海原望

『徒花異譚』レビュー

ANIPLEX.exe が金をつぎ込んで Visual Novel Game を作るにあたり、《ATRI -My Dear Moments-》以外にも、かなり独特な絵柄の《徒花異譚》を世に送り出している。これは Liar-Soft とのタッグ作で、いかにも古株のやり方だ。マイナーどころの Liar-Soft を引っ張ってくるあたり、エロゲー好きからは「分かってる」と唸らせるものがある。 『徒花異譚』しかも大体想像がつく。ANIPLEX.exe が出したこの2作品は狙っている層が違う。『ATRI -My Dear Moments-』は明らかに「ライトな二次元萌え豚向け」で、『徒花異譚』のほうはなかなか硬派だ。 もちろんこの「ハードコア」も俺の勝手な思い込みでしかなくて、それほど長くもないこのゲームをクリアしたあとに言えるのは、この『徒花異譚』はゲームというより、むしろ本物の「短編ファンタジー小説」だということ。「小説」は人生の大いなる教訓なんて教えてくれない。もたらしてくれるのは、心にじんと響く何かだ。 『徒花異譚』が具体的に何を語っているのか、細かくは書かない。プレイするまでの手間はほとんどの人にとって大したことじゃない。脚本は『蝶を探す者』を書いた海原望だが、「恋愛ゲーム」の枠を外れたぶん、かえって物語は余裕をもって見える。

『バタフライシーカー』レビュー

バタフライシーカー、今年の3月のゲームで、つい最近ようやく全ルートクリアした。 最初にこのゲームを触りたくないと思った理由は、ひとえに脚本の海原望が個人的に好みじゃなかったからだ。 海原望はたぶん Liar-soft の人で、彼が関わった作品をいくつか遊んだことがある。悪いとは言わないが、いつも大きな違和感を覚える。その違和感は原画や設定そのものから来るものではなく、たぶん脚本や会話の描写のところから来ている。だから今回バタフライシーカー の脚本がまたこいつだと知って、正直触る気が失せた。 とはいえ遊ぶゲームが本当にない。萌えゲーは好みじゃないし、他の人が神ゲーと持ち上げるようなゲームも好みじゃない。自分が好きなのはどちらかというと昔ながらの「ミステリー」「謎解き」「物語」で、あれこれ探した結果、上半期の残りはバタフライシーカー くらいしかなかった。 結局このゲームをやったわけだが、他にやりたいものもなかったのでかなり真面目にプレイして、全通した後はなかなか良いじゃないかという気分になった。 海原望のゲームを最後まで遊べたのはこれが初めてかもしれない。海原望は星空めておの別名だと言う人もいるけど……星空めておはよく知らないのでまあいいや、ははは。