『Riddle Joker』レビュー
謎の切り札
2010年ごろ、大学最後の学期。就職先はすでに決まっていたけど、卒業が近づいていて論文の答弁を済ませなきゃいけなかった。
論文を書いた具体的な過程はもう忘れた。ただ、論文を書いているときがあまりにも退屈で、ネットでアニメを探し始めたことだけは覚えている。
アニメを探していたらAcfunでやたらと流行っているネタ動画を見つけて、その元ネタをたどっていったら『とある魔術の禁書目録』にたどり着いた。今振り返るとツッコミどころは多いけど、当時の自分にはかなり面白く感じられた。
面白いのはその設定で、科学超能力と魔術師の戦い、そして主人公はまさに第三者的な存在。
もっとどうかしてるのは、その「第三者」のはずの主人公が一番強いってところ。話の展開もテンプレそのもので、突然ボスが現れて主人公を倒すと言い出し、主人公が口先でまくしたてて一発ぶん殴ってボスを殺し、男はそのまま相棒になり、女はハーレム要員になる……
もちろん『禁書目録』を見終わったあと、その番外編、つまり有名な『とある科学の超電磁砲』もついでに見た。
正直に言うと、『電磁砲』のストーリーは『禁書目録』よりずっと面白い。内容の大半は魔術と関係なく、超能力者の話だ。主人公は戦闘力がそこそこ強い超能力者で、仲間たちといろんな事件を解決していく。能力者の能力暴走だったり、闇に潜む犯罪問題だったり。
『超電磁砲』が面白い理由は、やっぱり話とキャラ設定がよりイカしてるからだと思う。
ヒロインの御坂美琴は超能力者だ。『禁書目録』の主人公・上条当麻みたいに「口では弱い弱いと言いながら実際は外掛けまくり」ではなく、御坂美琴は戦闘力そのものが強い。しかも戦いの中で常に絶対的に強いわけではなく、よく面倒に巻き込まれる。彼女も一人で戦っているわけではなく、周りには息を合わせてくれる仲間がたくさんいる。コンピュータに精通して遠隔支援する奴、機動力抜群で偵察を担当する奴、何もできないけどEQが異常に高くて心のケアをする奴……
『超電磁砲』は『禁書目録』より人気があり、ヒロインのネタが某サイトの名前になったりもした……そのサイトがナスダックに上場するのに伴って。
その後もいろんな作品を見たけど、今でもあの夏、自分が『禁書目録』と『電磁砲』を見ていた時間をよく思い出す。
もちろんそれ以上に懐かしいのは『電磁砲』みたいなキャラ設定だ。よく考えてみると、こういうキャラ配置が一番イカしてる。並外れた腕前の主人公、ネットを通じてずっと連絡を取り合える情報アシスタント、そして自分と補完し合える戦友。一緒に動いてさまざまな任務をこなす姿は、アメリカの大作映画に出てくるハイテクエージェントみたいで、見ていて「すげえ」「燃える」と感じるのも無理はない。
特に炮姐が一発の電磁砲で全部解決する戦闘スタイルは、見ていて痛快でたまらない。
そして似たようなキャラ設定のスタイルがついに、萌え売りのゆずソフトに借鉴され、新作『Riddle Joker』として世に出た。

ゆずソフトはずっと廃萌の専門業者だと言う人は多いけど、自分は最近の2作をプレイしてからそうは思わなくなった。サノバウィッチと千恋万花では、ずっと萌えを売ってきた柚子社が全体のストーリー化へと転換し始めている。サノバウィッチではすでにヒロインの背景ストーリーを造形し始めていて、千恋万花ではさらに串刺し的な描写方式を選び、各ルートを総合すると一つの完全な物語が組み立てられる。ギャルゲーとしてはかなり質が高い。
もちろん、柚子的なあの「流れ作業」の宣伝手法は今でも大嫌いだ……今回の『Riddle Joker』でもまたやらかしてくれた……
ゲームの宣伝が始まった時点で、すでに古臭い匂いがぷんぷんしていた。ゲーム設定では、主人公は謎の組織のエージェントで、ある学校に潜入する。そこで偶然、学校の優等生代表・三司あやせの胸が偽物で、実は貧乳だということを知ってしまう。

この宣伝の仕方、覚えがあるだろ?
思い出してみよう。かつてのサノバウィッチでは、主人公が学校に入って勉強し、偶然、品行方正で成績優秀な生徒会長・綾地寧々が図書館で自慰をしているのを目撃し、実は発情しやすい痴女だという設定だった?
次に千恋万花。主人公が田舎の神社に行き、偶然、伝説の宝刀を抜いてしまい、その宝刀を抜いた者は巫女の家の婿になるという……
千恋万花やサノバウィッチでこういうどんでん返しの設定を入れたのがサスペンスを残すためだとしたら、Riddle Jokerのヒロイン・三司あやせに関する「巨乳は偽物」という設定はまったく意味がない。
なぜか?柚子的な宣伝画像を見てみよう……

これが巨乳?巨乳じゃねえだろ!
しかもゲームの最初から最後まで、ヒロインの三司あやせの胸を気にしている奴なんて一人も見当たらなかった。彼女本人が異常に気にしていて、何度も主人公に口外するなと脅してくる以外は。

でも言いふらしたところでどうなる?誰がお前の乳房サイズなんて気にするんだよ?むしろ三司あやせは柚子の全ゲームシリーズで一番存在感のない女一号だ。この存在感のなさは共通ルートの最初から始まり、彼女の個別ルートが終わるまで続く。
まず共通ルートについて話そう:
ゲームは最初から、主人公が某国家レベルの特別機関に所属するエージェントだと説明される。そして主人公自身も超能力を持っている。ゲーム内では超能力を「アストラル」と呼び、英語では“Astral”、日本語では漢字で「星幽」と書く。超能力を持つ者は当然「アストラル使い」で、中国語ではおそらく「星幽使」と訳されるだろう。実際、主人公が勤める機関は、アストラル使いという超能力者を利用して特殊任務を実行する存在だ。
機関に勤めるのは主人公だけではない。主人公の妹・在原七海もいる。主人公の上司は養父であり、むしろこの機関の採用方法そのものが、行き場のない超能力者を養子にして、自分の特殊任務を手伝わせるというものだ。

主人公の能力は「脳制御」で、他人の脳も自分の脳も制御できる。とにかく脳を制御すればいろんな使い方ができる。妹の七海の能力は治癒だが、七海自身は極めて高いコンピュータハッカー技術を持っているので、任務実行のときはほとんど主人公が行動し、妹が後方のネットワーク支援を担当する。
ある任務を終えたあと、主人公の上司は、街に偽札を作り、さらには超能力者を売買する小グループが存在することを突き止める。

超能力者は社会で地位がなく、よく他人から「怪物」と見なされて軽蔑される。しかし利用価値もあり、たとえば超能力を使ってさまざまなことができるので、あるグループは直接人身売買業者になり、若い超能力者を見つけては誘拐する。
主人公の上司は、その悪党グループの次の標的が街の超能力者集中学校かもしれないと考え、主人公と妹の七海に変装させて潜入調査を命じる。
潜入した学校は、実はアストラル能力者が通学し研究するための場所で、生徒のほとんどが能力者だ。学校自体も能力者の秘密を研究し、より多くの能力者を集めて社会に有益なことをし、能力者に対する社会の偏見を変えたいと考えている。

主人公は潜入後、まず健康診断を受ける。診断したのは主人公の幼なじみ、式部茉優。茉優はこの学校で研究していて、しかも留年していて、もはや学生とは言えないおばさんだ。自分には研究すべきプロジェクトがあり、それが終わるまで卒業できないと言う。茉優と主人公の出会いはかなり早く、まだある養護施設にいた頃に知り合った。ただその後、主人公は今の養父に引き取られ、茉優は別の道を歩み、何度か転機を経てこの学校に研究に来た。
今の茉優はこの学校の研究員の一人で、学校の研究室へのデータアクセス権限を持っている。学校には全能力者の情報を含むデータベースシステムがあり、AIMSと呼ばれ、茉優はそのシステムを基に自分の研究を進めている。

健康診断のとき、茉優は主人公に能力は何かと聞いた。男主は嘘をつき、「身体強化」だと言った。何しろ潜入中だから、本当の身分を明かす必要はない。すぐに主人公と妹の七海は学校生活に溶け込み、茉優を含め誰も疑わなかった。主人公と妹は他にも多くの生徒と知り合う。寮長の二条院羽月、妹と同年代の小さい子・壬生千咲、そしてやたら食べる可愛い男の子・周防恭平とも知り合った。

同時に主人公は学校を調査する。この学校の研究所のネットワークセキュリティはクソザルで、毎晩主人公と妹は簡単にあのシステムにハッキングして、勝手に調べられた。調べても大したものは見つからなかったが、犯罪グループはすでに動き始めていた。
彼らは学校のイメージ代表・三司あやせを誘拐しようとし、幸いにも主人公に見つかって救われた。同時に主人公は、三司あやせが毎日能力者代表として取材を受けているわりに、能力レベルは大したことないことも知る。そして……彼女の胸は偽物で、中には胸パッドが入っていた。
三司あやせは、主人公に「胸が偽物」だとバレたことをかなり不快に思い、毎日口外するなと脅してくる。主人公は言いふらす気はないと表明する。そこへ上司から新任務が下る:
「どうやら誰かが三司あやせを誘拐しようとしていて、また実行に移すらしい。まずは彼女のボディガードとして護衛しろ」
主人公は従うしかなく、三司あやせのボディガードになった。そのころ学校は学園祭、「能力発表祭」を迎える。超能力者が自分の能力を使って何か作品を作る催しだ。主人公は仲間を集めて「水着カフェ」を開き、カフェの家具や物品はすべて超能力で作った。
この「能力発表祭」の最中、主人公は怪しい人物が観客に紛れ込んで、三司あやせに手を出そうとしているのに気づく。

主人公は自分の本部と連携して今回のグループの陰謀を粉砕し、敵を一網打尽にした。
学園祭も無事に円満終了。三司あやせは最後に歌も歌った。ただ、ゲーム内では何を歌ったのか一切説明がなかったが……
そして上司が主人公に告げる。「潜入学校の任務は終了だ」
主人公は聞く。「終わったら俺はもう帰っていいのか?」
「せっかく入ったんだから、卒業までいればいい」
こうして主人公にはこれといった任務もなくなり、あとは学校で青春を楽しむだけになった。

共通ルートはここまで。共通ルートの途中でいくつか小さな分岐で好感度を選び、個別ルートに入る。
ルート:在原七海
在原七海は主人公の妹だが、本当の妹ではなく義妹だ。
実際、主人公も今の養父の本当の息子ではない。何しろ養父だから。
養父は収容所から主人公を引き取り、その後別の収容所から七海を引き取った。二人はそうして兄妹になった。
その後の展開は簡単に想像できるだろ?七海はもともと能力者で、途中で能力に目覚め、両親に嫌われて捨てられ、身体的にも精神的にも虐待を受けた。引き取られてから急に誰かが自分に優しくしてくれ、成長過程で主人公に好意を抱くようになった。
その好意は当然今も続いている。ただ妹として、兄に好きだとはなかなか言えない。

But Come on!今は2018年だぞ。同性愛が新浪Xで大騒ぎになってる時代に、兄妹恋なんて何でもないだろ。ましてや血が繋がってないんだから、近親相姦にもならない。
妹ルートは単純に妹の片思いで、最後に耐えきれず、ついに主人公に告白する。
告白後、主人公も承諾し、そして……そしてそれ以上は特に何もない。

もちろん話には多少の曲折もある。主人公がある任務で怪我をして妹がすごく心配するとか、そういうのはある。他の面ではまったく波風が立たず、至極順風満帆。主人公と妹が養父に報告したときも、養父は直接こう言った:
「お前らがくっつくだろうことは前から分かってた……」
二人は潜入者であり、同じくエージェントだ。まあ、肥水は外田に流さずというやつだ。二人はいろんなプレイもやりまくっていた。

妹ルートにも別にストーリーがないわけではない。ただ本筋とはまったく関係ない。主人公が調査で新しい誘拐グループを見つけ、能力者を誘拐しようとするのだが、主人公が呼びかけた5人の生徒(つまりゲームに登場するたった5人のヒロインだ)によって倒される。完全にホーム・アローンみたいだ……
ちなみに主人公は最後に1対5で戦い、相手は「マフィア」と自称していた。
このマフィア弱すぎだろ……

とにかく、これ以上ないほどありきたりな妹ルートだった。
ルート:壬生千咲
誰か一人のルートをクリアすると、千咲のストーリーが解放される。
千咲は妹の七海の親友で、正義感があり、口がまっすぐで、開口一番Fuck、閉口して操。CVは夏和小で、戦闘力はもはや計測不能。
なのにゲーム内では「電話料金でおまけに付いてきた」レベルの攻略対象キャラで、本当に心が痛む。

ゲーム中の千咲のルートはむしろ番外編に近い。学校近くの電車で痴漢が出て、多くの女子生徒が被害に遭っていた。千咲は突然強い正義感を見せ、あの忌々しい痴漢を成敗すると言い出す。
千咲は主人公に、どうすれば痴漢を捕まえられるかと聞く。この痴漢は能力者らしく、被害者は相手がどこにいるか見えなかったと証言している。

千咲が提案する:「私が囮になって、痴漢を引きつけて触らせてみたら?」
主人公は却下する。千咲は可愛すぎて綺麗すぎるから、人に触られるのは忍びないと。
恋の芽生えってやつは、時として一言のエロ発言から始まるものだ。
二人で痴漢捕獲によく出かけるうちに、千咲は主人公をかっこいいと思うようになり、主人公も千咲を可愛いと思うようになる。

そして千咲から告白し……二人はくっついた。
それからパコパコして、最後に痴漢も捕まって……
それで終わり。何しろ電話料金のおまけルートだから。
ルート:二条院羽月
二条院羽月は主人公の寮の寮長だ。羽月自身はとても几帳面な人間で、非常に真面目、しかも頑固。
不思議ではない。羽月は大河ドラマ、つまり時代劇が大好きで、正義のために戦う武士が好きだ。羽月の父親も警察官で、それも彼女に影響を与え、悪を憎む人間にした。
羽月は正義を貫く英雄を特に崇拝している。時代劇の英雄といえば普通は「将軍」、幕府時代のあれで、皇帝みたいなもの、つまり明君だ。だいたい『康熙微服私訪』を愛好するのに似ていて、特に康熙が身分を明かしてイキリ始めるのが、羽月の好きな「将軍」が正義を貫くのと似ている。

羽月の能力は水の操作だが、レベルは低いようだ。よく朝に主人公と一緒に走って体を鍛えていて、そのうえ主人公にいろんな時代劇をしつこく勧めてくる。
羽月は、自分が子供の頃に「将軍様」を見たことがあり、ずっと崇拝していると言う。子供の頃、家族ともめて街をぶらぶらしていると、数人のチンピラが悪さをしていた。正義感から羽月は立ち向かい、対峙したが、羽月はただの小さな女の子なので、チンピラたちも相手にしなかった。その危機一髪のとき、一人の男の子が現れ、チンピラたちを追い払って羽月を救った。

だから羽月はずっとその男の子を崇拝していて、自分の「将軍様」だと言っている。
その男が誰かは誰もが分かる。当然主人公に決まっている。主人公も実はその出来事を覚えているが、認めたくないだけ。羽月も主人公を見覚えがあるが、主人公が認めないのでは仕方ない。
すると街で新たな騒動が起き始める。上司からの報告によると、街で下水道管が破裂したり、水道の蛇口が吹き飛んだり、映画館のトイレの配管が折れたりしている。

最初は悪戯レベルだったが、だんだん深刻になっていく。
上司は主人公に告げる。これらの破損はすべて「水」に関係していると。水と聞いて、主人公は当然羽月を思い出す。
羽月がやったのか?ありえないだろ、あんなに正義感のある人間がそんなことをするなんて?
しかし上司は「知人知面不知心」と言い、主人公に羽月を調査し続けろと命じる。

同時に上司は、謎の勢力もあちこちで主人公を観察していると告げ、注意するよう言う。
羽月は相変わらず毎日正義感たっぷりにぶらぶらし、ついにある日、校外で時間通りに寮に戻らない不良を見つけ、管理しようと立ち上がる。
ところが羽月は二人の不良に勝てないと気づく……その肝心なとき、主人公がまた飛び出してきて不良を追い払い、羽月を救った。羽月は、主人公の姿が子供の頃に記憶している「将軍様」とまったく同じだと気づく。そして思わずまた主人公に聞く:
「聞くけど、あなたは私の将軍様?」
主人公は今回認めた。
すると羽月は一気に「発春モード」に突入。何しろ自分が崇拝する人が目の前にいるのだから、心が動かないはずがない。少女の春心もこういうものだ。(羽月のCVはおばさんだが)。
羽月は毎日、自分の将軍様にどう告白するか、どうすれば将軍様にもっと好かれるかを考えてばかり。時には裏目に出ることもあるが、最後には告白に成功する。
ところが主人公が「告白の返事は保留させてもらう」と言う。
羽月は傷つく。自分は相手にされなかったのかと。女方から告白したのに、よりによって保留されるとか、どれだけ恥ずかしいんだ。
しかし主人公が考えていたのは、街で配管破裂を続ける黒幕を先に捕まえることだった。
主人公はそれが羽月の仕業だとは信じない。別人の仕業だ。しかし上司も他の人も、羽月の嫌疑が最も大きいと言う。
主人公は羽月の疑いを晴らそうとする。しかし羽月も主人公の様子がおかしいと気づく。彼が学校でずっと資料を盗んでいることを知り、でも自分は主人公が好きで、告発すべきか分からない。

二人は板挟みになる。一人は羽月を救おうとし、一人は主人公を救おうとする。しかし羽月には正義感があり、主人公のことを隠すのは自分の良心に背くと思っている。
やがて努力の末、羽月を陥れる黒幕が現れる……
それは学校の別の生徒で、能力は「圧力制御」。
圧力を制御できれば、配管を破裂させられる。彼がそれをした理由は、羽月を陥れ、羽月を社会的に失脚させるためだった。
羽月は犯人を成敗しようとするが、犯人の方がむしろ彼女より理があると分かり、自分がそうした理由を語る。
犯人は子供の頃に能力者だと見つかり、父親に能力を使うよう強要されて泥棒をし、金を盗んで父親に使わせていた。
やがて父親は捕まり、自分も共犯として捕まった。
結局父親は刑を言い渡され、自分も同罪として刑を言い渡された。自分は父親に強要された、やむを得なかったと必死に懇願したが、警察は自分を刑務所に送った。
その警察官こそ、羽月の父親。そして主人公を謎に観察していた組織も、実は彼で、自分の娘が騙されるのを心配していたのだ。
犯罪の意思はなかったのに、父親と同じ罪で刑務所に入れられたのが理解できず、やがて憎しみが生まれた。出所後、羽月がかつての警察官の娘だと知り、復讐しようとして、あの騒動を起こした。

羽月はそれを知り、同情はするものの、間違ったことは間違っている、盗みは盗みだと譲らない。
しかしその生徒は逆にさらに怒る。自分も被害者なのに、なぜ犯人扱いされなければならないのかと。
羽月は深く考える。自分はいつも二元論者で、世の中には「善人」と「悪人」しかいないと思っていたが、実際には物事はもっと単純ではない。

悪を懲らしめ善を広めるには、悪人を一網打尽にするのではなく、人道を重んじ、「善へ導く」ことを主とし、懲罰を補助にするべきだ。そして羽月は主人公を理解する道を選び、主人公のことを追及しないが、善人であってほしいと願う。
結局、やはり人を本とする。最終的に羽月も正しい三観を確立し、主人公も交際の申し込みを承諾し、ルートは一発パコパコで終わる。

最後に羽月は親の仕事を継ぎ、警察官になった。
ルート:式部茉優
茉優のルートはまあアレだ。前半はスパイドラマみたいで、後半はとてもありきたり。
主人公に任務が下る。学校のデータベースに潜入し、データを盗み出せという。
データベースのサーバーはイントラネットなので、内部のマシンを踏み台にする必要がある。踏み台の最適な選択は、研究員・茉優のパソコンだ。
そこで主人公は茉優に近づき、毎日お姉さんお姉さんと呼び、暇さえあれば茉優の肩を揉む。茉優はもともと主人公と知り合いで、しかも主人公に少し好感を持っていた。何しろおばさんは若いイケメンが好きだから。主人公がこんなにこまめに媚びるのを見て、自分に気があるに違いないと思う……

茉優が春心を揺らしている間に、主人公はすでに妹の七海と協力して彼女のところからかなりのデータを盗み、権限も盗んでいた。
茉優はまだ発情した妄想で、どうやって主人公をより巧みに誘惑しようかと考え……主人公の名前を唱えながら自摸していた。

もちろん、主人公がデータを盗んだことは結局バレる……茉優はパソコンの異常に気づく……そして素早く自分のすべてのパソコンのパスワードを変更し、踏み台パソコンのネットワークを切断し、データベース侵入のルートは断たれた……
主人公は諦めず、さらに権限を盗もうとするが、茉優にばっちり捕まる……
茉優はとても悲しむ。自分は主人公に気があると思っていたのに、主人公はただデータが欲しかっただけ……やはりおばさんには人権がなく、若い犬は釣れないのか。

主人公は茉優に見つかってしまった。てっきり通報されると思いきや、彼女は何も動かず……むしろ主人公に条件を出してきた。
自分と協力するなら、データを盗んで何をしているのか教えろ、組織の特殊な物品も提供する、その代わり通報はしない、と。
結局主人公は自分のルックスの良さと、茉優が自分に好意を持っていることを利用して反撃に出る。データを漏らすどころか、茉優の方が受け身になり、自分の研究プロジェクトを自ら明かしてしまった。
茉優がやっている研究は、ある人物を目覚めさせるためのもの。その人物の名は琴理。

茉優曰く、琴理はこの学校の校長の娘で、自分の親友でもある。主人公と別れた後、茉優は琴理と出会った。琴理は能力者で、茉優を自分の父親の学校に誘ってくれた……
二人は一緒にこの学校を受けて、一緒に研究して、一緒に卒業しようと約束した。
ところが受験を果たす前に、茉優は琴理の異変に気づく。
琴理の能力は大気制御。それが何の前触れもなく暴走した……
いわゆる暴走とは能力を制御できなくなることで、暴走した琴理は災害を引き起こし、死傷者まで出した。
最終的に琴理は冷凍保存され、本人は依然として暴走状態のまま、解除もできない。茉優の研究は、琴理を正常に戻す方法を探ること。茉優は主人公に助けを求め、組織が持つ能力制御の研究を提供してほしいと願った。
当然、主人公の組織は承諾しない。しかし主人公は勝手に同意し、組織の機密物品まで茉優に渡してしまう。

最終的に主人公と茉優は、背後組織とこの学校を協力させ、「超能力暴走」を効果的に抑制する薬を開発、琴理を救うことに成功する。同時に組織も今回の協力で貴重なデータを得て、まあWin-Winと言ったところか。
もちろん、主人公が茉優と協力すると決めた時点で二人は恋人同士。その後はキスとセックスの日々である。
この√は、前半で主人公が茉優に嘘をつきまくる部分がなかなか面白い。茉優にスパイだとバレた時の緊迫感も良かった。

しかしその後は何も起きず、緊張感は完全に消えて凡庸な展開へ。良くも悪くも半々ってところか。
√:三司あやせ
あやせ√の展開は、最初から何と言っていいのか分からなかった。
あやせが深夜に主人公を呼び出してゲームを手伝わせる。自分が買ったゲームをクリアできず勿体ないから、という理由。ゲームは二本あって、一つはゾンビだらけのホラーゲーム。バイオハザード7だと思う。
もう一つは「すぐ死ぬ」やつ。カップヘッドかダークソウルズのことだろう。
主人公は毎日のようにゲームを手伝い、そのうち恋愛感情が芽生えて……
そして告られる。

そう、お分かりの通り、個人√に入って3章も経たずに二人は告白し、そのままセックスに突入する。
セックスの後で物語は本筋に入るのだが、そこにはもうあやせはあまり関係ない。

主人公は学校の教師・柿本香里とより深く関わるようになる。
先生は自分も学校で超能力の研究をしていると言う。主人公は興味を持って尋ねる。
「この超能力って、強化できる可能性はあるんですか?」
先生の答えは明確だった。
「超能力は強化されません。少なくとも今のところは」

要するに超能力は生まれつきのもので、一度得たら成長も変化もしない、固定されたものだという。先生もアストラルの超能力について多くの研究をしているが、能力の突破に関しては目立った進展はないらしい。
しかし主人公は周囲から別の噂を聞く。数年前、あるアストラル能力者の能力が「暴走」し、その後は不可解に行方を消したという。茉優√をやった人なら分かるだろう、この「暴走した能力者」こそ琴理である。
「もし能力が向上するなら、能力者の脳が膨れ上がった能力を抑制できず、脳死や発狂、最終的には暴走を引き起こすかもしれません」

主人公の上司は一つの仮説を立てる。あの能力暴走事件は、誰かが「能力の強化」を実現させ、制御不能に陥った結果ではないか、と。
そんな中、学校の生徒が体調不良で突然入院する。主人公が見舞いに行こうとするが、見舞いすらままならず、数日後には市内の中心病院に転院したと言われる。
さらに別の生徒も体調不良を訴え、入院し、その後は音信不通に。主人公が調査すると、これらの「体調不良」の生徒たちは全員失踪していた……
上層部は理解に苦しみ、主人公に調査を命じる。主人公を含め、失踪事件と「能力向上」の関係を疑い始める。つまり、失踪した生徒たちは能力者で、能力に何らかの問題が起きているのではないか、と。

最終的に主人公は学校の研究所に潜入し、研究員たちが何を研究しているのか、能力向上に関わる内容があるのかを探る。しかし偶然、研究所に隠し部屋を見つけて潜入すると、そこは人体冷凍施設で、冷凍されていたのは失踪した生徒たちだった。横の情報パネルには冷凍理由が「能力暴走」と明記されていた。
部屋を見つけた直後、学校の校長も主人公に気づく。校長は主人公が潜入していることを最初から知っていたが、見て見ぬふりをしていたと言う。隠すことでもないので、真実を話すと告げる。
校長には琴理という娘がいた。数年前に能力暴走で冷凍保存を余儀なくされ、ここ数年はアストラル能力の研究を組織してきた。目的は「能力を制御し、暴走を防ぐ」薬を見つけ、娘を救うこと。

校長は、社会にはアストラル能力者に対する誤解が多いと語る。能力者の暴走が増え、社会に害をなすようになれば、能力者たちはより一層社会に受け入れられにくくなる。だから校長は娘の能力暴走を隠し、最近能力暴走を起こした生徒たちの件も曖昧に処理し、まとめて冷凍保存してきた。能力者に対する世論の反感を生まないためだ。
校長も疑問を抱いていた。これだけ研究に投資し、柿本香里のような教師も能力に関する進歩を遂げているのに、なぜ能力者の暴走が止まらず、制御できないのか、と。
主人公は柿本香里に、能力者研究はどこまで進んでいるのか、能力暴走の制御は可能なのかを尋ねる。
すると柿本香里は神秘的な態度で主人公を連れ出し、秘密を教えると言う。
その秘密とは、柿本香里が突然主人公に謎の薬剤を注射し、牙を剥いたことだった。この学校で続発する能力暴走はすべて彼女の仕業だと言う。彼女は「能力抑制」の薬の研究と称して、逆に「能力を暴走させる」薬を開発していた。目的は能力者の暴走を増やし、社会の混乱を引き起こし、自分の猟奇的な心理を満たすこと。(主人公の上司は、柿本香里が能力者を暴走させて社会の反感を買おうとしていると推測したが、本人はそうは言っていない)
柿本香里は主人公に薬を注射した後、放置して変化を待つ。次に彼女がやろうとしたのは三司あやせを見つけ、利用して大事を起こすこと。長い間、三司あやせは学校の能力者の代表として、柿本香里から治療と称する処置を受けてきたが、それらはすべて能力暴走を引き起こすためのものだった。あやせのような学校の能力者の筆頭が暴走すれば、災害はより大きくなる。
柿本香里があやせを連れて行こうとしたところで、校長に見つかる。校長は学校に自分のスパイ生徒(あの飯好きのゲイ)を潜ませていた。以前から研究員内部の裏切りを疑っていたが証拠がなく、今回ようやく捕まえたという。

柿本香里は慌てず、まもなくあやせが能力暴走を起こす、手遅れになると言う。だが三司あやせは、自分は実は能力がまったく使えないと告げる……

三司あやせは自分は能力者ではなく、能力の使用は「薬で一時的に能力効果を得ている」だけで、本来は能力者ではない。だから柿本香里の処置は自分にはまったく効かない、と。
柿本香里は怒り、あやせの薬を奪って自分も一時的に能力を得て、校長たちと戦おうとする。そこに主人公が駆けつけ、上条当麻のような有情破顔拳で柿本香里を打ち倒す。柿本香里は驚く。薬を飲ませたはずなのに、なぜ能力暴走していないのか、と。

主人公は自分がすごいから抑制したと言い、さらに妹の七海も駆けつけて治療術をかけ、薬は効力を失う。
(私&柿本香里:??????)
ともあれ問題は解決し、敵は倒れる。校長はもう一つの秘密を明かす。三司あやせは実は自分の娘で、以前能力暴走で冷凍された琴理とは異母姉妹だという。主人公も盗んだ柿本香里の能力研究資料を校長に渡し、校長が研究して最終的に能力抑制薬を完成させる。今後アストラルの能力研究は普及し、誰でも薬で能力を得られるようになり、医学などにも投入される……

まあ、完璧なエンディングと言えるだろう。
総評:
今回の『Riddle Joker』は設定が斬新……少なくともゆずソフトのレベルでは斬新で、物語の主軸にも暗線の陰謀を描いている。だが全体として見ると、以前の千恋万花やさらに前のサノバウィッチと比べて…………差が大きすぎる!
どこが違うのか?
まずはゲームシナリオの大幅な後退。
柚子がこの数年出したゲームは、「日常会話」のレベルが非常に良くできていて、プレイしていて楽だし面白い。お茶の間アニメを見るような感覚で楽しめる。だがそれは既に「天色」の時点で到達していた。後のサノバウィッチや千恋万花で、柚子は「シナリオ志向」の路線を模索し始める。

サノバウィッチで初めてシナリオロックのようなものが登場した。まだ物足りなさはあるが、大きな突破だった。続く千恋万花では「断片パズル」スタイルのシナリオ構造を採用し、各ヒロインの√で全体の物語の一端が明かされ、最終的に繋がる。この感覚は既に素晴らしく、むしろ80%のシナリオ重視ゲームを超えていた。
今回のRiddle Jokerでは、日常会話は相変わらずの味だが、シナリオが非常にいい加減に見える。主人公の設定はエージェント潜入だが、共通√が大体4章終わりで主人公の潜入任務は完了してしまう……
主人公の父親が「任務完了、安心して学校に残って女を口説け」と言う。
だから以降の√はまた天色のようなバラバラな構成に戻る。式部茉優とあやせの√には多少の繋がりがあるが、他の三人は無関係だ。しかもゲーム全体の主軸が非常に不明瞭。あやせは第一ヒロインなのに、ゲーム後半になってようやく「生徒が失踪している」問題が出てくる。失踪者の存在がラスボスを引き出す。おまけにそのボスの疑わしい点が多すぎて、中盤で既に彼女が普通じゃないと気づく。ミステリーも薄い。

共通√が終わった時点で物語はもう終わっていいんじゃないかという感じ。後の個人√は完全にアフターストーリーだ……
もう一つツッコミたいのは茉優√。一番期待していた保住圭が書いたのに、この√も光がないわけではない。主人公が身分を隠して純情な年上女性を騙す時、物語はなかなか面白い。主人公の正体がバレて、茉優が好きな年下男子を通報すべきか悩む描写も秀逸。
そしてこの√はそれで終わり。その後二人はわけもなくくっつき、主人公は組織を裏切り、ヒロインは学校を裏切り、二人が一緒にいるのはセックスとキスのためだけ。√の最後になってようやく、救うべき女の子がいたことを思い出す。

七海妹√は最初にプレイしたが、気持ち悪くて仕方なかった。悪いわけじゃない、ただあまりに陳腐で、どこかからのコピペみたいだ。同じくサブキャラの壬生千咲√も、痴漢捕まえの展開はあるものの、最後はわけもなく告白する。

そう、このゲームのヒロインはほぼ全員がわけもなく告白し、しかも女方が一方的に主人公に発情する。一番安っぽい恋愛は第一ヒロインのあやせ。どう書いていいか全く分からないのか、ホラーゲームを数回やっただけで相手を好きになる。そして二人は陳腐なマリースー級の告白……本当に何と言っていいか分からない。千恋万花の芳乃やサノバウィッチの椎葉の童話風告白と比べると差が大きすぎるし、天色の白鹿愛莉と比べても遠い。柚子的脚本に何が起きたのか。「潜入系」シナリオに重点を置くから恋愛を削ったのか?
しかしこのゲームの「潜入系」もダメだ。主人公の潜入には緊張感が皆無。勝手にハッキングし、勝手に入り込み、勝手に相手を倒す。主人公は完全に無敵で、一度も敵に負けたことがない。ボスに薬を盛られても「免疫がある」と抜かす始末。何と言えばいいのか。

上条当麻は少なくとも先に殴られてから口先で説教し、最後に反撃する。主人公は完全に一方的に相手を吊るし上げるだけ。しかも一番アホなのは、柚子が戦闘を全く作れないこと。渦巻社の戦闘がアホだとツッコんだ記憶があるが、柚子も大差ない。アホな上に、渦巻社は戦闘ポーズのCGをちゃんと作るのに、柚子は絶対にCGを作らない。主人公がクールに決める一枚もない。すべてのCGはヒロインの売肉に使われている。本当にエロ絵しか描く気がないんだな。

わけのわからない背景に、数行のテキスト。それだけで主人公はボスを地面に擦り付ける。特に燃えるBGMもなく、血沸き肉躍る表現もなく、すべての問題が解決する。柚子は本当にこの設定を面白く作ろうと考えたのか疑わしくなる。
結局、今回の柚子の「超能力者」設定はただの皮囊で、中身は往年の天色と同じもの。設定を売り出す時は際どい球を投げ、ヒロインは巨乳だと言い、巨乳は偽物だと言う。
しかし巨乳が偽物だから何だ? 誰が気にする? むしろヒロインの個人√では彼女はほとんど役に立たない。最後に自分は能力がないと言うだけで、存在感は妹やあの可愛い男の子モブ以下。ただ可愛さを振りまき、猫が好き、ゲームが好き、blah blah blah blah。超能力とは一ミリも関係ない。
対照的に他のキャラと超能力の繋がりは強い。妹は超能力者で捨てられ、千咲は超能力はないが憧れ、茉優は超能力を研究する人、そして羽月は自分に超能力があるが制御できず、超能力で正義の味方になろうとする。

あ、そうだ。このゲームで印象に残る√があるとすれば、二条院羽月だけだ。
二条院羽月はこの女の子の造形が最も完成されている。性格も背景も完全で、主人公への憧れにも理由がある。本人も乙女心全開で、最終的に自分も挫折を経験し、成長する。正義を追う者として、より人間本位であるべきで、頭でっかちになるべきではないと理解する。
(ここでツッコみたいのは、日本が最近「人治社会」を唱えていて「法治社会」ではないこと。先日の桜花裁きもそうだった。日本に人情味が足りないせいだろうか。)

二条院羽月√は砥石大樹が書き、唯一「完全な物語」を書ける脚本家だと思った。保住圭は式部茉優√を書き、前半はまあまあだが、後半でこの老獪な本性を露わにし、各種性癖とセックスを書き始める。まあエロゲーだから合っているとも言える。
他のキャラの√は……まあ柚子的旧作のコピペだ。
調べてみると、柚子の前二作でシナリオがまあまあだと思ったものには、籐太という脚本家が参加していた。以前5chで籐太の脚本は良い、少なくとも世界観を丁寧に作って物語を語ろうとする、萌えを売るだけではないと書いたら、籐太はアホで丸戸史明以下だと散々叩かれた。
もちろん私は丸戸史明の方がアホだと思う。籐太は少なくとも真面目に物語を語る人だ。柚子の新作には彼が参加しておらず、全体の物語構造が微妙になった。砥石大樹の羽月√だけは安定しているが、主軸とは言えない。

もちろん今回のRiddle Jokerが完全に無価値というわけではない。ゲームのBGMは前作より進歩している。個人的にはOPの各種変奏、特にOPのインストゥルメンタル版が良い。OSTが出たらまた財布が痛むな。

今回のCVは桐谷華に失望したと言わざるを得ない。キャラ描写が単調なのか、最近アニメの仕事が多くて精力がそちらに向いているのか。ゲーム内では「ルーチンワーク」的な感じで、「二面性」の表現も物足りない。彼女が初期に演じたヤクザの娘系キャラと比べると天と地の差だ……

一番良かったのは……認めざるを得ないが仙台エリと後藤麻衣の両おばさんだ。仙台エリはこういう生真面目な田舎者を演じる経験が豊富で、王女や武士などたくさん演じてきた。後藤麻衣は柚子の妹役から今の年増役まで。昔『天神乱漫』をやった日々を思い出して、自分も老けたなと感慨深くなる。
結語:
『Riddle Joker』は柚子の新作として、私の期待に応えていない。柚子が原型に戻った、少なくとも『天色幻想島』レベルの水準に戻ったようなものだ。『千恋万花』との間には『サノバウィッチ』一つ分の差がある。「超能力」を掲げながら、「超能力者」のテーマに迫らず、相変わらずの萌え売り。しかもその売り方がより低級……

ヒロインは存在感ゼロ。宣伝された「胸は偽物」設定も大したポイントじゃない。ヒロインの「二面性」性格設定も作為的で、設定のための設定に感じる。妹√は普通だが悪くもない。羽月√は光っている。後藤麻衣√はやや抜き寄り。全体としてエロゲーとしては合格点で、少なくとも不快な体験はない。
ただ感慨深いのは、世界中が後退していること。ゆずソフトも例外ではない……
おまけ:
今回の『Riddle Joker』は私が最も長くプレイしたギャルゲーで、約三週間。ほぼ全セリフを真剣に読み、意味のあるものを掘り出そうとしたが、柚子の萌え回帰作でそれを探すのは甘かったようだ。柚子の前二作の良い出来が期待を抱かせたが、それは幻だったのかもしれない。かつて見た『とある魔術の禁書目録』のように。禁書目録が3期を出せば、みんな当麻と炮姐に欢呼するだろうが、また主人公が口先で敵を殴るACG作品の設定が出てきたら、もう誰も買わないかもしれない。

ゲームタイトルは『Riddle Joker』、神秘のジョーカー。しかし柚子が出したこの切り札は、せいぜいカードの上に描かれたピエロに過ぎない。
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