レビュー

『蒼の彼方のフォーリズム Extra 2』レビュー

『蒼の彼方のフォーリズム』というゲームにおいて、鳶沢みさきというキャラクターは多くの欧米プレイヤーから「Best Girl」と呼ばれている。 もちろんBestが最上級を意味するのは誰でも知っているが、欧米のオタクはみんなDDで、誰を見てもBest Girlと言う。Best Girl = Waifuと理解してもらっても構わない。 要するに、欧米オタクの美意識では、鳶沢みさきのような比較的リアルで情感を重視し、ちょっと脆い女の子の方が好まれるのだ。もし心のどこかにちょっとした自负があれば、なおさら良い。 周知の通り、『蒼の彼方のフォーリズム』の開発元であるSpriteは何年も前に死んでいる。昔、彼らは自らギャルゲー市場を放棄し、開発予定だった続編を捨て、「業界市場の縮小」を理由にソーシャルゲームやブラウザゲームに手を出した。結局ソシャゲも成功せず、すごすごとギャルゲー……のグッズ制作に戻ってきた。 そう、Spriteという会社は復活してからも、急いでゲーム制作を再開するでもなく、グッズ販売を始めた。まるで倒産寸前の頃と同じだ。グッズ売りが本当に儲かるのか、Spriteは楽しそうに経営している。プレイヤーが呆れ果てた頃、Spriteはようやく新作を発表した…… 『蒼の彼方のフォーリズム Extra 2』 つまり、さんざん引っ張っておいて作ったのはファンディスク1本。もちろん販促として相変わらずグッズも豊富で、このクソ会社はグッズ作りにすっかり慣れているようだ。 ゲームは少し前に発売された。プレイ時間は短くない。簡単に感想を述べよう。

『保健室のセンセーと小悪魔な会長』レビュー

『保健室のセンセーと……』のシリーズはこれまでに3作出ている。 1作目は1年ちょっと前の『保健室のセンセーとシャボン玉中毒の助手』。 2作目は先月の『保健室のセンセーとゴスロリの校医』。 そして1か月も経たないうちに3作目が出た。タイトルは『保健室のセンセーと小悪魔な会長』で、その名の通り今回のヒロインはゲーム内の「生徒会長」、月森 鈴だ。 この鈴会長のキャラ設定は前2作でほぼ語り尽くされている。彼女の血統は特殊で、「魂人」と「人間」の間に生まれた混血児。魂人の能力と人間の身体を併せ持つ。それが彼女の最大の強みであり、同時に最大の葛藤でもある。

『Ambitious Mission』レビュー

Saga Planetsは前作の評価が低かったあと、再び「さかき傘」をメインライターとして招き、新作の評判を立て直そうとした。 タイトルは「Ambitious Mission」。物語は北海道札幌市(ゲーム内では名前を変えているが)が舞台。孤児院で育った主人公は、ある日、学校の高嶺の花「有瀬かぐや」が密かに義賊の怪盗として活動していることを知ってしまう。正体がバレた有瀬かぐやも、主人公の身のこなしが良く、走るのも速く跳ぶのも高いことに気づき、あの手この手で彼を仲間に引きずり込み、怪盗として育てて自分の仕事の負担を減らそうとする。 同じ頃、札幌市で最も古い一族の一つ「石川家」も、街で暗躍する怪盗の存在に気づいていた。石川家の伝統は忍者のような方法で街の安全を守ることで、一族の十六代目「石川弥栄」を派遣して怪盗を捕まえようとする。結局主人公はある作戦で失敗し、石川弥栄に捕らえられてしまうが、彼女はこの怪盗の正体が隣に住む主人公だったことに驚く。そしてまたしてもあの手この手で、石川弥栄も怪盗チームに引き込まれてしまう。チームにはメイク担当のギャル「本郷虹夢」や有瀬かぐや家の使用人たちも加わり、こうしてチームが構成されていく。 「怪盗チーム」が揃うと、ゲームはこのチーム結成の本来の目的を説明し始める。札幌市には「アイヌ民族」が残した伝説があり、考古学者が発掘した「Ambitious」というアイヌの文字盤には12のスロットがあり、対応する12個の宝石を嵌め込めば、伝説の「医術の神」を召喚でき、どんな病も治るというのだ。 有瀬かぐやの姉・あてなは本来なら家の後継者だったが、子供の頃の交通事故で下半身が不自由になり車椅子生活を送ることになった。そのため有瀬かぐやが繰り上がりで後継者となったが、ずっと負い目を感じていた。 かつて札幌市にはFantomという怪盗がいて、この目的のために動いていた。その怪盗も成功後に姿を消した。そこで有瀬かぐやはかつての怪盗Fantomに倣い、宝石を集めて姉の病を治そうと決意する。
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『保健室のセンセーとゴスロリの校医』レビュー

『保健室のセンセーとシャボン玉中毒の助手』というゲームは、2020年末に発売された。当時の感想はただただ惜しいという一言に尽きる。内容に明らかな欠落があるのが一目でわかるからだ。共通ルートはあれだけ長く、引っ張り出したキャラもあれだけ多いのに、最終的なシナリオはヒロイン一人分しか用意されていない。他のキャラはまるでモブ同然だ……。 このゲームは半端な作りで端材を寄せ集めただけの状態で慌てて売り出したんじゃないか、と思っていたら、なんと2022年になって続編が出た。 『保健室のセンセーとゴスロリの校医』 そこでようやく気づいた。なんだ、このゲームも分巻発売だったのか。ただ会社が金欠すぎて、第二巻がまるまる二年近くも延びていただけだったのだ。

『フタマタ恋愛』レビュー

黒鲨宅の愉快な実家には、こんな不文律の風習がある。 男が浮気をしたら、妻は包丁を手に取って男の息子を切り落とす。 冗談だと思うなよ、検索してみろ、こういうニュースはそこら中に転がってるし、しかも少なくない。切り落とされたけど繋ぎ直せた人もいれば、とんでもなく容赦ないケースではそのまま切り落として川に投げ捨てる。 こういうシンプルで乱暴なクソ男の浮気治療法は女性教師も認めていて、彼女はすでに大多数の女性を代表して言った。「クソ男は、切り落とすべき」と。 ちょっと極端かもしれないし、未来のある日、黒鲨宅が送中されて修車代を払わなかったのがバレて切り落とされるかもしれない。でもこのやり方は世間の人民大衆が「複数股」行為を軽蔑している気持ちを表している。なんにせよ、彼女がいるのに他の人を探すのは、あまり道徳的なことじゃない。

『神様のような君へ Extended Editon』レビュー

CUBEが2020年に『神様のような君へ』というゲームを出した。主人公が凄腕ハッカーで、AIロボットと過ごす話だ。 画はいいし売れ行きもそこそこだったが、シナリオには引っかかる点が多かった。一番ひどいのは、主人公が「ハッカー」なのにハッカーらしい意識が全然なくて、巨大テック企業のAIネット接続ロボットを平気で同居させ、プライバシーを全く気にしないこと。それに多くの√が「唐突に終わる」感じで、ヒロイン1号のはずのツクヨミは1号の扱いを受けず、「シャーロック・ホームズの再来」を名乗る探偵は脳内チップ頼りでおバカになるわ、兄の復讐に燃える女ハッカーはひたすら無能にキレてるわ、設定は悪くないのに全体として「あと一歩」の物足りなさがある。 その後、このゲームがSwitchとPS4に移植されるという話が出て、しかも新キャラまで追加されるらしい。これは意外だった。大体10年くらい前にはギャルゲーの全年齢移植+新キャラ追加なんてお決まりのパターンがあったけど、最近じゃまず無理だ。業界はもう終わりなので。CUBEがこんな逆張りをするとは、よほど監督の原画に自信があるんだな。 追加キャラの内容も見たけど、大したもんじゃないというか、ただのモブの話を足しただけだろう。さらに移植版で原作の一部シナリオが改稿されたという話もあった。これもまあ想定内だ。原作には「知的障害者をレイプする」みたいな政治的に正しくない描写があったし、直すのは当然。 俺が気になるのは新キャラ追加の「全年齢版」をどう買うかで、最初はSwitchカートリッジを買うつもりだったんだ。ところが6000円以上する上に値下げもしてない。貧乏人としてはさんざん迷った挙げ句、諦めた。ただ、追加キャラのCVがエロゲー常連の人だと知った時点で、そのうち金を払わずにタダで遊べるだろうという予感はあったね。 そして案の定、CUBEは新キャラ入りバージョンを、かつて『Your Diary』でやったのと同じように逆移植という形で『神様のような君へ Extended Editon』として発売した。追加キャラの話だけでなく、そのHCGまで入っている(CVを見た時点で分かってた)。なので早速この追加部分をチェックしに行ったわけだ。 見てびっくり、このゲームは全然単純じゃなかった。というか、2年前に出たゲームと比べると、この「拡張版」こそが「正式版」に近い。

『1/1 彼式彼女』レビュー

SMEEの新作のビジュアルが去年の年末、誰かから送られてきた。 一目見た瞬間の感想は「これは偽物だろ」だった。理由は簡単。 クソほどダサい! しかもこんなにダサい絵なのに、よりによって「スタッフそのまま」で絵師も変わっておらず、相変わらずの「谷山さん」だという。ずっと前からこの「谷山さん」は一人ではなくチームの総称だという噂はあった。だが誰だって分かるだろ、「人は上を目指す」ってやつで、絵を描くことを生業にしている人間なら上手くなる一方のはずなのに、なんで逆にどんどん落ちてくんだよ!!

『アンレス・テルミナリア』レビュー

何年も前、Google+ がまだ閉鎖していなかった頃、ある親切なネット友達が言っていた。彼が最も嫌いなのは、一部の「アニメ・ゲーム」作品のキャラクターが発するあるセリフで、それが口から出た瞬間に、その作品はクソだと無意識に思ってしまうのだと。 「人間なんて~そんなものだよ」 最初はその考えが理解できなかった。しかし、その後ギャルゲーをどんどんプレイし、いわゆる「神ゲー」に触れるうちに、こうした口を開けば「人間とは……」と語るキャラクターのことが…… マジでムカつくんだよ! 一番嫌なのはそのセリフそのものではなく、話し方の口調だ。高高在上で、自分も「人間」なのに常に神の視点で人類を批判する。自嘲しているのかと思えば、その清廉ぶりはそうは見えない。さらに嫌なのは、その行動が「文句は言うけど解決策は出さない」厄介な奴そのものだということ。たとえば、そういうキャラは決まって神経質に人類の醜さや自己中心性や愚かさをブツブツと呟きながら、自分も同じように醜く、自己中心的で、愚かな行いをしている。しかも真善美を訴えるわけでもなく、自分の愚行の言い訳を探しているように見えるだけで、本当に批判しているわけではない。

『Red:Cherish』レビュー

『Red:Cherish』が発表されたとき、正直そこまで期待してなかった。第一印象は「これ何?」って感じ。 伝説の「サイバーパンク」に「日常系レストラン経営」を足した組み合わせ、どう見てもネタ切れで何を作っていいか分からなくなった企画がその場で思いついたとしか思えない。 それでもこの会社が新作を出してくれたこと自体は素直に嬉しい。ずっと「前作の白髪椿」の遺産で食い続けると思ってたのに、コンフォートゾーンから出ようとしているのは評価したい。 体験版をやってみたら意外と良くて、製品版も買った。なのに、顔の笑みはじわじわ消えていった。 何というか、悪いゲームではないんだよ。ただ、俺の想像とは違いすぎた。
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『ヘンタイ・プリズン』レビュー

思春期の少年のほとんどと同じように、「性」が最も衝動的な年頃に、俺は「性」の扉を開いた。 きっかけは道端で見た小さな広告だった。壮陽剤の話で、ある「愛人」が捨てられた後、道端で浮浪者に出会う。浮浪者が寝ているのに、なぜか一柱天を突く。そこで「愛人」は飢えたように人目もはばからずに座り込む——続く言葉は荒唐無稽なのか妙に生々しいのか、俺には形容できない。「玉茎が玉門に滑り込み」「花枝が乱れ震え淫水が溢れる」とかそんな感じで、とにかくこの広告は最後に、この浮浪者がこんなに凄いのはあの壮陽剤のおかげだと教えてくれる。 この広告はとにかくデタラメで不合理だ。そもそも浮浪者がどうやって人民元98元一箱の偽壮陽剤を買えるのか。大通りで女がわざわざ物乞いの上に座るはずもない。お前らバイブ持ってないのか? その後、「性」についてさらに荒唐無稽な知識を得たのは『黄夏流教授』というシリーズの小話からだった。これはどこかの古新聞の山で見つけたもので、どこの街頭のタブロイドが印刷したのかは知らないが、中身の多くは馬鹿げていて、時には時代を皮肉る味わいもあった。文化大革命期の荒唐無稽さも含めて。今でもネットで「黄夏流」の痕跡は見つけられるが、これを見たことがある人はもう50歳だそうだ……