ゲーム
これまでずっと柚子の大コケを期待してたんだけど、困ったことに柚子のゲームはどれも安定していて、なかなかコケない。制作工程がほとんど流れ作業だからだ。
ゲームのテーマ設定を一つ決める テーマに沿ってキャラデザを固める シナリオライターに話を分担させ、各エピソードを書かせてつなぎ合わせる 宣伝を開始、毎日カウントダウンアニメを公開 キャラソンを公開、さらに宣伝 キャラソンの曲をRemixしてゲーム内のOSTに流用 ゲーム発売 しかも柚子のゲームは絵師がほぼ固定なので画風は保証付き、声優も実力のある人ばかり。遊んだ後に「地雷」だと感じることはまずない。せいぜい「シナリオが普通」「話がテンプレすぎ」「設定がちょっと幼稚」と思う程度で、飛び抜けてはいないが、決して悪くはない。
こうした品質が「不合理な鋼の柚信者」を大量に生んできた。以前SNSでRiddle Jokerのシナリオが知恵遅れだと書いたら、Telegramまで追いかけられて「ぷんぷん」と言わんばかりに絡まれたことをなんとなく覚えている。柚子のゲームの魔力がどれほどか分かる。ただ柚子のゲームの特性上、ファンの年齢層は低めで、未成年も少なくない。Twitterで未成年がYuzu liveに行こうとして断られ、メンタルをやられた投稿を見たこともある。だから僕は「ゆずソフト」に対して愛憎半ばなんだ。
好きな理由は、確かにギャルゲーの基準の一つだし、いつも好きな声優を起用してくれるから、 嫌いな理由は、ずっと流れ作業で萌え豚の餌を生産していて、革新がないから。
柚子に革新がない影響は柚子自身にとどまらない。新作を出せば年度販売数1位というカルト企業が、流れ作業のままで楽に稼げるなら、他社も真似するに決まっている。全ギャルゲー会社が柚子みたいになったら、業界は本当に終わる。
でも今年の柚子はどうやら本当に何かが違う……
しかも大コケした……
「死オタ恋愛マニュアル」みたいな記事を書こうとして放り出したことがある。実は構想はあって、目処も立っていたんだが、ずっと筆を取らずにいた。書くとあまりに複雑になるからだ。本物の恋愛はエロゲーとは違う。相手は画面の向こうの設定された二元キャラじゃなく、生身の人間なんだから。本物の人間にはいろんな性格や特性がある。つまり君が向き合う本物の「女の子」は、何十本ものエロゲーのヒロインたちの集合体みたいな属性を持っているかもしれない。現実で出くわす「イベント」は、別々のヒロインの別々のルートに散らばっていて、使いこなして融通を利かせないと対応できないのかもしれない。
とはいえ、大半のオタクにとって問題はそこじゃない。本人のコミュ力の問題だ。
何人かの「オタク」と接したことがあるが、彼らはいつも相手が見つからない、女の子が話してくれないと愚痴る。でも実際は……女の子どころか、男だってあまり話したくない。彼らは口を開けば自分ワールド全開で、外界との交流を拒み、自分を身体の中に閉じ込めておいて、他人が自分の内面を分かってくれないと文句を言う。
コミュニケーションは双方向だ。相手に自分を知られることを許さず、それでいて相手を解剖して見せろ、選ばせろというのは、特殊な趣味のエロゲーの世界でしか起きない話だ。
もちろんエロゲーと一口に言っても、こういう「ファンタジー作品」ばかりじゃない。かなり現実に寄り添ったものもある。たとえば HOOK や SMEE の作品だ。
かつて SMEE のゲームは「オタク脱却」を後押しすることに力を入れていた。HOOKSOFT のゲームはどれも伝統的な「学園幻想恋愛」で、なぜ「幻想」かといえば、HOOK の作品には設定上いつも奇抜なアイデアがあるからだ。ロボットとか、仮想現実とか。しかも HOOK のゲームには必ず「学園内チャットシステム」があって、主人公たちの行動をリアルタイムでツッコんでくれる。
ところがここ数年、そういうものが全部なくなった。HOOK の特色はほぼ消え失せて、今では HOOK のゲームを見ても SMEE と区別がつかない。
だから今回の HOOK の新作は、完全に SMEE の味がする作品だ。『どっちのiが好きですか?』
『絆きらめく恋いろは』は、俺がかなり独創的でそこそこヤバいと思っているゲームだ。魅力は多い:
十分に優れたBGM 引き込まれる戦闘 ヒロインの成長を丁寧に描いた、共感しやすい物語 悪くない画風 しかもこのゲームは日本だけでなく中国でも人気で、どこでも「つばきは俺の嫁」と叫ぶ声が聞こえてくる。この会社はさらに勢いに乗ってつばき専用のファンディスクまで出し、製品の熱を保ちつつ、もう一波乱ぶんどったわけだ。
気づけば2019年の暮れ、このゲームに続編の噂が流れ始めた。続編のタイトルは『白刃きらめく恋しらべ』。正直、俺はこの続編をかなり安心していた。これまでのシナリオのスタイルはもう安定しているし、CRYSTALiAの親会社であるAMUSE CRAFTも金に困っているようには見えない。きっと良い続編になるに違いないと……
だが引っかかったのは、このゲームの発売直後、『絆きらめく恋いろは』の企画とプロデューサーを務めた智斗紅がTwitterで妙なことを言い出したことだ:
夏の時点で退職したと述べ、新作のツイートはほとんどリツイートしておらず、回しているのは旧作の情報ばかり。さらに新作では名前を貸しただけで、実際は何もやっていないと明かしている。
これ、どういう感覚なんだ? 普通、ゲームのプロデューサーがこういう反応をするのはどんな時だ?
ゲームの出来が悪くて自分でもクソだと思っていて、叩かれるのが怖くて慌てて責任を逃れようとする時しかないだろ!
『きまぐれテンプテーション』はホラー系で知られるSilkyplus wasabiの新作だ。これまでの作品はどれも陰惨でグロくてオカルト色が強いものが多かったのに、今回は意外にも萌え抜きっぽく見える。最大の理由はメイン絵師がきみしま青に変わったからだろう。
しかもこの作品、エロゲーとしては値段がやたら安い。遊んだ萌え豚たちが「地雷」と叫んでいる。俺が前に言った通り、「萌え豚が地雷と言うゲームは絶対に面白い」。だから俺も見ることにした。終わってみると気分は複雑で、「特別に凄い」わけじゃない。むしろ「意味不明」という印象のほうが強い。というわけでこのゲームを解剖して、思うところを書いてみる。
一、
俺は20歳の童貞、セックスライフというものがない種類の童貞だ。
友達にクリスマスパーティーに誘われて、そこで可愛い女の子をいろいろ紹介してやると胸を叩いて約束された。
しかし偉大なる童貞である俺が、そんな場を乗り切れるわけがない。
だから俺は果断な決断を下した!
逃げた……またしても。
『プラマイウォーズ』は Asa Project の2015年のゲームだ。実はこのゲーム、Asa Project の作品の中では立ち位置がちょっと微妙で、過渡期というか。おふざけと顔芸を完全に捨てきれてないのに、純愛寄りにもしたいみたいな、そういうノリが漂ってる。
もちろんゲーム自体の姉ルートは悪くないし、俺の印象では Asa Project は珍しい「移植版が良心的なメーカー」で、全年齢向け携帯機に移植されるときは、もともとのサブキャラを昇格させて攻略可能にするだけでなく、新しいキャラのルートまで追加してくれる。しかも新キャラの CV はたいてい「最近ちょっと売れてるアニメ声優」ときてるんだから、誠意しかない。
たとえば:
恋愛0キロメートル PSP版、ヒロイン2人を昇格、ヒロイン2人を追加。CV は阿澄佳奈と田村ゆかり。
一つ飛ばし恋愛 PSV版、ヒロイン2人を追加、CV は佐倉綾音、丹下桜。
そして今回話すゲームがこれだ:
プラマイウォーズV、ヒロイン1人を昇格、ヒロイン1人を追加、CV は洲崎綾。
こういう移植版の誠意を見ていくと、だんだん公式が手抜きになってるのも分かるし、今回のゲームもどんどん手抜きになっていくのが分かるだろ。
CLOCKUPがまた来た、昏式龍也もまた来た。前回の「狼と羊」のゲームに続いて、両者がまたタッグを組んで新作を出した。
もちろん俺はCLOCKUPのほうが強いと思うけど……昏式龍也?どちらさん?
ゲーム名はDEAD DAYS。最初の宣伝を見たときは、あの有名な漫画とその実写化作品「学園黙示録」をどうしても思い出してしまった。頭の中は「街中ゾンビだらけ、主人公一行がひたすら逃げ回る」映像でいっぱいだった。ところがゲームを開いてクリアしてみると、膝を叩いて叫ぶしかなかった。
「騙された!」
厳密に言えばこれは「ゾンビサバイバルゲーム」なんかじゃない。むしろ「チンピラが更生するゲーム」で、せいぜいちょっとSFっぽい外皮を被せただけの代物だ。
「友達以上、恋人未満」は日本語でよく使われる言い方で、恋愛関係の曖昧さを表す言葉でもある。意味は多くの人が分かっている通り、二人の関係が「友達を超えているけど、まだ恋人には達していない」という程度のことだ。
もちろん「恋人」に達した後も、本当の「夫婦」になるまでは同じような過渡期と距離があるわけで、だから「恋人以上、夫婦未満」という言い方も出てくるはずだ。
そこでSMEEが最近出したファンディスクで、その名前をそのまま引用して『Sugar*Style 恋人以上、夫婦未満』と名付けた。
実際、このファンディスクの位置づけにも合っている。何しろ大半がアフターストーリーで、当然ながら恋人になってからの話だからだ。
日本国内のギャルゲー産業がじわじわ落ち込むにつれ、Steam というプラットフォームに目を付けて海外市場を開拓しようとする連中が増えてきた。最初に一歩を踏み出したのはおそらく WillPlus で、Steam で『If My Heart Had Wings』(この大空に、翼をひろげて)をリリースした。だがこのゲームはかなりの批判を浴びた。Steam の審査基準を満たすため、そして欧米ユーザーに媚びるために、大量の削除と改変が行われ、エロ要素は消され、挙句ストーリーまで原作と違うものになったからだ。この行為に多くの Weeboo が反発し批判し、中には「原作復活」パッチを作ってゲームをこれ以上「調和」されていない状態に戻そうとする者まで現れた。
ああそうだ、Weeboo が何か知らない人もいるかもしれない。ネット上の説明によれば、Weeaboo is a mostly derogatory slang term for a Western person who is obsessed with Japanese culture。中国語で言えばもっと簡単、Weeboo=欧米人種の中の死宅である。
何年前だったか、『人類は衰退しました』という小説原作アニメがあった。人類が理由不明で衰退したあと、世界を「妖精」が占め、人間であるヒロインが妖精たちと交流し「妖精を観察する」というエピソードを描いた作品だ。
原作は読んでないので、ここではアニメの話しかできないが、正直アニメもよくできていた。あのアニメを観終わったあとの感想は大体三つに集約される。面白い、SF、そして「よく分からんが凄い」。で、この「よく分からんが凄い」が一番印象に残る。あのアニメには何かを「暗示」したり「比喩」したりしているように感じるのだが、完全に対応する内容を見つけるのが難しく、作者が結局どの立場で何を言いたいのか、この物語が何を伝えたいのか……blah blah blah、しかしそれこそが『人類は衰退しました』の魅力なのだ。あまりに明確に立場を示すと、かえって詰め込み式の意見表明になってしまい、思考を誘いにくい。『人類は衰退しました』のように「琵琶を抱えて半ば顔を隠す」感じがちょうどいい。
そして注目すべきは、『人類は衰退しました』の作者、田中ロミオである。
これが初めてで、唯一の田中ロミオ作品との出会いだった。その後彼が書いたものにはあまり興味が持てず、詳しくも知らなかったが、先日『和香様の座する世界』というゲームが発売され、ゲームの脚本欄でまたこの懐かしい名前を見た。田中ロミオ。
そしてこのゲームは、かつての『人類は衰退しました』を思い出させた。
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