ギャルゲー

『レイルロアの略奪者』レビュー

西暦2050年、疫病、戦争、資源の枯渇、そして激しい内紛によって、人類は絶滅の危機に瀕していた。 悲劇を避けるため、人類は三人の代表を選び「三賢人」を結成。さらに千人以上の優良人種を選別し、巨大な生物コンピュータを構築。「三賢人」を中心に人類の遺伝子改造計画を開始した。ああそうだ、「三賢人」という名前で確かに三人いるが、これはあくまで組織名にすぎない。 改造された「新人類」は多くのウイルスや細菌への免疫を持ち、体質も大幅に強化されたが、同時に「副作用」もあった……多くの新人類が「超能力」を獲得したのだ。 そして「新人類」を改良した「三賢者」も自らの遺伝子を改造し、不老不死の命と強力な体術・力を手に入れたが、彼らは「隠棲」を選び、地下の秘密基地に隠れて「新人類」の生活を静かに観察していた。世界はそのまま70年近く続いた。

『さくらいろ、舞うころに』レビュー

大学時代に学生会に所属していたこと、ほとんど忘れてたわ。ただ俺の学生会ライフはとにかく退屈で、退屈すぎて記憶にすら残ってない。 俺が入った学生会の組織は「オフィス」って呼ばれてて、正直何をするところなのか今でもよく分かってない。今思えば「校オフィス」とか「学部オフィス」みたいなもんで、書類の收发とか広報とかを担当してたんだろう。考えてみればあの頃から俺は他人に文章を書かされてたわけか、実に長い歴史だな。 「オフィス」で俺は大したことはしてなかったと思う。通知やら通告を探してきて、通知やら通告を書いたくらいだ。残りの時間の大半は学生会室に隠れてゲームしたりスマホいじったりPC触ったりしてた。そういえば学生会に入ったのは会長の指名だった。会長は女で、そこそこ美人で人当たりも良かった。なぜ俺を指名したのかは分からないし、入ってから何をすればいいのかも分からなかった。実際、入ってから他の学生会員が何をしてるのかも見たことない。俺の印象では「学生会」は完全に形だけの機関で、実権もなければ資金源もなく、ポスターを印刷する以外に何も産み出せない場所だった。 あ、そうだ。学生会がパーティーを企画したこともあったな。会長が「すごく情緒のあるパーティーをやりたい」と言ってたのを覚えてる。会長はフォークソングとロックが大好きで、俺には随分方向性が違うように思えたけど、会長の印象はすごく文学少女っぽかった。会長は「伝統的なパーティーより、キャンプファイヤー交流会のほうが親しみやすいし学生にウケる」とも言ってた。 もちろん会長のアイデアは最後には全部却下されて、最終的なパーティーは学校に丸ごと仕切られて、会長が一番嫌いな形になった。会長の顔には不機嫌が書いてあった。いわゆる「学生会が主導したパーティー」は学生会の名前こそ残ってたけど、もう学生会とは無関係だった。 「仕方ないよ。世の中には、そういうこともあるんだよ」

『恋嵐スピリッチュ』レビュー

Parasol というブランド、母体がどこだったかは覚えていない。ただ、ずっと「半死不活」だなとは思っている。 いわゆる「半死不活」というのは、時代に合わない、どう見ても売れなさそうなゲームを平気で作るくせに、それでも潰れないというのが一番ヤバいところだ。 とはいえ Parasol もたまにはまともなゲームを出す。ただ、そういう時の脚本は脳みそがおかしいんじゃないかと思うことが多い。一番有名なのが『晴菜花』だ。それでも Parasol には「いいゲームを作りたい」という心があるとは思うし、二年前の『桜ひとひら恋もよう』は正直そこそこ質が良かった。しかも「ネット依存更生施設」みたいな概念を先取りしていて先進的だった。残念ながらこのゲームは多くの日本人には理解されなかった。「人を軟禁して校長に無限に服従させる学校が実在するなんて嘘っぽすぎる」とみんな言う。ただ、このゲームには公式簡体字中国語版も出ているらしく、中国のユーザーのほうが分かってくれるのかもしれない。もちろん、中国のユーザーが遊んだ後の感想までは調べていないけど。 『桜ひとひら恋もよう』のようなゲームを作れるのだから、Parasol にも腕があるのは間違いない。なら勢いに乗って、もっと上のものを作り、自己変革を遂げ、人生の価値を完成させるだろう。そう待っていたら、2019 年に Parasol が出してきたのが『恋嵐スピリッチュ』である。パッと見はなかなか凄そうだった。設定を見て、即噴いた。
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『あにまる☆ぱにっく』レビュー

『あにまる☆ぱにっく』は奇妙なゲームだ…… まず設定が奇妙。Lump Of Sugar の子ブランドである QUINCE SOFT の作品で、このブランドは以前『もののあはれは彩の頃。』を褒めたことがある。ずっと Lump Of Sugar の実験場的な存在で、奇妙な設定の新機軸ゲームを出してくるんだろうと思っていたら、一年ちょっとで見事に裏切られた。 『あにまる☆ぱにっく』はどう見ても普通すぎる萌え豚ゲーで、脚本陣を見てもサプライズの可能性は皆無だ。 そしてもっと奇妙なことに、なぜか自分もこのゲームをプレイしてしまい、中身は想像以上に奇妙だった。

『喫茶ステラと死神の蝶』レビュー

これまでずっと柚子の大コケを期待してたんだけど、困ったことに柚子のゲームはどれも安定していて、なかなかコケない。制作工程がほとんど流れ作業だからだ。 ゲームのテーマ設定を一つ決める テーマに沿ってキャラデザを固める シナリオライターに話を分担させ、各エピソードを書かせてつなぎ合わせる 宣伝を開始、毎日カウントダウンアニメを公開 キャラソンを公開、さらに宣伝 キャラソンの曲をRemixしてゲーム内のOSTに流用 ゲーム発売 しかも柚子のゲームは絵師がほぼ固定なので画風は保証付き、声優も実力のある人ばかり。遊んだ後に「地雷」だと感じることはまずない。せいぜい「シナリオが普通」「話がテンプレすぎ」「設定がちょっと幼稚」と思う程度で、飛び抜けてはいないが、決して悪くはない。 こうした品質が「不合理な鋼の柚信者」を大量に生んできた。以前SNSでRiddle Jokerのシナリオが知恵遅れだと書いたら、Telegramまで追いかけられて「ぷんぷん」と言わんばかりに絡まれたことをなんとなく覚えている。柚子のゲームの魔力がどれほどか分かる。ただ柚子のゲームの特性上、ファンの年齢層は低めで、未成年も少なくない。Twitterで未成年がYuzu liveに行こうとして断られ、メンタルをやられた投稿を見たこともある。だから僕は「ゆずソフト」に対して愛憎半ばなんだ。 好きな理由は、確かにギャルゲーの基準の一つだし、いつも好きな声優を起用してくれるから、 嫌いな理由は、ずっと流れ作業で萌え豚の餌を生産していて、革新がないから。 柚子に革新がない影響は柚子自身にとどまらない。新作を出せば年度販売数1位というカルト企業が、流れ作業のままで楽に稼げるなら、他社も真似するに決まっている。全ギャルゲー会社が柚子みたいになったら、業界は本当に終わる。 でも今年の柚子はどうやら本当に何かが違う…… しかも大コケした……

『どっちのiが好きですか』レビュー

「死オタ恋愛マニュアル」みたいな記事を書こうとして放り出したことがある。実は構想はあって、目処も立っていたんだが、ずっと筆を取らずにいた。書くとあまりに複雑になるからだ。本物の恋愛はエロゲーとは違う。相手は画面の向こうの設定された二元キャラじゃなく、生身の人間なんだから。本物の人間にはいろんな性格や特性がある。つまり君が向き合う本物の「女の子」は、何十本ものエロゲーのヒロインたちの集合体みたいな属性を持っているかもしれない。現実で出くわす「イベント」は、別々のヒロインの別々のルートに散らばっていて、使いこなして融通を利かせないと対応できないのかもしれない。 とはいえ、大半のオタクにとって問題はそこじゃない。本人のコミュ力の問題だ。 何人かの「オタク」と接したことがあるが、彼らはいつも相手が見つからない、女の子が話してくれないと愚痴る。でも実際は……女の子どころか、男だってあまり話したくない。彼らは口を開けば自分ワールド全開で、外界との交流を拒み、自分を身体の中に閉じ込めておいて、他人が自分の内面を分かってくれないと文句を言う。 コミュニケーションは双方向だ。相手に自分を知られることを許さず、それでいて相手を解剖して見せろ、選ばせろというのは、特殊な趣味のエロゲーの世界でしか起きない話だ。 もちろんエロゲーと一口に言っても、こういう「ファンタジー作品」ばかりじゃない。かなり現実に寄り添ったものもある。たとえば HOOK や SMEE の作品だ。 かつて SMEE のゲームは「オタク脱却」を後押しすることに力を入れていた。HOOKSOFT のゲームはどれも伝統的な「学園幻想恋愛」で、なぜ「幻想」かといえば、HOOK の作品には設定上いつも奇抜なアイデアがあるからだ。ロボットとか、仮想現実とか。しかも HOOK のゲームには必ず「学園内チャットシステム」があって、主人公たちの行動をリアルタイムでツッコんでくれる。 ところがここ数年、そういうものが全部なくなった。HOOK の特色はほぼ消え失せて、今では HOOK のゲームを見ても SMEE と区別がつかない。 だから今回の HOOK の新作は、完全に SMEE の味がする作品だ。『どっちのiが好きですか?』

『白刃きらめく恋しらべ』レビュー

『絆きらめく恋いろは』は、俺がかなり独創的でそこそこヤバいと思っているゲームだ。魅力は多い: 十分に優れたBGM 引き込まれる戦闘 ヒロインの成長を丁寧に描いた、共感しやすい物語 悪くない画風 しかもこのゲームは日本だけでなく中国でも人気で、どこでも「つばきは俺の嫁」と叫ぶ声が聞こえてくる。この会社はさらに勢いに乗ってつばき専用のファンディスクまで出し、製品の熱を保ちつつ、もう一波乱ぶんどったわけだ。 気づけば2019年の暮れ、このゲームに続編の噂が流れ始めた。続編のタイトルは『白刃きらめく恋しらべ』。正直、俺はこの続編をかなり安心していた。これまでのシナリオのスタイルはもう安定しているし、CRYSTALiAの親会社であるAMUSE CRAFTも金に困っているようには見えない。きっと良い続編になるに違いないと…… だが引っかかったのは、このゲームの発売直後、『絆きらめく恋いろは』の企画とプロデューサーを務めた智斗紅がTwitterで妙なことを言い出したことだ: 夏の時点で退職したと述べ、新作のツイートはほとんどリツイートしておらず、回しているのは旧作の情報ばかり。さらに新作では名前を貸しただけで、実際は何もやっていないと明かしている。 これ、どういう感覚なんだ? 普通、ゲームのプロデューサーがこういう反応をするのはどんな時だ? ゲームの出来が悪くて自分でもクソだと思っていて、叩かれるのが怖くて慌てて責任を逃れようとする時しかないだろ!

『きまぐれテンプテーション』レビュー

『きまぐれテンプテーション』はホラー系で知られるSilkyplus wasabiの新作だ。これまでの作品はどれも陰惨でグロくてオカルト色が強いものが多かったのに、今回は意外にも萌え抜きっぽく見える。最大の理由はメイン絵師がきみしま青に変わったからだろう。 しかもこの作品、エロゲーとしては値段がやたら安い。遊んだ萌え豚たちが「地雷」と叫んでいる。俺が前に言った通り、「萌え豚が地雷と言うゲームは絶対に面白い」。だから俺も見ることにした。終わってみると気分は複雑で、「特別に凄い」わけじゃない。むしろ「意味不明」という印象のほうが強い。というわけでこのゲームを解剖して、思うところを書いてみる。

『同じクラスのアイドルさん』レビュー

日本のエロゲーメーカーにCUFFSというのがある。その下には子ブランドがたくさんあって、SphereだのCUBEだのminiCUBEだのSONORAだの、あと関係なさそうで実は関係ありそうなHULOTTEだのがある。CUFFS系のゲームはしばらく遊んでなかった。CUFFS系のゲームは基本的に大同小異で、同じエンジン、同じフォント、同じ選択肢ナビ、同じDuca曲全部載せ、同じ宣伝パターン、同じ塗り画風、それから……唯一あまり同じじゃないのが絵師だ。 だからCUFFSのゲームは飽きやすい。同じものが多すぎるからだ。時々ちょっと良さげな「物語設定」を出してくることもあるけど、最終的な展開はいつも期待を裏切る。ああ、裏切ると言うと語弊があるな。ただ面白くないだけだ。CUFFSが新作を出すと、キャラ設定を見ただけで大体どういう展開になるか分かる。クリアしてみると、展開は予想通りで驚きは一切ない。むしろある意味予想より精彩がない…… その結果が失望……虚無……そしてなんでこんなゲームに時間を無駄にしたんだと自分を責める。
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『セックスオープンワールドへようこそ!』レビュー

一、 俺は20歳の童貞、セックスライフというものがない種類の童貞だ。 友達にクリスマスパーティーに誘われて、そこで可愛い女の子をいろいろ紹介してやると胸を叩いて約束された。 しかし偉大なる童貞である俺が、そんな場を乗り切れるわけがない。 だから俺は果断な決断を下した! 逃げた……またしても。