恐怖

『ネコ神さまと、ななつぼし -妹の姉-』レビュー

いつも通りの一日、いつも通りに妹が起こしに来る。 「お姉ちゃん、朝ごはんできたよ、起きて」 俺は男なのに、妹はずっと俺を「お姉ちゃん」と呼ぶ。 「なあ、ずっとそう呼ぶの、いいのか?」 妹が出て行った直後、横から人影が現れて、黒髪の女の子がそう聞いてきた。 実はこの「女の子」は猫で、しかも「猫神」、その猫神は俺の命の恩人でもある。 すべては二週間前にさかのぼる。

『Doki Doki Literature Club!』レビュー

先日5chで誰かがこのゲームを勧めていた。Steam平台上のDoki Doki Literature Club!、通称DDLC。もちろん勧められたとき、このゲームのタグが目に入った:Psychological Horror(心理的・精神的な恐怖)。まあ予想はつく。日本風のギャルゲーを非日本人の鬼佬(外人)達が作ったやつで、Steamの画面ではどこまでも和やかで美しいのに、中身は詐欺、たぶん「鬱になる」要素が仕込まれているんだろう、と。 いわゆる「鬱」って、それ以上どうやって鬱にさせるんだ?ヒロインが突然死ぬ、頭が急に落ちる、突然ヤンデレ化する、いきなり斬りかかられる——せいぜいその程度だ。画面中血が噴き出すのが関の山だ。そんなもん全部見てきたわ。というわけで好奇心に負けて、無料のこのゲームをダウンロードし、「Start」を押した。 ひとしきり手に汗握る冒険を経て、本当に「End」したことを何度も確認してから、ようやく吊り上げていた心を下ろし、大きく一つ息を吐いた…… ここでちょっと恥ずかしげもなく自慢させてもらう。私は2013年から今まで、年齢だけ食って相手も見つからず、お見合いにも屡々失敗する誰からも要らない死んだオタクで、この4年間にほぼ何百本とギャルゲーをプレイし、百篇以上の感想文を書いてきた。一時期はギャルゲーなら来る者拒まずで、中にはとんでもない超展開やホラー内容のものもあったが、ほぼすべて免疫だった。たとえあのサクラノモリ†ドリーマーズで画面中に悪霊が沸こうが、仄暗き時の果てよりで画面中に血を噴くゾンビがいようが、翠の海で突然首吊りがあろうが、箱庭ロジックで手足がもがれようが、全部小さいことだ。Clock upなんかのゲームはなおさら余裕。ワシはどれもニヤリと笑って、まったく動じない。 これまで遊んだ全ゲームの中で、私を怯えさせたのはたった二つ。一つは3daysで突然画面に出た首なしCG。そしてもう一つが……このゲーム、Doki Doki Literature Club!だ。 怯えた理由はただ一つ:突然、あまりにも突然で、まったくの不意打ち クリア後にこのゲームを振り返ると、はっきり言える。全体から見れば、Doki Doki Literature Club!は恋愛育成ゲームなんかじゃない、ホラーゲームだ。 そう、このゲームのあらゆる宣伝資料や、レビューで面白いと語る連中に騙されてはいけない。これは本当にホラーゲームだ。ゲームの最初に繰り返し強調される——メンタルが弱い人はやらないでください、子供もやらないでください、怖がりもやらないでください。この言葉は本気だ、冗談じゃない! 若い連中がギャルゲーにちょっとした「虐」要素があっても受け入れられないのは知っている。はつゆきさくら(初雪桜)をやっただけで音楽に怯えまくる奴も見たし、紙の上の魔法使いで妹が死んで悲しみに暮れる奴も見た、水葬銀貨のイストリアで人魚姫が可哀そうすぎて耐えられない奴も、魔女こいにっきで物語の中の物語のヒロインが幸せになれないから新島夕にカミソリを送ろうとする奴も見た。そういう連中にとっては、このゲームは必ず遠ざけてほしい。これは全く恋愛ゲームじゃない。ホラーゲームだ。『君と彼女と彼女の恋。』と同じスタイルのホラーメタゲームなんだ。

『サクラノモリ†ドリーマーズ2』レビュー

サクラノモリ†ドリーマーズは去年プレイした。当時の感想は「序盤は良い、設定はまあまあ、高開低走、尻すぼみ」だった。確かあのゲームのプロモーションOPはめちゃくちゃカッコよくて、OP前の演出もバッチリ決まってた。主人公が初めて恋をして、想い人のまどかに告白した矢先、油断した隙にまどかが殺人鬼に殺される。怒り、絶望、後悔、それが爆焔のOPとともに爆発する、まさに神がかった導入だった。 もちろんその後については言及しないが、高開低走の典型だった。中盤、主人公はわけもわからず恋人まどかを殺した犯人を探し、わけもわからずいくつかの組織に参加し、町のわけのわからない怪奇事件を解決する。終盤の展開はどんどん迷走し、殺人鬼はサイコパスで、しかも両性愛者。おまけに殺人鬼自身もわけもわからず超能力に目覚め、主人公にはパラサイトが憑く……。 この展開を見て高校時代に読んだ怪談を思い出した。最初はミステリーとしてなかなか良かったのに、途中で主人公が道術を身につけ、あらゆる霊魂と超能力仙侠大戦を繰り広げるという、思わず噴き出した展開。ミステリーからドロドロの武侠ドラマへと変貌し、大いに失望したものだ。 サクラノモリ†ドリーマーズにも同じ失望を味わった。最初は良かったのに、後半はめちゃくちゃ。その後、サクラノモリ†ドリーマーズのシナリオライターである呉二…おっと、呉先生も別のゲームを書くようになった。相変わらずのグロテスクなホラー路線だが、内容はもはやサクラノモリ†ドリーマーズの「夢潜入」ではない。仄暗き時の果てよりというゲームは異形とクトゥルフ風のタイムトラベル物語で、正直悪くはない。ただ、呉先生の「尺が足りないならケチャップで誤魔化せ」的なやり方にそろそろ疲れを感じていた矢先、続編として『サクラノモリ†ドリーマーズ2』が発表された。 最初は少し興味があった。サクラノモリ†ドリーマーズ2はいったいどんな話なのか。一作目で物語はほぼ語り尽くされている。主人公の彼女は死に、両性愛の変態に殺され、終盤には彼女のまどかも成仏して幽霊にすら会えなくなり、黒幕の両性愛変態も主人公に倒された。物語は比較的円満な結末を迎えている。残っているのは主人公と脇役たちの細かい部分だけ。FDならまだしも、「2」を出す? 最近は「2」でFDを指すのが流行ってるのか? そしてゲームが発売され、細切れに2週間かけてクリアした感想としては、「2」としてまあ許せる出来だった。
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『仄暗き時の果てより』レビュー

実は以前は呉一郎先生のことをそんなに気にしていなかったんだが、去年のサクラノモリ†ドリーマーズで興味を持った。 で、呉先生は一年も経たないうちに新作を出してきた。仄暗き時の果てより、しかも宣伝画像を見る限りまたホラー路線。怖い話が大好きな俺にはたまらない刺激だ。前作は高開低走(序盤は良いが終盤失速)だったけど、最後はまあまあだったし、今回はさすがに教訓を生かしてくれるだろうと思ってプレイ開始。 正月気分の中でこんなホラーゲームをやるって、我ながらヤバいと思うわ…… 終わった。で、どうだったかというと……前作サクラノモリ†ドリーマーズが高開低走なら、今作はもう……後半の展開が火爆しすぎてる。

『サクラノモリ†ドリーマーズ』レビュー

『サクラノモリ†ドリーマーズ』は発売前から気になっていた。設定がダークで、OPが燃えるし、紹介を見る限りホラー路線らしい。ただ、リリースが遅かったので後回しになってしまった。やってみた感想は「悪くない」とは言えるが、決して「楽しい」とは言えない。とはいえ、この「楽しくなさ」の半分はポジティブな方向のものだ。ホラーゲームをやって楽しいと思えるようになったら、そろそろお縄が近い気がする……。 このゲームは評価が難しい。個人的には肯定的な評価を与えたいのだが、それを絶対的に裏付けるものを何も出せない。たぶん自分がこういう作風のゲームが好きなだけで、全方位的に「あと一歩足りない」だけなんだろう……。

『あけいろ怪奇譚』レビュー

俺はホラー・サスペンス系の作品がかなり好きだ。むしろそういう作品があったからこそ読書にハマったと言ってもいい。なぜかというと、ホラー・サスペンス系は謎が常に引っ張ってくれて、先を読みたいという好奇心と興味を掻き立ててくれるからだ。展開もストーリーの行方も分からない他の作品と比べればはるかにマシで、中学生の頃、近代小説をいくつか読んだだけで、その幻想的で本筋の分からない代物に頭をぶん殴られて呆然としていた俺を完全に救ってくれた。

『しずくのおと -fall into poison-』レビュー

ことの始まりは偶然だった。YouTubeで海外の人がこのゲームを実況しているのを見かけたんだ。もちろん内容は英語。 ゲーム自体は見えなかったけど、ちょうどOPの部分で、正直ゲームのOPがなかなか聴き応えがあってヤバい。ついでにOPを見ただけでもホラーゲームだってのは分かる。それ以上に、OPの日本語歌詞でこれは日本のギャルゲーを英訳したものだと知って、興味を持ってこのゲームの紹介を探してみたけど、実況動画以外はほぼ何も見当たらない。 好奇心が刺激されて、遊びたくなった。探し回ったけど見つからなくて、Steamしかなかった。 そこでこのゲームのSteamページで購入した。700MBちょっとで、英語と日本語に対応。音声はないけど、Windows / Linux / Macの3プラットフォーム対応なのが嬉しい。ダウンロードを終えて、ゲームの道のりが始まった。 ただ言いたいのは、このゲームの道のりは本当にスリリングだったってこと……

『翠の海』レビュー

『翠の海』を知ったのは2年前。ゲームCGの1枚を見かけて、月明かりの下のヒロインがあまりに綺麗だったから、もっと何枚か探そうと思って検索してたら、CGがおかしなことになってるのに気づいた。同じポーズでヒロインが血の付いた包丁を握ってるCGがある。ああ、はいはい、分かった、闇落ちヒロインの設定なんてそこら中にあるし。調べるとどうやら漢化組が翻訳中らしい。じゃあ中国語版を待とう、と待って待って、待ちに待って、俺みたいな雑魚が生肉に手を出し始める頃になっても漢化の報せは来ない。仕方ないから本体に手を出した。 このゲームについてはあまり知らなかった。プレイ前にざっと見た感じ、評価はおおむね好評。ただ誰もシナリオには触れてなくて、選択肢を間違えると死ぬ、とだけ書いてあった。 「男主が死ぬくらい大したことじゃねえだろ。」 というわけでゲーム開始。