Grado SR225e の正直な感想
自分の人生で初めて「音楽に心を動かされた」と感じたのは、たぶん大学4年生の時だった。
当時使っていたイヤホンはオーディオテクニカのCKM55で、聴いていたのは阿蘭(Alan)の曲だった。リズム感のあるドラムと、甘くて少し切ない阿蘭の声が合わさって、なぜか胸が締め付けられるような感覚になった。その時思ったのは、この歌い手の声はどうしてこんなに澄んでいるんだろう、どうしてこんなに甘いんだろう、声そのものに感情が宿っているみたいで、自分は彼女に感染されてしまった、ということだ。
その後、長く付き合ってきたCKM55のケーブルが断線し、しかもこの製品はすでに生産終了していた。それからはいろいろなイヤホンを使ってきたが、低音とボーカルが分離していて、しかも高音の澄んだ感じを両立させたイヤホンにはなかなか出会えなかった。もっと肝心なのは、あの「情熱」に満ちた感じが二度と戻ってこなかったことだ。いくら低音が豊かで、中音が甘く、高音が透き通っていても、どこか情熱が一分足りない。
オカルトは苦手なので、いわゆる「情熱感」が周波数特性に現れるものなのかはわからない。どういう調音をすればこの情熱が出せるのかも知らない。だが幸運なことに、Grado SR225というヘッドホンが自分の願いを叶えてくれた。