前回龍芯 3A6000 のノートPCを修理したあと、どうやって「こいつを使い物にするか」を考え始めた。
性能だけ見れば 3A6000 は弱くない。少なくとも低電圧のネットブック CPU よりはかなりマシで、一般的なオールラウンドノート並みの水準には届く。ただ「普通に使う」上での最大の問題は Loongarch アーキテクチャのソフトウェアエコシステムではなく、GPU のあまりの非力さだ。
そう、前に言った通りこの GPU の性能はほぼゼロと言っていい。公式が新世界ドライバを出して何度も最適化した前提でも、デスクトップ環境を動かすだけで子供の頃に初めて Win98 の最初のバージョンを起動したときを思い出す。ウィンドウをドラッグすると残像が出て、右クリックでひたすら更新更新しないといけないあの感じだ。
最近いちばん話題のLinuxディストリビューションといえば、やっぱりRuby on Railsの作者DHHが自ら手がけたOmarchyだろう。
名前を見れば分かる通り、これはArch Linuxベースのディストリビューションで、同時にOmakase的な「個人の好みに合わせた一皿」の匂いも漂う。作者が自分の好みで一式を組んだもので、こちらはそれを理解して受け入れられるかを試すしかない。体験として共鳴できれば、それはもう最高なわけで……
要するに、この代物は「人を選ぶ」。
ところが、そんな「人を選ぶ」ものが最近めちゃくちゃ勢いがあって、業界のあちこちの大物がこぞって持ち上げ、さらに本物の金の寄付まで集めている。ある会社なんかはFlathubへの寄付をやめてOmarchyに投げてる始末。ユーザーもどんどん増えていて、使った人はみんなカルトにでも入ったかのように「Omarchyこそ未来、MacOSを完全に代替できる」なんて暴論を吐く。余計に気になってしまう。見た目はただタイル型デスクトップをプリセットしただけの普通のArch Linuxなのに、なんでMicrosoftを殴ってAppleを蹴り飛ばせるんだ?
というわけで、使っていないマシンを引っ張り出してOmarchyをインストールし、浅く広く味見してみた。