SONORA
Sonoraというブランドは最初、どちらかといえば「今どきの若者」に寄せたノリを作ろうとしていた気がする。1作目が「ソシャゲ課金」ネタ、2作目が「二次元アイドル」ネタ。どれも今どきの若者が大好きで流行っている題材だ。ギャルゲーメーカーが新ブランドを立ち上げて新規ユーザーを取り込みたいなら、そういう動きは至って普通だ。
ところが3作目で様子がおかしくなり、「エロゲーショップを開く」みたいな妙にコアな話題を出してきた。そして今回の4作目で完全に解き放たれた。エロゲープレイヤーにはお馴染みで、若者は全く興味を持たないあの領域、「エロゲー開発」へと踏み込んだのだ。
『ウチはもう、延期できない。』
タイトルは、今のエロゲー開発会社の現状の一部をそのまま表している。コロナで人手不足、金も足りない、斜陽産業に追い打ち、開発はたびたび延期、発売日は飛びまくる。もはや業界の日常だ。
このゲームのテーマは発売前から想像できた。Sonoraの前作エロゲーショップゲーのノリからして、エロゲー制作会社の日常をギャーギャー笑い飛ばしつつ、前作のエロゲーショップや一部アイドルキャラをカメオ出演させる。仕事が忙しい描写も少しはあるけど、すぐに危機を脱して最後はハッピーエンド……。
で、このゲーム……本当に想像通りだった。
Sonoraという会社は、あの有名な金儲け企業CUFFSの系列だ。前にも書いたけど……CUFFSのゲームはブランドをいくつも分けていても基本は同じノリで、でもSonoraという別ブランドで出しているのはちょっと違うところがある……
Sonoraのゲームにはひとつの世界観が作られている。
つまり何かというと、Sonoraから出た3本のゲームが同じ世界観の物語になっていて、別のゲームのキャラ同士が相互に顔を出すのが見られるわけだ。なんか妙に馴染みがある感じがする。
この手口、やっぱりちょっと効くんだよな。前の作品をやったあと、次の作品で前作のヒロインが顔を出して参加してくれたりすると、妙に親近感が湧いて、「開発陣はプレイヤーのことをちゃんと考えてくれてるんだな」みたいな錯覚を起こさせる。もちろんもっと大事なのは、ゲームの背景画像を描き直さなくていい、使い回せる、また金が浮く!
というわけで今回話すのはSonoraの新作、『響野さん家はエロゲ屋さん!』だ。
日本のエロゲーメーカーにCUFFSというのがある。その下には子ブランドがたくさんあって、SphereだのCUBEだのminiCUBEだのSONORAだの、あと関係なさそうで実は関係ありそうなHULOTTEだのがある。CUFFS系のゲームはしばらく遊んでなかった。CUFFS系のゲームは基本的に大同小異で、同じエンジン、同じフォント、同じ選択肢ナビ、同じDuca曲全部載せ、同じ宣伝パターン、同じ塗り画風、それから……唯一あまり同じじゃないのが絵師だ。
だからCUFFSのゲームは飽きやすい。同じものが多すぎるからだ。時々ちょっと良さげな「物語設定」を出してくることもあるけど、最終的な展開はいつも期待を裏切る。ああ、裏切ると言うと語弊があるな。ただ面白くないだけだ。CUFFSが新作を出すと、キャラ設定を見ただけで大体どういう展開になるか分かる。クリアしてみると、展開は予想通りで驚きは一切ない。むしろある意味予想より精彩がない……
その結果が失望……虚無……そしてなんでこんなゲームに時間を無駄にしたんだと自分を責める。