幽霊の存在については、いくつかの段階を経てきた……
小学生の頃、この世に幽霊がいるかもしれないと聞いて、恐怖でいっぱいだった。香港や台湾の粗悪なホラー映画を見ただけで眠れなくなったし、地元のくだらない心霊怪談を聞けば暗闇が怖くなった。でもその後、香港・台湾のホラー映画のメイキング映像を見て、自分でも心霊怪談を広めてみたら、怖いと思うことは二度となかった。
人間は未知のもの、制御できないものにしか恐怖を感じない。そう理解している。幽霊の存在について、人間は捕まえることもできず、かといって否定もできない。挙げ句の果てに幽霊は魔法が使えるだの、超能力があるだの、人間を操って風雨を操るだのと言い出すから、ますます人間は不安になる。
そしてその後、幽霊が存在するかどうかについて新たな認識を持った。もし人が死んで幽霊になり、この世界で横行できるというなら……
この世界、幽霊だらけじゃないか!人類なんてとっくに幽霊にやられてるだろ!
というわけで、初雪桜の次に俺がプレイした幽霊がらみのゲームがこれだ。
『キミへ贈る、ソラの花』はCabbitの第2作。そうそう、前回の『翠の海』のあれだ。今回は前作で濃厚な抜きゲー感漂う絵を描いていた絵師を外し、知紗のキャラデザを手がけた自称女性のゆき恵が単独で作画を担当。外見からしてほのぼの系満載の作品である。
で、シナリオは本当にほのぼのなのか?信じてくれ、ほのぼのじゃなかったら俺を何とでもしてくれ!
世界は暗い。だが、それだけで光の存在を否定する理由にはならない。
そんな奴を知っている。知り合ったきっかけはやはりネットで、会った当初からこいつは凡庸だと思っていた。どう言えばいいか、その凡庸さは、話はできるけど飛び抜けたところが感じられない、反抗的な個性もなければ人と争うこともなく、いつもニコニコしているように見えて、これといった主張もない。かといって無知なわけでもなく、いろんなことを知ってはいるが、これといって精通しているものもない。
こいつは人生に情熱のかけらもないんじゃないかと思うことがある。でも、ずっと楽しそうなのだ。
将来何がしたいのか聞いたことがある。プログラマーになりたいと彼は言った。「すごいソフトを書くってこと?」と聞くと、彼は否定した。「それができれば一番いいけど、まあ何かを作って誰かの問題を解決できればそれでもいい」と少し間を置いて、「コードを書くのが好きなんだよ。子どもの頃にほとんどの奴がブロック遊びが好きだったのと同じ感じで」と続けた。
それから彼とは連絡を取らなくなった。話していても退屈すぎたからだ。何を言っても受け止めるだけで、自分は平凡な人生を淡々と送り、何かを企てようともしない。大物や凄腕というのは偏執的で狂熱的で、頭が一本気なものだと思っていた。そんな奴は、人混みに放り込んだら見つからなくなる類の人間だ。
だが年月が流れ、ネット越しに無数の大物が立ち回るのを見、何人もの凄腕の曲折した人生の曲線を見てきた。彼らはいろんなことのために奔走し、何かを得ては何かを失った。そこでようやく気づいた。情熱のかけらもないあの男のほうが、かえって一番幸せな人間になっていた。