夏和小

『ガールズ・ブック・メイカー ~グリムと三人のお姫さま~3』レビュー

ガールズ・ブック・メイカーは原作発売から半年後、金を巻き上げるためのDLCシリーズを出すと宣言した…… 金を巻き上げると言っても、まあこれも今さらというか、よくあるやり口だ。何しろこの何年かで似たようなものは散々見てきた。今回のDLCのタイトルは『ガールズ・ブック・メイカー ~グリムと三人のお姫さま~』。つまり世界で知られた『グリム童話』の話を扱うわけだ。 「グリム童話」そのものが寄せ集めの短編集で、一人のキャラでまとめるのは無理がある。だから中の「姫」を切り出して三巻に分けて個別に売る。聞き覚えがあるだろ? いかにも金を搾り取るやり口だ。三人の姫は「白雪姫」「眠れる森の美女」、そして最後が「シンデレラ」、みんなお馴染みの灰かぶり姫だ。

『アオナツライン』レビュー

「青春」って言葉はよく見かけるけど、それって一体何なんだろうな? よくこういうのを見る。 「XXXってドラマが終わった。俺の青春も終わった」 「XXXってアニメが終わった。俺の青春も終わった」 「XXXが結婚した。俺の青春も終わった」 もし「青春」が若い頃の単なる一状態にすぎないなら、それは年齢と共に終わるもんであって、特定の誰かやアニメやドラマに左右されるもんじゃない。 人によって「青春」の意味は違う。

『喫茶ステラと死神の蝶』レビュー

これまでずっと柚子の大コケを期待してたんだけど、困ったことに柚子のゲームはどれも安定していて、なかなかコケない。制作工程がほとんど流れ作業だからだ。 ゲームのテーマ設定を一つ決める テーマに沿ってキャラデザを固める シナリオライターに話を分担させ、各エピソードを書かせてつなぎ合わせる 宣伝を開始、毎日カウントダウンアニメを公開 キャラソンを公開、さらに宣伝 キャラソンの曲をRemixしてゲーム内のOSTに流用 ゲーム発売 しかも柚子のゲームは絵師がほぼ固定なので画風は保証付き、声優も実力のある人ばかり。遊んだ後に「地雷」だと感じることはまずない。せいぜい「シナリオが普通」「話がテンプレすぎ」「設定がちょっと幼稚」と思う程度で、飛び抜けてはいないが、決して悪くはない。 こうした品質が「不合理な鋼の柚信者」を大量に生んできた。以前SNSでRiddle Jokerのシナリオが知恵遅れだと書いたら、Telegramまで追いかけられて「ぷんぷん」と言わんばかりに絡まれたことをなんとなく覚えている。柚子のゲームの魔力がどれほどか分かる。ただ柚子のゲームの特性上、ファンの年齢層は低めで、未成年も少なくない。Twitterで未成年がYuzu liveに行こうとして断られ、メンタルをやられた投稿を見たこともある。だから僕は「ゆずソフト」に対して愛憎半ばなんだ。 好きな理由は、確かにギャルゲーの基準の一つだし、いつも好きな声優を起用してくれるから、 嫌いな理由は、ずっと流れ作業で萌え豚の餌を生産していて、革新がないから。 柚子に革新がない影響は柚子自身にとどまらない。新作を出せば年度販売数1位というカルト企業が、流れ作業のままで楽に稼げるなら、他社も真似するに決まっている。全ギャルゲー会社が柚子みたいになったら、業界は本当に終わる。 でも今年の柚子はどうやら本当に何かが違う…… しかも大コケした……
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『Pieces/渡り鳥のソムニウム』レビュー

誰にでもある種の錯覚があるはずだ。ある人に出会ったとき、あるいはある瞬間に、頭の中に「この情景/この人、夢で見たことがある気がする」という考えがふとよぎる。 この現象については多くの人が研究し、論証してきた。大半がたどり着く結論はいくつかの可能性だ。記憶のズレか、似た場景による錯覚か、あるいは潜在意識にある場景の曖昧な記憶か。シュタインズ・ゲートのゲームに至っては「異なる世界線の既視感」と説明していたりもする。そして最後に、確証はないが排除もできない要素がひとつ残る。夢だ。 つまり、あり得る話として、あなたが出会った馴染みのある出来事は、確かに夢で見たものかもしれないのだ。 夢は面白いものだ。人間は自分の夢を決してコントロールできないが、その夢はその人自身が作り出している。すなわち、私たちが夢の中で冒険しているとき、その夢は私たち自身が編み出したものなのである。「自分と自分で遊んでいる」感覚がちょっとある。 普通の人間は毎晩眠るときに一〜三つの夢を創造していて、成長の過程でさまざまな夢が積み重なるとその数は恐ろしいほどになる。それらの中には現実で出会う情景に近いものが一、二つあってもおかしくない。だからいわゆる「既視感」が生まれる。この方法で人間の「いつも夢で見た気がする」感覚を説明するのが一番信頼できるはずだが、そんな冷たい現実より、私たちはロマンチックな解釈のほうを受け入れたいと思う。 「あなたと私の間には天が定めた何らかの繋がりがあって、だからこそ私たちはとうに夢の中で出会っていて、夢の中の情景が現実での出会いへと私たちを導いた……」 ロマンチックに聞こえるだろ? uh?

『9nine - そらいろそらうたそらのおと』レビュー

去年の今頃だったか……あるゲームが発売された……『9-nine- ここのつここのかここのいろ』だ。このゲーム、正直当時は評価してなかった。そもそも評価する要素が少ない。物語はほぼ進展せず、設定を説明しただけだったからだ。 実を言うとあれはシリーズの始まりに過ぎない。この「9nine」というゲームは分冊販売の企画で、ざっと推測するにヒロインが三人いて、各ヒロインごとに一巻、最低三巻はあるはずだ。 第一巻の話はここで書いたとおり、主人公が能力者同士の戦いに巻き込まれるというもの。悪役の能力者もいれば、主人公やヒロインのような正義の能力者もいる。人が人を殺せば、それを止める者もいる…… しかし第一巻では能力者連続殺人犯が誰なのか全く分からず、尻切れトンボで終わった。だから一年ぶりに第二巻がまた来たわけだ。 第二巻のメインヒロインは主人公の妹、新海天。だからゲームタイトルも彼女の名前にちなんだ『そらいろそらうたそらのおと』になっている。

『添いカノ ~ぎゅっと抱きしめて~』レビュー

エロ音声……おっと、ASMR、Dummy Head Recording、つまりはリラックスと催眠用のドラマCDなんかをよく聴く人なら、「添い寝」って言葉には馴染みがあるはずだ。 日本語がわからなくても、「寝」の字くらいは読めるだろう。察するに「添い寝」の録音ってことだ。 だから俟斎はほんとゲスいよな。自分じゃ相手が見つからないからって、ゲームにヒロインを探させる。ゲームで探すならまだしも、自分は立ったままヒロインが勝手に寄ってくるのを待ってる。寄ってきたヒロインに文句をつけることもある。しかもその注文がやたら細かい。ブスはダメ、声が可愛くないのはダメ、非処女はダメ、人間じゃないけど最後まで男主と結ばれないのもダメ、傷ついた過去があるのもダメ、幽霊で成仏させられるのもダメ。挙げ句、とにかく男主と即エッチしないとダメ。エッチだけじゃ飽き足らず、一緒に寝ろときた。腎臓だけじゃ足りず、心まで。心だけでも足りず、サービスは完璧に。そんな風に俟斎の注文がエスカレートするにつれて、ゲームの内容もどんどん複雑になっていく。全方位的に無条件で尽くし、何も持たないデブ豚のそばで、お前が眠りに落ちるまで添い寝してくれる理想の萌え妹子が作り出された。考えただけで笑える! とはいえ、オタクは腐女子勢に比べて財布の紐が固いとはいえ、カモもそれなりにいる。だから多くのエロゲーメーカーはわざとオタクに媚びて財布を狙う。ほら、また一つゲームが出てきた。ターゲットは明確だ。萌え妹子を描いて、こう言う。「うちのゲームを買えば、この萌え妹子が添い寝してくれるぞ」と。 タイトルは『添いカノ ~ぎゅっと抱きしめて~』。つまり「ぴったりくっつく彼女、ぎゅーっと抱きしめて」って意味だ。 買うか?買うよな?原画はあめとゆき、ヒロインのCVは夏和小。こんな豪華な布陣、買うしかないだろ!どうなんだ、買うのか!