はるまで、くるる

『あきゆめくくる』レビュー

エロゲー会社の中には、自社作品のテーマをアピールするために季節に絡めた企画を打ち出すところがある。 しかもその企画がエスカレートして、「四季作品」シリーズなんてものをやらかすことも……つまり、四季それぞれを舞台にした四つの作品を展開し、異なる物語を語るというわけだ。 目を覚ませ、日本に送ろうとして税関で止められた包丁やカミソリをしまえ。新島夕の話も、ナツユメナギサの話も、はつゆきさくらの話もしていない。俺が言っているのは渡辺僚一と木緒なちがタッグを組んだ「季節假名ABB」シリーズのことだ。

『はるまで、くるる』レビュー

『はるまで、くるる』のシナリオライターに渡辺僚一という人がいて、この大先生の最新作が蒼の彼方のフォーリズムなわけだが、その前は彼と良き相棒の木緒なちが結構な数のエロゲーに関わっていて、中には設定がぶっ飛んだ作品もある。俺はかなり早い段階で資料を漁って、そういう作品の多くに共通点があることに気づいた。 超展開が得意で、ゲームの最後に「実は主人公たちは夢の中にいた」とか「元の世界じゃなかった」とかを明かしてくる。 渡辺僚一と木緒なちが一緒に関わった中で割と有名なのはすきま桜とうその都会だろう。間違いなく、このゲームの最後はまさにその展開だった。企画はこの二人じゃないらしいけど、それを彼らのせいと呼ぶかどうかは微妙なところだ。 で、『はるまで、くるる』もこの二人の大先生が組んだゲームの一つなわけだ。なぜやったかって? またOPに釣られたからだよ! 『はるまで、くるる』ってゲームは……絵柄がまたあの歪んだ顔なんだよ。ただねこねこそふとの面子そのままってわけじゃないから、まだマシなほう。中二空間の評価によればシナリオで勝負するタイプらしく、俺はシナリオを食う側の人間なので、まあ行ってみるかと。 その結果、半年かかったわ……正確にはまずOP前とOP後をちょっと進めて、その後ようやく残りを終わらせた。 何というか……話はすごい。想像力もすごい。でもこのゲーム、こんなに……長くする必要あった?