『命运线上的φ』レビュー
運命線上のφでスイカを切る
潮風がそよぐ、ここは辺鄙な小さな島。
伊織さんは一人で島にやってきて、一人の少女に出会った。
「旦那さん、ここは普通の人が来る場所じゃありませんよ。それで、何のご用で……?」
伊織さんは手にした長刀をちらつかせた。刀は鞘に収まっているが、それでもどこか冷気を漂わせているように見える。
「まさか旦那さんは……刀客?」
「いや……」伊織先勝は身をかがめ、少女にそっと近づき、ゆっくりと言った。「俺は探偵だ。」
少女の遠くを見つめていた瞳が縮み始め、今にも叫び出しそうになった。
「しっ……目立つな。」
少女は声を潜め、伊織さんを島の中の一軒の別荘へと案内した。部屋に入ると、空気が一変した。部屋の隅に、少女が一人、ぐったりと倒れている。どう見ても、死んでいる……。
付き添いの少女はとても平然としていた。彼女は伊織さんに目を向けた。「探偵さん、あなたの出番ですよ。」
伊織は死体の調査を始めた。周囲の黒い血痕はすでに固まっている。そばのドアノブに痕跡はなく、周りの敷物にも痕跡はない。伊織先勝は少女の手首、つまり傷口の部分を探り、そして血痕をつまんだ……ゆっくりと立ち上がった……。
「探偵さん、彼女は……いったいどうやって死んだんです?」
伊織さんはうなずき、答えはすでに出ていると示した。彼は位置を定め、叫んだ。
「過去の因を追い、未知の果を探る。真実はこの刃の下にあり!」
シャッと音を立てて、伊織さんは長刀を抜き、空中に弧を描いた。
「彼女は!」伊織さんは刀で地面の死体を指した。「彼女は死んだふりをしている!」
「え??????」付き添いの少女は理解できない様子だった。「どうしてそうなるんですか?」
「彼女にはまだ脈がある。それに、あの黒い血のようなものは…………」伊織さんは長刀を収めた。「ただの醤油だ。」
「さすがは探偵さん!」地面の‘死体’が飛び起きた…………「名推理だ!」
名推理じゃねえよ!!!!!!!!!

『運命線上のφ』というゲームが与える感触をどう表現すればいいのか、さっぱりわからなかったので、こんな一節を書いてみた。だいたいこんな意味だ……。
ゲームの紹介では「大型解密互動探偵類AVG」と謳っている。もし冒頭のこのいわゆる解密がそんな雰囲気を醸し出してくれると思うなら、以下の内容は読まなくていいから、さっさとダウンロードしてプレイしてくれ。
基本的に俺はゲームを途中で投げることは滅多にない。どんなクソゲーでも吐き気をこらえて最後までやる。だが『運命線上のφ』は本当に足取りが重い。不快だからではない。不快なシナリオの多くはまだ多少の論理があり、不快な方法で理解する努力もできる。このゲームに欠けているのは、節操でもシナリオでもなく、頭脳だ。
冒頭の一節の通り、主人公の伊織さんは刀を持った探偵という設定だ。ああ、刀を持った探偵なんて初めて見たよ。しかも多くの探偵物と違い、主人公は最初から自分は探偵だと高らかに宣言し、ヒロインたちも口々に「探偵さん」と呼ぶ。まるで主人公が毛利小五郎のような印象だ。実際、主人公は毛利小五郎よりもアホだ。いや、これは主人公のせいじゃない、シナリオのせいだ。シナリオ自体が小学レベルを超えない知能程度なのだから。俺が今クリアしたnagiルートを見ると、最初は妹と名乗る手紙が届き、妹がこの島で待っていると告げられる。実際、主人公は自分に妹がいることすら知らない。そして疑念を抱きながら島へ来る。島では様々な事件が起きる。冒頭の火憐お嬢様の醤油自殺事件、その後の種まき怪盗嬢の脅迫状事件など、わけのわからないものばかりだ。
その他は、火憐お嬢様を中心とした毎日の退屈な日常……そう、退屈な日常、マジで退屈な日常だ。ゲームのCVで俺が知っているのは小鳥居夕花、つまり高森奈津美だけ。他は全く相手にならない!本当に、全く相手にならない! そのせいでゲームの日常は高森奈津美一人がラジオドラマを支えているような感じだ。ネタもツッコミも、声の使い分けも、シナリオの進行も全部彼女一人にかかっている。本当にお疲れさま……。

探偵解密ゲームなのだから、システムには力が入っている。Lump of Sugar方糖社はゲームのインストール時と初回起動時に、このゲームのエンジンはすごいと告げてくる。タッチスクリーン対応、タッチスクリーンだぞ!しかもゲーム中にはダンガンロンパのような調査システムがある。さらにすごいのは、選択肢に遭遇したとき、Aを選ぶかBを選ぶかに加えて、抜刀して目の前の選択肢を斬り捨て、新しい選択肢を出現させることができるのだ。

見た目はマジでイカす……………………わけがない。
まず言っておくと、『運命線上のφ』のエンジンは八月社と同じソリューションだ。そして吹聴されているタッチスクリーン対応だが、俺が試したところ、『大図書館の羊飼い』も『穢翼のユースティア』も元々そんな機能は備えている。『運命線上のφ』が単独で売り文句にしているだけだ。調査システムにしても、ダンガンロンパと比べるとお粗末すぎる。主な問題は本筋と一切関係ないこと。しかも一度キーポイントを直接調査してしまうと、他は見せてもらえずシナリオが飛んでしまう。これのどこが調査だ?調査してから結論を出すべきじゃないのか?タッチスクリーンでスイカを切るのも、イカすのとイキる以外に一ミリの意味もない……。本来選択肢はAとBなのに、AとBを斬り捨ててCを出現させられる。それって最初からA、B、Cを出しておくのと何が違う?

唯一価値があるのはルート分岐の表示だ。自分がどの分岐に進んだか明確にわかる。それ以外、ゲームのエンジンの売り文句は誇るに値しない。『運命線上のφ』が4:3画面に対応したと言っても、『大図書館の羊飼い』だってできる好吗、しかも人家は吹聴してない好吗……。

ゲームの本筋は妹探しのはずだが、実際には主人公自身も妹がいるかどうか覚えていない。その間、何人かの中から誰が妹かを選ぶ選択肢がいくつかある。俺は最初、同じく刀を持った紫を選んだ。紫は自分が妹だと認めた。半分進めて何かおかしいと思い、ロードしてnagiのルートに変更したら、彼女も自分が妹だと認めた。
てめえ主人公、いったい何人妹がいるんだ?それとも全員妹じゃなくて妹を自称しているだけなのか?結局これって妹萌えゲーだろ?だったら俺は『妹天国』でもやった方がマシだ……。
ゲームの選択肢はおかしい。よくわからない場所で分岐し、よくわからない場所で悪ふざけする。例えば妹にどう呼ばせるかで画面いっぱいの選択肢を出してくる。これに何の意味がある?

攻略を見ると、このゲームを全通するのはかなり複雑らしい。俺はnagiの妹ルート(本当に妹ルートかも怪しいが)だけをやった。いつ抜刀するか、いつしないかでルートが変わる。もちろんそんなことはもう重要じゃない。シナリオがもう理解できないからだ。かつて自分の知能を小学六年生レベルに調整してこのゲームのシナリオを理解しようとしたが、自分はまだまだ聡明すぎた……。nagiのルートもほぼ存在しないに等しい。主人公はnagiを妹と認め、二人は島で何発かヤってから帰る……それで終わり。

結局、ゲームタイトル『運命線上のφ』は、多くの理系学生を謎の興奮に誘いやすい。だが実際、このφは象形文字で、気に入らない選択肢を切れることを表現しているだけだ。φの書き方はゲームOPで円を描いて一太刀入れた形、まるでスイカを切るようだ。むしろこのゲームは「運命線上でスイカを切る」に改名した方がしっくりくる。
ちなみにこのゲームのOPはマジで耳障りだ。佐倉紗織のとがりすぎた声とエレクトロの組み合わせは精神汚染以外の何物でもない。俺はドMかもしれない。15回聞いたらなぜか聞ける気がしてきたが、初耳では絶対に受け入れられない。
このゲームをどう評価すればいいか……シナリオが理解不能な萌え作品?でも萌えも中途半端、キャラデザもそこまで出色ではなく、声優も高森奈津美以外はイマイチ。おそらく記憶に残るのは、スイカを切る方式で選択肢を分岐させる特徴くらいだろう。
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