感想

『枯れない世界と終わる花』レビュー

『枯れない世界と終わる花』は、最初はすごく矛盾した印象を受けた作品だった。期待もあり、少し怖さもあった。 期待したのは設定が面白いからだ。何の話なのかほとんど見えてこないのに、作画もキャラデザも、CVまで心地よく感じられた。 少し怖かったのは企画とシナリオが雪仁だから。この雪仁って誰か? 彼の他の作品は知らなくても、一つだけ確実に知ってるやつがある…… ネコぱら、英語名は Neko Para。中国語名は知らないが、あだ名なら知ってる。「艹猫」、Steamでバカ売れしてるやつだ。 しかも彼は中国出身の絵師さよりと一緒に抜きゲーを二本も作ってる。そんなシナリオライターが突然、自分の新作を出して、設定もなんか意識高い系っぽいとなれば、簡単に地雷じゃないと信じられるわけがない。 でも先月このゲームの体験版を遊んで、疑問はさらに深まった。体験版でもほとんど何も説明されてなくて、このゲームが何を言いたいのか、テーマは何なのか、やっぱりわからなかった……世界観は架空っぽい。こういう架空の話はゲームではそんなに多くないけど、日本のアニメには毎回ある。最近だと『壊れた世界とガラスの花』。偶然このゲームのタイトルもフォーマットが似ていて、余計に疑念が深まった。最後までイキり倒して、結局何も言えてないんじゃないかと…… もちろん遊んだ後は、そんな疑念も消えた。むしろ、このゲームを間違って捉えていた。単なる「文芸イキり」ゲーじゃなくて、むしろ童話に近い。 そう、童話。子供が寝る前に母親が読み聞かせる「Long Long Ago」「昔から」「むかしむかし」のあの話…… だからこのゲームの世界と風景がこんなに「童話」的なのも無理はない。

Sounder Honeycomb 2S+ Bluetoothスピーカー をしばらく使った感想

父がBluetoothスピーカーが欲しいと言った。携帯と繋いで音楽を聴くためだと。 家にいるときは毎朝早くからスマホで大音量のドンドコ音楽を流して俺を叩き起こしてるくせに、まあそんなツンデレな父の頼みだし、「ついでなら適当に買ってきてくれてもいいけど、もちろん買わなくても自分で買えるし、別に頼んだわけじゃないぞ」みたいな顔をしてるけど、断る理由もない。親にお金を使うのは価値があることだ。 とはいえ初めてこれを買うわけで、あまり高いのは嫌だ。Boseなんて買ってやるのはちょっと勿体ない。まずはコスパのいいやつにしよう。父がうっかり無くしても惜しくないし。 あれこれ選んで、SounderのHoneycomb 2S+に決めた。ちょうど京東(JD.com)で特価をやっていて、299から100引き、さらに白条小金庫クーポンを使って、最終的に169元で購入。

『Your Diary + H』レビュー

Your Diary は CUBE のゲームで、たぶん……2年前に、私はその漢化版をプレイした…… うわもう2年かよ!!!全然そんな気しねえのに!!! もちろんこのゲームは私にかなり良い印象を残した。ギャルゲーを始めたばかりの奴に「おすすめは?」と聞かれたら、だいたいいつもこれを勧めている。理由は簡単で、絵が良い、音楽が良い、シナリオは多少ベタだけど毒はない。しかも王道で前向きな話だから、ギャルゲーに触れてみたい新入りに勧めるには最高だろ! 当時はこのゲームの日本人の評価をあまり見ていなかった。後で CUBE という会社の資料を調べたときに見てみたら、Your Diary の日本人評価はそんなに高くないことが分かった。私はこの手の話なら80点くらいあってもいいと思うんだが、実際はぎりぎり70点を保つ程度だった。面白いことに、一部の日本人はこのゲームを「つまらない」と言っていた。 つまらない、か……うーん、私も何とも言えない。当時思ったのは、日本のオタクは「超展開」が大好きだから、Your Diary の話は全部テンプレだと思ってつまらなく感じたんじゃないか、と。 もちろん今、改めて日本人の評価を見返すと、彼らの言うことにも一理あると思う……
広告

『魔女こいにっき』レビュー

他人がどうやって「物語を読むときの『没入感』」を追い求めているのか知らないけど、まずは自分の考えを話そう。 多くの場合、何かの物語を見ると、似たような筋書きが自分にも起きたことがあるなと気づく。物語の中の結末が自分の人生のどこかと同じだったり、あるいは始まりだけ同じで結末は違っていたり、物語の誰かが現実の友人や知り合いにそっくりだったり、あるいはそういう物語の主人公が自分に似ていたり、とにかくいろいろだ。そういう物語を見るたびに、自分のことを思い出す。物語の展開が現実と違うせいで、人生の悔しさや感慨にふけることもある…… ただそれだけだ。 そう、それだけ。自分が主人公になったと想像したことはないし、ゲームの主人公が出会う女の子が自分の彼女になったと想像したこともない。このキャラかわいいなと思うことはあるけど、それだけ。俺を知ってる人なら気づいてるかもしれないけど、ゲームで好きな女の子を「嫁」と呼んだことは一度もないし、「XXX 俺の嫁」なんて言ったこともない。ゲームのキャラを好きになるのは、その子の物語が好きだから、性格が好きだから、その子の言葉が好きだから。容姿に関しては……正直、日本の画風なんて数えるほどしかないし、一人の絵師が描くキャラなんて機械の量産品みたいなもんで、誰を見てもだいたい同じに見える。だから性格と物語で決まる部分のほうがずっと大きい。 俺が大事にしている考えはこれだ。キャラクターは物語によって豊かになる。これは物語の中だけの話じゃなくて、人生も同じだ。風雪をくぐり抜けて複雑な過去を持つ人間は、自然と話し方や振る舞いに独特の魅力が出る。まあ誰だって昔話をひとつやふたつ語ってイキることはできる。見てくれよ、こんなにパッとしない俺だって、いつも昔の話をちょっと持ち出してはひけらかしてるじゃないか。 だから絵師の単体の絵を眺めることはほとんどない。Twitter で好きな絵師の画風があっても、見て、シェアして、かわいい綺麗だとつぶやくくらい。保存はしない。アイコンにすることもあるけど、すぐ変える。失礼な気がするからだ。 そう、物語の裏付けがなければ、空っぽのキャラクターには意味がない。人がただそこに立っているだけでは、性格も声も振る舞いもわからず、その人についてほぼ何も知らないのと同じだ。勝手に好きだと言うのは、ほぼ空論だ。 キャラの画像は集めないけど、これだけゲームをやってるとさすがに集めたものはある。ほとんどはゲームの音楽だ。さっき言ったスタイルと同じで、ゲームの曲を聴くときもだいたいストーリーをやったことのあるゲームの曲、特に OST を聴く。曲を聴くとゲームの物語が思い出されるし、物語の中のキャラも思い出される。たまたまどこかのゲームの曲がいいなと思ったら、しばらく聴いてからそのゲームをやりたくなる。この曲の裏にはどんな物語があるのか見てみたいと。 だからある日『永遠の魔法使い』を聴いて、すごく興味が湧いた。どんな物語なのか。八方美人な人間が、魔法を使ってもどんな願いも叶えられず、諦めようとする…… だから『魔女こいにっき』をやった。

『愚者ノ教鞭』レビュー

誰にでも夢はある。ただその夢は年齢や生活状況によって少しずつ変わっていくものだ。 でも、子供の頃に最初に浮かんだ夢といえば、先生が「大きくなったら何になりたい?」なんて質問をしてくるあのクソみたいなやり取りを除けば、本当のところは学校に関係したことだったはずだ。 俺の友達の蟹ボスの夢は、学校の向かいにネットカフェを開くことだった。 「学校の向かいにネットカフェ開いて、最高のマシン入れて、最高の会員制度作って、最高の学生を集めて、あのクソ先生どもを悔しがらせてやるんだよ」 当時の蟹ボスはネットカフェでゲームするのが大好きで、まあ……俺もよく連れて行かれた。 もう一人の友達、套さんの夢は、この世の全ての女を犯し倒すことだった。

『カノジョ*ステップ』レビュー

今年の日本のエロゲー開発各社が一体何を間違えたのか知らないけど、今年の新作の大半は……以前と比べて明らかに劣化してるようにしか思えない。 年明けの はにかみclover に始まり、途中のいろんな奇作、たとえば サクラノモリ†ドリーマーズ みたいな上智下愚なやつ、キミトユメミツ みたいなわけのわからない不快感を覚えるやつ。好評だった まいてつ すら、あの私物化した政治ショーがレベルを下げてると思うし、Saga Planets の新作 は最終結末は創意工夫があったけど共通ルートの退屈さは隠せないし、八月社 はもう言うのも面倒くさい。考えれば考えるほどダメで、しばらくするとあのダブルスタンダードな日本人どもがこのゲームを80点未満に落とす勇気があるのか見てみたくなる。 概していえば、「物語主導」のゲームが軒並み明らかに退歩していて、最初から最後まで大麻でも吸ったかのようにスカっとさせてくれる作品が一つもない。おかげで過去の作品で自分を麻痺させる羽目になって、新作のストーリー系をやればやるほどクソみたいな気分になる。

『学☆王 + PSP Ver』レビュー

正直な話、俺はもうほとんどただの萌え豚になりかけている。 萌え豚って何かっていうと、もう物語とか筋書きとかどうでもよくなってて、女の子が可愛くて声が良ければ、俺はもうこのゲームはアリだと思う。他の奴がダメって言っても、俺は無理やり理由をこじつけてでもアリだって言う、そういう感じの…… まあそれも仕方ないよな。何せこの世界は顔で決まるんだから。

『Magical Charming!』レビュー

昔からギャルゲーが、お姫様みたいなアホな硬派ヅラの連中から疑いの目で見られ、見下されてきた最大の理由はこれだ。こいつはゲームとは言えない。 俺もゲームとは思ってない。せいぜい音声付きの読み物だ。何度も言ってるが、海外の連中が日本のエロゲーについて語るときに使う言葉は全部 Visual Novels だ。日本のオタクが真面目な顔で「今月もエロゲーやってる」と言ってる横で、海外の連中は What are you reading? と言ってる。もちろんギャルゲーってやつは本質的にどんどん小説化していて、作画やストーリー、音楽、エロ要素、はては初回特典だけで金を取る商業製品になってしまった。開発コストもそんなに高くないから、小さな同人サークルがギャルゲー会社から始めることも多い。どことなく中国の若者の起業って感じがする。 だが、昔はそんなもんじゃなかった。
広告

『タユタマ2 -you’re the only one-』レビュー

去年、Lump of Sugarこと角糖社がゲームを二本出した…… どっちもどっちも酷くて、一本目の恋想リレーションはシステムが意味不明だしシナリオもこれといった見どころがない。二本目のコドモノアソビはシナリオがほんのちょっとマシになった気がするけど、絵がひどすぎる! 面白いことに、以前の糖塊社のゲームを見てみると、2014年、もっと前は年に二作品出していた。設定は相変わらず頭が悪い感じだけど、まだ絵はマシだった。あの運命線上のφもやったことがあって、システム自体はなかなかイカしてたんだけど、推理を売りにしたゲームなのに話がとにかく笑える…… だからずっと思ってたんだよ、このLump of Sugar、つまり糖塊社のゲームは量産っぽいなって。適当に企画を立てて会議して、脚本を集めて(脚本家もほぼ固定じゃない)、絵師は萌木原ふみたけで固定、音楽はまあまあ、唯一戦力になるのはこの会社のプログラマーだろ。色んな奇妙なゲーム方式を考え出すんだよ、キーワードを掴むやつ、フルーツを切るやつ、時間制限で隠し第三の選択肢があるやつ。前にどこかの日本人が書いたエロゲー内幕記事によると、Lump of Sugarは萌木原で初回限定版の売上を一発稼いだらあとは知らん顔、って感じらしい。話は別に面白くないし、CVと絵とプログラムで食ってるようなもん。だから正直、糖塊社のゲームは真面目にやらない(クソ会社のゲームをやるときと同じで)、適当に流して終わり…… でも今年の糖塊社はちょっと違う気がする。今年は会社設立十周年だから、毎回发布会を開いて新作を発表するのもバカバカしいと思ったのか、腰を据えて記念になるゲームを一つ作ろうとしたのか、十年前に一番デカい賭けをした『タユタマ -kiss on my deity-』の設定を引っ張ってきて続編を作った。『タユタマ』って結構覚えてる人いるだろ、アニメがあるからな。アニメは『遊魂』ってタイトルで、当時糖塊社はこのゲームのアニメとゆずソフトの天神乱漫をコラボさせてた。飛んでるだろ、投入してるものが本当に多い。で、今回その古い設定で続編を作った。どことなくAlcotがClover Day’sを作ったときの感じに似てる。歴史を振り返り未来を展望し、継往開来、着実に前進、と。 続編のタイトルは『タユタマ2 -you’re the only one-』。設定は一作目を継承していて、一作目は人間と太転依の対立がテーマだった。二作目は一作目の主人公たちが築いた「人間」と「太転依」が平和に共存する小さな町が舞台になっている。 主人公の草壁空は、一作目のヒロイン泉戸ましろが養子にした太転依の泉戸こはくに出会い、助けてやる。するとこの娘、男主はいい人だと思ったのか、家に連れて行って母親の前で「この人と結婚する」と言い出す。