ゲーム

『タユタマ2 -you’re the only one-』レビュー

去年、Lump of Sugarこと角糖社がゲームを二本出した…… どっちもどっちも酷くて、一本目の恋想リレーションはシステムが意味不明だしシナリオもこれといった見どころがない。二本目のコドモノアソビはシナリオがほんのちょっとマシになった気がするけど、絵がひどすぎる! 面白いことに、以前の糖塊社のゲームを見てみると、2014年、もっと前は年に二作品出していた。設定は相変わらず頭が悪い感じだけど、まだ絵はマシだった。あの運命線上のφもやったことがあって、システム自体はなかなかイカしてたんだけど、推理を売りにしたゲームなのに話がとにかく笑える…… だからずっと思ってたんだよ、このLump of Sugar、つまり糖塊社のゲームは量産っぽいなって。適当に企画を立てて会議して、脚本を集めて(脚本家もほぼ固定じゃない)、絵師は萌木原ふみたけで固定、音楽はまあまあ、唯一戦力になるのはこの会社のプログラマーだろ。色んな奇妙なゲーム方式を考え出すんだよ、キーワードを掴むやつ、フルーツを切るやつ、時間制限で隠し第三の選択肢があるやつ。前にどこかの日本人が書いたエロゲー内幕記事によると、Lump of Sugarは萌木原で初回限定版の売上を一発稼いだらあとは知らん顔、って感じらしい。話は別に面白くないし、CVと絵とプログラムで食ってるようなもん。だから正直、糖塊社のゲームは真面目にやらない(クソ会社のゲームをやるときと同じで)、適当に流して終わり…… でも今年の糖塊社はちょっと違う気がする。今年は会社設立十周年だから、毎回发布会を開いて新作を発表するのもバカバカしいと思ったのか、腰を据えて記念になるゲームを一つ作ろうとしたのか、十年前に一番デカい賭けをした『タユタマ -kiss on my deity-』の設定を引っ張ってきて続編を作った。『タユタマ』って結構覚えてる人いるだろ、アニメがあるからな。アニメは『遊魂』ってタイトルで、当時糖塊社はこのゲームのアニメとゆずソフトの天神乱漫をコラボさせてた。飛んでるだろ、投入してるものが本当に多い。で、今回その古い設定で続編を作った。どことなくAlcotがClover Day’sを作ったときの感じに似てる。歴史を振り返り未来を展望し、継往開来、着実に前進、と。 続編のタイトルは『タユタマ2 -you’re the only one-』。設定は一作目を継承していて、一作目は人間と太転依の対立がテーマだった。二作目は一作目の主人公たちが築いた「人間」と「太転依」が平和に共存する小さな町が舞台になっている。 主人公の草壁空は、一作目のヒロイン泉戸ましろが養子にした太転依の泉戸こはくに出会い、助けてやる。するとこの娘、男主はいい人だと思ったのか、家に連れて行って母親の前で「この人と結婚する」と言い出す。

『月影のシミュラクル』レビュー

『月影のシミュラクル』は無料ゲームで、発表されたときはけっこう驚いた。日本人が突然あるゲームを無料にすると言ったら、99%はカードゲームにするんだろうなと思ったら、カードゲームじゃなくて、ギャルゲー風の内容だった。 で、思ったよ。お前、ギャルゲーにするってことは、選択肢ごとに課金させるんじゃないのか? そしたらこの野郎、デカデカと「完全無料(ゲーム内課金無し)」って書いてやがる。 だから余計に疑問なんだよ。日本のエロゲー制作はもうやってけないって言われてるのに、なんで慈善事業なんか始めたんだ?それに、安売りで市場をかき回すなら、魅族みたいに発表会を開くもんじゃないのか? まあいい、とりあえずダウンロードして見てみるか……タダだし。それにしても、さすがはバカな日本のショボいサーバーだよ。公式サイトはすぐ落ちるわ、Dropboxのリンクはすぐに帯域超過になるわで、残ったのはGoogle Driveだけだった。さすがはグーグル先生だな。 日本人、自分たちでVPSの一台も借りるのってそんなに難しいのかよ??

『果つることなき未来ヨリ』レビュー

昔からよく、日本人は島国根性だなんて言われるよな。 島国根性って何かっていうと、実はこれ二つの意味があって、一つはスタンダードな島国根性で、外の世界の文化を受け入れようとしない的な。もう一つはネットでよく言われる日本に対するアレで、ちょっと逆だけど根源は同じ。つまり、自分とこは土地も資源も狭いし歴史も短い、片やアメリカに虐げられ、片や中国がじわじわ発展してきて国内もなんだか落ち着かない。内憂外患の警戒状態で、常に自分は暗黒の谷底にいて支配の淵に立たされてる、苦しみに備えなきゃいけないと思い込んでる感じ。 実際この危機感はすごく正しいんだよ。昔の人が言っただろ、「憂患に生まれ、安楽に死す」って。だから日本人はみんな努力するわけで、少なくともその点では、中国史で何度も「天朝上国の夢を見て叩き起こされた」のよりよっぽどマシだと俺は思う。 ただ「島国根性」自体は褒め言葉じゃない。歪んでて、ちょっと強迫的で妄想がちな現れだ。だからこういうメンタリティは日本の文化や作品のあちこちに顔を出す。アニメでもたくさん見ただろ? 日本が殖民されたり、革命が起きたり、家畜みたいに囲まれたり、世界が日本中心に滅びたり、などなど……(適当に言っただけだぞ。XX王冠とも、叛逆の三鹿とも、禁忌の巨人とも言ってない) で、類推するに、こういうメンタリティを反映したギャルゲーだって当然ある。例えば今回やった……『果つることなき未来ヨリ』。
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『千の刃濤、桃花染の皇姫』レビュー

俺は「ガンシュー」系のゲームはあんまり好きじゃない。すぐ飽きるのが分かるからだ。ぶっ放し系はいつも同じパターンばかりで、CSが流行った頃も長くは遊ばなかった。 楽しく遊べたのは、やっぱり中国語のRPGだな。最初に触れたのはみんなと同じく『仙剣』シリーズ。RPGをやる前はストーリーなんて全然読んでなかった。ぶっ放し系のゲームも当時は翻訳なんてなかったけど、GPSみたいなナビがあって、マップを開いてルート通りに進んで、見かけた奴を片っ端から殺せばよかった。でもRPGはストーリーを見なきゃダメだ。物語だからな。攻略だって、俺みたいに遊んだゲームの話をいちいち復唱するような暇人はいない。 だから『仙剣』シリーズから、最初は余杭県で誰かに会うたびにエンターキー連打で会話を飛ばしていたのが、蘇州城に着く頃には真面目に話を読むようになって、だんだん物語に溶け込んでいった。「ゲームの筋書き」の魅力を味わったわけだ。もちろん当時の「ガンシュー」に筋書きがなかったわけじゃない。ただ当時のゲームは筋書きの表現が少なかったんだよ。Delta Force 3 Land Warriorに可愛いMakoちゃんが出てて、危うく死にかけるなんて、どうやって知ればいいんだ……ゲーム本編では何も語られないんだから。 つまり何が言いたいかというと、中国語RPGの流れに乗って、俺は「ゲームを物語として読む」遊び方を始めた。同時にRPGと「ガンシュー」をだんだん分けて考えるようになった。後者は「爽快感」を追求し、前者は「読む」ことを追求する。 国産RPGにはかつて輝かしい時代があった。今見ても日本産ギャルゲーを軽く凌駕する作品は少なくない。中華の歴史は日本より長いし、誇れるものも多い。大陸の文化的雰囲気がどんどん悪くなっても、華語圏には台湾がある。『軒轅剣』シリーズは中国語RPGの中でも独特な存在だ。いち早く「歴史」と「神話」を融合させ、特に外伝では「感情」も織り交ぜてくる。

『大図書館の羊飼い Library Party』レビュー

まず、PSVをクラックした人たちに感謝する。あまり道徳的じゃないとは思うけど、俺は本当に金がない。PSVのゲームもそれなりに買ってるから、まあ罪悪感は薄れてるはずだ。 次に、このゲームをDumpした人に感謝。この達人が共有してくれなかったら、PSVをクラックしても意味ないだろ。 最後に、車を出してくれた兄貴に感謝:Eric Sitounel。この人の助言がなかったら、誰もこのゲームをDumpしてないとすら思ってたわ…… ずっとやりたかったのがこのゲーム。追加ルートと小澤亜李の新キャラ、一之江金魚が入ってるからだ。急いでダウンロードしてPSVをクラックしてから始めた。大図書館の羊飼いの本編はとっくにやってたし、FDもやってたので、新キャラ一直線だ。 どうだろう、想像よりずっと良かった。簡単に感想を書く。

『生命のスペア I was born for you』レビュー

涙腺崩壊系の話って、みんな「感動した」って言うじゃん。だから泣かせようとすると、自然と誰かが死ぬわけよ。 死に方は千差万別だけど、一番使い勝手がいいのは絶症。絶症に責任転嫁すれば「神様ひどい」で済むからね。 だからギャルゲーにも絶症を設定に使うやつがいるわけで、ちょっと有名なのだと『できない私が、くり返す。』がある。 あのゲームを一言で言うと……クソ。 で、そのスタッフがまた新しく作ったのが、これまた絶症モノの『生命のスペア I was born for you』。 今回のゲームはどうかって?……これまたクソ。 むしろ前作よりひどいまである……

『ハナヒメ*アブソリュート!』レビュー

『ハナヒメ*アブソリュート!』が発表されたのは2014年だったはずで、それから延びに延びて今に至る。 開発会社のMiraなんて誰も知らないだろうけど、このゲームの紹介とOPを見れば、どこかで見たことあるような既視感を覚えるはずだ。どこで見たかって?そう、ティンクル☆くるせいだ……閃光十字軍だ。 同じ絵師、同じシステム、同じ塗り、同じOPアニメ監督、同じOP音楽……要するにこれは閃光十字軍の精神的続編ってわけだ(「精神的続編」って言葉、間違って使ってないよな)。 そう、精神的続編なんだから、閃光十字軍が戦闘システム主体のゲームだったのは知ってるだろ?だから今回の『ハナヒメ*アブソリュート!』も戦闘主体なんだよ。 ストーリー?そんなもん誰が気にするかよ……

『タラレバ ~as in What if stories~』レビュー

SNSでたまに、俺のことを知ってるって言い出す奴がいる。 もちろん俺はそいつのことを知らないし、どうやって俺を知ったのかもわからない。 「あ、李先生、私はあなたのファンです」と最近Telegramで話しかけてきた見知らぬ人が言った。「あなたのブログを読むのが大好きで、特にエロゲーの感想が」 これはちょっと心が躍ったね。というのも、俺のブログを好きだと言ってくるバカはたくさんいるが、揃いも揃って自虐ネタが好きだとか言って、エロゲーの感想を見るとスキップしたとか言い出す。中には俺がエロゲーの感想ばかり書くのは目が汚れるとまで言う。ここは俺のアジトで、書きたいものを書いて何が悪い。あいつらは殿様気取りで俺の好みに合わせて料理を出せと要求してくる、ふざけんなって話だ。 「そうか?」 普段なら俺に絡んでくる人間は無視するんだが、こいつは思ってもみないことを言ったので返信することにした。 「はい!でも最近のエロゲー感想は前より面白くないですね」 実は俺も同感で、最近は適当に筋を復唱して「良い」「悪い」と言って終わり、タイトルすら考えるのが面倒になっていた。 「以前のエロゲー感想はすごく良かった、特に前に書いた感言が」 「感言?」 「そうです、あの退屈なゲームの筋を書く前の、過去の思い出とか、最近お見合いで振られた小芝居とか、最高でした!最近は全然なくて、つまらないゲーム紹介だけが残ってて……」 その後なにを言ったかは知らない、ブロックしたらチャット履歴も見られなくなったようだ…… 誰の時間も貴重で、つまらないバカのために無駄にする価値はない。今どきギャルゲーの序章だけで最低4時間かかる時代に、超高速のギャルゲーがあればそれは一陣の風にもなるだろう……

『千恋*万花』レビュー

学生の頃、「ソフトウェア工学」という授業があった。講師はおばさんで、インドと日本のソフトウェア業界をやたら持ち上げ、授業の合間にだらだらと長々と語り出す。だいたいの内容は想像がつくだろう。「標準」への厳格な準拠だの、「モジュール化」による「高凝集・低結合」だの。中には明らかに誇張で、吹いているとしか思えない話もあった。 「インドのソフトウェア業界はとても発達していて、プロのプログラマーが書くコードは百人が書いてもみんな同じ形。とても標準的で規範的で、コメントまで同じなんです。」 「標準化と規範化が進めば進むほど、様々な要件に対して積み木を組むように素早くソリューションを出せる……」 「標準化が実現した前提では、誰もが部品のように、効率的に素早く回っている……」 どんどん話が神秘的になり、吹牛成分が増していった。というのも、その授業で俺はいつも遅刻して最前列に座らされていて、そのおばさんがやたらと俺に質問してくるもんだから、時々言い返していた。 「そんなのプログラミングしてて退屈すぎません? みんなロボットみたいじゃないですか。」 「これが効率ってやつよ。大企業が素早くソリューションを出すための効率。個性を出したければ自分で独立してやりなさい……」 まあ、この手の話は学生時代にはなんとなく分かった気になっていて、「標準化」と「流れ作業」みたいなものは確かに効率的なんだろうな……と思っていた。でも働き出してから、国内の中堅・中小ソフトウェア会社(インターネット企業ではない)にいくつか触れてみて、俺が当時言い返した言葉もまあまあ筋が通っていたことに気づいた…… そこの連中は本当に退屈で……作るものも退屈で……でも確かに「使える」。 流れ作業でも問題は解決できる。でもいつも情熱と面白みに欠ける気がする。色気がない…… まあ、仕事に色気なんて要らないよな。でもゲームとなるとそうはいかないだろ…… ゆずソフトの去年のゲーム『サノバウィッチ』は悪くないと思った。ただあと一歩足りない……寧々ルートの書き込みが特に薄かったのが問題で、他に大きな不満はなかった。だから今年の新作『千恋*万花』が発表された時、最初の反応はやっぱり失望だった……
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『フローラル・フローラブ』レビュー

Saga Planetsの去年の『花咲ワークスプリング!』(くそ、このカタカナ部分ほんと覚えにくい)については割と好印象だった。「話に大きな欠点はない」「日常会話がめちゃくちゃ面白い」「ヒロインはみんな可愛い」「音楽にも光るものがある」「絵柄も一見の価値あり」で、全方位に短所のないゲームだと思ってた。なのに同社の今年の新作『フローラル・フローラブ』には、最初からどうにも抵抗があった。 なにしろ最初は「お嬢様もの」と聞いて、ちょっと退屈だなと感じた。お嬢様と聞いて思い出すのは音符社のあの感じで、華やかな雰囲気、教養ある女性、主人公は潜入するか、あるいは御曹司として上流社会で贅沢三昧。そういう展開には興味が持てなかった。やがてゲームの正式名が公開され、キャラデザが公開され、設定が公開されて、一気に完全に失望した…… 「あの日、俺は天使を見た」 そしてStoryはまたしてもありきたりすぎる展開。名門校でいろんなお嬢様がいて、とりわけメインヒロインはベタベタ感が半端ない。脚本を確認したらゆずソフト常連の籐太ときた。もうこのゲームは無視しようかとも思った…… その後OP Movieが公開された。正直に言って、OPは『花咲ワークスプリング!』と比べると数桁レベルで差がある。多くの娘を見ても特に何も感じない。濃厚な廃萌の匂い、しかも最もシンプルで乱暴な廃萌だ。 それでもSaga Planetsを諦めたくないなと思い直して、体験版をやってみたら、中にはなかなか材料があった。宗教に関する描写も少なくない。そこでふと気づいた。体験版で大活躍しているのは、あの見るからにベタベタでバカ丸出しのヒロインではなく、異国の王女あ~ちゃん(アーちゃん)だった。他のキャラは、予想通りバカに見える。 「製品版でこの宗教と王女の題材を掘り下げてくれれば、このゲームはまだ救いがあるかもしれない」 そう考えて製品版をプレイした。しかも「王女√を一本だけやって終わり」のつもりで。他のキャラにはまったく興味がないし、その人にも見せ場はなさそうだったから。 ところがどうだ。最終的には止まらなくなり、王女√をやり、他のキャラの√も全部やり、最後には夜更かししてTRUE ENDまで走り切った。 そしてプレイ中のこのゲームへの評価はまるでジェットコースター。低から高へ、高から低へ、そしてまた低から高へ……これほど刺激的な感想を抱かせ、自分で自分の顔を何度も引っぱたきたくなるゲームは初めてだ。ISLANDもそうだったっちゃそうだが、あれは脚本家がわざとテクニックを見せているのであって、このゲームとはタイプが違う。