俺はホラー・サスペンス系の作品がかなり好きだ。むしろそういう作品があったからこそ読書にハマったと言ってもいい。なぜかというと、ホラー・サスペンス系は謎が常に引っ張ってくれて、先を読みたいという好奇心と興味を掻き立ててくれるからだ。展開もストーリーの行方も分からない他の作品と比べればはるかにマシで、中学生の頃、近代小説をいくつか読んだだけで、その幻想的で本筋の分からない代物に頭をぶん殴られて呆然としていた俺を完全に救ってくれた。
東洋系の文化にはちょっと独特な現象がある。それは「転世」という設定を持つことだ。もちろんこれを決めているのは文化ではなく宗教で、「転世」は仏教でよく説かれていて、東洋には仏教を重んじる国も多い。だから自然とこの設定は多くの人に受け入れられるようになった。
「転世」とは何か。言葉の通り、人が死んだ後、その魂が別の人間の体で生まれ変わることだ。前世の記憶がある場合もあれば、ない場合もある。どことなく「魂の保存則」みたいな響きがある。
「転世」は多くの文学作品で恋愛と結びつけられがちだ。前世の恋人が次の輪廻でもまた恋に落ち、数千年を巡り、二人は数百回出会い、あるいは成就し、あるいは一度も本当に寄り添うことなく、無限の輪廻の中で右往左往する。聞き手である我々はただただため息をつくしかない。
なぜため息が出るのか。ひとえに造化の皮肉さを噛みしめるからで、ついでに「これが運命なんだな」とも思ってしまう。