ゲーム

『運命予報をお知らせします』レビュー

しばらく抜きゲーばかりやってた時期があって、そのあと廃萌キャラゲーを一通りやって、やっぱり自分は「物語重視」の基本路線に戻るべきだなと思って探してみたら、個人的にかなり好きな『紙の上の魔法使い』のシナリオライターの初期作品『運命予報をお知らせします』を見つけた。日本のオタクが中二空間で書いてる評価をざっと見た感じ、大丈夫そうだったので始めてみた。 プレイ時間は十数時間くらいと聞いていたけど、思ったより長く感じた。やってみた感想はけっこう驚きで、こんなに描写が丁寧な作品に久しぶりに触れたからかもしれない。おかげでこのゲームのあとに新作の『フローラル・フローラブ』をちょっと開いたら、文章のレベルの落差が受け入れられなくなった。前者は大学生の読み物、後者は比べるまでもなく中学生の読み物レベル…… まあ、日本語力が上がってきたせいで、かなりアホっぽい書き方にも「ダサいな」と思うようになったってのもある。昔は意味が分かればいいやって感じだったし。

『PriministAr -プライミニスター』レビュー

HookSoftのゲームはかなり早くに触れていた。当時はまだ童貞だった。 覚えているのはHoneyComingというゲーム。学校のFTPで見つけたもので、グリーン版(インストール不要のやつ)だったが、中国語化はされていなかった。 内容は読めなかったけど、これには澄空の中国語翻訳漫画があった!退屈だったからその漫画を読んだ。設定が単純だったおかげで、漫画を読めば、ゲームの台詞も語気と表情、そして散りばめられた漢字で大体意味が分かった。バカな主人公が学校で女の落とし方を教える授業を受けるとか、そういうクソみたいな話だ。 頭に箸を刺したような髪型の女の子が可愛くて好きだった。名前は忘れたが、何とか谷だったような。 とにかく最初はこのゲームを良いと思っていた。主に絵が良くて、女の子が萌えだったから。当時は日本アニメもほとんど見ていなかったけど、このゲームは俺の中の萌えへの憧れを刺激し、萌え豚の遺伝子を目覚めさせた。懐かしい話だ。ちなみに当時は確かに18禁版で、女の子がモザイクを大口で食べるシーンを初めて見たときは、あまりの衝撃に下半身が硬くなってしまい、しばらく擦って落ち着かせたものだ。 しかし時は流れ、あれからもうすぐ10年。当時Hookのゲームに触れた童貞も成長し、今や古株の童貞だ。Time flies だとしみじみ思う。ただ、なぜ感慨にふけっているのに目尻に涙が浮かぶのかは分からない……
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『サツコイ ~悠久なる恋の歌~』レビュー

Alcot って会社はもうダメらしい。まず看板の仁村有志先生が辞めて、家に帰ってソシャゲやってる。だから今年の Alcot は、数枚の新規絵を追加しただけの LoveREC の詐欺 FD と、もっと詐欺な Clover Days Plus しか出してない。HCG を Emote に変えただけのやつで、おかげで中国語版が当日同時リリースできたほどだ。 とはいえ Alcot 本体は終わっても、子会社の Alcotハニカムがある。こっちの方が大胆なものを出すことが多くて、前にも春季限定とか、未来無視とか結構やった。で、今回がだいぶ雰囲気の違う『サツコイ ~悠久なる恋の歌~』ってわけ。 雰囲気が違うと言うのは、Alcot のゲームの多くが日常と笑いを主体にした空気を出していて、悲しいのはほとんどない(もちろん最初の死神のキスとかは悲しいに入るだろ)。だからこそ『サツコイ ~悠久なる恋の歌~』は「捕食者と被捕食者の恋」なんてキャッチを掲げて出てきた。 ここまでの前置きは全部俺のデタラメだ。もう嘘を続けられないから正直に言う。なんで2014年の古いゲームをやったかというと、Youtube で曲を聴いてて OP が面白そうだったから、暇つぶしにやってみただけだ。

『恋する気持ちのかさねかた ~かさねた想いをずっと~』レビュー

去年の11月ごろだったか、音符社こと ensemble が『恋する気持ちのかさねかた』を出した。当時、俺もこのゲームはなかなかいいと思った。話はまあアレだが、とにかくキャラが多い。その中に一人くらいは好みのやつがいるだろ、そいつで一本やるのも悪くない。 で、周知の通り日本のメーカーは搾取の天才で、評判が良ければ即座に続編だの FD だのを出してまた金を巻き上げる。Galgame だろうが素人図鑑7 だろうが、売れると分かればすぐさま売り続ける。この点にかけては日本メーカーの節操は Google よりも低い。なので音符社 ensemble は発売から二ヶ月も経たないうちに『恋する気持ちのかさねかた』の FD を出すと発表した。FD のタイトルもいかにも FD で、『恋する気持ちのかさねかた ~かさねた想いをずっと~』、永遠に重なる想い、みたいな……先月ようやく発売された。 ゲームは大きくない、2G 程度だ。実は最初、FD ってのは前日談だの後日談だの、あるいは伏線を掘るだのがあるもんだと思ってた。多分俺がやってきたのが車輪の国や灰色の果実シリーズだったからだろう。だが実際のところ FD の本質は AfterStory で、過去の話に無理やり息を吹き込むだけのものだ。キャラ売りのゲームにとって FD なんてのはパコパコの飾りにすぎない。俺も覚悟を決めて適当に見るつもりだった。だが、思いの外この FD には予想外のものがあった。

『はるまで、くるる』レビュー

『はるまで、くるる』のシナリオライターに渡辺僚一という人がいて、この大先生の最新作が蒼の彼方のフォーリズムなわけだが、その前は彼と良き相棒の木緒なちが結構な数のエロゲーに関わっていて、中には設定がぶっ飛んだ作品もある。俺はかなり早い段階で資料を漁って、そういう作品の多くに共通点があることに気づいた。 超展開が得意で、ゲームの最後に「実は主人公たちは夢の中にいた」とか「元の世界じゃなかった」とかを明かしてくる。 渡辺僚一と木緒なちが一緒に関わった中で割と有名なのはすきま桜とうその都会だろう。間違いなく、このゲームの最後はまさにその展開だった。企画はこの二人じゃないらしいけど、それを彼らのせいと呼ぶかどうかは微妙なところだ。 で、『はるまで、くるる』もこの二人の大先生が組んだゲームの一つなわけだ。なぜやったかって? またOPに釣られたからだよ! 『はるまで、くるる』ってゲームは……絵柄がまたあの歪んだ顔なんだよ。ただねこねこそふとの面子そのままってわけじゃないから、まだマシなほう。中二空間の評価によればシナリオで勝負するタイプらしく、俺はシナリオを食う側の人間なので、まあ行ってみるかと。 その結果、半年かかったわ……正確にはまずOP前とOP後をちょっと進めて、その後ようやく残りを終わらせた。 何というか……話はすごい。想像力もすごい。でもこのゲーム、こんなに……長くする必要あった?

『Purely x Cation』レビュー

まず最初に言っておくと、職場の同僚も友人もクラスメイトも、俺がこんな廃人みたいに日本のエロゲーにハマってることを基本的に知らない。無理に理解しようとする連中でも、せいぜい俺がアニメを見て日本製 RPG をやってる程度にしか思ってない。というか連中は日本の成人向けゲームについてほとんど知識がなくて、感覚としては『尾行』とか『人工少女』くらいのレベルだ。 もちろん、つい最近になって連中全員が知ってる成人向けゲームの名前が一つある……Purely x Cation だ。 游侠网に感謝、处男 Beta などのサイトの勤勉な転載に感謝。おかげで「日本の成人向けゲームメーカーが業界最先端の Denuvo 暗号化技術を使って海賊版対策する」というニュースが誰でも知るところになった。AKBsoft 社長の三舛啓氏が海賊版を痛烈に恨んでいるのは知ってるが、こんな本末転倒な行為には正直理解が追いつかない。Purely x Cation は宣伝初期に YouTube の紹介を見て俺もなかなかいいと思ったし、特に Emote の効果は本当に的確で、まいてつとかよりよっぽどレベルが高い。でも社長はいつもこんなに慌てて出てきてイキって顔を叩かれるのが好きなようだ。前回の『サラリーマンのヤリ〇〇……おっと違う、恋愛事情』のゲームが発売半日でクラックされて顔を叩かれたのも可哀想だと思ったけど、今回もまた出てきて挑発するとは、もう何と言っていいか分からない。声を潜めて大儲けするのが一番いいってことを知らないのか。 それに俺もこのゲームの正版を買おうかと思ったことはある。Denuvo 暗号化技術はそう簡単にクラックできるものじゃないし、もし本当に出ても遊べなかったら惜しいと思うからだ。でもゲーム公式サイトの特典を見て、俺も酔った。一枚の絵以外ほとんど何もない。社長が金を全部暗号化に使ったんじゃないかと思う。「ゲームを買う=特典を買う」という誰でも知ってる事実の前で、社長がこんなにケチるとは。これで売れるわけがない。遊びたくて仕方ない俺ですら買う気が失せた……クラックが出なければまあいいか、後で考えよう、と。 しかし現実はドラマチックだ。ゲームは発売二日後に流出クラックされ、クラックした奴も得意げに、このゲームはそもそも Denuvo 暗号化なんか使ってない、クラック方法もいわゆるネット認証を迂回するだけだと語った。何しろこれはエロゲーで、誰もが見飽きたあのエンジンを使っているのだから……要するに、社長の顔はまた叩かれた。 社長が今何を考えているかは知らないが、今後のゲーム制作に影響しないことを願うだけだ。特典を増やすのが王道だ。 さて、話を Purely x Cation というゲームに戻そう。実際どうなのか? 言えるのは、確かにゲームの宣伝通りの出来で、初恋の素晴らしさを体験させる恋愛育成ゲームだということだ。

『あけいろ怪奇譚』レビュー

俺はホラー・サスペンス系の作品がかなり好きだ。むしろそういう作品があったからこそ読書にハマったと言ってもいい。なぜかというと、ホラー・サスペンス系は謎が常に引っ張ってくれて、先を読みたいという好奇心と興味を掻き立ててくれるからだ。展開もストーリーの行方も分からない他の作品と比べればはるかにマシで、中学生の頃、近代小説をいくつか読んだだけで、その幻想的で本筋の分からない代物に頭をぶん殴られて呆然としていた俺を完全に救ってくれた。

『夏ノ鎖』レビュー

「世界は広いけど、人はみんな平等だ。女を口説くのはイケメンや金持ちの特権じゃない。何も持ってない負け組だって、女を口説く権利はあるんだよ」 「女を口説くには二つのルートがある。一つは女の好感度を稼いで彼氏の座を勝ち取り、最後に本塁打をかます」 「もう一つは……女狩りのハンターになることだ。もっと簡単に言えば、狩りってやつさ」
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『ノラと皇女と野良猫ハート』レビュー

正直、このゲームは最初やるつもりはなかった。体験版はずいぶん前に出ていたのにずっと手を出さなかったのには、ちゃんと理由がある。 一つ目は、OP がどうにも刺さらなかったこと。OP にやられてゲームを買ってしまうことが何度もある俺にとって、これはゲーム選びにおける弱点だと思う。 二つ目は、設定があまりにもラノベすぎること。冥界の皇女が地上に来て世界を滅ぼすとか、そんな話ラノベで見飽きてるだろ?異世界からヒロインが降ってきて主人公と出会うなんて、いくらでもあるんだよ! 三つ目は画風。正直あまりにも…妖艶すぎる。キャラデザがどうしても好きになれなくて、どの娘も欲求不満の女性レイパーみたいに見える。俺はやっぱり純粋な萌え豚でいたほうがいいのかもしれない。もっと可愛い絵柄のほうが口に合う。 そんな、どう考えてもくだらない理由でずっとこのゲームを無視していたのに、向こうはやたらと動きが多かった。アニメ化を発表したり、広告を打ったり、セールをやったり。裏の会社がよっぽど太いパイプを持ってるんじゃないかと疑ったくらいだ。最終的には Twitter での怒涛の攻めに耐えきれず、体験版だけでも覗いてみるか…と思った。 そしたらもう止まらなくなった… どう言えばいいのか、このゲームは想像していたよりずっとずっとずっとずっと面白かった。むしろ佳作だ。