中二
エロゲー会社の中には、自社作品のテーマをアピールするために季節に絡めた企画を打ち出すところがある。
しかもその企画がエスカレートして、「四季作品」シリーズなんてものをやらかすことも……つまり、四季それぞれを舞台にした四つの作品を展開し、異なる物語を語るというわけだ。
目を覚ませ、日本に送ろうとして税関で止められた包丁やカミソリをしまえ。新島夕の話も、ナツユメナギサの話も、はつゆきさくらの話もしていない。俺が言っているのは渡辺僚一と木緒なちがタッグを組んだ「季節假名ABB」シリーズのことだ。
Lassには思い入れがある。たぶん、俺が散々ディスってるのを見ればわかるだろう。
11eyes は多分、俺が早い時期に初めてガチでぶっ通しでやったゲームだ。正直、体験は最高だった。最後に劫の眼の音楽が流れるあの場面はやっぱり熱いし、主人公のチートもかなりイカしてて、それまでの暗さを一掃して「うおお」ってなる。ついでに草比……じゃなくて草壁先輩と草壁操の1V1もよく書けてて、少なくとも俺が遊んだ中では戦闘描写の上位に入る。
で、その後はご存じの通り、Lassは11eyes以降まっすぐ谷底へ落ちていった。少女神域というイキりすぎの一本を出し、次に迷途的二人というイマイチな一本を出し、今年は小品の抜きゲーばかり作ってる。結婚ものもあれば忍者調教もある……この会社もう終わりだろ、と思ってたら突然liber_7を発表した。
Liber_7は本来11eyesシリーズの続編として出すはずだった。でも少女神域が大爆死してLassは金がなくなり、延ばしに延ばして今ようやくこれをひねり出したわけだ。
Lassの社長(だと思う):結婚したばかりのデブ剣技マナは言った。「Liber_7は11eyesと3daysと同じ世界観を持ち、それらを超える」と。
もちろんこんな大ボラ誰も信じないよな?今のLassの実力なら、まともな話を一つ書ければ十分だ……
そうしてLiber_7は延期に延期を重ね、それは予想通りで、2016年最後のゲーム発売日にようやく出た。
正直、プレイした時点で「これが11eyesを超える」なんて期待はもうしていなかった。体験版でやったし、いくつか恥ずかしい内容もあったからな。
で、製品版をやってみたら……もっと恥ずかしくなった。
誰だってイキりたいものだが、目の前で他人にイキられるのは基本的に誰も好きじゃない。
「実力イキり」という言葉がある。ニュアンスとしては冷やかしに近いが、要はイキるに足る本钱さえあれば、いくらイキっても他人は文句を言えないということだ。
「実力」という言葉で、以前友人と料理の話をしたのを思い出した。
当時の俺はマジでアホで、「一流シェフなら、作る料理は全部派手でクソかっこいいものじゃなきゃダメだ」と思い込んでいた。友人はそうは思わないと言った。
fortissimo EXS//Akkord:nächsten Phaseはla’crymaが開発したギャルゲー……
la’crymaの初期タイトルはプレイしたことある!正規版も持ってる!これ!
ところがその後、このla’crymaという会社は何を思ったのか、中二臭が爆発するゲームを突然作り出し、その焼き直しで何年も食いつないでいる。
調べたらこの会社は馬戲団と関係があるらしい……さすが伝統を継承している……
まず全年齢版のfortissimo//Akkord:Bsusvier 次に2本のルートと最終ボス戦を追加したfortissimoEXA//Akkord:Bsusvier さらに前者をベースに18禁要素を加えたfortissimo EXS//Akkord:nächsten Phase 最近では人造科学魔法の設定を加えた、おそらく新規シナリオのPSV版Kadenz fermata//Akkord:fortissimo
次から次へと大穴が掘られていく。俺はゲームのOPにコロッと騙されやすい人間だと言ったはずだ。OPが気に入るのは妹に一目惚れするようなもので、fortissimoのあの爆裂OPを目の前にして、俺はこの大穴に飛び込んだ。