地雷

『素敵な彼女の作り方』レビュー

俺が「ネタを振る」ゲームが好きなのは周知の通りだが、もちろん「俺」が世界の全部を代表するわけじゃない。俺の知る限り、ゲームをやる人間、特にギャルゲーをやる連中は、こういう「ネタ振り」作品があまり好きじゃない。 それはちょっとしたディテールにも表れる。たとえば俺があるフォーラムでよく見かけるのが、新作が出るたびに誰かがこう聞く光景だ。 「このゲーム、地雷ある?」 「これ純愛?」 この二言は、要するにこういう意味である。 「これ、ただの恋愛テンプレ?」 俺に理解できないのはむしろ、「ただの恋愛テンプレ」のほうだ。ギャルゲーというジャンルが生まれた瞬間から、それはもう固定されていて、少なくとも20年は経っている。20年間ぐるぐると繰り返し、繰り返し、また繰り返してきた筋書きを、いまさら必要とするのか? 最近、また「ネタを振った」ゲームが出た。しかもかなりデカいネタを振ったせいで、代理店まで関係を切った。世界中のプレイヤーが口々に罵っている……そのゲームこそ、中国語版が最初に出てSteam独占配信された百合もの、 『素敵な彼女の作り方』 だ。

『ココロが繋ぐ恋標』レビュー

『ココロが繋ぐ恋標』、先月のゲーム。実は最初はあんまりやる気なかったんだけど、日本人が「このゲームは80点の価値がある」とおすすめしてるのを見てしまった。 またしても手が滑って信じてしまった。 このゲームはどう見てもMOREの断末魔だ。MMEのブランドのブランド、KATE産の流れ作業作品で、このゲームを出したあとMMEは解散したらしい。どう見ても最後の足掻きをしてるLASSみたいなもので、高品質なわけがない。 でもネットで日本人が、このゲームにはルートがいくつかあって、他のルートはクソだけど、メインのココロ√はかなり良いと言っていた。 またしても手が滑って信じてしまった。

『夏色ラムネ』レビュー

時々ふと思うことがある。自分は一体どれくらい「地雷ゲー」を遊んでいないのだろう、と。 最近ますます敏感になってきたのか、ゲームの設定を見た瞬間にクソゲーかどうか分かるようになってしまった。おかげで去年の後半からは地雷を踏んでいない…… ただ、どうしても抗えない理由がひとつある。それは絵柄だ。つまり、このゲームの絵柄がえらく自分好みなら、地雷要素のあれこれは目をつぶって、多少のことは許してやってもいいか、と思えてしまう。 実は俺だけじゃなくて、とあるクソみたいなSNSでやったアンケート調査によると、半数以上の人が「キャラの絵はいいけどシナリオが退屈な作品」のほうが「シナリオは面白いけどキャラの絵が受け入れられない作品」よりマシだと考えてるらしい。なにせ顔で判断する時代だし、なにより俺はせせなやうの絵柄が大好きで、彼女が以前関わったゲームはクソ退屈な作品だったけど、今回も迷わず彼女の作品を開いた。たとえX(旧Twitter)で誰かが長画像でこのゲームをゴミだと罵ってたのを覚えていても。 このゲームこそが、『夏色ラムネ』。最初に言った通り、このゲームは地雷……せせなやうがまた地雷を描いてしまった……
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『ひとつ屋根の、ツバサの下で』レビュー

ゲーム『ひとつ屋根の、ツバサの下で』は中国語名だと直訳で「同じ屋根の羽翼の下で」、別名は「俺は四人の美人と同居しすぎて最高すぎてオナニーの仕方まで忘れた」。予備パイロットである主人公が、コネを使って祖母が経営する飛行学校に入り、自分の強みを活かして四人の美人と同じ寮で暮らし、毎日イチャイチャ抱き合ったりして飛行の練習をする時間もなく、最終決戦で自分がヘタレだと気づき、喜んで試合で降参するという励志(励志)な物語。

『且听琴语』レビュー

『且聴琴語』、別名『純粋な心のマウント合戦音楽界(juan)』。あらすじはこうだ。文学的なのに教養ゼロ、性志向不明の浮浪者が、中国の城管がいたりアメリカのゲイバーがあったりするのに全員が日本語を話す、どこの国かもわからない、たぶん東海の中心にある无名の小島の海辺都市の音楽学校に紛れ込んで、女の子を口説いては発狂する話。

『アオイロノート』レビュー

エロゲーを始めてからというもの、オレはかなりクソを食ってきた。そのせいでゲームへの要求水準はどんどん下がり、今では「一つの物語をアホみたいな展開にせず最後まで語れて、キャラがそこそこ可愛くて、CVが仙台のおばさんじゃなければ、それは良いゲームだ」と思っている。 まあ、せいぜい「悪くないゲーム」ってところだが。 日本人は「予想外のクソゲー」を「地雷」と呼ぶ。要するに期待に胸を膨らませてプレイしたら、期待とかけ離れているどころか、むしろクソで、まるで犬の糞を踏んだり地雷を踏んだりしたみたいに、こちらの心が粉々に爆発する。そういうゲームを「地雷」と呼ぶのはなかなか言い得て妙だ。 正直に言うと、オレは「地雷」ゲーをそんなにたくさんプレイしたことはない。おそらくオレは欲望が小さく、ほとんどのゲームにそこまで期待を寄せていないし、許容度も高い。どんなに話がぶっ飛んでいても、まあアホな部分はあるにせよ、少なくとも光るものはある。 実はゲームがアホかどうか、クソかどうかは、主に制作陣の意識の問題だ。中には、制作側が自分で一度プレイしてみれば、このゲームがどの程度のレベルかはだいたい分かるだろう。だからプレイヤーに評価されるまでもなく、自分たちで評価すれば十分だ。 ただ、一つ不思議なことがある。一部のエロゲーは、あらゆる面から見て明らかに制作がいい加減で、制作陣も「これはかなりいい加減な寄せ集め作品だ」と分かっているはずなのに、それでも作って売り出す。 言い換えれば、お前はこれがクソだと分かっていて、それでも売り出すのか。金は稼げずに罵声だけを買うことになる。なぜわざわざ発売までこぎつけるのか。 今回取り上げるのは、その名も『アオイロノート』というゲームだ。

『タンテイセブン』レビュー

ここ数年のギャルゲーはたいてい定型化していて、大きく分けて三種類しかない。標準的な学園恋愛もの、超展開で血しぶきが飛ぶもの、そして最後に「遊べる」タイプのやつだ。 「遊べる」というのは、その手のゲームにちょっとした「ゲーム性」があるってこと。従来のビジュアルノベルではなく、選択肢がやたら多かったり、戦闘があったり、調査があったりする。 そう、調査。AVGで一番簡単に作れるのは「調査」と「推理」のシステムを追加することだ。ダンガンロンパみたいな調査画面を適当にこしらえて、推理の時には選択肢を山ほど並べて、当たれば加点、外せば減点。戦闘ありのRPGを作るよりよっぽど簡単で、「ゲーム性」を打ち出したいAVGメーカーがまず選ぶ手だ。 で、今月「タンテイセブン」というゲームがかっこよく登場した。タンテイセブン、つまり「探偵セブン」(以下「探偵セブン」)。宣伝では「パズル探偵」を売りにしていて、その宣伝ビジュアルがとにかくかっこよすぎた。かっこよすぎて、一目見た瞬間に『ペルソナ5』みたいだなと思ったほどだ。しかもOPもかなり燃える出来で、「何かありそう」な雰囲気を醸し出している。個人的にこういう設定は好きなので、今月プレイしてみた。 プレイしてみて、まあ大満足だったよ……(いろんな意味で)。

『春音アリス*グラム』レビュー

『春音アリス*グラム』、別名『私と黒タイツ白タイツ金髪巨乳ちゃんたちの精神病院での日常』。日本のエロゲー会社、Nanawind作品。豪華絵師の七尾奈留、高苗京鈴が全力投球。豪華声優陣といえば、36歳にして仕事が見つからず、Twitterでエロゲー会社に土下座して頼み込んでも誰にも相手にされない仙台のおばさんがヒロインを担当、30歳目前でまだ嫁に行けない石原舞がサブヒロインに当選、『ガールズ&パンツァー』で一度ヒロインをやったきりアニメの仕事が来なくなった専業声優の尾崎真実が本気で知的障害者っぽく外国のお嬢様を演じる。何度も発売延期を重ね、シナリオを何度も練り直し、今月ようやく堂々発売。PlayDRMが見事にガードして、数千人のオタクは300の謎の限定版を眺めながらゲームができずに肩を落とす。発売から2週間、『批評空間』の今月最も物議を醸したゲームランキングで第5位にランクイン。あのバグまみれのタンテイセブンに次ぐ順位だ。

『ピュアソングガーデン!』レビュー

以前、うちのブログの記事にコメントをくれた人がいて、その人はPULLTOPという会社を蔑んでいた。正直、俺個人としてはPULLTOPの印象は悪くない。飛行機作りや田舎恋愛、それに星を見るみたいに、俺が面白いと思ったゲームもいくつか出してるし。でも確かにPULLTOPはイマイチなものや、わけわからんほど催眠なゲームも出してはいる。ただ、その大半は分社会社の仕業なんだよな。PULLTOP LATTEなんて抜きゲーブランドとして作られたんだから、催眠でもまあ仕方ない。少なくとも本家は問題ないだろ? コメントをくれた人が言うように、PULLTOP本体はバカだってのは俺も思うことがある。例えば、飛行機作りのゲームはおそらく最初にSTEAMで配信された日本のエロゲーの一つで、パブリッシャーはMoeNovelという会社だった。このMoeNovel、ちょっと調べたら登録資産の内容がwillplusのサブブランドって書いてあった。willplusっていうのは、つまりPULLTOPの親会社だ。 実際willplusは結構デカくて、下にたくさんブランドがある。抜きゲーも多いし、普通のゲームもある。昔の螺旋桨とかPULLTOPとかensembleとかも全部その傘下だった。guiltyってブランドも知ってる。NTRを出すところだ。これだけ大きな会社なら、それなりにうまくやってるはずだろ?なのに、いつも見るのは愚策の数々で、中には頭悪すぎる措置もある。 具体的にどう頭が悪いのか、さっきの話に戻ろう。PULLTOP = MoeNovelなら、PULLTOP自身が自分のゲームを海外展開することを選んだってことだ。自分の製品を自分で出すんだから、代理店の問題もない。問題ないはずだよな?飛行機作りのゲーム自体の評判は良かったし、海外のオタクも遊びたがってた。有志の英訳も完成してたし、STEAMで出たら買うって言ってる人も多かった。 天時地利人和、ほぼ揃ってた。PULLTOPは別に翻訳する必要すらなく、英語翻訳のライセンスを取るだけでSTEAMで寝てても稼げたはずなんだ……
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『ちっちゃな花嫁 ~まだまだつぼみだもんっ~』レビュー

エロゲーはそんなにたくさんやってないけど、それなりには触れてきた。価値があるなと思う作品もあれば、ただのゴミだと思う作品もかなりある。 でもそのゴミの大半には法則性があって、たいていは企画かシナリオが大きな話題を狙って、ワケのわからない展開を入れて虎の威を借る狐状態になってるパターンだ。本当にある嗜好を救おうとして作られた作品は、だいたい「くそったれ(坑爹)」な内容にはならない。たとえば妹控向けの作品とか。 妹控向けの作品は立ち位置が純粋で、テンポもシンプル明了。ほとんどは主人公を兄、ヒロインを妹、あるいは「妹たち」に設定して、いい感じにイチャイチャさせておけばそれで終わり。たまに濃いめのやつがあっても宗旨から外れない。つまり「妹の兄への愛」を表現する。どんなに歪んでても、それは愛じゃん?兄の首を切って解剖するのも愛の表現じゃん?ヤンデレだってデレの一種だし。 だから昔は「妹控作品をやる」のに地雷を踏むなんて絶対ありえないと思ってた。せいぜい頭が弱いか、バカっぽく見えるか、少なくとも不快にはならないでしょ?システムがクソでも、展開がアホでも、妹に罪はない。制作者が可愛い妹を届けたいという気持ちは間違ってないでしょ? 俺は妹控じゃないけど、妹控作品には慰めと温かさを見つけられる。なにせ向こうは真面目に飴を配ってくれている。妹控同士は世俗への抵抗と相互理解で満ちていて、毎日お互いを傷つけ合う一部のオタクとは全然違う。愛にあふれている。有名ネットインフルエンサー「疯牛居士(狂牛居士)」の言葉を借りれば、 「妹控なやつは、みんな友達。」 もちろん、この世に永遠の友達なんていない。『ちっちゃな花嫁』に出会うまでは。