TrymenT

『TrymenT ~今を変えたいと願うあなたへ~』レビュー

日本人について少しでも知っているやつなら分かるはずだが、日本人は物語を語るとき「やたらと感傷的」だ。 この「センチメンタル気取り」は骨の髄まで染みついていて、たぶんスケールが小さくて視野も狭く、くだらないことでいちいち感傷に浸るレベルってことだ。実はこの手の特色には日本語にもピッタリな言葉があって、「もののあわれ」がそれ。中国語では「物哀」と書く。簡単に言えば、何を見てもわけもなく物悲しくなるってことだ。 文芸系の小僧っ子にはこれでもいいかもしれないが、ずっとこの一本調子じゃ、さすがに手詰まりって感じがする。 「物哀」の表れは、よくある筋書きの中だけにとどまらない。むしろ日本人の語りの作法そのものに染みついている。すぐに感傷的になり、憂いを帯び、話が百回も曲折して、百回りも遠回りしたあげく、元の地点にすら戻らない。読んでいるこちらは焦れてくるし、しかもその「遠回り」の果てに待っているのがこれといった特徴もない結末だと、かえって腹が立ってくる。 そう、また私は逆ギレした。王さん、私のイタリア炮を持ってきてくれ、砲撃を開始する。