游行寺夜子

『紙の上の魔法使い』レビュー

この世界には魔法が存在するし、魔法の本だってある。魔法の本っていうのは魔力を帯びた存在で、書かれた物語は悲しかったり嬉しかったり、宙ぶらりんだったり呆気なかったり……別に珍しいことじゃないかもしれないけど、魔法の本と呼ばれてる以上は「魔法」な部分があるわけで。 「魔法の本を開けば、書かれた物語があなたのそばで実際に繰り広げられる。物語が本の結末まで進むと、魔法の力は消える」 すごい話だけど、魔法の本がもたらすのは幸せばかりじゃない。むしろ現実に迷惑をかけることのほうが多い。だから游行寺闇子は使命として、本を集めて魔法図書館で保管している。 闇子は游行寺家に嫁いだ女性で、とある事情から一族に疎まれていた。游行寺家は魔法の本と関わりがあるけど、彼らには恐れているものがある。紙上の魔法使いと呼ばれる魔女で、白髪赤眼が特徴だ。疎まれていた日々の中、游行寺闇子と夫は娘を授かった。でもその瞬間、すべてが変わった。