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2017年の2月に発売されたエロゲーで、まともに戦える大作はほとんどなかった。『桜花裁き』という作品を除いては。
正確に言えば『桜花裁き』は純粋な「エロゲー」とは呼べない。これは「奉行推理」ゲームだ。
「推理」を掲げるゲームは数多い。有名どころでは初期の逆転裁判、それから後のダンガンロンパがある。もちろんLump of Sugarも似たような推理ゲームを出しているが、あれはストーリーがギャグ寄りなだけだ。
とはいえ、『ダンガンロンパ』のストーリーだってギャグじゃないか? 『ダンガンロンパ3』のストーリーはもうバカすぎてどうしようもないと噂だ。最後の展開はまるで汲み取り便所に手榴弾を投げ込んだかのようで、辺り一面にクソが飛び散り、プレイヤーは焚海狂蛆のような激怒を味わわされたらしい。だから私は賢明にもプレイしていない。ゲームを買う気すら起きない。『ダンガンロンパ2』ですら、当時の私の評価はあのバカみたいなメインストーリーは気にするな、素直にミニゲームを楽しめばいいというものだった。
だから『桜花裁き』も、最初は『ダンガンロンパ』あたりのギャグゲームのパクリで、推理と言いながら実際はデタラメばかり、最後は無理やり判決を下すだけなんじゃないかと思っていた。
ところが体験版を遊んでみると、意外なほど良かった。少なくとも事件の描写には「推理」の核心のようなものが既に存在している。他のことは知らないが、『ダンガンロンパ』のあのギャグみたいな犯行動機より、『桜花裁き』の方がはるかにマシだ。
物理の先生と和食を食べる約束をしていたのだが、車で店まで行ってみたらその和食屋は閉まっていた……
あの店の美団に載っている電話番号に繋がらなかった時点で気づくべきだった。判断ミスだ。それにしても、店が閉まっているのに美団ではまだクーポンが買えるらしい。美団の連中はホモ活動と自転車に忙しくて店の状況まで手が回らないのか、とツッコミたくなる。
というわけで隣の火鍋屋に入ることにした。
火鍋をだいたい食べ終えたころ、物理の先生が自分の趣味の話を始めた。
昔からギャルゲーが、お姫様みたいなアホな硬派ヅラの連中から疑いの目で見られ、見下されてきた最大の理由はこれだ。こいつはゲームとは言えない。
俺もゲームとは思ってない。せいぜい音声付きの読み物だ。何度も言ってるが、海外の連中が日本のエロゲームについて語るときに使う言葉は全部 Visual Novels だ。日本のオタクが真面目な顔で「今月もエロゲーやってる」と言ってる横で、海外の連中は What are you reading? と言ってる。もちろんギャルゲーってやつは本質的にどんどん小説化していて、作画やストーリー、音楽、エロ要素、はては初回特典だけで金を取る商業製品になってしまった。開発コストもそんなに高くないから、小さな同人サークルがギャルゲー会社から始めることも多い。どことなく中国の若者の起業って感じがする。
だが、昔はそんなもんじゃなかった。
去年、俺はfortissimoシリーズをプレイした。このゲームに対する個人的な評価はかなり複雑だ。
内容的に言えば、fortissimoシリーズのシナリオはめちゃくちゃだ。大体は世界が滅びて、滅ぼした奴は多分お前の親父で、親父が世界を滅ぼすのは世界に絶望したからで、そこでお前が主人公として親父を犯しに行く。外掛の撃ち合いの末に親父を犯しきって新しい世界を築く、みたいな。超展開はなくて、外掛を競って、声の大きさを競って、熱血を集めて、正義が勝つ。しかもこのゲームの大きな特徴は、戦闘に入るか入らないかでまるで別世界ってこと。日常ではみんなでワイワイやってて普通のゲームっぽいのに、戦闘になった途端に殺し合い。完全にチグハグだ……
とはいえ、ゲーム体験としてはfortissimoシリーズは爽快だ。戦闘シーンが多いし、戦ってる時の雰囲気はマジで良い。特に「相手の名前を大声で叫んで外掛を発動して必殺技を放つ」感じが本当に熱血で、燃えて、気持ちいい。だから前作のfortissimoシリーズに関しては、結局は悪くないゲームだと思ってる。だってな……
燃えちまえば細かいことは気にならない。
ことの始まりは偶然だった。YouTubeで海外の人がこのゲームを実況しているのを見かけたんだ。もちろん内容は英語。
ゲーム自体は見えなかったけど、ちょうどOPの部分で、正直ゲームのOPがなかなか聴き応えがあってヤバい。ついでにOPを見ただけでもホラーゲームだってのは分かる。それ以上に、OPの日本語歌詞でこれは日本のギャルゲーを英訳したものだと知って、興味を持ってこのゲームの紹介を探してみたけど、実況動画以外はほぼ何も見当たらない。
好奇心が刺激されて、遊びたくなった。探し回ったけど見つからなくて、Steamしかなかった。
そこでこのゲームのSteamページで購入した。700MBちょっとで、英語と日本語に対応。音声はないけど、Windows / Linux / Macの3プラットフォーム対応なのが嬉しい。ダウンロードを終えて、ゲームの道のりが始まった。
ただ言いたいのは、このゲームの道のりは本当にスリリングだったってこと……