学生会

『さくらいろ、舞うころに』レビュー

大学時代に学生会に所属していたこと、ほとんど忘れてたわ。ただ俺の学生会ライフはとにかく退屈で、退屈すぎて記憶にすら残ってない。 俺が入った学生会の組織は「オフィス」って呼ばれてて、正直何をするところなのか今でもよく分かってない。今思えば「校オフィス」とか「学部オフィス」みたいなもんで、書類の收发とか広報とかを担当してたんだろう。考えてみればあの頃から俺は他人に文章を書かされてたわけか、実に長い歴史だな。 「オフィス」で俺は大したことはしてなかったと思う。通知やら通告を探してきて、通知やら通告を書いたくらいだ。残りの時間の大半は学生会室に隠れてゲームしたりスマホいじったりPC触ったりしてた。そういえば学生会に入ったのは会長の指名だった。会長は女で、そこそこ美人で人当たりも良かった。なぜ俺を指名したのかは分からないし、入ってから何をすればいいのかも分からなかった。実際、入ってから他の学生会員が何をしてるのかも見たことない。俺の印象では「学生会」は完全に形だけの機関で、実権もなければ資金源もなく、ポスターを印刷する以外に何も産み出せない場所だった。 あ、そうだ。学生会がパーティーを企画したこともあったな。会長が「すごく情緒のあるパーティーをやりたい」と言ってたのを覚えてる。会長はフォークソングとロックが大好きで、俺には随分方向性が違うように思えたけど、会長の印象はすごく文学少女っぽかった。会長は「伝統的なパーティーより、キャンプファイヤー交流会のほうが親しみやすいし学生にウケる」とも言ってた。 もちろん会長のアイデアは最後には全部却下されて、最終的なパーティーは学校に丸ごと仕切られて、会長が一番嫌いな形になった。会長の顔には不機嫌が書いてあった。いわゆる「学生会が主導したパーティー」は学生会の名前こそ残ってたけど、もう学生会とは無関係だった。 「仕方ないよ。世の中には、そういうこともあるんだよ」