『恋がさくころ桜どき』レビュー
桜・死神・恋の妖精
『ましろ色シンフォニー』のキャッチコピーはこうだ。男の子は何色だろう? 女の子は何色だろう? そして男の子と女の子が恋をしたら、恋は何色になるのだろう? 『恋がさくころ桜どき』のキャッチコピーはこうだ。恋ができない女の子、恋に興味がない男の子、二人が恋をしたら世界はどう変わるのだろう?
まあ、パレット+和泉つばす先生の再タッグ作である。タイトルの紹介文も相変わらずキザでほんのり青くさい、恋への憧れを抱かせる純粋な雰囲気を漂わせている。最初は俺もそう思っていた。恋がさくころ桜どき(Koi ga Saku Koro Sakura Doki)なんて、要するにただの……学園もので……主人公がゆっくりヒロインを落としていく話で、せいぜい少し甘い程度だろう、瀬名愛理や瓜生桜乃のルートとそう変わらない。どんなに頑張っても、乾紗凪のルートみたいに無理やり引き延ばすのか?
実際は全然違った。

恋桜の序盤はましろ色シンフォニーと同じ路線だ。脚本家が同じではないことを踏まえると、むしろ似すぎていて少しばかり意図的な模倣を感じる。主人公は相変わらずみんなが最も憎むイケメン金持ち(金持ちかどうかは定かではない)。最初からそばにはブラコンの妹、天真爛漫な幼馴染、自分に気がある風紀委員長、そして堂々と「私と付き合え」と指名してくる生徒会長までいる……
主人公は子供の頃に交通事故に遭い、一度は死んだらしい。死んだとき死神の姉ちゃんに会い、姉ちゃんは「お前は死ぬべきじゃない、生き続けるべきだ、そして周りを笑顔にしろ」と言った。それ以来、主人公は自分の命は他人からもらったもので、恋をする資格はなく、ただ奉仕するだけだと思っている。
「僕は恋をする資格がない人間だ。恋はしない。ただ周りを幸せにして、笑顔にしたいだけだ」
うちの主人公はこんなキザなことを言い、恋を勧めるあらゆる誘いをはっきり断る。そんな中、木の上にいたティナという死神が主人公の家にやって来る。
「私は恋の妖精。だからあなたの恋を叶えに来たの」
物語はこうして始まる。
共通ルートは初プレイ時、ほとんど価値のある内容は見当たらない。大半が主人公の日常で、周りは女の子だらけ、母親まで夢中にさせる始末。当の本人は苦虫を噛み潰したような顔で恋はしないと言い張る。ティナは主人公の家に居候し、毎日寝てばかりで、時々むくっと起きては早く相手を見つけろと急かす。主人公は相変わらず毎日を退屈に過ごす。誰かに「なぜ笑わないのか」と聞かれるまで。
そこで主人公は試しに笑ってみた……

だから最終的に彼は考えて、自分の恋を探すことにした。少なくとも笑うとこんなに怖くはならないはずだと。そして生徒会長・杏の誘いを受け、生徒会に入る。それ以前から杏は主人公を生徒会に入れるためあらゆる手を使っていた。
実際、共通ルートは内容がないように見えて、クリア後に振り返ると伏線だらけだと分かる。
おおまかに三つ。
なぜティナは毎日寝ているのか? なぜ会長はここまでして主人公を生徒会に引き込みたがるのか? なぜティナは死神の鎌を持っているのに、自分は恋の妖精だと言い張るのか?
そうこうするうちにルート選択が来る。ましろ色シンフォニーと同じく乱暴なほど単純で、水泳イベントのときに誰を訪ねるかで、そのヒロインのルートに入る。ここで言っておきたいのは、生徒会長・杏ルートと、その後のティナルートを除き、他のヒロインのルートはメインの話と関係なく、前述の伏線も回収されない。だがだからといって質が低いわけではない。
まず小奈美の妹ルート。浅葉小奈美は浅葉優真、つまり主人公の妹で、しかもどうやら実妹だ。実妹! 性格設定では浅葉小奈美はましろ色シンフォニーの瓜生桜乃とよく似ている。ゆっくりした口調で、少しツッコミ気味で、ちょっとした小細工もする。ただ妹ルートの展開は瓜生桜乃とは違う印象を与える。
まずルート内で妹は自分が主人公への感情を確信し、主人公は自分は兄だからとその感情を受け入れず、様々に避け始める。すると妹は猛攻を仕掛け、その猛攻の中で多くの人から警告を受ける。保健室の先生も含めてだ。倫理的にも子孫のことを考えても、血のつながった妹と兄の恋は許されないからだ。

しかし妹は決して諦めない。夜襲や朝襲も含めてあらゆる手段で攻める。最後に主人公は根負けし、ひとまず恋人の形で付き合ってみることに同意する。ただし兄妹のことは公にできないため、誰もいないときしかいちゃつけない。
すると問題がすぐ起きる。主人公はモテすぎて、学校ではいつも女の子に告白され、周りの女友達も主人公とよく体を触れ合わせる。妹の嫉妬はどんどん明確になるが、関係を公にできないので、理不尽に怒りをぶつけるしかない。
そのうち妹はこんな関係に耐えられなくなり、感情が崩壊してしまう。
「もう無理。このままじゃ周りの友達みんなが嫉妬の対象になる。嫉妬すればするほど醜くなって、醜くなったらあなたが離れていっちゃうんじゃないかって、もし離れていったら、私が生きてる意味なんてない!」

妹の最後の告白がついに主人公を動かし、彼も自分が妹を愛していることに気づく。二人は正式に恋愛関係を確立し、最後の難関は周囲の承認だ。
生徒会の連中が何か言うわけがない。問題は主人公と妹の養母である葵さんだ。
兄妹の恋に葵さんは頑として反対し、これは無茶だ、主人公の亡くなった両親に申し訳ないと言い張る。そこへティナが主人公の父親の亡霊を連れてきて、葵さんに両親の本当の気持ちを直接伝える。
最終的に主人公の両親は賛成したが、それでも葵さんは主人公と妹を引き離し転校させ、強制的に連絡を断つ。
「もし3年後、二人がまだ恋をしているなら、そのときは認める」
結末はもちろんハッピーエンド。3年後の坂道で兄妹は抱き合い、本当の恋人になる。
要するに妹ルートは非常に波乱万丈で、ここ数年の俺が触れた中でも珍しく、実妹ものを中で実際に起きる問題をきちんと取り上げている。遺伝や優生学、養母の強い反対まで含めて、リアルな感覚がある。手に入りにくい恋に胸が締め付けられると同時に、兄と実妹の恋に真剣に向き合うべきだと考えさせられる。「妹をヤるために妹をヤる」的な話ではなく、小奈美が確かに妹という立場で関わっていると実感できる。妹の看板をかぶっただけの適当な女の子ではない。
次に風紀委員・夕莉ルート。夕莉は実は最初から主人公に気があったが、主人公には美桜という幼馴染がいるので自分が入り込むべきではないと思っている。それを変えたのがある事件だった。主人公と夕莉が没収した手錠を処理しているとき、誤って二人の手が手錠でつながれてしまう……(ツッコまないでくれ、設定だ、話の都合だ)。二人は丸一日一緒に過ごし、夜の就寝まで含めて。

強制的な近距離接触に夕莉は自分の感情を抑えられず、心臓が高鳴り続け、主人公も自分が夕莉の可愛さに気づいていなかったことに気づく。最後に夕莉の姉・花子が妹の異変に気づき、妹に主人公へ告白するようけしかける。花子はずっとツンデレで主人公を嫌っているが、それもただのツンデレだ(乾紗凪を思い出してくれ)。同時に夕莉には「他人が好きな自分」を演じてしまう癖があり、他人の評価を気にしすぎて、モデルの仕事が好きなのに辞めてしまう。
一方、美桜は早くから主人公が自分ではなく夕莉を好きだと気づいていた。だが夕莉が告白する日、すべてを目撃した美桜はやはり泣いて家に駆け戻る。夕莉は告白に成功し、主人公と恋人になる。美桜は一日泣いた後立ち直り、夕莉の友達に戻った。
もちろん話はここで終わらない。次は夕莉と主人公の一週間にも及ぶノロケだ。二人の熱愛はほぼ周囲全員を無視し、主人公は妹の面倒を見なくなり、夕莉は花子を構わなくなる。ついに花子の嫉妬が爆発して怒り出し、夕莉はその問題に気づかない。花子はいつもこういう不機嫌な性格だと思い、あちこちで怒っているだけだと。

そのとき、もう一人の死神ヘベリオンが花子に会い、花子の命は長くない、妹と主人公を別れさせれば寿命を延ばすことを検討すると告げる。
最初、花子は冗談だと思ったが、この死神が本物だと分かるとパニックに陥る。実は子供の頃から少しだけ妹に嫉妬していた。妹は何をやっても自分より優秀で、今自分は死のうとしている。妹を別れさせれば命が延びるなら、大したことではないように思えた。
そこで花子はわざと夕莉と主人公の恋をかき乱し始める。しかしすぐに、妹はやはり自分のことを気にかけていると気づき、主人公もそこまで頼りない人間ではないと分かる。花子は計画を諦め、ヘベリオンは軽薄に「じゃあお前の命はもうないな」と言う。
それを聞いたらしい主人公に、夕莉も何かを察し、主人公に別れを告げる。
「私たち、付き合ってから周りを見なくなった。あなたは私とデートするために妹との約束も断った。それは受け入れられない」
主人公も二人で考える必要があると認め、受け入れる。
別れ、花子の命の危険もなくなった。卒業後、主人公は再び夕莉と付き合うことを選び、夕莉も快く受け入れる。同時にモデルの仕事も再開し、物語はハッピーエンドを迎える。
このルートは花子の話が半分近くを占め、主人公と花子の間の葛藤描写が細やかで、花子ルートがあるのではないかと疑ったほどだ。しかも花子のCVは桐谷華だ。なのに……ない……
マジで受け入れられない。
夕莉や小奈美のルートに比べると、幼馴染の美桜ルートはずっと単純だ。
美桜は子供の頃から男性恐怖症で、主人公もよく助けていた。花子と同じ腐女子だが、美桜は最も純粋な心を持っている。付き合い始めは正統派的だが、美桜の男性恐怖症の問題はルートの最後まで解けない。
子供の頃、主人公は美桜と仲良く遊んでいたが、他人の噂のせいで男の子は女の子と遊ぶべきではないと思い、ある日の帰り道、美桜が差し出した手を平手で払い、走って帰ってしまった……
その直後、主人公は交通事故に遭った。
美桜はずっと自責していた。あのとき一瞬でも主人公を呼び止めていれば、走るのが一秒でも遅ければ、事故に遭わなかったはずだと。
だから主人公に触れると泣きたくなり、目の前で主人公が事故に遭った光景を思い出してしまう。
問題の解決もまた宿命的だ。ティナは美桜にわざと主人公と喧嘩して無視させ、主人公の誕生日にケーキでサプライズを仕掛ける。誕生日当日、美桜が怒っていないと知った主人公は嬉しそうに美桜のもとへ駆け出すが、そこに車が飛び込んでくる。
今度は美桜は迷わなかった。主人公を突き飛ばし、自分が車にはねられる。

大けがをしたが美桜は死なず、主人公は美桜を見捨てずに世話を続ける。いつしか美桜は、主人公に触れてももう泣かないことに気づく。
正直に言うと、美桜ルートはこのゲームで一番ダメなルートだ。まあどのゲームにも相対的にイマイチなルートはある。
最後に神鳳杏ルート。主人公と生徒会長の恋は主人公から始まる。生徒会長はずっと主人公をからかっていたが、主人公が愛を告げたとき、彼女はためらった。
なぜか?
神鳳杏は死神であり、恋の妖精ティナの師匠だからだ。
ゲーム冒頭から神鳳杏は万能な印象だ。なぜか? 彼女は死神と人間のハーフで、父が死神、母が人間。体内に二つの人格があり、一つは神鳳杏、もう一つは死神のアイリーン。普段は神鳳杏が会長を務め、アイリーンが死神の仕事をする。
死神の仕事は死者の魂を刈り取ることで、刈り取った魂の生前の記憶は死神に吸収される。つまり神鳳杏には無数の人間の記憶があり、そこには様々なエリートもいるので、異常に有能で万能に見える。神鳳杏はあまりにも多くの人の記憶を背負い、生徒会長をしているのも、ある生徒の魂を刈り取った後、その子の願いを叶えるためだった。
神鳳杏は主人公の告白にためらう。自分は死神で不老不死、しかもあまりにも多くの悲劇を見てきた。自分と恋をすれば、主人公に良い結末はない。
さらに重要なのは、神鳳杏が言うには、ティナにはリナという姉がいる。最初にティナとリナに出会ったとき、神鳳杏はまずリナに見習い死神になるよう教えた。リナはある日、主人公の母親の魂を刈り取り、母親の記憶を得た。そして後に、リナは死んだ主人公に出会う。
リナの中の主人公の母親の記憶が作用し、リナはまるで息子に対するように優しく、自分の命を主人公に与え、幸せを願った。
リナはこうして消え、その命は主人公の命となった。消える前にリナは神鳳杏に、必ず主人公を幸せにしてほしいと告げた。
神鳳杏はリナに申し訳ないと思っている。自分がリナを死神にしたからだ。だから最初に主人公が学校に入ったときから彼を助けようと決め、生徒会に引き入れ、自分のそばに置き、あらゆる面で助け、早く恋をして幸せになってほしいと願った。
「だからね、私があなたに近づいたのはリナという友達を助けるためだけ。それでも……まだ告白する?」

結果はもちろん、主人公は迷わずリナに告白を続け、二人は結ばれる。
「私は死神よ。あなたが老衰で死んでも、私は今の若い姿のままかもしれない」
「それって最高じゃないか?」
杏ルートはこうして結末を迎える。
神鳳杏ルートは恋の描写は少なく、大半が謎解きだ。共通ルートの疑問が明かされる。回想シーンは杏ルートで非常に丁寧に作られているが、感情面では少し物足りない。ただ杏ルートはティナルートの前奏曲かもしれないので、それは理解できる。
最後にゲームのTRUE END、ティナルート。
ティナルートは杏ルートをクリアしないと解放されず、しかも単純明快……
設定では、主人公は恋の妖精ティナと出会って二ヶ月経っても恋をしていない。ティナは焦れて恋を急かすが、主人公には全くその気がない。仕方なくティナは主人公と一緒に恋とは何かを研究し始め、研究しているうちに……
主人公は自分がティナに少し気があることに気づく。ただし大半はお兄ちゃん的な立場で。あるとき、ティナが寝言で自分を姉ちゃんと呼ぶのを聞くまで。
これはおかしい。主人公が神鳳杏に聞くと、真実が明かされる。
実はティナは姉のリナの後を継いで見習い死神になったが、自分が死神になることに興味がなく、残酷だと思っていた。そしてティナは姉リナが人を救うために自分を犠牲にしたことを知っており、ティナが主人公に会った瞬間、主人公の中に姉の魂があると分かった。
「姉ちゃんは恋は素敵なものだって言った。じゃあ、もう死神はやめる。今から私は恋の妖精!」
ティナは自分に新しい目標を見つけた。
「ティナがあなたの家に居候したのは偶然じゃない。本当は自分の姉が大好きなの」
杏はそう説明する。

自分の来歴を知った主人公はとても苦しむ。ティナが自分にそんな感情を抱いているとは思わなかったし、ティナが可哀想だと思い、より優しく接するようになる。
そしてあっという間に……二人は恋に落ちる(すみません、この展開本当に訳が分からない)
しかも設定上、ティナと主人公は同い年(設定って便利だ)
付き合った後も、ティナは「恋」が何なのか実は分かっていない。姉のリナが恋は素敵なもので人を幸せにすると言ったからだ。
ティナはわけも分からず自分は幸せだと思い込む。死神になりたくない理由も、死んだ人の過去を見ると不幸になるからだ。実際、彼女が刈り取ったのは小猫小狗の魂だけで、人間の魂を刈り取るのは嫌がっていた。
やがて、ティナがある日一日中起きてこない。主人公は不思議に思うが、ティナはいつも寝坊するので、ただの寝坊だと思っていた。
「死神が不老不死なのは魂を刈り続けるため。ティナは長く刈り取っていないから、体の存在を保つために多く寝るしかない。そうでなければ、いずれ消える」
神鳳杏とヘベリオンがティナを見て、主人公を驚かせることを言う。ティナが早く死神にならなければ、消えてしまう。
主人公はティナに死神になるよう教え始め、ティナは承諾し、年若い女の子の魂を刈り取る。ところが刈り取った当日、ティナは怒って主人公のクラスメイト、肥田爽を平手打ちする。
実は死んだ少女・小春は肥田爽の従妹で、元カノだった。

小春は肥田爽と付き合って間もなく寝込んだ。最初は肥田爽も見舞いに来ていたが、次第に来なくなり、小春の病状が重くなると別れまで切り出した。
小春は肥田爽への恨みの中で死んだ。
主人公はついに親友に怒り、そして親友の肥田爽も葬儀に参列し、小春の墓前でしゃがみ込む。
「自分が間違ってたとも思う。でも……小春が苦しんで痩せて死にそうな姿を見たら、怖くて、見られなくて、だから……」
肥田爽も後悔していた。そこへティナが現れ、肥田爽に小春が死ぬ前の願いを告げる。
「彼女は死ぬ前もまだあなたを愛していた。あなたが別れを告げても」

肥田爽は号泣した。
後でティナは主人公に、自分は嘘をついたと告げる。小春の気持ちは肥田爽への恋だけではなく、彼への呪いもあった。
「じゃあ恋って何なの? どうして愛しながら恨むことができるの? 姉ちゃんは恋は幸せだけだって言ったのに」
主人公は答えなかった。
その後、ティナはまた目覚めなくなる。
老死神が再び観察すると、ティナが人間の魂を刈り取っても遅く、消えるのは既定だった。
「容器のように、ティナはもう穴だらけ。水を注いでも漏れるだけだ……他人の記憶を吸収していない、彼女は消える……」
主人公は眠り続けるティナを見守り、最後に彼女は目覚める。
ティナは消える前に主人公と出かけたいと言う。
主人公はティナが好きだ、消えないでほしいと告げる。ティナは笑って首を振る。
「分かったの、恋って何か」
「恋は時には出会い、時には別れ、時には笑い、時には苦しみ、でもどんなことがあっても、永遠に離れたくないと思い、心は幸せを感じている……」
「優真さん、あなたに出会えて、あなたと恋ができて、私は幸せ。姉ちゃんの言う通り、恋は本当に素敵なものね」
ティナと主人公のキスの中で、ティナは消えた……
数年後、神鳳杏は卒業し、主人公が見送る。神鳳杏は意味深なことを言う。
「人は死んだら魂になって死神に刈り取られ、輪廻が始まる。では死神が死んだら? 輪廻するのかしら? もしかしたら今日はいいことがあるかもね」
主人公は何かを悟り、急成長した街路へ駆け出す。ティナが永遠に自分を待つ場所へ。

「私と恋しない?」ティナはそこにいて、主人公に微笑む。
ゲーム全体を振り返ると……
『恋がさくころ桜どき』は『ましろ色シンフォニー』より一段も二段も上だ。『ましろ色シンフォニー』はただの学園恋愛だが、『恋がさくころ桜どき』は「恋とは何か」という問いをより深く追い、TRUE ENDでプレイヤーに答えを与える。
伏線は多いが、すべて見事に回収される。ティナの恋の部分は少し唐突かもしれないが、それは大した問題ではない。現実でも多くの恋はそんなに唐突だからだ。伏線の配置と回収だけで脚本の腕前を感じさせる。
ゲーム全体の雰囲気は今までにないものだった。少し少女的な香りがあり、死神の話なのに温かみが勝っている。女性の細部描写には読むべきところが多く、全体のスタイルは独自の一派で、『ましろ色シンフォニー』の味を少し持ちながら、可愛さの中の厳密さが増している。
CVの演技も光っている。肥田爽に中村悠一、オカマ死神がなんと杉田智和、保健の先生が佐藤利奈と、大物揃いだ。ヒロインでは夕莉の又吉愛、花子の桐谷華、ティナの咲智が最も輝いている。特にティナは小さな女の子を見事に生き生きと表現しており、すでに非常に優れたCVだ。

BGMはやはり『ましろ色シンフォニー』のスタイルで、電子音が少し強いがまあOK。原画の和泉先生は言うまでもない。ただ近年プレイした多くのゲームで彼女の模倣が多い。『紙上の魔法使い』の理央は美桜とほぼ同じだ。ただ和泉先生のほうが少し痩せて見える。
だらだら書いたが、このゲームの感想はやはりとても良い。シナリオは緊密で退屈せず、恋は甘くもリアル、CVは的確で作り物でなく、原画は華やかで簡素でない。優秀な作品だ。花子が攻略できたらもっと優秀だったろう……
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