RPG
俺のプレイ傾向を見れば分かる人もいるかもしれないが、俺は「剣と魔法」が好きで、「メカとハイテク」はそこまで好きじゃない。
だから Baldr Heart も、その前のシリーズ作も、正直そこまで興味があったわけじゃない。
ところが、そのうち警察に捕まりそうな変態が毎日このゲームを吹聴していて、人に会うたびに舌を出しながら布教してくる。しかも俺はそいつに二回もハメられたことがある。だからこの布教には乗るつもりはなかった。
でも俺はつい口が軽くて、「Baldr Heart が黙示で翻訳されたらやるよ」なんて言ってしまった。
で、案の定というか、死ななきゃ治らないというか、すぐにこれを見せられて……しかも顔の前に突き出された。
俺が有言実行の人間だってことはみんな知ってるだろ。だからやるしかなかった。
俺は「ガンシュー」系のゲームはあんまり好きじゃない。すぐ飽きるのが分かるからだ。ぶっ放し系はいつも同じパターンばかりで、CSが流行った頃も長くは遊ばなかった。
楽しく遊べたのは、やっぱり中国語のRPGだな。最初に触れたのはみんなと同じく『仙剣』シリーズ。RPGをやる前はストーリーなんて全然読んでなかった。ぶっ放し系のゲームも当時は翻訳なんてなかったけど、GPSみたいなナビがあって、マップを開いてルート通りに進んで、見かけた奴を片っ端から殺せばよかった。でもRPGはストーリーを見なきゃダメだ。物語だからな。攻略だって、俺みたいに遊んだゲームの話をいちいち復唱するような暇人はいない。
だから『仙剣』シリーズから、最初は余杭県で誰かに会うたびにエンターキー連打で会話を飛ばしていたのが、蘇州城に着く頃には真面目に話を読むようになって、だんだん物語に溶け込んでいった。「ゲームの筋書き」の魅力を味わったわけだ。もちろん当時の「ガンシュー」に筋書きがなかったわけじゃない。ただ当時のゲームは筋書きの表現が少なかったんだよ。Delta Force 3 Land Warriorに可愛いMakoちゃんが出てて、危うく死にかけるなんて、どうやって知ればいいんだ……ゲーム本編では何も語られないんだから。
つまり何が言いたいかというと、中国語RPGの流れに乗って、俺は「ゲームを物語として読む」遊び方を始めた。同時にRPGと「ガンシュー」をだんだん分けて考えるようになった。後者は「爽快感」を追求し、前者は「読む」ことを追求する。
国産RPGにはかつて輝かしい時代があった。今見ても日本産ギャルゲーを軽く凌駕する作品は少なくない。中華の歴史は日本より長いし、誇れるものも多い。大陸の文化的雰囲気がどんどん悪くなっても、華語圏には台湾がある。『軒轅剣』シリーズは中国語RPGの中でも独特な存在だ。いち早く「歴史」と「神話」を融合させ、特に外伝では「感情」も織り交ぜてくる。
毎月、大々的にプッシュされるギャルゲーが一作はある。かつての『ノラと皇女と野良猫ハート』、先月の『ワガママハイスペック』なんかがまさに「金で売上を積み上げる」タイプのゲームだ。ただ、野良猫は素の出来が良かったし、ワガママは海陸空全方位の宣伝のおかげで先月は ISLAND や Chaos;Child を抑えて売上トップになった。ギャルゲー市場ってのは、推そうと思えばちゃんとそれなりの売上には届くらしい。
今月最も推されているゲームといえば『聖鍵遣いの命題』だろう。電撃姫でしばらくするとこのゲームのニュースや動きを目にする。だが妙なことに、体験版が公開されてから日本人の好評価はほとんど見かけない……。興味本位で設定を眺めてみたら、どうにも RPG っぽい。とはいえ地雷の気配はそれほどしないし、OP もかなりアツくて、しかも真のアニメーション付き。制作側がかなり気合を入れて金をかけているのは明らかだ。
本来なら、気合を入れて作られたゲームは、よほどの大事故的展開がない限り、そこまで酷評されることはない。だから俺はこのゲームの質を信じることにして、プレイしに行った。