レビュー

『フローラル・フローラブ』レビュー

Saga Planetsの去年の『花咲ワークスプリング!』(くそ、このカタカナ部分ほんと覚えにくい)については割と好印象だった。「話に大きな欠点はない」「日常会話がめちゃくちゃ面白い」「ヒロインはみんな可愛い」「音楽にも光るものがある」「絵柄も一見の価値あり」で、全方位に短所のないゲームだと思ってた。なのに同社の今年の新作『フローラル・フローラブ』には、最初からどうにも抵抗があった。 なにしろ最初は「お嬢様もの」と聞いて、ちょっと退屈だなと感じた。お嬢様と聞いて思い出すのは音符社のあの感じで、華やかな雰囲気、教養ある女性、主人公は潜入するか、あるいは御曹司として上流社会で贅沢三昧。そういう展開には興味が持てなかった。やがてゲームの正式名が公開され、キャラデザが公開され、設定が公開されて、一気に完全に失望した…… 「あの日、俺は天使を見た」 そしてStoryはまたしてもありきたりすぎる展開。名門校でいろんなお嬢様がいて、とりわけメインヒロインはベタベタ感が半端ない。脚本を確認したらゆずソフト常連の籐太ときた。もうこのゲームは無視しようかとも思った…… その後OP Movieが公開された。正直に言って、OPは『花咲ワークスプリング!』と比べると数桁レベルで差がある。多くの娘を見ても特に何も感じない。濃厚な廃萌の匂い、しかも最もシンプルで乱暴な廃萌だ。 それでもSaga Planetsを諦めたくないなと思い直して、体験版をやってみたら、中にはなかなか材料があった。宗教に関する描写も少なくない。そこでふと気づいた。体験版で大活躍しているのは、あの見るからにベタベタでバカ丸出しのヒロインではなく、異国の王女あ~ちゃん(アーちゃん)だった。他のキャラは、予想通りバカに見える。 「製品版でこの宗教と王女の題材を掘り下げてくれれば、このゲームはまだ救いがあるかもしれない」 そう考えて製品版をプレイした。しかも「王女√を一本だけやって終わり」のつもりで。他のキャラにはまったく興味がないし、その人にも見せ場はなさそうだったから。 ところがどうだ。最終的には止まらなくなり、王女√をやり、他のキャラの√も全部やり、最後には夜更かししてTRUE ENDまで走り切った。 そしてプレイ中のこのゲームへの評価はまるでジェットコースター。低から高へ、高から低へ、そしてまた低から高へ……これほど刺激的な感想を抱かせ、自分で自分の顔を何度も引っぱたきたくなるゲームは初めてだ。ISLANDもそうだったっちゃそうだが、あれは脚本家がわざとテクニックを見せているのであって、このゲームとはタイプが違う。

『運命予報をお知らせします』レビュー

しばらく抜きゲーばかりやってた時期があって、そのあと廃萌キャラゲーを一通りやって、やっぱり自分は「物語重視」の基本路線に戻るべきだなと思って探してみたら、個人的にかなり好きな『紙の上の魔法使い』のシナリオライターの初期作品『運命予報をお知らせします』を見つけた。日本のオタクが中二空間で書いてる評価をざっと見た感じ、大丈夫そうだったので始めてみた。 プレイ時間は十数時間くらいと聞いていたけど、思ったより長く感じた。やってみた感想はけっこう驚きで、こんなに描写が丁寧な作品に久しぶりに触れたからかもしれない。おかげでこのゲームのあとに新作の『フローラル・フローラブ』をちょっと開いたら、文章のレベルの落差が受け入れられなくなった。前者は大学生の読み物、後者は比べるまでもなく中学生の読み物レベル…… まあ、日本語力が上がってきたせいで、かなりアホっぽい書き方にも「ダサいな」と思うようになったってのもある。昔は意味が分かればいいやって感じだったし。

『PriministAr -プライミニスター』レビュー

HookSoftのゲームはかなり早くに触れていた。当時はまだ童貞だった。 覚えているのはHoneyComingというゲーム。学校のFTPで見つけたもので、グリーン版(インストール不要のやつ)だったが、中国語化はされていなかった。 内容は読めなかったけど、これには澄空の中国語翻訳漫画があった!退屈だったからその漫画を読んだ。設定が単純だったおかげで、漫画を読めば、ゲームの台詞も語気と表情、そして散りばめられた漢字で大体意味が分かった。バカな主人公が学校で女の落とし方を教える授業を受けるとか、そういうクソみたいな話だ。 頭に箸を刺したような髪型の女の子が可愛くて好きだった。名前は忘れたが、何とか谷だったような。 とにかく最初はこのゲームを良いと思っていた。主に絵が良くて、女の子が萌えだったから。当時は日本アニメもほとんど見ていなかったけど、このゲームは俺の中の萌えへの憧れを刺激し、萌え豚の遺伝子を目覚めさせた。懐かしい話だ。ちなみに当時は確かに18禁版で、女の子がモザイクを大口で食べるシーンを初めて見たときは、あまりの衝撃に下半身が硬くなってしまい、しばらく擦って落ち着かせたものだ。 しかし時は流れ、あれからもうすぐ10年。当時Hookのゲームに触れた童貞も成長し、今や古株の童貞だ。Time flies だとしみじみ思う。ただ、なぜ感慨にふけっているのに目尻に涙が浮かぶのかは分からない……
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『嫁探しが捗りすぎてヤバい』レビュー

『嫁探しが捗りすぎてヤバい』のタイトル、どう訳したらいいのか全然わからない。中に「ヤバい」が入ってるからだ。とある大学の日本語学科の教授が書いた解説記事によると、やばいをカタカナで書くのは日本の若者のトレンドで、これには相反する意味があるらしい。やばい本来の意味は「まずい」なのに、ヤバいになると badass みたいに正反対の両方の意味を兼ねるようになって、「気持ちよすぎてまずい」って感じになる。実際、このやばいを「すげえ」と訳したほうが合ってると思う。いいことが起きても悪いことが起きても「これすげえわ」って言えるわけだから。 だから『嫁探しが捗りすぎてヤバい』は最初「嫁探しが順調すぎてすげえことになってる」くらいの意味だろうと思ってたんだけど、実際に遊んでみたら考えすぎだった。このやばいはそう簡単に結論づけないほうがいい。

『恋剣乙女 / ~再燃~』レビュー

『恋剣乙女』はかなり前に落としたんだけど、話が普通すぎるって聞いてたから放置してた。最近になって志村由美先生が声優を引退するって知って…… そういえば『恋剣乙女』には井ノ上花の CV もあったなと思い出して、急いで引っ張り出してきた。 で、このゲームはどうだったかというと……予想通り、かなり普通。でも光るものがないわけじゃない。 ちなみに『恋剣乙女』には『恋剣乙女~再燃~』という FD があって、個人的には絶対セットでやるべきだと思う。本編だけだと話が中途半端に終わるからな……

『サツコイ ~悠久なる恋の歌~』レビュー

Alcot って会社はもうダメらしい。まず看板の仁村有志先生が辞めて、家に帰ってソシャゲやってる。だから今年の Alcot は、数枚の新規絵を追加しただけの LoveREC の詐欺 FD と、もっと詐欺な Clover Days Plus しか出してない。HCG を Emote に変えただけのやつで、おかげで中国語版が当日同時リリースできたほどだ。 とはいえ Alcot 本体は終わっても、子会社の Alcotハニカムがある。こっちの方が大胆なものを出すことが多くて、前にも春季限定とか、未来無視とか結構やった。で、今回がだいぶ雰囲気の違う『サツコイ ~悠久なる恋の歌~』ってわけ。 雰囲気が違うと言うのは、Alcot のゲームの多くが日常と笑いを主体にした空気を出していて、悲しいのはほとんどない(もちろん最初の死神のキスとかは悲しいに入るだろ)。だからこそ『サツコイ ~悠久なる恋の歌~』は「捕食者と被捕食者の恋」なんてキャッチを掲げて出てきた。 ここまでの前置きは全部俺のデタラメだ。もう嘘を続けられないから正直に言う。なんで2014年の古いゲームをやったかというと、Youtube で曲を聴いてて OP が面白そうだったから、暇つぶしにやってみただけだ。

『恋する気持ちのかさねかた ~かさねた想いをずっと~』レビュー

去年の11月ごろだったか、音符社こと ensemble が『恋する気持ちのかさねかた』を出した。当時、俺もこのゲームはなかなかいいと思った。話はまあアレだが、とにかくキャラが多い。その中に一人くらいは好みのやつがいるだろ、そいつで一本やるのも悪くない。 で、周知の通り日本のメーカーは搾取の天才で、評判が良ければ即座に続編だの FD だのを出してまた金を巻き上げる。Galgame だろうが素人図鑑7 だろうが、売れると分かればすぐさま売り続ける。この点にかけては日本メーカーの節操は Google よりも低い。なので音符社 ensemble は発売から二ヶ月も経たないうちに『恋する気持ちのかさねかた』の FD を出すと発表した。FD のタイトルもいかにも FD で、『恋する気持ちのかさねかた ~かさねた想いをずっと~』、永遠に重なる想い、みたいな……先月ようやく発売された。 ゲームは大きくない、2G 程度だ。実は最初、FD ってのは前日談だの後日談だの、あるいは伏線を掘るだのがあるもんだと思ってた。多分俺がやってきたのが車輪の国や灰色の果実シリーズだったからだろう。だが実際のところ FD の本質は AfterStory で、過去の話に無理やり息を吹き込むだけのものだ。キャラ売りのゲームにとって FD なんてのはパコパコの飾りにすぎない。俺も覚悟を決めて適当に見るつもりだった。だが、思いの外この FD には予想外のものがあった。

『はるまで、くるる』レビュー

『はるまで、くるる』のシナリオライターに渡辺僚一という人がいて、この大先生の最新作が蒼の彼方のフォーリズムなわけだが、その前は彼と良き相棒の木緒なちが結構な数のエロゲーに関わっていて、中には設定がぶっ飛んだ作品もある。俺はかなり早い段階で資料を漁って、そういう作品の多くに共通点があることに気づいた。 超展開が得意で、ゲームの最後に「実は主人公たちは夢の中にいた」とか「元の世界じゃなかった」とかを明かしてくる。 渡辺僚一と木緒なちが一緒に関わった中で割と有名なのはすきま桜とうその都会だろう。間違いなく、このゲームの最後はまさにその展開だった。企画はこの二人じゃないらしいけど、それを彼らのせいと呼ぶかどうかは微妙なところだ。 で、『はるまで、くるる』もこの二人の大先生が組んだゲームの一つなわけだ。なぜやったかって? またOPに釣られたからだよ! 『はるまで、くるる』ってゲームは……絵柄がまたあの歪んだ顔なんだよ。ただねこねこそふとの面子そのままってわけじゃないから、まだマシなほう。中二空間の評価によればシナリオで勝負するタイプらしく、俺はシナリオを食う側の人間なので、まあ行ってみるかと。 その結果、半年かかったわ……正確にはまずOP前とOP後をちょっと進めて、その後ようやく残りを終わらせた。 何というか……話はすごい。想像力もすごい。でもこのゲーム、こんなに……長くする必要あった?
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『清楚で真面目な彼女が、最凶ヤリサーに勧誘されたら…?』レビュー

まったくもう、エロゲーをやってからというもの、教科書には絶対載らない単語を山ほど覚えてしまった。ヤリチンとかヤリマンとか、この前なんかヤリサーなんてのも見ちまった。なんだよヤリサーって。ググらずにいられねえだろ、ググったら一晩の青春が吹っ飛んだわ。 周知の通り(知らないとか言うなよ、信じないからな)、ヤリマンはヤリマンで、ヤリチンはその男性版の言葉だ(中国語でどう言えばいいのか分からん、まさか「黒包皮」なんて呼べないだろ)。で、類推すればヤリサーは「だれとでもやれる」のサーだ。このサーってのはそう、サークルのサーだ。英語で Circle。日本のカタカナだと「サークル」なわけだ。つなげて見ればヤリサーは「だれとでもやれるサークル」ってことになる。はっきり言やあ「ヤリ目的の乱交サークル」だ。 で、このヤリサーを調べてる時にYahoo!知恵袋で解説記事を見つけたんだが、この言葉がまさかこんなに奥が深いとは思わなかったね。 Yahoo!知恵袋:日本の大学生のスキャンダルについて Yahoo!知恵袋:なぜ日本のテニスサークルは評判が悪いのか?