『恋にはあまえが必要です』レビュー
ここ数年、「レトロ」ブームが来ている。人々は「古い」ものに郷愁を抱き、レトロ要素をまとったコンテンツが歴史の古紙束から次々と復活・生産されている。前世紀スタイルのキーボード、パソコン、携帯ゲーム機、その他もろもろのガラクタまで。たとえば最近 FiiO が「カセットプレイヤー」を出したが、値段は安くないし見た目もゴツい。それでも飛びつく人はいて、「レトロ」の代償がこれだけ高くても市場はそれなりに成立している。少なくともこの市場のおかげで、中身を変えずに外装だけ刷新した製品を出し続けるメーカーが食えているわけだ。そこで思い出すのが、同じく「レトロ」の匂いがプンプンするあの産業――「美少女恋愛シミュレーションゲーム」、通称ギャルゲーである。
歴史を少しでも知っている人なら分かるだろうが、最初期のギャルゲーは今の主流製品とは違っていた。最も有名な始祖とされるのが『ときめきメモリアル』シリーズだ。このゲームが『純愛手札』とも呼ばれていたのを覚えている。当時の海賊版CDの頃、俺はいつも『純愛手礼』と読み間違えていたっけ……まあそれはどうでもいい。大事なのは、『ときめきメモリアル』が「シミュレーション」「恋愛」「育成」にこだわった、極めて「マジメ」なゲームだったということだ。