主人公が降参しやがった……
このゲームをやったのは美少女がシコる姿を見たかったからなのに、肝心のシコる相手はどこだよ?ああ?どこにいるんだよ?こちとらプレイ時間の8割、朝っぱらから金髪のケツを前にした男主を眺めてただけじゃねえか。シコるどころか、一切拝めてねえんだが!

「美少女が戦闘機に乗る」を看板に掲げたゲームがこんな出来になるなんて信じたくない。脚本はどう見ても戦闘機を書く気なんてさらさらなくて、戦闘機の要素を無理やり継ぎ接ぎしただけ。爆撃機と対峙するシーンでほんの少しだけ感じるものがあった以外、ゲーム全体のシナリオにはこれといった見どころがまるでない。

こんな脚本じゃこのゲームの画風が本当にもったいない……というか、このゲームで一番しっかりしてるのが画風だよ。少なくとも一線級の作品に見劣りしない。ただ、画風に比べて他の内容はかなり呆れる出来だった。
まずゲームのバグ。あちこちでフォントが違う箇所が出てくる。ゲーム側でフォントは自分で設定できるんだけど、これを見るとけっこう面白いことが分かる。多くの場所の名前は実は名前じゃなくて、画像を貼り付けただけの……偽フォントなのだ。

ゲームのBGMもかなりダメで、トラックリスト自体はそこそこあるのに使い方が滅茶苦茶。いつまでも3曲ばかり延々と使い回しているし、曲によっては明らかに場違いなところで流れて、妙な緊張感を演出してくる。
ゲームには他にもルートがあるのだが、残念ながら、オナニーシーンの出番はさらに少ない。金髪ルートに至っては、最後に主人公が決戦を諦めて、彼女と妹が空中で飛行機を使って二人羽織……いや、二人でくるくる回るのを眺めるだけだ。

ゲームのシナリオについて言えば、長い日常パートはさておき、ほんの少ししかない戦闘パートを見て、子供の頃に書いた作文を思い出した。
その作文は『僕と弟のチェス対決』という題で、まるごと八百字びっしり書いた。四字熟語や形容詞をこれでもかと盛り込んで、しまいには優秀賞まで取った。
だが一点だけ先に言っておく:
まず私は弟がいない。そしてチェスがまったく指せない。
でもこの作文、俺はどうやって書いたのか?
「俺が一計を案じて弟の裏をかいたと思ったら、今度は弟が陽動で俺の虚を突いてきて、まったく不意を突かれた。しばらく考えて、その計略に乗ったふりをして逆手に取ったら、弟はすっかり焦りだした。ところが奴も一枚上手で、罠を仕掛けてきて、いわゆる“誘い込んで捕らえる”ってやつだ。そんな手に乗るかよ、と思って俺は“魏を囲んで趙を救う”作戦に出た。まさに唇亡びて歯寒し、結局弟はおとなしく降参するしかなかった……」
チェスが分からない人がチェスを書くと、たぶんだいたいこんな感じになるんだろうな……
このゲームにおける戦闘機のドッグファイト描写って、まあこんなもんだよな……
結局最後まで納得いかなくて、このゲームがなぜこんなにクソなのか突き止めたくなった。2018年にもなって、いくらなんでもテキトーに書いてもここまではならないだろ。明らかに作文で題から外れてるじゃん。
後で知ったのだが、このゲームは2015年に企画が立ち上がったものの、諸事情でお蔵入りになっていたいわゆる未完の作品で、最近になって再び制作が動き出して世に出たものらしい。
このゲームの質をちょっと見てみたんだが、原画以外は何も推せない。シナリオライターは山ほど集めてきてて、『メモリーズオフ6』のメインライターまでいる始末。ただ確かなのは、奴らはどうやら戦闘機をあんまり分かってないってことだ……
もしかすると企画当初に戦闘機を書いていた人がフレームだけ作って逃げ出したのか、あるいは後続の脚本家が枠に日常を詰め込めば売れると思ったのか、はたまたあんなに上手い原画を眠らせておくのはあまりにもったいないと誰かが思ったのか。結局のところこのゲームは半製品でしかない。所詮いまのギャルゲーは絵が可愛ければ売れるんだから、シナリオなんて誰も気にしない……
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