Clockup
CLOCKUPがまた来た、昏式龍也もまた来た。前回の「狼と羊」のゲームに続いて、両者がまたタッグを組んで新作を出した。
もちろん俺はCLOCKUPのほうが強いと思うけど……昏式龍也?どちらさん?
ゲーム名はDEAD DAYS。最初の宣伝を見たときは、あの有名な漫画とその実写化作品「学園黙示録」をどうしても思い出してしまった。頭の中は「街中ゾンビだらけ、主人公一行がひたすら逃げ回る」映像でいっぱいだった。ところがゲームを開いてクリアしてみると、膝を叩いて叫ぶしかなかった。
「騙された!」
厳密に言えばこれは「ゾンビサバイバルゲーム」なんかじゃない。むしろ「チンピラが更生するゲーム」で、せいぜいちょっとSFっぽい外皮を被せただけの代物だ。
個人的にClockUpのゲームはかなり好きだ。いつも「リアル」だと感じるからだ。
そう、リアルなんだよ。本当の意味での「18禁」であって、「エロシーンを入れたから18禁になりました」みたいなゲームとは違う。
ぶっちゃけ多くの18禁ゲームは、取ってつけたようなHCGを削除すれば対象年齢13歳くらいがちょうどいい。だがClockUpは逆で、HCGを全部消しても18歳未満には勧められない。結局ゲームそのものの内容と、そこで表現される感情が未成年には受け止めきれないんだよ。グロテスクな流血と暴力、そして衝撃的な画面が突きつけてくる人生や人間性への問い。それがウリだ。
ClockUpのゲームはいつもヤバいと褒めてるけど、全部が全部そうじゃない。やっぱり脚本次第で、Lightの主筆が参加した『眠れぬ羊と孤独な狼』『Maggot baits』みたいなのもあれば、浅生詠が手がけた小品ながら深い作品群もある。『夏ノ鎖』や『euphoria』なんかがそうだ。で、今回はその浅生詠が再び筆を執り、ClockUPと組んで送り出した新作が『Erewhon』だ。
Clockup は「とても真面目な」ゲームをよく出す会社だ。もっとも、大半の時間に抱く印象はそうじゃないけど。
Clockup の代表作は euphoria で、これがどんなゲームかは自分で検索すれば分かると思う。それ以来、Clockup というブランドが出すゲームの多くは「隠す気ゼロ」な印象を与えてくる。
ここでいう「隠蔽なし」とは、ゲーム内容における「直接性」や「暴力性」だけを指すわけじゃない。むしろ、そもそも「18禁」ゲームそのものの特色を体現しているってことだ。18禁って何かって言えば、要は成人向けコンテンツでしょ。成人向けコンテンツって何かっていうと、色情だけじゃなくて暴力もあるわけで。だからこの二つの要素が、Clockup の多くのゲームでこれでもかとぶちまけられているってわけだ。
Clockup は数多くの抜きゲーを世に出してきて、「エロ」のイメージを存分に表現してきた。それと同時に、「シナリオゲー」も多数リリースしていて、面白い物語をたくさん語ってもいる。もちろん、そうした物語には「エロ」だけでなく、露骨な「暴力」も含まれている。さらにぶっ飛んでいるのは、Clockup が妙ちくりんな笑える抜きゲーまで出していることだ。作風はこれまでのダークな路線とはまるで違う。しかし、これら毛色の異なるゲームはすべて同じブランドから出ているのであって、他の会社のようにサブブランドを立ち上げて分類するわけではない。なんだかすごくいい加減に見える。これこそ、俺が最初に Clockup はいつも奇妙な印象を残すと言った理由だ。
しかし間違いなく、Clockupは定期的に、時にはかなり含蓄のある良作を出してくる。初期のどこか文芸映画風の『夏ノ鎖』だけではなく、数年前の『Maggot baits』も強く印象に残っている。絶望の極致にある世界で、もう一度希望が生まれる物語を描いていたが、内容はやはり非常にハードコアなエロと暴力に満ちていた。それらは意図的に盛り込んだものではなく、ゲームのテーマをしっかり際立たせている。いわゆる「過激」な要素に妥協する気は一切ないらしく、必要なCGはきっちり出す。少しの美化もない。時々、そこには「暴力美学」とでも言うべき要素すらあるように思える。
このスタイルを思い出させるもう一つのゲームが DOOM だ。暴力に反対してきた連中は多いが、そいつらはみんな死んだ。
そうして『Maggot Baits』を作った当時のスタッフが再びClockupに集結し、またもやややダークな雰囲気の『眠れぬ羊と孤独な狼』を届けてくれたわけで、当然期待も高まるというものだ。
高校の頃は毎日ネット小説を読んでいて、かなりの数を読んだ。大半は実のところ……まあまあってところで、ネット向けに書きすぎなものもあったけど、一応は物語として成立していて個性もはっきりしていた。爽快感重視のものに文学性を求めるほど野暮じゃないし、逆に真面目に書かれたものを爽文として読んだりもしないけどね……
あー、でもガチで書かれてるネット小説ってほんと少ないんだよな。ほとんどがネットスラング全開で、しかもセルフツッコミ付き。文学作品の中で自分で自分にツッコミ入れるのは別に悪くない、むしろ面白さが増すこともある。ただ、ツッコミが度を越すとちょっとよくないな。
前に読んだネット小説が二つあって、一つは『三国厚黒伝』、もう一つは『我是这样泡到校花的』。後者は実は悪くない。個人的にはそこそこおすすめで、学園ラブコメとしてはなかなかの内容だ。ただ前者は……首を振るしかないw もちろんこの二つを挙げたのは共通点があるからで、どちらも自前のツッコミを好んで挟んでくるのだ。
「世界は広いけど、人はみんな平等だ。女を口説くのはイケメンや金持ちの特権じゃない。何も持ってない負け組だって、女を口説く権利はあるんだよ」
「女を口説くには二つのルートがある。一つは女の好感度を稼いで彼氏の座を勝ち取り、最後に本塁打をかます」
「もう一つは……女狩りのハンターになることだ。もっと簡単に言えば、狩りってやつさ」
Maggot baitsの制作会社はClockup。知ってる人なら、あるいはうっかり手を出した人なら分かるだろうけど、この会社はいくつか重口ゲーを出してる……
だからMaggot baitsというタイトルからして、名前の通り、ある程度は察しがつくはずだ。
Maggot:蛆虫 baits:餌
組み合わせれば蛆虫への誘餌。
ゲームの筋書きと照らし合わせると、まさにその通り。触手がいて、巨大な虫がいて、そして虫に喰われ、貪られる……魔女と呼ばれる者、狩人と呼ばれる人間たち。