先に人を救え、世界はその後だ
俺はいろんな物語を読むのが好きで、前にも言ったように、物語から思想や感情を受け取るのが好きなんだ。単純に抽出されたものには興味がない。好きな物語は小説だけに限らなくて、いろんな方面に広がっている。うん、だからAVGゲームもその一種ってわけだ。
最近はずっと小説を読むのとギャルゲーを進めるのを交互に繰り返している状態で、あまりにも多くの物語を見てきた。楽しいものもあれば、感傷的なものもあり、退屈なものもあった。ただ、俺個人としては「哲学的サスペンス」みたいな筋書きが好きで、日本のシナリオには熱を上げている。中国産の脳死ハーレム白湯や、欧米の激しく刺激的な辛口と比べると、日本式のちょっと中二病っぽくてややスローペースな話はなかなかいいと思うんだ。
話がちょっと逸れたな。ギャルゲーはかなりやってきたけど、実のところシナリオが本当に検証に耐えるものや、完全な没入感を与えてくれるものはごく少ない。大半は茶化しや、都合よく言い寄ってくるヒロインをあしらう展開から逃れられない。エンディングやTrue Endで多少の展開があればそれでもう十分すごい方だ。初雪桜みたいにな。以前考えたことがあるんだ。ギャルゲーを作る会社で、単純な脳死ハーレム恋愛から飛び出して、冷静な視点で恋愛の酸っぱい匂いを避けながら、示唆に富む物語を最後まで語りきる勇気のあるところはないものかと。それならきっと最高だと。でも後になって、そんな考えは甘すぎると思うしかなかった。ギャルゲーはやっぱりGirl and Loveのゲームだ。ハーレムも桃色要素もなければ、誰が作るもんか。もちろん、これは『穢翼のユースティア』をプレイする前の話だが……そう言うのは、このゲームが確かに「恋愛の酸っぱい匂いから飛び出して、真面目に一つの物語を描く」という思想を実現していて、しかもなかなか上手くやっているからだ。あらゆる面で真剣で、最後まで一気にプレイして、シナリオには思わず膝を打った。こういう一気呵成に、最初から層をなして段階的に進み、最後まで貫き通す描写は、無限の余韻しか与えてくれない。 以下、重大なネタバレ注意