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『徒花異譚』レビュー

ANIPLEX.exe が金をつぎ込んで Visual Novel Game を作るにあたり、《ATRI -My Dear Moments-》以外にも、かなり独特な絵柄の《徒花異譚》を世に送り出している。これは Liar-Soft とのタッグ作で、いかにも古株のやり方だ。マイナーどころの Liar-Soft を引っ張ってくるあたり、エロゲー好きからは「分かってる」と唸らせるものがある。 『徒花異譚』しかも大体想像がつく。ANIPLEX.exe が出したこの2作品は狙っている層が違う。『ATRI -My Dear Moments-』は明らかに「ライトな二次元萌え豚向け」で、『徒花異譚』のほうはなかなか硬派だ。 もちろんこの「ハードコア」も俺の勝手な思い込みでしかなくて、それほど長くもないこのゲームをクリアしたあとに言えるのは、この『徒花異譚』はゲームというより、むしろ本物の「短編ファンタジー小説」だということ。「小説」は人生の大いなる教訓なんて教えてくれない。もたらしてくれるのは、心にじんと響く何かだ。 『徒花異譚』が具体的に何を語っているのか、細かくは書かない。プレイするまでの手間はほとんどの人にとって大したことじゃない。脚本は『蝶を探す者』を書いた海原望だが、「恋愛ゲーム」の枠を外れたぶん、かえって物語は余裕をもって見える。

『ATRI -My Dear Moments-』レビュー

多くの創作で「世界の終わり」というテーマが好んで使われる。理由は自分でもよく分からないけど、たぶん「世界が滅んでもまだ君を愛してる」っていう感じがすごくロマンチックだから? あるいはみんな心のどこかに「廃土もの」への憧れがあるからかもしれない。 果てしなく続く荒野に、男女二人だけが残される。さまざまな廃墟の中をさまよいながら、人類が生き延びる意味を探す。たしかにこういうのはかなりクールに見える。 でも使いすぎるとクールじゃなくなる。