『Kiss&Crisis』レビュー
潜入検察官とその元カノ
誰だって子供時代を経て大人になる過程で、一度は見るもんなんだよ……生理、健康、人体芸術、刺激、ビデオテープってやつを。
で、そういう……生理、健康、人体芸術、刺激、ビデオテープの中で、一番有名なのは女教師やCA、OLを差し置いて検察官シリーズだろう。
検察官シリーズの映画は大体こんな話だ。女性警官が悪の黒幕犯罪組織と戦うため敵組織に潜入する。だが不幸にも見つかり、敵に責められ凌辱され……おっと屈辱を受けた後、不屈のヒロインが最終的に悪を打ち破り任務を果たす、みたいな……
もちろん、こういう教育的意義の強いストーリーはビデオで松下紗栄子が自ら演じる姿でしか見られないわけじゃない。ギャルゲーの分野でも、いわゆる「二次元版」が見られるわけだ。

有名音ゲー開発元Moreの子会社の子会社の子会社ブランド、Pure Moreが最新の「潜入検察官」シリーズ『Kiss&Crisis』を発売した。このゲームの設定は「潜入検察官」、そう、俺たちがよくあの……生理、健康、人体芸術、刺激、ビデオテープで見るあの「潜入検察官」だ。
しかもその上に新しい設定をいろいろ盛り込んできた……
「仕事のためなら、気軽に人と寝ますか?」
すごく考えさせられる問題だろ?仕事と貞操、果たしてどっちを取るのか?
ゲームの色っぽい宣伝画像と合わせれば、仕事と地域の安全のために、自分の肉体とキャリアの間で揺れ動き、最終的に難しい決断をする女性検察官の切ない画面が脳内再生されるはずだ……
だからそういう内心描写をしっかり味わうために、俺は松下紗栄子の10月の新作をばっさり捨てて、迷わずこのゲームを先に開いた。
だが開いてみて、自分がとんでもなく間違っていたことに気づいた。

なぜならその「潜入検察官」はヒロインじゃねえんだよ、おい……
ゲームの主人公は男で、とある貿易会社への潜入を命じられた検察官……要は警察だ。天朝の言葉で言えば潜入捜査官。
この日本の貿易会社のトップは、資金の海外流出に関与している疑いがあり、さらに機密を天朝に売ろうとしていた……そこで日本の国の名誉を守るため、俺たちの男主人公がその会社に潜入し、犯罪の証拠を集めることになる。

潜入してみると、男主は会社の権限が厳しすぎて、新入りの自分にはほぼ何の権限もなく、マジで惨めだった。しかもこれ以上Hackして権限を取るのも難しい。小細工しなきゃ任務は無理そうだ……
そこで俺たちの男主は果断に策を打った。自分のナンパ術を発動することにしたのだ。
まずは自分の班長(女)に手を出し、無事に誘い出してパコパコ。肉体関係を持てば彼女の権限にさらに近づける。
次に女性上司、女性同僚、果ては社長の娘にまで手を出した。男主はまさにイケメン大殺器、ヤリチン王子。社長の娘まで落としたなら、最高権限取得も朝飯前じゃね?
ところがそこで男主は会社で知り合いを見かける。川島夜宵だ。

この川島夜宵とは何者か。男主の元彼氏……じゃなくて元カノだ。男主がまだ警察になる前、川島夜宵は男主の彼女でありながら警察で、しかも「潜入検察官」、つまり男主と同じ仕事をしていた。
その後二人は別れ、男主も警察、しかも「潜入検察官」の道に進んだ。元カノの川島夜宵とも連絡が途絶え、まだこの仕事をしているという噂もあれば、足を洗ったという噂もあった。
そんな中、川島夜宵の方から男主に話しかけてきた。自分がまだ検察官だとも、足を洗ったとも言わず、常にミステリアスな雰囲気を漂わせる。だが川島夜宵は、男主が証拠を求めて潜入していることを知っており、昔の恋人のよしみで助けてやろうと言う。
川島夜宵の助けで、男主は会社のサーバールームに潜入する機会を得た。
二人で潜入し、サーバーまであと一歩というところで、川島夜宵が突然発情し始め、男主に自分のことが好きか、まだ愛しているかを問い詰めてきた……
男主ももちろんまだ愛してる。何しろヤれるならヤるのが男ってもんだ。だから男主が理性を保てなくなったところで潜入時間が終了し、警報が鳴り、男主と川島夜宵は危うくサーバールームで死ぬところだったが、何とか脱出した。

最初の潜入は失敗、ならば二度目を狙うしかない。
二度目の潜入では社長室に入り、最高機密を直接盗み出す。だがそこで……またも川島夜宵が発情し、自分のラテックススーツを脱いで、男主に一発どうかと誘ってくる……
男主もまた我慢できずにパコり、そのせいで絶好の侵入タイミングを逃し、二人はまた逃げ出し、侵入はまた失敗。
二度の侵入で、男主は重要な情報がどこにあり、パスワードが何かも大体わかった。だが男主は何かおかしいと感じていた……
なぜ毎回肝心なところで、あの川島夜宵が発情して台無しにするのか?
男主はハッと膝を打ち、理解した!
その夜、一人の黒い影が再び社長室に侵入する。資料を盗もうとしたその時、男主が銃を突きつけて影の背後に現れる。その影こそ、川島夜宵だった。

何と川島夜宵も潜入スパイで、狙いは同じく資料の窃取。ただし男主とは別の機関、別の情報部門のエージェントだった。男主を助けると言ったのは嘘で、実は男主を利用して先に手柄を立てようとしていたのだ。
だから男主が成功しそうになるたび、川島夜宵は邪魔をし、男主が地雷を踏み尽くすのを待ってから、自分だけが勝利の果実を独り占めしようとしていた。
男主は激怒し、元カノの川島夜宵に理由を問いただす。

川島夜宵は平然と、自分は男主を利用していた、でも愛してもいる、この愛のために見逃してほしいと言う。
ここで選択肢がある。元カノを選ぶか、仕事を選ぶか。
元カノを選べば、川島夜宵は侵入を諦め、男主と共に流浪の旅に出る。だが二人は同時に二つの組織から手配され、最後は共に破滅へ、戦場で死ぬ結末らしい。

仕事を選べば、川島夜宵は即座に手のひらを返し、さすがに男主は引っかからないねと、二人で1V1バトル開始。男主は彼女にすら勝てず(マジで情けない)、最後は川島夜宵に資料を持ち去られて逃げられる。
その後、男主の任務は完全に失敗し、この川島夜宵に二度と会うことはなかった。ただ、川島夜宵が去り際に言ったあの言葉だけが記憶に残る。
Twitterの指摘によれば、それはイタリア語で「遠く離れても、あなたを愛している」という意味だ。


だがそんなもん何の役にも立たない。最後の結末は、男主が元カノに二度と会えず、完全に騙されたというだけだ。
つまり『Kiss&Crisis』は、男主が警察の潜入捜査官として会社に潜入し任務を遂行するも、最後は元カノへの感情に悩まされ、元カノ(実は別組織の潜入捜査官)に重要情報を奪われるだけの話だ。
この物語には「決断」も「内心の葛藤」もない。あるのは男主の抑えきれないチンポだけだ。

俺たちの男主はゲーム開始時点で特別な才能もなく、ゲーム内で簡単なデータベースにすら侵入できず、頼りにするのは女性上司と寝て権限を得ることだけ。ゲーム内でも侵入の詳細な過程はあまり描かれず、唯一言及されるのは「不活性ガス消火のサーバールーム」くらいで、ちょっとした豆知識にはなるが、他に面白いものは何もない。
Pure Moreの過去作と同じく、このゲームはおそらくただの抜きゲーだ。しかも抜きゲーとしても話がろくに説明されておらず、見えるのはパコパコパコパコパコパコパコパコパコパコ……だけだ。

言いにくいことだが、あの……生理、健康、人体芸術、刺激、ビデオテープの検察官潜入シリーズの方がよっぽどよくできている。あっちにはまだストーリーのどんでん返しがあるからな。このゲームには退屈なHCGしか残っていない。
俺はPure Moreが以前出した『少女アクティビティ』のようなゲームが好きだった。エロを描きつつも、どこか芸術的な風格があった。だが今のこの検察官ゲームは、ただの三流エロ小説にすぎない。
しかもこのゲームはいつも誤解させる。ヒロインは女性で、検察官は女性が潜入し、情報を得るために身を犠牲にするものだと思い込んでしまう。
誰がまさか検察官が男だなんて予想するか。潜入したら男主がヤリまくるのを見せられるだけで、自分は勃起できないチンポを握りしめてやり場のない気持ちになるだけだ。

もう2018年だぞBro!コーラだって童貞じゃないし、Google Plusも倒産するんだ。エロゲーを作るなら良心を持てよ!
何がKiss and Crisisだ。Kissはあっても、Crisisはどこだよ?自分のチンポを抑えきれず元カノに一杯食わされた男主検察官のことか?
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