ゲーム

『あきゆめくくる』レビュー

エロゲー会社の中には、自社作品のテーマをアピールするために季節に絡めた企画を打ち出すところがある。 しかもその企画がエスカレートして、「四季作品」シリーズなんてものをやらかすことも……つまり、四季それぞれを舞台にした四つの作品を展開し、異なる物語を語るというわけだ。 目を覚ませ、日本に送ろうとして税関で止められた包丁やカミソリをしまえ。新島夕の話も、ナツユメナギサの話も、はつゆきさくらの話もしていない。俺が言っているのは渡辺僚一と木緒なちがタッグを組んだ「季節假名ABB」シリーズのことだ。

『Amenity's Life』レビュー

日本のことを抗日戦争と蒼井そら・松島楓先生のレベルでしか知らない連中が日本に抱く印象といえば、「変態」「思考回路がぶっ飛んでる」「プレイが多様」「歪んでる」とか、まあそんなところだろう。 この手の見方も理解はできる。だってほら、少なくとも中国大陸で目にする日本の社会ニュースといえば、足フェチがコーラ片手に他人の足を30分舐めたとか、耳かき専門のマッサージ店とか、奇妙奇天烈なサービスとか、見た目は完全に無意味なのに妙に気持ち悪いオタク用オナホとか、女の大便を専門に食べるとか、聖水を飲むとか、もうキリがない…… 本来、日本は道徳的抑制が非常に厳しい国のはずなのに、そういうものがあるからこそ、発散の場は逆に開放的になるわけだ…… とはいえ、他の地域だって歪んでないわけじゃない。大陸の社会ニュースを漁ってみれば、歪んだ例は少なくない。俺の知り合いの中学の女子同級生なんか、朋友圈で「鄭州の大通りで純血の『足フェチ』に遭遇して、丁寧に足を撮らせてほしいと頼まれた」って書いてた。しかもキスしたいとも言われたとか……で、その同級生はOKしたらしい。 これが本当の「歪み」や「変態」なのかは分からんが、言いたいのは、社会の常識から外れた連中なんて世界中どこにでもいるってことだ。ただ日本がそれを進んでスポットライトの下に引っ張り出してるだけ。 「オタク」と「ACG」文化は最初から「色情」の沼にハマってるように見える。内容の大半は性にまつわるものだ。もっとも、そんなもんを見てる連中に性経験があるわけでもないんだが……だから他人からの印象も良くなるはずがない。同級生が俺を他人に紹介するとき、気を利かせたつもりで「この子のことは気にしないで、二次元だから君らには興味ないの」と補足したときの、あの何とも言えない気まずさよ…… ACG文化が生んだもっとぶっ飛んだ発想のおかげで、日本には「萌化」と「娘化」という面白い趣味がある。女の子が見つからないなら、身の回りのモノを女の子にしてしまえと。電車が女の子になれば、電車に乗るときはまるで女の子の身体の中に入った気分になれる。万年筆が女の子になれば、ペンを握るときはまるで女の子の細い指を揉んでいる気分になれる……コーラが女の子になれば、ペットボトルを揉むときはまるで黒タイツを撫でている気分になれる。ポカリスエットが女の子になれば、君が……ああもういい。 だからAnimeだろうがComicだろうがGameだろうが(まあACGって言葉を日本人が作ったわけじゃないし、向こうはマンガでComicなんて使わないけど)、「モノが娘化して主人公になる」ゲームは必ずある。特にGalgameではな。俺は草泥馬の娘化も見たし、クジラの娘化も、ロボットの娘化も、カメラの娘化も、電車の娘化も、妖刀の娘化も見てきた。人間じゃない鬼や神なんてもちろん、動物やら何やらもな……だから今さら「あるゲームのヒロインがスマホの娘化です」と言われても、これっぽっちも驚かない。 いや、驚くどころか、むしろ当然だろと思う。俺は毎日自分のスマホを30分撫でてるんだが、もしかして心の底ではもうスマホを女の子だと思ってるんじゃないか?

『初恋サンカイメ』レビュー

『初恋サンカイメ』というゲーム自体、宣伝を見た時から不思議だった。初恋サンカイメの中国語の意味は「三度目の初恋」だ。 普通、初恋ってのは「初」を強調するもんで、最初がなければ二度目は初恋とは呼べない。なのになんで三度も初恋があるんだよ、と。 このゲーム自体、元々そんなに興味はなかった。宣伝も見た感じそんな感じだったし、仙台のおばさんが女一号だし、他の人もあんまり知らないし。唯一やりたい理由があるとすれば、上原あおいが声を当ててる妹がいるってことくらいか…… もちろん俺は妹萌えじゃない。念のため言っておく。 ただ、やってみたら予想以上だった。というか、今年に入って「物語を完全に整理しきった」ゲームを見たのは初めてかもしれない。少なくとも良作のレベルにはあるだろ? 個人的に唯一の引っかかりは、なんで男主の恋が「三度目の初恋」と呼ばれるのか、ってことだ。むしろ最初からゲームが合理的な説明をくれることを期待してた。
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『グリザイアの旋律』レビュー

人生の多くのことは予測できない。そういうのは自分一人の奮闘だけじゃどうにもならなくて、結局は歴史の行程次第なところがある。 物事はどれも突然起きる。たとえばだ、お前が一人のオタクだったとする。そこへ突然、新しいお見合い相手を紹介すると告げられる。

『Re:LieF』レビュー

ネット上には「もう一度学生時代に戻れたら」という仮定が山ほど転がっていて、その仮定をめぐる議論もたくさんある。 もちろん俺にもその発想がないわけじゃない。友達と可能性を語り合ったこともある。 高校時代の俺はクズだった。試験はいつもギリギリ合格、学年ビリの淵をふらふらしていて、それに何の問題も感じていなかった。毎日ネットカフェに走るか、親戚の家に行くか、パソコンがある同級生の家に行って掲示板を巡回し、何か遊べるものはないかと探していた。確かPocket PCを貯金して買って、いつも同じ掲示板をずっと見ていて、しまいにはそこの版主にまでなっていた。 若かった俺は勉強がかなりゴミだった。国語は新聞を読んで文章を学び、英語はゲームで覚え、数学は……わからないわけじゃない。ただ先生が導き方を教えず、過程を乱暴に押し付けて「覚えろ、次にこの手の問題が出たらこうやれ」で済ませるだけだった。物理はたぶん全部わかっていたのに、出てくる問題はいつも妙なところで書き間違えた。化学は完全に興味ゼロ、生物の先生には俺の知能を疑われているような目で見られた。 夜、日本語やいろんなことを勉強しながら思うことがある。今のネット環境は最高だ。Googleが使えるかどうかはさておき、問題にぶつかってもYahoo!知恵袋を覗けば、誰かがわかりやすく原理を教えてくれる。俺の高校時代はネットに繋ぐことすら面倒で、当時Googleを自由に使えたとしても何も検索できなかった。中国語のリソースがなさすぎたし、英語なんて当時の俺のレベルじゃおぼつかなかった。 だから今のネットは俺にとって「図書館」みたいなものだ。必要な知識を高速で検索できて、教科書の解説すら要らない。ある程度の判断力があれば、ネットを通じてほとんど何でも学べる。 で、今の俺はいつも思うのだ。勉強する時間が足りない、仕事はクソほど忙しい、本を読んでいてもネットの雑音が多すぎる。学校に送り返してくれるなら絶対すごいのに、少なくとも昔のクズだった自分よりはすごいはずだと。 だからこの「もしも」は他人とも議論した。「お前、今学校に戻ったら絶対すごいぞ」と。向かいに座ったネズミは俺のホラを聞き終えると、グラスのビールを飲み干した。 「バカ言え!」 そう吐き捨てた…… 俺はポカンとしたまま残された。 ………………

『夏彩恋唄』レビュー

恥ずかしながら、自分ではそれなりにタフな人間だと思っているんだが、人生で初めてジェットコースターに乗ったのは4年前のことだ。 勤め先がタダで鄭州の「方特」とかいう遊園地に連れて行ってくれたので、そこで人生初のジェットコースターに乗った。 感想は……うまく言えないが、とにかく前立腺がえらく不快だった。

『断罪のマリア』レビュー

以前、乙女ゲーを遊ぶオタク女子のぼやきを見たことがある。「大抵のギャルゲーではヒロインがすぐ死ぬ。そして乙女ゲーでもヒロインがすぐ死ぬ。もう、男性向けでも女性向けでもヒロインは大概ろくな目に遭わないから慣れた」と。 確かにそうだなと思った。多くの物語で女性はひたすらか弱い存在として描かれ、男性に守られるものとされる。ギャルゲーの先輩ヒロインでさえ、後半になると実はそんなに強くなくて、内心は脆いんだよ、みたいな描写が入る。これ自体が性別で決まっているようなものだが、それを変えようとするゲームもあるにはある。 もちろん男性向けの作品でヒロインが男主を引っ張ってキャリーする展開は現実的じゃない。何せ男主は「最弱」設定なのがお約束で、実際は最後にはチートになるんだから。せめて女性向けゲームで、ヒロインが最強という設定に挑むものがないか見てみるしかない。 というわけで断罪のマリアは、まさにそういうゲーム……ではある。完全にそうではないが、かなり近い。少なくともヒロイン本人の戦闘力はゲーム中最強だ。

『Your Diary + H』レビュー

Your Diary は CUBE のゲームで、たぶん……2年前に、私はその漢化版をプレイした…… うわもう2年かよ!!!全然そんな気しねえのに!!! もちろんこのゲームは私にかなり良い印象を残した。ガルゲームを始めたばかりの奴に「おすすめは?」と聞かれたら、だいたいいつもこれを勧めている。理由は簡単で、絵が良い、音楽が良い、シナリオは多少ベタだけど毒はない。しかも王道で前向きな話だから、Galgame に触れてみたい新入りに勧めるには最高だろ! 当時はこのゲームの日本人の評価をあまり見ていなかった。後で CUBE という会社の資料を調べたときに見てみたら、Your Diary の日本人評価はそんなに高くないことが分かった。私はこの手の話なら80点くらいあってもいいと思うんだが、実際はぎりぎり70点を保つ程度だった。面白いことに、一部の日本人はこのゲームを「つまらない」と言っていた。 つまらない、か……うーん、私も何とも言えない。当時思ったのは、日本のオタクは「超展開」が大好きだから、Your Diary の話は全部テンプレだと思ってつまらなく感じたんじゃないか、と。 もちろん今、改めて日本人の評価を見返すと、彼らの言うことにも一理あると思う……

『学☆王 + PSP Ver』レビュー

正直な話、俺はもうほとんどただの萌え豚になりかけている。 萌え豚って何かっていうと、もう物語とか筋書きとかどうでもよくなってて、女の子が可愛くて声が良ければ、俺はもうこのゲームはアリだと思う。他の奴がダメって言っても、俺は無理やり理由をこじつけてでもアリだって言う、そういう感じの…… まあそれも仕方ないよな。何せこの世界は顔で決まるんだから。
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『Magical Charming!』レビュー

昔からギャルゲーが、お姫様みたいなアホな硬派ヅラの連中から疑いの目で見られ、見下されてきた最大の理由はこれだ。こいつはゲームとは言えない。 俺もゲームとは思ってない。せいぜい音声付きの読み物だ。何度も言ってるが、海外の連中が日本のエロゲームについて語るときに使う言葉は全部 Visual Novels だ。日本のオタクが真面目な顔で「今月もエロゲーやってる」と言ってる横で、海外の連中は What are you reading? と言ってる。もちろんギャルゲーってやつは本質的にどんどん小説化していて、作画やストーリー、音楽、エロ要素、はては初回特典だけで金を取る商業製品になってしまった。開発コストもそんなに高くないから、小さな同人サークルがギャルゲー会社から始めることも多い。どことなく中国の若者の起業って感じがする。 だが、昔はそんなもんじゃなかった。