『キスからはじめるエゴイズム』レビュー
ギャルゲー界には奇妙な現象がある。多くの「物語重視」を謳う作品が、どんどん「エロく」て「実用的」になっていく一方で、最初から「重口味」を堂々と掲げていた作品が、なぜか物語を語り始めるのだ。
もちろんこれはギャルゲーに限った話じゃない。日本のアダルト映像業界も同じで、だからこそ俺は「前田文豪」監督の作品が好きなんだ。肉体的な映像的衝撃だけでなく、考えさせられる内容も持ち込んでくれる。
人を評価するときも同じだ。俺たちはよく「ギャップ」みたいな特性で、その人を善人か悪人かのレッテル貼りをする。一万の善行を積んだ善人が一度悪事を働けば悪人になり、悪事の限りを尽くした悪党が一度善行を働けば良心の代表になる。だから一部のゲーム制作者も、わざとこの路線を狙う。実用性を追求する抜きゲーに、より人文的なものを詰め込もうとする。これが「神ゲー」が最も生まれやすい方法の一つでもある。
もちろん、この方法が毎回うまくいくわけじゃない。