CV

『嫁探しが捗りすぎてヤバい』レビュー

『嫁探しが捗りすぎてヤバい』のタイトル、どう訳したらいいのか全然わからない。中に「ヤバい」が入ってるからだ。とある大学の日本語学科の教授が書いた解説記事によると、やばいをカタカナで書くのは日本の若者のトレンドで、これには相反する意味があるらしい。やばい本来の意味は「まずい」なのに、ヤバいになると badass みたいに正反対の両方の意味を兼ねるようになって、「気持ちよすぎてまずい」って感じになる。実際、このやばいを「すげえ」と訳したほうが合ってると思う。いいことが起きても悪いことが起きても「これすげえわ」って言えるわけだから。 だから『嫁探しが捗りすぎてヤバい』は最初「嫁探しが順調すぎてすげえことになってる」くらいの意味だろうと思ってたんだけど、実際に遊んでみたら考えすぎだった。このやばいはそう簡単に結論づけないほうがいい。

『恋する気持ちのかさねかた』レビュー

ギャルゲーをたくさんやっていると、いつしか法則めいたものが見えてくる。 たとえば多くのギャルゲーの恋愛描写はだいたい同じだ。ヒロインが主人公に好意を抱いても、それは心の内に溜め込まれるだけ。言い出そうとするたびに主人公はとぼけ、ヒロインは奥ゆかしく構え、主人公は相変わらずうろちょろする。そして特定のイベントが訪れて、主人公は自分がヒロインを愛していることに気づき、告白し、デートし、エッチして、END。 この流れはかなり王道だし、別に悪くもない。だが塩味の豆腐脳がうまくても、五仁入り月餅が美味くても、毎年毎月毎日食っていればさすがに飽きる。そこで一部のエロゲーメーカーは、いろんな奇抜な仕掛けを始めた。ヒロインが人間じゃなくて神様だったり、ヒロインが虐殺されたり、設定が未来だったり過去だったり、こうタイムスリップしたり、ああ未来を変えたり。 そんなことを繰り返すうち、Girl and Love Game の略であるギャルゲーという言葉も、だんだん名前負けするようになった。海外勢がいつもこれを Visual Novel と呼ぶのも無理はない。実際、物語そのものが小説と化している作品もある。なのにそういう作品でさえ、パッケージには18禁ゲームのシールが貼られ、ただ集客のために、いかにも場違いな「恋愛要素」を無理やり詰め込み、詰め込みながらエロシーンも入れて、少しでも多くのプレイヤー、少なくともシナリオなんか気にせず抜きたいだけの連中に、売上をちょっとでも貢献してもらおうと願っている。