Clover

『クローバー図書館の住人たち/クローバー図書館の住人たち II』レビュー

小さい頃、誰もが童話を読んでいた。 面白いのは、童話では主人公がたいてい女の子だということ。内容も、弱い女の子と彼女を守る王子様の物語が多い。 男の子は読んだあと、王子様になって自分のお姫様を守りたいと思う。 女の子は読んだあと、お姫様になって自分を守ってくれる王子様を探したいと思う。 記憶に残っている童話を思い出してみたが、意外なことに性別による偏りはほとんどなかった。つまり、男の子も女の子も同じ物語を読み、異世界への探求をし、何世代にもわたり語り継がれる王子と姫の物語に触れていたのだ。 だが時は流れ、男の子も女の子も大人になった。かつて聴いた童話は嘘だと、暗黙のうちに受け入れているのかもしれない。ほとんどの男は守るべき姫など信じていなし、ほとんどの女も王子が助けに来る夢を見なくなった。 過去に読んだ童話を振り返ると、思わず苦笑してしまう。懐かしさなのか、それともかつてこんなものを信じていた自分がおかしいと思っているのか。 それでも童話は止まらない。王子と姫の物語を語り続け、聴きたいと思う人のために残っている。