レビュー

『恋にはあまえが必要です』レビュー

ここ数年、「レトロ」ブームが来ている。人々は「古い」ものに郷愁を抱き、レトロ要素をまとったコンテンツが歴史の古紙束から次々と復活・生産されている。前世紀スタイルのキーボード、パソコン、携帯ゲーム機、その他もろもろのガラクタまで。たとえば最近 FiiO が「カセットプレイヤー」を出したが、値段は安くないし見た目もゴツい。それでも飛びつく人はいて、「レトロ」の代償がこれだけ高くても市場はそれなりに成立している。少なくともこの市場のおかげで、中身を変えずに外装だけ刷新した製品を出し続けるメーカーが食えているわけだ。そこで思い出すのが、同じく「レトロ」の匂いがプンプンするあの産業――「美少女恋愛シミュレーションゲーム」、通称ギャルゲーである。 歴史を少しでも知っている人なら分かるだろうが、最初期のギャルゲーは今の主流製品とは違っていた。最も有名な始祖とされるのが『ときめきメモリアル』シリーズだ。このゲームが『純愛手札』とも呼ばれていたのを覚えている。当時の海賊版CDの頃、俺はいつも『純愛手礼』と読み間違えていたっけ……まあそれはどうでもいい。大事なのは、『ときめきメモリアル』が「シミュレーション」「恋愛」「育成」にこだわった、極めて「マジメ」なゲームだったということだ。

『遥か碧の花嫁に』レビュー

かつてこんな定番のネタがあった。Intelが新しい第11世代プロセッサi7-11700kを出したが、テストしてみると安い競合製品はおろか前世代にも劣るという、完全に逆ザヤの行為だった。名高いメディアGamers Nexusには「Waste of sand(砂の無駄)」と評価された。 そして俺も、Lump of Sugarが2023年に出した「新作」をプレイした後、似たような感想を抱いた。同時にタイトルの疑問も浮かんだ: 逆ザヤCPUを売るのは砂の無駄、じゃあ無意味なギャルゲーを作るのは何なんだ?

『ましろ色シンフォニー REMAKE FHD SANA EDITION』レビュー

なんとなく覚えている。たぶん11年前の夜のことだ。当時の俺はまだ純粋な二次元の童貞だった。 アニメ『ましろ色シンフォニー』を最後まで追いかけて見ていた。当時アニメを追っていた大半の童貞オタクと同じように、赤毛の最後の泣き顔がすべての始まりだった。 そしてアニメの最後には、赤毛の攻略ルートが追加されたPSP版ゲームが発売されるという告知があった。当時の俺はPSPを持っていたが、日本語はあまり分からず、今の多くの人と同じように翻訳を待つしかなかった。 そうして待つこと2年。
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RG35xx と Miyoo Mini Plus:買ってよかった点と微妙な点

ここ数年、「オープンソース携帯ゲーム機」という言葉はほぼ本来の意味から外れてしまっている。 もともと「オープンソース携帯ゲーム機」とは、オープンソースのシステムが動くレトロ携帯ゲーム機を指していた。初期の小霸王 RG97 のように市販品にサードパーティ製システムを入れたものもあれば、後の Odroid Game シリーズのように最初からオープンな姿勢のものもあった。 ところが今「オープンソース携帯ゲーム機」と聞いて思い浮かぶのは何か。共通の金型、RK3566 の SoC、そしてごちゃ混ぜのエミュレータの数々。近年は Android 搭載が標準にすらなっている。 外観が権利侵害かどうかはさておき、その SoC 自体のオープンソースコミュニティへの態度が微妙なので、海外ではこうした製品を「Opensource Handheld」とは呼ばず、「Retro Handheld」、つまりレトロ携帯ゲーム機と呼んでいる。 レトロゲームを遊ぶための携帯ゲーム機、だからレトロ携帯ゲーム機。実に合理的だ。 今回取り上げるのは「クローズドソース携帯ゲーム機」と呼べる2台のレトロ携帯ゲーム機。ひとつは Anbernic の周兄弟こと RG35XX、もうひとつは周兄弟の宿敵 Miyoo の Miyoo Mini Plus だ。

『サクラノ刻』レビュー

考えてみれば、『サクラノ詩』からもう8年も経っている。 当時、俺はこのゲームにかなり高い評価をつけたし、自分の経験と重ねて共感もした。 それにこのゲームからは多くを学んだ。特に「数学」と「美術」の関係、黄金比とフィボナッチ数列の対応なんかは、「創造主」や「神」の存在を信じたくなる衝動にすら駆られて、多くの科学者が最終的に神頼みになる理由も一瞬で理解できた。 だってこの世界には不思議で神秘的で説明できないものが多すぎる。 とにかく『サクラノ詩』からは很多を得たし、このゲームは物語の面だけでも十分に面白い。むしろその面白い物語があったからこそ読み進められたわけで、話が進むにつれていろんな興味深い知識も得られた。 この物語はもう終わったと思っていた。最後の終わり方はどう続ければいいのか分からないくらいだったから。そんな時、『サクラノ刻』の噂を聞いた。 このゲームに続編があるだと?続編は何を語るのか?正直分からなかった。元の本筋であまり存在感のなかった女子学生たちの話なのか?それとも、すでに十分に完成されている「藍先生」を無理やり攻略させようというのか?主人公と彼女の家族以上家族未満の関係は良かったのに、いわゆる「攻略可能」のために無理やり恋愛劇を作るのか? まさかね?そんな陳腐なことする必要ある?そんなことしたらゲーム全体の格が下がるだけでなく、主人公のキャラまで壊してしまう。もともと御桜稟を攻略するだけでもかなり無理があると思ってた。あれは「R18ゲームの売上」への妥協だった。そこまでやる必要はないだろ? 特にその後『终の空 Remake』が発売されて、俺は『サクラノ刻』への信頼をさらに深めた。絶対に蛇足の詐欺作品じゃないし、特定のキャラを攻略させるためだけにプレイヤーに媚びるような無理やりな作品でもないと信じていた。 もちろん、『サクラノ刻』は発売された。その後の話はだいたい分かるだろ。 俺は間違っていた。しかもとんでもなく。

『ハッピーライヴ ショウアップ アンコール!!』レビュー

『ハッピーライヴショウアップ!』の続編が出ると知ったとき、意外な気もしたし、そうでもない気もした。 意外だったのは、原作の物語がすでに十分に完結していて、続編の入り込む余地なんてほとんどないからだ。主人公はソフィアと結婚して子どもまでいる。続編で何を語るっていうんだ。まさか主人公が学校の教師に戻って女学生に囲まれ、その中の一人——しかも前作ヒロインの娘——と恋に落ちる、なんて悪臭漂う展開をやるわけじゃないだろうな? もちろん、納得できる部分もはっきりしている。前作でかなり出番のあったヒロイン、ミヤビが攻略対象にならなかったことだ。彼女の振る舞いはあまりにも魅力的で、魅力が抑えきれず、しばしば主役を食うほどだった。 俺は夏和小の熱烈な支持者だが、このゲームでの彼女の出番はもう十分だと思っている。「直男の強迫観念」のためにわざわざ「攻略可能」な筋書きを作る必要なんて全くないし、むしろ物語がちぐはぐになるだけだ。 だが、そんな俺の意見は通らない。F社は商売だからな。ミヤビの専用ルートを引っ提げた新作『ハッピーライヴ ショウアップ アンコール!!』は堂々と発売された。

『天使騒々』レビュー

俺の過去のブログを読んだことがある人なら分かると思うが、俺は別に「ゆずソフトアンチ」ってわけじゃない。ただ、熱烈な信者でもないってだけだ。 これまでのゆずソフト作品に対して、俺はずっと抑えめの批判的なスタンスを取ってきた。『天色』の頃はゆずソフトは廃萌だと言い、『魔女』の頃は「もうちょい真面目にやれ」と言い、『千恋万花』の頃は「テンプレすぎる」と言い、『Riddle Joker』とあの名前すら覚えてない全年齢作品の頃にはもう「ゆずソフト終わったな」と嘲笑い始めていて、『死神の蝶』の頃には完全に「やらかした」と言っていた。 「ゆずソフト」の作品に対して自分がかなり否定的なのは見ての通りだ。内心では同業の中でも優秀な部類だと思っているのに、それでも自分が求めているあの「点」には届いていないらしく、作品への「称賛欲」が湧いてこない。 気づけば2023年、ゆずソフトは生き残っていて、今も1〜2年に1本のペースで新作を出し続けている。今回のタイトルは『天使騒々』。正直、めちゃくちゃダサい。あの頃の『天神乱漫』っぽいStyleを感じる。特にゆずソフトのゲーム紹介を読んだ後は、本作はゆずソフトが「原点回帰」した“寝そべり”作品だとほぼ確信した。

『RE:D Cherish! -Eternity Blood-』レビュー

しばらく前、ものすごく退屈していた俺は、ふと思い立ってChatGPTとロールプレイをやってみた。 要は、毎日「お兄ちゃん」とか呼んでくる妹系キャラを演じさせて、内心ではどうしようもなく俺のことが好きなのに、口ではわざと冷たくするツンデレ、あの「いやよ、でも嬉しい」的な会話のノリを味わいたかったわけだ。 ネットでは、十分な前提条件を宣言すればChatGPTとエロい会話もできるって誰かが言ってた。もちろんそんなの俺には朝飯前、さっそく実行に移した。 ChatGPTに俺が定義した身分を受け入れさせるのは難しくなかった。そしてすぐに会話が始まったんだが、どうにもこうにも違和感がすごい……

『东北之夏』レビュー

私は東北人ではないが、東北人をかなり多く知っている。 『World of Warcraft』が全盛だった頃、二区/六区はネットワークの大区として完全に北方人の天下だった。そして北方人のゲーム集団の中では、東北人の比率がめちゃくちゃ高かった。 要するにゲームで適当に団に加入してボイスを聞けば、団長の兄貴が東北訛りで喋っている確率が高いわけだ。かつてのシットコム『東北一家人』が大ヒットしたこともあって、私は東北弁にかなり馴染んでいる。 東北弁は北方官話の一種で、多くの発音に北京語の影があり、普通話が分かる人なら大体理解に困らない。しかも東北弁には妙な「ユーモア」と「ヤクザ」の雰囲気がある。多くの人は東北の兄貴は「怖い人」だと思うが、実際は東北大妹のほうが怖い。ここで豆知識を一つ。中国全土で唯一男性を保護するDVシェルターがあるのが東北の瀋陽で、つまり東北では大妹が東北の男を追いかけ回してボコボコにするのだ。
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『恋爱绮谭:不存在的真相』レビュー

中学生の頃、俺はもうウェブサイトを作っていた。 はっきり覚えている。中二の夏だった。無料掲示板とドメインを申し込んで、すごくしょぼい「クラスサイト」を作った。遊び半分のつもりだったのに、なぜかクラス中に広まり、学年全体にまで広まった。 自分のクラスだけじゃない。隣のクラスの連中もどんどん登録して書き込み、あれこれコミュニケーションを始めた。その交流はやがて学校公式のフォーラムに移り、さらにクラスの Discord グループへと移っていった。その Discord グループを作って管理していたのも俺だったはずだ。理由は簡単で、俺が Discord グループ作成権限を早くから持っていた数少ないユーザーだったから。そしてクラスのグループを作り、今に至るまで名目上の管理者として居座っている。もう誰も喋っていないけれど。 その後大学に入って、またいろんなサイトやフォーラムを作った。でも正直ぱっとしなくて、中学の頃の盛況を二度と再現できなかった。何度作り直したか分からないフォーラムに、俺はこんな一文を書いたことがある。 「十八歳でしか見ない夢がある。大人になって初めて分かる夢もある……」 この後にまだ何か続いていた気がするが、覚えていない。要するに、若作りで無理に愁いを装うあの感じだ。何が言いたいのか俺自身にも分からなかった。ただ、こう書くとかっこいいと思ったから、そうした。 するとすぐにクラスメイトから批判が来た。「薬でも間違えたのか、気持ち悪くて鳥肌が立つ」と。 一理あると思ったので、この言葉を Discord の署名に設定した。そうすれば毎日見られる。 何年も経って、俺は再びこの言葉を思い出した。そして今なら、この言葉はなかなか的を射ていると思う。確かに若い頃にしかやらないことがあるし、青春の頃にしか分からない夢もある。